問1

企業が生活困窮者等に自社製品等を提供した場合の取扱い

 当社では、新型コロナウイルス感染症に関連して、今般の感染症の流行が終息するまでの間の緊急支援の取組として、自社製品(食料品)を学童保育施設、子供食堂、社会福祉施設、生活困窮者支援団体、フードバンク活動を行う団体などに対して無償で提供し、施設へ通う子供たちや生活困窮者等への支援を行う予定です。
 このような支援のために行った自社製品の提供に要する費用は、法人税の取扱上、寄附金以外の費用として、その提供時の損金の額に算入することができるでしょうか。

〇 貴社が行う自社製品等の提供が、今般の新型コロナウイルス感染症に関する対応として、不特定又は多数の生活困窮者等を救援するために緊急、かつ、今般の感染症の流行が終息するまでの間に限って行われるものであれば、その提供に要する費用(配送に係る費用も含みます。)の額は、提供時の損金の額に算入して差し支えありません(法人税法22条3項、4項)。

※ 自社製品等には、他から購入した物品やサービスの提供を業務とする法人が行う役務の提供も含みます。

〔参考〕

  •  質疑応答事例(法人税)「フードバンクへ食品を提供した場合の取扱い」
  •  法人税基本通達9−4−6の4(自社製品等の被災者に対する提供)
  •  租税特別措置法関係通達(法人税編)61の4(1)−10の4(自社製品等の被災者に対する提供)
問2

法人税の災害損失欠損金の範囲について〔4月13日追加〕

 当社は、給食の提供事業を行っていますが、新型コロナウイルス感染症に関連して、学校の臨時休業の影響で、給食用として準備していた食材を廃棄しなければならなくなったほか、調理場や配膳室などの施設を消毒する必要が生じました。
 ところで、災害により生じた損失がある場合には、法人税の繰戻し還付制度を利用して、過去に納めた法人税等の還付を受けることができます。
 このような廃棄損や、消毒に要する費用については、法人税の取扱上「災害により生じた損失」に該当するでしょうか。

〇 今般の新型コロナウイルス感染症に関連して、学校の臨時休業や外出自粛の要請等が行われたことにより、貴社において、棚卸資産や固定資産などに損失が生じている場合や、感染症の拡大や発生を防止するための消毒等の費用を支出している場合、これらの損失や費用の額は、「災害により生じた損失の額」に該当します。

〇 ただし、災害損失欠損金の繰戻し還付制度の対象となる「災害により生じた損失の額」については、災害により棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産について生じた損失の額が対象とされているため、例えば、外出自粛の要請等があったことによる店舗の売上げの減少額などは対象とはなりません。(注)(法人税法80条5項、法人税法施行令154条の3)

(注)中小法人である青色申告法人の場合、災害損失欠損金以外の青色欠損金については1年間の繰戻し還付が可能です(法人税法80条1項)。

〔災害損失欠損金に該当する例〕

  •  飲食業者等の食材(棚卸資産)の廃棄損
  •  感染者が確認されたことにより廃棄処分した器具備品等の除却損
  •  施設や備品などを消毒するために支出した費用
  •  感染発生の防止のため、配備するマスク、消毒液、空気清浄機等の購入費用
  •  イベント等の中止により、廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損

※ 繰戻し還付の対象となる災害損失とは、棚卸資産や固定資産に生じた被害(損失)に加え、その被害の拡大・発生を防止するために緊急に必要な措置を講ずるための費用が該当します。

