問1

新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置
〔4月30日更新〕

 新型コロナウイルス感染症等の措置の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律(令和2年4月30日成立、同日施行。以下、問2以降について「新型コロナ税特法」といいます。)等で新たに措置された税制上の措置について教えてください。

〇 今般、国税に関する税制について措置されたものは、以下のとおりです。

  • 1 納税の猶予制度の特例【問2参照】
  • 1 欠損金の繰戻しによる還付の特例【問3参照】
  • 1 テレワーク等のための中小企業の設備投資税制【問4参照】
  • 1 文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への寄附金控除の適用【問5参照】
  • 1 住宅ローン控除の適用要件の弾力化【問6及び7参照】
  • 1 消費税の課税選択の変更に係る特例【問8参照】
  • 1 特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税【問9参照】

〇 これらの措置の概要については、以下問2から問9をご覧ください。

〔参考〕

納税の猶予制度の特例

問2

納税の猶予制度の特例〔7月1日更新〕

 新たに措置された「納税の猶予制度の特例(特例猶予)」について教えてください。

〇 猶予制度には、従来から、1換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2)と1納税の猶予(国税通則法46条)がありました。

〇 申請による換価の猶予は、「事業継続又は生活の維持が困難であるとき」に、比較的広く適用でき、猶予期間中の延滞税が軽減(年8.9%→年1.6%)され、担保の提供が必要となる場合がある制度です。

〇 納税の猶予は、延滞税が全額免除となる場合がありますが、地震や台風で家が壊れるなど、「財産の損失」が生じた場合等に限定されます。

〇 一方、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、多くの事業者等の収入が減少しているという状況を踏まえ、以下の条件を満たす場合には、令和2年2月1日から令和3年2月1日までに納期限が到来する国税について、「財産の損失」が生じていない場合でも無担保かつ延滞税なしで1年間納税の猶予を受けられる制度が創設されました(以下「特例猶予」といいます。新型コロナ税特法3条)。

1 新型コロナウイルス感染症等の影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等の収入が前年同期と比較して、おおむね20%以上減少していること

1 一時に納税することが困難であること

〇 特例猶予の適用を受けるためには、税務署への申請が必要です。ご不明な点がございましたら、まずは、各国税局の国税局猶予相談センターにお電話にてご相談ください。

〇 猶予制度については、更に詳しいFAQがありますので、併せてご利用ください。

※ こちらのリンク先もご覧ください。

欠損金の繰戻しによる還付の特例

問3

欠損金の繰戻しによる還付の特例〔4月30日追加〕

 新たに措置された「欠損金の繰戻しによる還付の特例」について教えてください。

〇 今般、措置された特例「欠損金の繰戻しによる還付の特例」とは、これまで中小企業者等(資本金の額が1億円以下の法人など)が利用可能だった青色欠損金の繰戻し還付制度について、利用できる法人の範囲を拡大して、資本金の額が1億円超10億円以下の法人も利用することができることとされました(新型コロナ税特法7条)。

※ ただし、大規模法人(資本金の額が10億円を超える法人など)の100%子会社及び100%グループ内の複数の大規模法人に発行済株式の全部を保有されている法人等は除かれます。

〇 青色欠損金の繰戻し還付制度とは、青色申告法人で、各事業年度において生じた欠損金について、その欠損が生じた事業年度(欠損事業年度)開始の日前1年以内に開始した事業年度(還付所得事業年度)の所得に繰り戻し、その所得に対する法人税額の全部又は一部を還付することができる制度です。

〇 この特例は、令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する事業年度に生じた欠損金額について適用されます。

〇 還付請求を行う場合は、欠損事業年度の確定申告書の申告期限までに還付請求書を提出してください。

※ 今回設けられた特例により本制度の対象となる法人が、令和2年7月1日前に欠損事業年度の確定申告書を提出している場合の請求期限は、令和2年7月31日となります(新型コロナ税特法附則4条)。

〇 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて期限までに申告や還付請求の手続が困難な場合には、個別に期限延長が認められます(国税通則法11条、国税通則法施行令3条3項、4項)。

※ 期限の個別延長については、「1 申告・納付等の期限の個別延長関係」問2-2をご覧ください。

〔参考〕

テレワーク等のための中小企業の設備投資税制

問4

テレワーク等のための中小企業の設備投資税制〔4月30日追加〕

 新たに措置された「テレワーク等のための中小企業の設備投資税制」について教えてください。

〇 今般、措置された特例「テレワーク等のための中小企業の設備投資税制」により、中小企業者などが、テレワーク等のための設備(遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを可能とする設備)を取得した場合に、中小企業経営強化税制の適用を受けることができることとされました(租税特別措置法42条の12の4)。

※ 中小企業経営強化税制の対象設備について、これまでの「生産性向上設備」と「収益力強化設備」の2つの類型のほか、新たな類型として「デジタル化設備」が追加されました。

※ 「デジタル化設備」については、機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエアが対象設備となります。

