【答え】

2 たばこ特別税

【解説】

日本国有鉄道は、かつて日本各地の鉄道路線を運営していた公社でしたが、車社会の到来や不採算路線の増加によって大きな赤字を抱えていました。結果として昭和62(1987)年に国鉄は分割民営化され、現在のJR各社に路線が継承されています。
 この国鉄が残した37.1兆円という莫大な債務はJR各社と国鉄清算事業団、新幹線保有機構に継承されましたが、国鉄清算事業団は平成10(1998)年に解散しました。これにより24兆98億円の債務が国に継承され、国が返済することになりました。この返済に充てるための財源として同年にたばこ特別税が創設されました。
 国鉄が残した債務残高は、令和3(2021)年度末時点でまだ15兆5678億円残っているようです。
 たばこは長い専売の時代を経て、現在はたばこ税やたばこ特別税などの税金が課せられています。
 また、国鉄の分割民営化の際、国税庁では旧国鉄の職員を受け入れ、受け入れに当たっては500名を超す旧国鉄職員に対して税務大学校や日本国有鉄道の鉄道学園などで研修を行いました。
 昭和末期の大きな出来事であった国鉄分割民営化は、税の世界にも少なからぬ影響を与えました。

(2023年8月 研究調査員 菅沼 明弘)