〔災害損失欠損金に該当しない例〕

  •  客足が減少したことによる売上げ減少額
  •  休業期間中に支払う人件費
  •  イベント等の中止により支払うキャンセル料、会場借上料、備品レンタル料

※ 上記のように、棚卸資産や固定資産の被害の拡大・発生を防止するために直接要した費用とは言えないものについては、災害損失欠損金に該当しません。

〔参考〕

問3

企業がマスクを取引先等に無償提供した場合の取扱い〔4月13日追加〕

 当社は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の取組として、関連する子会社や下請け業者などの取引先に対して、マスクや消毒液を無償で提供する予定です。
 今回の措置は、今般、マスク需要が急激に増加し、取引先等において調達が困難となっている現状を踏まえ、当社の関連業務に従事する者や多数のお客様と接する機会の多い業者に使用させることを条件にして、無償で提供を行うこととしたものです。
 この取組は、感染症の流行が終息するまでの期間に限定して行うものですが、このようなマスク等の提供に要する費用は、法人税の取扱上、寄附金以外の費用に該当するでしょうか。

〇 貴社が行うマスク等の無償提供が、新型コロナウイルス感染症に関する対応として、緊急、かつ、感染症の流行が終息するまでの間に限って行われるものであり、次の条件を満たすものであれば、貴社の事業遂行上、必要な経費と考えられますので、その提供に要する費用(マスク等の購入費用、送料等)の額は、寄附金以外の費用に該当します(法人税法22条3項、4項、同法37条)。

1 提供を行う取引先等において、マスクの不足が生じていることにより業務の遂行上、著しい支障が生じている、又は今後生じるおそれがあること

1 その取引先等が業務を維持できない場合には、貴社において、操業が維持できない、営業に支障が生じる、仕入れ等が困難になるといった、貴社の業務に直接又は間接的な影響が生じること

〇 なお、上記の1及び1の条件を満たすものであっても、その提供先において、無償提供したマスク等が転売されているといった事実がある場合には、貴社の事業遂行上、必要な経費とは認められませんので、その提供に要する費用は、税務上、寄附金に該当します(法人税法22条3項、4項、同法37条)。

問4

賃貸物件のオーナーが賃料の減額を行った場合〔4月30日更新〕

 当社は、店舗用物件やテナント等を賃貸する不動産貸付業を行っています。今般、新型コロナウイルス感染症の影響で、当社の物件を賃借している事業者から、「売上が急減している中、固定的に支払いが発生する賃料の負担が大変である。」といった切実な声が寄せられています。
 そこで、当社としては、賃料の減額を求められた場合、契約内容の見直しを行い、今般の感染症の流行が終息するまでの期間に限って、賃料の減額に応じるつもりです。
 このように当社が取引先等に対して、復旧支援のため、賃料の減額に応じた場合に、その賃料の減額分については、法人税の取扱上、寄附金として取り扱われるのでしょうか。

〇 企業が、賃貸借契約を締結している取引先等に対して賃料の減額を行った場合、その賃料を減額したことに合理的な理由がなければ、減額前の賃料の額と減額後の賃料の額との差額については、原則として、相手方に対して寄附金を支出したものとして税務上、取り扱われることになります(法人税法22条3項、4項、同法37条)。

〇 しかしながら、貴社が行った賃料の減額が、例えば、次の条件を満たすものであれば、実質的には取引先等との取引条件の変更と考えられますので、その減額した分の差額については、寄附金として取り扱われることはありません。

1 取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること

1 貴社が行う賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること

1 賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものであること

〇 また、取引先等に対して既に生じた賃料の減免(債権の免除等)を行う場合についても、同様に取り扱われます。
 なお、賃料の減免を受けた賃借人(事業者)においては、減免相当額の受贈益が生じることになりますが、この場合であっても、事業年度(個人の場合は年分)を通じて、受贈益を含めた益金の額(収入金額)よりも損金の額(必要経費)が多い場合には課税が生じることはありません。

〇 この取扱いは、テナント以外の居住用物件や駐車場などの賃貸借契約においても同様です。

〔参考〕

  •  法人税基本通達9−4−6の2(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
  •  租税特別措置法関係通達(法人税編)61の4(1)−10の2(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
問5

