【答え】

1 ちから

【解説】

租は民の労力によるとされ、その和名は「ちから」とされました。そのため、古代律令の時代に朝廷で国庫出納を監督する役所は、「主税寮」と書いて「ちからりょう」と呼び、「ちから」には「主税」の字を当てました。これは現在の主税局の由来となっています。
 ちなみに、武士は実名(諱)の他に通称を持っていました。忠臣蔵で有名な大石主税(実名は良金)も通称ですが、これは主税寮長官である主税頭(ちからのかみ)などの役職名が由来でした。戦国時代以降、朝廷の役職名を通称に用いる武士が増えます(大石主税・遠山左衛門尉など)。こうした名乗りは、本来は朝廷の許しがないと出来ないはずでしたが、戦国の騒乱で朝廷の権威が弱まったことで増えていきました。
 しかし、朝廷の役職名の通称での使用は、明治3年11月19日の布達で禁止されました。
 また、明治5年5月7日には個人名は通称・実名の二つを用いるのでなく、どちらかに一本化する様にとの法令が出されました。
 なお、他の選択肢の「かぞえ」は計算を意味し、「主計」の字を当て、主計局の由来となります。「おふす」は課税を意味しました。

(2023年10月 研究調査員 大庭 裕介)