瀧田 信宏
税務大学校
研究部教授
我が国では、所得税をはじめとする主要な税目において申告納税制度を採用しており、この制度は、納税者自らが税法を正しく理解し、その税法に従って正しい申告と納税をするという極めて民主的な制度である。申告納税制度の下にあっては、納税者が行う申告により第一次的に納税義務が確定し、納税者による申告がない場合又はその申告が正しくない場合には、税務署長がこれを是正する更正又は決定により第二次的に納税義務が確定することとされており、この申告納税制度が適正に機能するための納税環境の整備として青色申告制度等の各種制度が設けられ、適切な税務調査の実施と的確な資料情報の収集及び提供によって、納税者による申告納税の適正性が確保されることを予定している。
そして、申告納税制度の下、納税者が自らその課税標準となる所得と税額を計算し、正しい申告と納税を行うためには、記帳や帳簿書類の保存が必要であり、このことは、課税庁が税務調査により申告内容の確認を行うためにも必要不可欠であることから、納税者には記帳や帳簿書類の保存義務が課されている。
しかし、記帳能力が乏しいことや繁忙であることなどの理由により記帳や帳簿書類の保存義務を適切に履行していない納税者が見受けられ、義務の不履行に罰則規定がないこともあってか、一部には故意に義務を履行していないと思われる不誠実な納税者も存在し、このことは、適正に義務を履行している納税者との間の不公平感を生み、ひいては記帳や帳簿書類の保存義務の実効性について疑問を生じさせている。
また、税務調査は所得税又は法人税と消費税の同時調査が基本であり、同一の帳簿書類を検査するのであるが、帳簿書類の保存のない原価又は費用(課税仕入れ)について所得税や法人税は必要経費や損金に算入することができる余地があるのに対し消費税の仕入税額控除は認められないという大きな違いがあり、この違いがどのような理由によるものなのか、所得課税と消費課税の違いという理由のみで整理されることなのか、必ずしも明確ではない。
令和3年度税制改正大綱(令和3年12月10日政府与党)に記帳義務の適正な履行を担保するためのデジタル社会にふさわしい諸制度の在り方やその工程等について早期に検討、結論を得ることが明記されたところ、このことは所得税及び法人税に共通する事項であり、いずれにも同様の論点が存在するが、法人は、@会社法等においても帳簿書類の保存義務が課されていること、A社会的責任から高度な税務コンプライアンスが求められていること、B青色申告の普及割合が高水準で推移していることに鑑み、本稿においては、法人税における帳簿書類の保存制度の問題点及び帳簿書類の保存義務の実効性を担保するための措置の在り方について考察し、令和5年10月に予定されている消費税の適格請求書等保存方式や納税環境の変化等にも考察を加えた上で、申告納税制度の下において適正公平な課税の実現を図るために法人税における記帳や帳簿書類の保存制度が今後どのように在るべきかを中心に研究・提言を行うものである(本稿では、帳簿の備付け、取引の記録及び帳簿書類の保存を義務付ける制度を「帳簿書類保存制度」といい、同制度に基づく義務を「帳簿書類保存義務」という。)。
(1)申告納税制度における帳簿書類保存義務
申告納税制度の下では、納税者自らが知り尽くしている真実の所得を適格な記録に基づいて算出した上で申告することが求められており、適格な記録に基づく正しい申告が納税者の役割であり具体的な責務であるといえる。そして、課税庁は納税者の申告が正しいかどうかをチェックする役割(機能)を有していると解するのが、申告納税制度の正しい理解と考えられる。
申告納税制度の定着と課税要件事実の的確な把握のためには、記帳や帳簿書類の保存をはじめとする納税環境の整備と改善が必要不可欠であり、申告納税制度導入時には帳簿書類を基礎とした正確な申告を奨励する意味で青色申告制度が設けられた。その後、昭和59年の税制改正により青色申告者以外にも一定の記帳等制度が導入されたが、記帳等義務違反に対する罰則規定は設けられていない(本稿では、昭和59年の税制改正により導入された記帳等制度を「一般的記帳制度」といい、同制度に基づく義務を「一般的記帳義務」という。)。
(2)適正公平な課税を実現するための環境
イ 課税庁における課題