企業が復旧支援のためチケットの払い戻しを辞退した場合〔4月13日追加〕

 当社は、販売促進目的で一般消費者の方々を抽選で観劇(芝居、演劇、コンサート)等に招待しているほか、福利厚生目的で観劇等のチケットを社員へ配付しています。 これらの目的で当社がチケットを購入していた観劇等について、今般の新型コロナウイルス感染症の影響で、全ての観劇等が公演中止となりました。
 これらのチケットは、契約上、払い戻しを受けることが可能ですが、この観劇等の興行主や劇団などは、当面の公演中止により収入の見通しが立たず、事業継続が困難となり、劇団関係者への給料等も支払えない状況にあると知ったことから、当社としてはその復旧支援のためにチケットの払い戻しを辞退することにしました。
 このような取引先の復旧支援のためにチケット払戻請求権の放棄(債権の免除等)をしたことによる損失の額は、法人税の取扱上、寄附金以外の費用に該当するでしょうか。

〇 企業が、契約上払い戻し可能とされているチケットについて、その払い戻しを辞退した場合、税務上、その払戻請求権の放棄による経済的利益の供与の額は寄附金の額に該当します(法人税法22条3項、4項、同法37条)。
  しかしながら、貴社が行ったチケットの払戻請求権の放棄(債権の免除等)が、次の条件を満たすものであれば、その放棄したことによる損失の額は、寄附金以外の費用に該当します。

1 債権の免除等を行う相手先が、貴社の取引先等(得意先、仕入先、下請先、特約店、代理店等のほか、実質的な取引関係にあると認められる者を含みます。)であること

1 新型コロナウイルス感染症に関連して相手先に生じた被害からの復旧支援を目的としたものであること

1 債権の免除等が、相手先において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものであること

1 その債権の免除等が、単なる払い戻しの請求漏れではなく、復旧支援のために行われたことが書面などにより確認できること

〔参考〕

  •  法人税基本通達9−4−6の2(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
  •  租租税特別措置法関係通達(法人税編)61の4(1)−10の2(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
問5-2

 プロスポーツのスポンサー企業が行う復旧支援〔5月15日追加〕

 当社は、Jリーグクラブのスポンサー企業として、クラブと広告宣伝契約を取り交わし、毎年スポンサー料を支出しています。
 新型コロナウイルス感染症の影響で、試合数の減少や無観客試合の増加によって、広告宣伝価値が減少したことから、当初の契約で定める掲出条件が満たせなくなり、当社はクラブに対して、スポンサー料の一部の返還を求めることが可能です。
 しかしながら、契約先のクラブはチケット収入も減少するなどして経営難となっており、当社としては、復旧支援のため、契約上の対象試合や露出が減少したとしても、スポンサー料の返還を辞退(払戻請求権を放棄)する予定です。
 このようなスポンサー料の返還を辞退したことによる損失の額は、法人税の取扱上、寄附金や交際費等以外の費用に該当するでしょうか。

〇 貴社のスポンサー料の返還の辞退(注1)が、新型コロナウイルス感染症の影響により、経営難となったプロスポーツ団体の復旧支援のため、相当の期間内(注2)に行うもので、復旧支援目的であることが書面などにより確認できる場合、その辞退による損失の額は、寄附金や交際費等以外の費用に該当します(法人税法22条3項、4項、同法37条、租税特別措置法61条の4)。

〇 各プロスポーツ界では、今般の感染症により、大規模イベント等の中止、延期、規模縮小等の要請に伴い、スポーツ活動や興行の運営自粛を余儀なくされ、各プロスポーツ団体の中には事業継続が困難となっているところも少なくありません。

〇 このような相手先(団体)に対して、スポンサー企業が復旧支援のため、売掛債権等(未収金や貸付金、払戻請求権などの債権を含みます。)の全部又は一部を免除したことによる損失の額は、法人税の取扱上、自然災害時と同様に寄附金や交際費等の額に該当しないものとして取り扱われ、全額損金算入されます。