〇 中小企業経営強化税制とは、青色申告書を提出する中小企業者などが、指定期間内に、経済産業大臣の認定を受けた経営力向上計画に基づき取得等をした一定の規模の設備について、指定事業の用に供した場合、即時償却又は設備投資額の7%(資本金の額が3,000万円以下の法人などは10%)の税額控除をすることができる制度です。

〇 対象となる設備、経営力向上計画の認定については、中小企業庁のホームページをご覧ください。

〔参考〕

文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への寄附金控除の適用

問5

文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への寄附金控除の適用〔4月30日追加〕

 新たに措置された「文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への寄附金控除の適用」について教えてください。

〇 寄附金控除は、納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、特定寄附金を支出した場合に所得から控除できる制度(所得控除)です(所得税法78条)。
 また、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金及び公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を選択することができることとされています(租税特別措置法41条の18、41条の18の2、41条の18の3)。

〇 今般の新型コロナ税特法においては、観客等が指定行事(注1)の中止等により生じた入場料金等の払戻請求権の全部又は一部の放棄令和2年2月1日から令和3年12月31日までの期間(指定期間)内にした場合には、観客等がその年の指定期間内において放棄をした部分の入場料金等の払戻請求権の価額(注2)の合計額(最高20万円)について、寄附金控除の対象(所得控除・税額控除)とすることとされました(新型コロナ税特法5条)。

(注1)「指定行事」とは、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに開催予定であった文化芸術・スポーツに関する行事のうち、新型コロナウイルス感染症が発生したことによる政府からの要請を受けて中止等を行った行事であると認められるものとして文部科学大臣が指定するものとされており、具体的には、文化庁・スポーツ庁のホームページに公表される予定です。

(注2)特定寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金及び公益社団法人等に対する寄附金の額(現行の寄附金控除の対象として控除可能なもの)やその放棄をした者に特別の利益が及ぶと認められものの金額を除きます。

〇 この特例の適用を受けるためには、放棄をした翌年の確定申告において、原則として、確定申告書に次の書類を添付する必要があります。主催者からこれらの証明書の交付を受けてください(新型コロナ税特令3条、新型コロナ税特規3条)。

  •  指定行事認定証明書(指定行事に該当することその他一定の事実を証する書類)の写し
  •  払戻請求権放棄証明書(放棄をした入場料金等の払戻請求権の価額その他一定の事実を証する書類)

※ 法人が復旧支援のためチケットの払い戻しを辞退した場合の法人税の取扱いについては、「5 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係」問5をご覧ください。

〔参考〕

住宅ローン控除の適用要件の弾力化

問6

住宅ローン控除の適用要件の弾力化〔4月30日追加〕

 新たに措置された「住宅ローン控除の適用要件の弾力化」について教えてください。

〇 住宅ローン控除は、住宅ローンを借りて住宅の取得等をした場合において、その取得等の日から6か月以内に居住の用に供するなど一定の要件を満たしたときは、原則として毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税等から控除する制度です(租税特別措置法41条)。
 なお、消費税率10%が適用される住宅を令和2年12月31日までに取得等をした場合には、控除期間を13年間に延長する特例措置(建物購入価格等の消費税率2%分の範囲で減税)が設けられています(租税特別措置法41条13項〜17項)。

〇 今般の新型コロナ税特法においては、上記の住宅ローン控除の適用要件について、次の弾力化が設けられました(新型コロナ税特法6条)。

1 中古住宅を取得した後、その住宅に入居することなく増改築等工事を行った場合の住宅ローン控除については、新型コロナウイルス感染症やそのまん延防止のための措置(以下「新型コロナウイルス感染症等」といいます。)の影響によって工事が遅延したことなどにより、その住宅への入居が控除の適用要件である入居期限要件(取得の日から6か月以内)を満たさないこととなった場合でも、次の要件を満たすときは、その適用を受けることができます(新型コロナ税特法6条、新型コロナ税特令4条)。

  • 一定の期日(注)までに、増改築等の契約を締結していること
  • 増改築等の終了後6か月以内に、中古住宅に入居していること
  • 令和3年12月31日までに中古住宅に入居していること

(注) 中古住宅の取得をした日から5か月を経過する日又は新型コロナ税特法の施行の日(令和2年4月30日)から2か月を経過する日のいずれか遅い日。

1 住宅ローン控除の控除期間13年間の特例措置については、上記1と同様に、新型コロナウイルス感染症等の影響により、控除の対象となる住宅の取得等をした後、その住宅への入居が入居の期限(令和2年12月31日)までにできなかった場合でも、次の要件を満たすときには、その適用を受けることができます(新型コロナ税特法6条、新型コロナ税特令4条)。

  • 一定の期日(注)までに、住宅の取得等に係る契約を締結していること
  • 令和3年12月31日までに住宅に入居していること

(注) 新築については令和2年9月末、中古住宅の取得、増改築等については令和2年11月末。

〔参考〕

問7

住宅ローン控除の適用要件の弾力化に係る申告手続〔4月30日追加〕

 前問の「住宅ローン控除の適用要件の弾力化」について、申告手続を教えてください。

〇 住宅ローン控除の適用を初めて受ける方は、確定申告の際に、住宅ローン控除の計算明細書などの必要書類を確定申告書に添付して税務署長に提出する必要があります。
 前問の適用要件の弾力化がなされた住宅ローン控除を受ける方は、これらの書類に加えて、前問11の弾力化のケースに応じて、それぞれ次の書類を確定申告書に添付する必要があります(新型コロナ税特令4条、新型コロナ税特規4条)。