申告納税制度の維持に当たって、税務調査は税法に基づく徴税を確保する上で重要な担保機能を果たすものである。通常の税務調査における税務職員の質問検査権は行政調査を認めるものであり、質問に対する不答弁、拒否・妨害等に対しては刑罰が科されることから、質問の相手方には受忍義務があると解されているが、直接強制力を用いて調査することはできないという点において任意調査である。
平成30事務年度における税務調査の状況(法人税)をみると、いわゆる実調率は3.2%と実地調査のサイクルはおよそ30年に1回ということであるが、課税庁における業務の量・質の両面での負荷の増大、予算・定員の増加の困難性からすれば実調率が短期的に増加することは考えにくく、限られた事務量の中で実調率の維持・向上も求められる課税庁において、帳簿書類保存義務を履行していない場合が多く、真実の所得金額の把握に時間と事務量を要する無申告者や実地調査の際に帳簿書類を提示しないなどの調査に非協力な納税者に対して任意調査によって真実の所得を把握し適正公平な課税を実現していくことは大きな課題である。
ロ 課税訴訟における立証責任の分配
課税訴訟における立証責任の分配について通説といえるほどの見解はないものの、これまでの判例・学説によれば、納税者有利となる必要経費や損金についても課税庁が立証責任を負うと解されており、帳簿書類保存義務を履行しているか否かは直接影響しない。また、通常の業務の実行からは考えられないような特別の経費については納税者が立証責任を負うと解されるとするものやいわゆる使途不明金について、納税者に具体的な反証を求めるべきと解するとするものがある。
なお、税制調査会基礎問題小委員会は、平成17年6月、「個人所得課税に関する論点整理」と題する報告書(16頁)において、「訴訟における立証責任は、基本的には個々の実体法規の解釈として定められるものであり、わが国の課税訴訟における立証責任は一般的に課税庁が負うものとされている。しかし、近年の課税訴訟においては、納税者に立証責任を求める場面においては、納税者に、一定の立証を求める裁判例が判例として定着しつつある。こうした流れや経済社会の構造変化を踏まえれば、今後、納税者自らが説明責任を果たすことが相応しいと思われる項目について、個別に制度的枠組みを整えていくことが望ましい。」と述べている。
ハ 推計課税を巡る問題
帳簿書類が不存在等の場合、課税庁には推計課税が認められているが、推計課税による課税処分の取消訴訟における実額反証について、裁判例の多くは納税者に立証責任があり、通常の証明より高度の「合理的疑いを容れない程度の証明」を必要としているものの、税務調査の際、故意に帳簿書類を提示せず、推計課税を受けることによって、推計課税と実額課税の有利な方を選択することが可能となるという問題を含んでいる。
ニ 小括
課税庁の主要な任務は適正な税務調査にあるが、限られた事務量の中で帳簿書類保存義務を履行していない無申告者をはじめとする不誠実な納税者に適切に対応していくことは課税庁の大きな課題である。また、課税訴訟においては必要経費や損金についても課税庁が立証責任を負い、推計課税には実額反証の問題があるなど、帳簿書類保存義務の不履行に起因する問題点や課題は、適正公平な課税を実現するための環境にマイナスの影響を及ぼす大きな要因であると考えられ、制度的な対応も求められる。
(3)帳簿書類保存義務を巡る問題点と課題
イ 法人税の所得計算と損金算入制限
法人税の所得計算は、企業会計による利益計算を基礎として法人税法固有の別段の定めを用いて益金の額及び損金の額を計算し、課税標準である所得金額を算出する仕組みであり、企業会計で原価や費用と認識される支出についても、租税政策上の理由などから一定のものを損金不算入としているが、帳簿書類の保存がない原価等を損金不算入とする規定はない。また、法人税基本通達9−7−20では、いわゆる使途不明金を損金に算入しないことを明らかにしており、裁判例においても、目的や内容、特に相手方が明らかでない支出の損金算入を原則として認めていないが、使途不明金に係る立証責任についても課税庁が負うと解されており、使途不明金は帳簿書類の保存がないことをもって損金不算入となるものではなく、使途不明金について「その支出の目的、金額または事実が明確に立証できないもの」をいうと解するのが相当とする見解があるものの、使途不明金をどのようなものと定義するかは必ずしも明確ではない。
なお、使途不明金の考え方について「記帳義務違反に対する制裁」、「相手方課税の代替」という考え方も主張されている。
ロ 法人税における帳簿書類保存制度