〇 また、スポンサー企業が取引関係の維持、回復を目的として相当の期間内に災害見舞金の支出を行った場合も、交際費等に該当しないものとして取り扱われ、その支出額は全額損金算入されます。

(注1)スポンサー料の返還の辞退については、当該スポンサー料を契約時に一括払い(前払い)したケースに限らず、当初契約時の支払条件に従い期中に分割払い(後払い)したケースも同様に取扱われます。

(注2)相当の期間内とは、通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間内をいい、例えば、プロスポーツ興行の場合は、試合の再開や観客の入場制限などが解消した後で観客動員数がコロナ禍の前の状態に戻るまでの期間などが考えられます。

〔参考〕

  •  法人税基本通達9−4−6の2(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
  •  租税特別措置法関係通達(法人税編)61の4(1)−10の2(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
  •  租税特別措置法関係通達(法人税編)61の4(1)−10の3(取引先に対する災害見舞金等)
問6

業績が悪化した場合に行う役員給与の減額〔4月13日追加〕

 当社は、各種イベントの開催を請け負う事業を行っていますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、イベント等の開催中止の要請があったことで、今後、数か月間先まで開催を予定していた全てのイベントがキャンセルとなりました。
 その結果、予定していた収入が無くなり、毎月の家賃や従業員の給与等の支払いも困難な状況であることから、当社では、役員給与の減額を行うこととしました。
 法人税の取扱いでは、年度の中途で役員給与を減額した場合、定期同額給与に該当せず、損金算入が認められないケースもあると聞いています。
 そこで、当社のような事情によって役員給与を減額した場合、その役員給与は定期同額給与に該当するでしょうか。

〇 貴社が行う役員給与の減額改定については、業績悪化改定事由(法人税法34条1項1号、法人税法施行令69条1項1号ハ)による改定に該当するものと考えられます。
 したがって、改定前に定額で支給していた役員給与と改定後に定額で支給する役員給与は、それぞれ定期同額給与に該当し、損金算入することになります。

〇 法人税の取扱いにおける「業績悪化改定事由」とは、経営状況が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があることをいいますので、貴社のように、業績等が急激に悪化して家賃や給与等の支払いが困難となり、取引銀行や株主との関係からもやむを得ず役員給与を減額しなければならない状況にある場合は、この業績悪化改定事由に該当することになります。

〔参考〕

  •  法人税基本通達9−2−13(経営の状況の著しい悪化に類する理由)
  •  役員給与に関するQ&A(平成24年4月改訂版)[Q1](業績等の悪化により役員給与の額を減額する場合の取扱い)
問6-2

 業績が悪化した場合に行う役員給与の減額〔4月13日追加〕

 当社は、新型コロナウイルス感染症の影響により、外国からの入国制限や外出自粛要請が行われたことで、主要な売上先である観光客等が減少しています。
 そのため、当面の間は、これまでのような売上げが見込めないことから、営業時間の短縮や従業員の出勤調整といった事業活動を縮小する対策を講じています。
 また、いつになれば、観光客等が元通りに回復するのかの見通しも立っておらず、今後、売上げが更に減少する可能性もあるため、更なる経費削減等の経営改善を図る必要が生じています。一方で、当社の従業員の雇用や給与を維持するため、急激なコストカットも困難であることから、当社の経営判断として、まずは役員給与の減額を行うことを検討しています。
 しかしながら、法人税の取扱上、年度の中途で役員給与を減額した場合にその損金算入が認められるのは、経営が著しく悪化したことなど、やむを得ず減額せざるを得ない事情(業績悪化改定事由)がある場合に限られると聞いています。
 そこで、当社のような理由による役員給与の減額改定は、業績悪化改定事由による改定に該当するのでしょうか。