(前問1のケース)

  •  入居時期に関する申告書兼証明書(既存住宅の取得後増改築等を行った場合用)
    •  この書類は、取得した中古住宅に取得から6か月以内に入居できなかった事情が新型コロナウイルス感染症等の影響であることを明らかにする書類であり、ご自身の申立書と建築業者等から交付を受ける証明書とを兼ねたものとなっています。

(前問1のケース)

  •  入居時期に関する申告書兼証明書(控除期間13年間の特例措置用)
    •  この書類は、控除期間13年間の特例措置の適用の対象となる住宅に令和2年12月31日までに入居できなかった事情が新型コロナウイルス感染症等の影響であることを明らかにする書類であり、ご自身の申立書と建築業者等から交付を受ける証明書とを兼ねたものとなっています。

※ これらの申告書兼証明書については、国土交通省が定めた様式を国税庁ホームページにおいて掲載しています。

〇 なお、給与所得者の方は、適用2年目以降の各年分の所得税等について、年末調整によってこの控除を受けることができます。
 年末調整によってこの控除を受けようとする場合には、

  • 税務署から送付される住宅借入金等特別控除証明書
  • 住宅ローンの年末残高等証明書
    を給与支払者に提出してください。

消費税の課税選択の変更に係る特例

問8

消費税の課税選択の変更に係る特例〔4月30日追加〕

 新たに措置された「消費税の課税選択の変更に係る特例」について教えてください。

〇 今般、措置された「消費税の課税選択の変更に係る特例」により、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響(以下この問では「新型コロナウイルス感染症等の影響」といいます。)を受けている事業者の方で一定の条件を満たす方は、納税地の所轄税務署長の承認を受けることで、特定課税期間以後の課税期間について、課税期間の開始後であっても、課税事業者を選択する(又はやめる)ことができることとされました(新型コロナ税特法10条)。

※ 「特定課税期間」とは、新型コロナウイルス感染症等の影響により事業としての収入の著しい減少があった期間内の日を含む課税期間をいいます。

※ 課税事業者の選択をやめる場合であっても、納税義務が免除される事業者は、その課税期間の基準期間(法人は前々事業年度、個人事業者は前々年)における課税売上高が1,000万円以下の事業者等です。

【特例の対象となる事業者】

〇 新型コロナウイルス感染症等の影響により、 令和2年2月1日から令和3年1月31日までの間のうち 任意の1か月以上の期間の事業としての収入が、 著しく減少(前年同期比概ね50%以上)している事業者

〇 また、本特例により課税事業者を選択する(又はやめる)場合、2年間の継続適用要件等は適用されません(本特例により課税事業者を選択した課税期間の翌課税期間において、課税事業者の選択をやめることも可能です。)

※ このほか、新設法人が調整対象固定資産を取得した場合等における納税義務免除の制限について、税務署長の承認によりその制限を解除する特例が設けられています。

〇 特例の承認を受けようとする場合、原則として、特定課税期間の確定申告期限までに、承認申請書を税務署に提出してください。

※ 詳しくは以下のリンク先をご覧ください。

(参考)簡易課税制度の適用に関する特例について

 消費税の簡易課税制度の適用に関しては、現行法において、「災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた場合」の特例が設けられています(消費税法37条の2)。
 新型コロナウイルス感染症等の影響による被害を受けたことにより、簡易課税制度の適用を受ける(又はやめる)必要が生じた場合、税務署長の承認により、その被害を受けた課税期間から、その適用を受ける(又はやめる)ことができます。

特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税

問9

特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税〔4月30日追加〕

 新たに措置された「特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税」について教えてください。

〇 今般、措置された特例「特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税」により、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた事業者に対して行う一定の金銭の貸付けに係る消費貸借契約書(注)のうち、令和3年1月31日までに作成されるものについて、印紙税が非課税とされました(新型コロナ税特法11条)。

(注)  非課税措置の対象となる消費貸借契約書は、公的貸付機関等(地方公共団体、政府系金融機関等をいいます。)又は金融機関(銀行、信用金庫、信用協同組合等の民間金融機関をいいます。)が、他の金銭の貸付けの条件に比べ特別に有利な条件で行う金銭の貸付けに際して作成される消費貸借契約書をいいます。

〇 また、印紙税が非課税となる消費貸借契約書について、既に印紙税を納付している場合には、「印紙税過誤納確認申請書」を税務署に提出(注)し、税務署長の過誤納確認を受けることにより、その納付された印紙税額に相当する金額の還付を受けることができます。

(注) 過誤納となった契約書等(原本)を提示又は過誤納となった事実を金融機関等が証明した書類(原本)を提出する必要があります。

※ 詳しくは以下のリンク先をご覧ください。