法人税においては、青色申告法人と白色申告法人について記帳のレベルに差が設けられているものの、原則としてすべての法人に対して一定の帳簿書類保存義務が課されている。そして、帳簿書類保存義務については、多くの国が義務を法定し、その義務不履行ないし違反に対する制裁規定を設けているが、我が国においては、酒税法等の間接税を除き、帳簿書類保存義務の不履行ないし違反に対する制裁規定は設けられておらず、所得税法及び法人税法には適格な記帳や帳簿書類に基づく申告を奨励する意味で青色申告制度が導入されている。
なお、昭和59年の一般的記帳制度導入に際し、記帳義務違反者に対する罰則について議論されたが、導入は見送られている。
ハ 小括
帳簿書類の保存のない原価等について結果的に使途不明金として損金不算入とされるものもあると考えられるが、法令上、使途不明金がどのようなものであるかは明らかでなく、帳簿書類の保存がないことにより直接的に損金不算入とされるものではない。法人税における帳簿書類保存制度においては、罰則等の制裁規定は設けられておらず、義務を履行しない不誠実な納税者が少なからず存在することは、義務不履行に対して納税者が何ら不利益を受けないことがその要因の一つであり、法人税における帳簿書類保存制度の問題点である。そして、帳簿書類保存義務を実効性のあるものとすることが課題であると考える。
なお、法人税における帳簿書類保存義務に関しては、保存すべき帳簿書類の範囲が不明確であるとの意見がある。
(4)消費税における帳簿書類保存の意義
イ 帳簿の備付け等
消費税法では、事業者等に対して、@帳簿の備え付け、Aその行った資産の譲渡等又は課税仕入れ等に関する事項の記録、B当該帳簿の保存を義務付けているのみであり請求書等の書類の保存を義務付ける規定はなく、帳簿の備付け等の義務違反に対する罰則規定も設けられていない。
ロ 税額控除の要件
事業者(免税事業者を除く。)が、国内において行った課税仕入れ等に係る消費税額は、課税仕入れ等を行った日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することとされている(仕入税額控除)が、原則として、課税仕入れ等の事実を記載した帳簿及び請求書等を保存しない場合には仕入税額控除の適用はないこととされている(請求書等保存方式)。
なお、令和5年10月1日以後に国内で行われる課税仕入れについては、一定のものを除き、適格請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされることから、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、仕入税額控除の適用がないこととなる(適格請求書等保存方式)。
ハ 帳簿書類の「保存」の意義
帳簿書類を提示しないことが帳簿書類を「保存しない場合」に該当するかについて、平成16年の最高裁判決は、事業者が、「法30条7項に規定する帳簿又は請求書等を整理し、これらを所定の期間及び場所において、法62条に基づく税務職員による検査に当たって適時にこれを提示することが可能なように態勢を整えて保存していなかった場合は、法30条7項にいう『事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿又は請求書等を保存しない場合』に当たり、事業者が災害その他やむを得ない事情により当該保存をすることができなかったことを証明しない限り(同項ただし書)、同条1項の規定は、当該保存がない課税仕入れに係る課税仕入れ等の税額については、適用されない」と判示している。
ニ 小括
消費税法においては、法人税法に規定する帳簿書類保存義務に対応する義務として、消費税法58条の規定により帳簿の備付け等を義務付けているが、同条の適用が問題となるような場面はほとんどないと考えられる。
消費税における帳簿書類の保存の意義としては、所得税や法人税に規定する帳簿書類保存制度とは異なり、帳簿及び請求書等の保存を仕入税額控除の要件とし、これらの保存がない場合には仕入税額控除の適用がないとすることによって、結果的にあるいは事実上、納税者における記帳や帳簿書類の保存義務の実効性が担保されているとも考えられる。