〇 貴社が行う役員給与の減額改定について、現状では、売上などの数値的指標が著しく悪化していないとしても、新型コロナウイルス感染症の影響により、人や物の動きが停滞し、貴社が営業を行う地域では観光需要の著しい減少も見受けられるところです。

〇 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が防止されない限り、減少した観光客等が回復する見通しも立たないことから、現時点において、貴社の経営環境は著しく悪化しているものと考えられます。

〇 そのため、役員給与の減額等といった経営改善策を講じなければ、客観的な状況から判断して、急激に財務状況が悪化する可能性が高く、今後の経営状況が著しく悪化することが不可避と考えられます。

〇 したがって、貴社のような理由による役員給与の減額改定は、業績悪化改定事由(法人税法34条1項、2項、法人税法施行令69条1項1号ハ、5項2号)による改定に該当します。

〔参考〕

  •  法人税基本通達9−2−13(経営の状況の著しい悪化に類する理由)
  •  役員給与に関するQ&A(平成24年4月改訂版)[Q1−2](業績等の著しい悪化が不可避と認められる場合の役員給与の減額)
問7

定時株主総会の延期に伴う定期同額給与の通常改定時期〔6月12日追加〕

 3月決算法人である当社は、基準日を3月末日とし、毎年6月下旬に定時株主総会を開催しているため、法人税の確定申告書については、法人税法75条の2第1項の規定を適用することにより、提出期限を1月延長し6月末日までとしています。
 今般、新型コロナウイルス感染症の影響により、決算・監査に関する業務に大きな遅延が生じている状況にあり、通常どおり6月下旬に定時株主総会を開催することが困難なことから、5月下旬に基準日を変更する旨を公告し、定時株主総会の開催時期を8月下旬に延期するとともに、法人税の確定申告書の提出期限についても、法人税法75条の2第9項を適用し、国税通則法11条の規定による期限延長の適用を受ける予定です。
 ところで、当社では、毎年、定時株主総会において、役員報酬の総額及び取締役会にて各役員の定期給与の額(毎月同額)を決定する旨を議決しており、今回の定時株主総会においても同様の議決を行い、その後に開催する取締役会において各役員の定期給与の額の改定を行う予定です。
 ここで、今回の役員給与の改定は、その改定時期が通常の改定時期である3月経過日等後となりますが、改定後の役員給与の額は定期同額給与に該当しないこととなるのでしょうか。

○ ご質問の場合には、「特別の事情があると認められる場合」に該当し、定期同額給与の通常改定時期の要件を満たすこととなります。

○ 役員給与のうち、毎月の給与額の改定(以下「通常改定」といいます。)については、会計期間開始の日から3月(法人税法第75条の2第1項の規定(以下「申告期限の延長特例」といいます。)の適用を受けている場合にはその指定月数に2を加えた月数)を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)までに行うことが要件とされています。
 これに加えて、継続して毎年所定の時期にされる改定に限り、3月経過日等後となることにつき「特別の事情があると認められる場合」には、その通常改定の時期の要件は、その改定の時期とされています(法令691一イ)。

○ ご質問のように、確定申告書の提出期限について申告期限の延長特例を適用せず、国税通則法第11条による期限の延長の規定の適用を受ける場合(法法75の21)には、役員給与の通常改定の時期が3月経過日等後となることにつき「特別の事情があると認められる場合」に該当しない限り、定期同額給与の通常改定の時期の要件を満たさないこととなります。

○ この点、ご質問のような状況により、定時株主総会に合わせて役員給与の通常改定が3月経過日等後に行われる場合には、自己の都合によらない「特別の事情があると認められる場合」に該当し、定期同額給与の通常改定の時期の要件を満たすこととなります。

〔参考〕

  •  法人税法基本通達9−2−12の2(特別の事情があると認められる場合)
  •  経済産業省ホームページの株主総会に関するページにおいて、株主総会の延期等を行う企業向けに、定期同額給与のほか、事前確定届出給与及び業績連動給与の手続きに関する考え方を掲載しています。
    https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai.html(外部サイト、別ウィンドウで表示)

所得税に関する取扱い

問8

個人事業者の事業所得に赤字(損失)が生じた場合の取扱い〔4月13日追加〕

 私は、居酒屋を営む個人事業主です。新型コロナウイルス感染症に感染したため、完治するまでの間、休業しました。
 この度の休業は、突然のことであったため、食材等を廃棄するとともに、店舗全体を消毒するなどの支出もありました。
 その後、営業を再開しましたが、しばらくの間は客足が戻らず、例年に比べて収入も少ないため、本年の所得は赤字(損失)になる見込みです。

〇 令和2年において事業所得などに生じた赤字(損失)の金額がある方の税制上の取扱いについては、青色申告を行っている事業者と、白色申告を行っている事業者との違いによりそれぞれ、次のとおり取り扱われます。

【青色申告の方】

〇 事業所得などに赤字(損失)の金額がある場合で、他の所得と通算(損益通算)しても、なお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間(令和3年から令和5年)にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます(純損失の繰越)(所得税法70条1項)。

〇 また、純損失の金額が生じた年の前年(令和元年)も青色申告をしている場合には、その損失の金額の全部又は一部を前年(令和元年)に繰り戻して、前年分(令和元年分)の所得税の還付を受け(純損失の繰戻し)、繰り戻さなかった損失の金額を翌年以後3年間(令和3年から令和5年)にわたって繰り越すことができます(所得税法70条1項、140条1項)。

〇 純損失の繰戻しの適用を受けるためには、繰戻しを行う純損失が生じた年分(令和2年分)の確定申告書とともに原則として確定申告期限(延長後の期限をいいます。)までに、「純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書」を所轄の税務署長に提出する必要があります(所得税法142条1項)。

【白色申告(青色申告以外)の方】

〇 事業所得などに赤字(損失)の金額がある場合で、他の所得と通算(損益通算)しても、なお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)のうち、「事業用資産に生じた災害による損失等」については、その損失額を翌年以後3年間(令和3年から令和5年)にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます(所得税法70条2項)。

〇 「事業用資産に生じた災害による損失等」とは、棚卸資産や事業用の固定資産などに生じた災害による損失をいい、その災害に関連するやむを得ない支出で一定のものを含みます(所得税法70条3項、所得税法施行令203条)。

(参考1)事業用資産に生じた災害による損失等の取扱い

  今般の新型コロナウイルス感染症に関連した「事業用資産に生じた災害による損失等」については、次のとおり、取り扱って差し支えありません。

〔災害により生じた損失等(翌年以後に繰り越される損失等)に該当する例〕

  •  飲食業者等の食材(棚卸資産)の廃棄損
  •  感染者が確認されたことにより廃棄処分した器具備品等の除却損
  •  施設や備品などを消毒するために支出した費用
  •  感染発生の防止のため、配備するマスク、消毒液、空気洗浄機等の購入費用
  •  イベント等の中止により、廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損

※ 「災害により生じた損失等」とは、棚卸資産や固定資産に生じた被害(損失)に加え、その被害の拡大・発生を防止するために緊急に必要な措置を講ずるための費用が該当します。

〔災害により生じた損失等(翌年以後に繰り越される損失等)に該当しない例〕

  •  客足が減少したことによる売上げ減少額
  •  休業期間中に支払う人件費
  •  イベント等の中止により支払うキャンセル料、会場借上料、備品レンタル料

※ 上記のように、棚卸資産や固定資産に生じた被害の拡大・発生を防止するために直接要した費用とは言えないものについては、「災害により生じた損失等」に該当しません。

(参考2)個人事業者の繰戻還付及び繰越控除の適用の有無について

青色申告
(災害による損失かどうかを問わない)
白色申告
災害損失 災害損失以外
繰戻還付
〔1年繰り越し可〕  (注1)
×
繰越控除
〔3年繰り越し可〕  (注1)