なお、消費税の仕入税額控除について、令和5年10月から「適格請求書等保存方式」(インボイス方式)が導入され、これにより課税事業者を選択する免税事業者が増加することが想定されているが、課税事業者においては、これまで以上に厳格な請求書等(インボイス)の保存が必要となることから、インボイス方式の導入が所得税や法人税における所得の把握に与える影響は少なくない。
(1)法人税の帳簿書類保存義務に係る実効性の担保措置
イ 実効性を担保する措置の必要性
記帳や記録の保存を巡る環境は大きく変化してきている中、不誠実な納税者による帳簿書類保存義務の不履行ないし違反がこのような環境の変化に伴って自然に解消していくことは想定し難く、課税庁が税務調査により対応するほかない。
しかし、帳簿書類保存義務を履行しない、あるいは義務に違反する不誠実な納税者の存在は、申告納税制度の下における適正公平な課税の実現の大きな障害になっていることは明らかであり、課税庁の任意調査による対応には限界があるという現実において、申告納税制度の下における記帳や記録の保存がすべての納税者の当然の責務であり、特に法人には高度なコンプライアンスが求められることからすれば、法人税における帳簿書類保存義務の実効性を制度的に担保することが急務であり、何らかの具体的な措置を講じる必要があると考える。
ロ 実効性を担保する措置の具体的検討
帳簿書類保存義務の実効性を高め、ひいては申告納税制度の下、適正公平な課税の実現を図るための制度的な担保措置として、具体的には、@帳簿書類保存義務の不履行ないし違反に対して、罰則を設けあるいは加算税を加重する(制裁)、A法人が原価又は費用として計上した金額のうち、当該取引に係る帳簿書類の保存がない場合、当該原価等の額は損金の額に算入しないこととする(所得計算上の不利益)ことが考えられる。
制裁は納税者に課される義務が公平であることを前提として他の手段で有効な効果が期待できない場合に限り用いられるべきであり、所得計算上の不利益措置を創設することが、消費税における帳簿書類の保存の意義からみても、法人税の帳簿書類保存義務の実効性を担保する上で有効な方策であると考える。
(2)法人税における今後の帳簿書類保存制度の在り方
イ 不利益措置を備えた帳簿書類保存制度への移行
本稿においては、法人税における帳簿書類保存制度について、法人税法22条3項の別段の定めとして「法人が支出した法人税法22条3項に掲げる@原価、A販売費および一般管理費その他の費用のうち、当該支出につき、相当の理由がなく、帳簿及び請求書等の保存をしていない場合(資産の譲受けその他の取引の対価の支払(取引の対価として相当と認められるものに限る。)としてされたことが明らかである場合を除く。)は、当該支出の額は損金の額に算入しない。」旨の規定を創設し、帳簿に記載すべき事項及び請求書等の定義を法定すること(帳簿書類の範囲の明確化)、つまり、帳簿書類の保存がない原価等のうち、一定のものについて損金算入を制限するという不利益措置を備えた帳簿書類保存制度へ移行することを提言したい。
ロ 帳簿書類保存義務遵守者の負担軽減
現行法人税法の帳簿書類保存義務規定において保存が義務付けられる帳簿書類は、その規定振りから、捉え方によって相当広範囲にわたることになる。特に、誠実な納税者は保守的にほとんどすべての書類を保存する傾向があり、帳簿書類の保存に係る事務的、経済的負担は少なくないことから、負担軽減を図るべきとの意見がある。
このような中、経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、テレワークの推進、クラウド会計ソフト等の活用による記帳水準の向上に資するため、国税関係帳簿書類を電子的に保存する際の手続きの抜本的な見直しが行われ、帳簿書類の電子データによる保存を選択する納税者の裾野が広がることが期待されている。そうすると、帳簿書類の保存に係る事務的あるいは経済的負担は総体的に減少すると見込まれることから、帳簿書類保存義務遵守者の負担軽減については、当面、法人税法の規定による個別的な措置を講じる必要性は低いと考えられる。
なお、本稿において提言するように、保存が義務付けられる帳簿書類の範囲を明確化することとなれば、帳簿書類保存義務遵守者における義務履行の負担は一定程度軽減されるものと考えられる。
ハ 帳簿書類保存制度と青色申告制度の再考