〔3年繰り越し可〕
×
   (注2)

(注1) 青色申告者の繰戻還付(純損失の繰戻し)及び繰越控除(純損失の繰越控除)については、災害損失とそれ以外の損失で取扱いは変わらず、純損失の全額が繰戻還付及び繰越控除の対象となる。また、純損失の金額の全部又は一部を前年分に繰戻し、繰り戻さなかった損失の金額を翌年以後に繰り越すことも可能。

(注2) 変動所得の金額の計算上生じた損失の金額は繰越可能。

問9

個人に対して国や地方公共団体から助成金が支給された場合の取扱い〔6月12日更新〕

 新型コロナウイルス感染症等の影響に伴い、国や地方公共団体から個人に対して助成金が支給されることがありますが、こうした助成金は所得税の課税対象となりますか。

〇 国や地方公共団体からの助成金については、個別の助成金の事実関係によって、次のとおり課税関係が異なります。具体例については、以下の(参考)をご覧ください。

【非課税となるもの】

〇 次のような助成金(助成金には、商品券などの金銭以外の経済的利益を含みます。以下同じです。)は、非課税となります。

1 助成金の支給の根拠となる法令等の規定により、非課税所得とされるもの

1 その助成金が次に該当するなどして、所得税法の規定により、非課税所得とされるもの

  • ・ 学資として支給される金品(所得税法9条1項15号)
  • ・ 心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金(所得税法9条1項17号)

【課税となるもの】

〇 上記の非課税所得とならない助成金については、次のいずれかの所得として所得税の課税対象になります。

1 事業所得等に区分されるもの
 事業に関連して支給される助成金(例えば、事業者の収入が減少したことに対する補償や支払賃金などの必要経費に算入すべき支出の補てんを目的として支給するものなど)

※ 補償金の支給額を含めた1年間の収入から経費を差し引いた収支が赤字となる場合などには、税負担は生じません。また、支払賃金などの必要経費を補てんするものは、支出そのものが必要経費になります。

1 一時所得に区分されるもの
 例えば、事業に関連しない助成金で臨時的に一定の所得水準以下の方に対して一時に支給される助成金

※ 一時所得については、所得金額の計算上、50万円の特別控除が適用されることから、他の一時所得とされる金額との合計額が50万円を超えない限り、課税対象になりません。

1 雑所得に区分されるもの
 上記11に該当しない助成金

※ 一般的な給与所得者については、給与所得以外の所得が20万円以下である場合には、確定申告不要とされています。

※ 国や地方公共団体による主な助成金等の課税関係については、以下の(参考)をご確認ください。
 なお、以下の(参考)に記載がない助成金等の課税関係については、その助成金等の支給元である国や地方公共団体の窓口にご確認ください。

(参考)1 新型コロナウイルス感染症等の影響に関連して国等から支給される主な助成金等の課税関係(例示)

非 課 税

【支給の根拠となる法律が非課税の根拠となるもの】

  • 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金(雇用保険臨時特例法7条)
  • 新型コロナウイルス感染症対応休業給付金(雇用保険臨時特例法7条)

【新型コロナ税特法が非課税の根拠となるもの】

  • 特別定額給付金 (新型コロナ税特法4条1号)
  • 子育て世帯への臨時特別給付金 (新型コロナ税特法4条2号)

【所得税法が非課税の根拠となるもの】

  • 〇学資として支給される金品(所得税法9条1項15号)
  • 学生支援緊急給付金
  • 〇心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金(所得税法9条1項17号)
  • 低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
  • 新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金
  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券
  • 東京都のベビーシッター利用支援事業における助成
課 税

【事業所得等に区分されるもの】

  • 持続化給付金(事業所得者向け)
  • 家賃支援給付金
  • 農林漁業者への経営継続補助金
  • 文化芸術・スポーツ活動の継続支援
  • 東京都の感染拡大防止協力金
  • 雇用調整助成金
  • 小学校休業等対応助成金
  • 小学校休業等対応支援金