法人においては、法人税法のほか、商法、会社法等に基づいて記帳や帳簿書類の保存が必要となるが、会計ソフトの発展等を含む経済社会の電子化に伴って記帳や帳簿書類の作成・保存に係る技術的な困難性は高くなくなってきている。また、国税通則法の改正により納税者の権利保護(理由附記等)が強化されてきており、記帳や帳簿書類の保存を取り巻く環境、経済社会や納税環境は大きく変化してきている。このような中、法人の青色申告の普及割合は高水準で推移していることを踏まえると、本来の青色申告制度導入の趣旨は達成されたとみるべきであり、青色申告制度の廃止及びその特典の一般措置化を再考すべき時期が到来していると考えられる。
なお、青色申告制度の廃止を検討する際には、法人に求められる高度なコンプライアンスにも鑑み、本来あるべき帳簿書類保存制度、すなわち、すべての法人に対する複式簿記による決算の義務化及び帳簿書類保存義務違反者に対する直接的な制裁(罰則)の導入が検討されるべきと考えるが、今後、納税者有利となるすべての損金について、証拠との距離などから立証責任を納税者に求めるべきという立証責任の分配に係る解釈を巡る環境が醸成される場合には、帳簿書類保存義務の実効性を担保する観点からも、罰則等の制裁によることなく、帳簿書類の保存のない原価等について例外なく損金不算入とする規定を創設するとともに推計課税の規定についても見直しを検討すべきと考える。
項目 | ページ |
---|---|
はじめに | 18 |
第1章 申告納税制度における帳簿書類保存義務 | 21 |
第1節 申告納税制度の概要 | 21 |
1 申告納税制度導入の背景 | 21 |
2 申告納税制度における納税者の責務と課税庁の機能 | 23 |
第2節 申告納税制度が適正に機能するための諸制度 | 25 |
1 納税環境の整備 | 25 |
2 納税者の自主的な申告と帳簿書類の必要性 | 25 |
3 青色申告制度 | 26 |
第3節 一般的記帳制度の導入と納税者の説明義務 | 29 |
1 一般的記帳制度 | 29 |
2 納税者における申告内容の説明義務 | 30 |
第2章 適正公平な課税を実現するための環境 | 32 |
第1節 課税庁の任務と適正公平な課税の実現を妨げる要因 | 32 |
1 課税庁の任務 | 32 |
2 税務調査の現状と課題 | 34 |
3 課税訴訟における立証責任の分配 | 41 |
4 推計課税を巡る問題 | 47 |
5 まとめ | 50 |
第2節 法人に求められる税務コンプライアンス | 51 |
1 税務コンプライアンスを取り巻く環境 | 51 |
2 国税庁の取組 | 52 |
3 税理士会の取組 | 53 |
4 法人会の取組 | 53 |
第3節 納税者の権利保護 | 54 |
1 納税者の権利保護と国税通則法の改正 | 54 |
2 納税環境整備に関する国税通則法改正の概要 | 56 |
第3章 帳簿書類保存義務を巡る問題点と課題 | 58 |
第1節 法人税の所得計算と帳簿書類保存義務の問題点 | 58 |
1 法人税の所得計算の概要 | 58 |
2 費途が明らかでない支出の取扱い | 61 |
3 法人税における帳簿書類保存義務 | 67 |
4 まとめ | 70 |
第2節 法人税における帳簿書類保存制度の課題 | 72 |
1 申告納税制度における制裁 | 72 |
2 帳簿書類保存の意義と納税者の責任 | 74 |
3 記帳や記録の保存を巡る環境の変化 | 78 |
4 小括 | 80 |
第4章 消費税における帳簿書類保存の意義 | 83 |
第1節 消費税の概説 | 83 |
1 消費税の性格 | 83 |
2 控除税額計算の基礎 | 85 |
第2節 仕入税額控除 | 85 |
1 税額控除の要件 | 85 |
2 仕入税額控除の適用要件の変遷 | 87 |
3 適格請求書等保存方式 | 88 |
第3節 仕入税額控除制度の意義 | 92 |
1 仕入税額控除の法的性質 | 92 |
2 帳簿書類の「保存」の意義 | 94 |
3 小括 | 101 |
第5章 今後の帳簿書類保存制度の在り方 | 104 |
第1節 法人税の帳簿書類保存義務に係る実効性の担保措置 | 104 |
1 実効性を担保する措置の必要性 | 104 |
2 実効性を担保する措置の具体的検討 | 107 |
第2節 法人税における今後の帳簿書類保存制度の在り方 | 115 |
1 不利益措置を備えた帳簿書類保存制度への移行 | 115 |
2 帳簿書類保存義務遵守者の負担軽減 | 118 |
3 帳簿書類保存制度と青色申告制度の再考 | 120 |
結びに代えて | 123 |