【一時所得に区分されるもの】

  • 持続化給付金(給与所得者向け)

【雑所得に区分されるもの】

  • 持続化給付金(雑所得者向け)

(参考)2 国等から支給される主な助成金等の課税関係(例示)
(新型コロナウイルス感染症等の影響に関連して給付されるものを除く。)

非 課 税

【支給の根拠となる法律が非課税の根拠となるもの】

  • 雇用保険の失業等給付(雇用保険法12条)
  • 生活保護の保護金品(生活保護法57条)
  • 児童(扶養)手当(児童手当法16条、児童扶養手当法25条)
  • 被災者生活再建支援金(被災者生活再建支援法21条)

【租税特別措置法が非課税の根拠となるもの】

  • 簡素な給付措置(臨時福祉給付金)(措置法41条の81項1号)
  • 子育て世帯臨時特例給付金(措置法41条の81項2号)
  • 年金生活者等支援臨時福祉給付金(措置法41条の81項3号)

【所得税法が非課税の根拠となるもの】

  • 学資として支給される金品(所得税法9条1項15号)
  • 東京都認証保育所の保育料助成金(所得税法9条1項15号)
課 税

【事業所得等に区分されるもの】

  • 肉用牛肥育経営安定特別対策事業による補てん金

【一時所得に区分されるもの】

  • すまい給付金
  • 地域振興券

【雑所得に区分されるもの】

  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における割引券(通常時のもの)
  • 東京都のベビーシッター利用支援事業における助成(通常時のもの)
問9-2

 学生に対して大学等から助成金が支給された場合の取扱い〔5月15日追加〕

 私は、都内の大学に通う学生ですが、新型コロナウイルス感染症の影響による学生支援策として、大学から次の助成金等を受領しました。
 これらの助成金等は、所得税の課税対象となりますか。  

1 学費を賄うために支給された支援金

1 生活費を賄うために支給された支援金

1 感染症に感染した学生に対する見舞金(5万円)

1 遠隔授業を受けるために供与された機械(パソコン等)

〇 ご質問については、それぞれ次のとおりとなります。

1 学費を賄うために支給された支援金
 非課税所得となる「学資金」(所得税法9条1項15号)に該当しますので、所得税の課税対象になりません。ただし、その支援金の使途が特に限定されていないと認められる場合には、下記1と同様の取扱いになります。

1 生活費を賄うために支給された支援金
 一時所得として収入金額に計上していただく必要があります。
 ただし、その年の他の一時所得とされる金額との合計額が50万円を超えない限り、所得税の課税対象にはなりません。

1 感染症に感染した学生に対する見舞金
 非課税所得となる「心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金」(所得税法9条1項17号)に該当しますので、所得税の課税対象になりません。

1 遠隔授業を受けるために供与された機械(パソコン等)
 非課税所得となる「学資金」(所得税法9条1項15号)に該当しますので、所得税の課税対象になりません。

問9-3

 従業員に対して事業者から見舞金が支給された場合の取扱い〔5月15日追加〕

 私は、介護老人福祉施設を有する法人の代表者です。当社は緊急事態宣言時に事業の継続が求められる事業に該当することもあり、これまで休業することなく事業を継続してきました。
 社会的な使命に応えるためとはいえ、緊急事態宣言中に事業を継続する中で、従業員には新型コロナウイルス感染症の感染リスクといった平常時には感じ得ない相当な不安を抱えながらも懸命に事業に従事していただきました。
 そこで、当社では、社内規程である慶弔基準を改定し、「新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言下において介護サービスを実施する従業員については、5万円の見舞金を支給する。」こととし、近日、この基準に従って支給することとしました。
 この見舞金は、非課税所得に該当し、給与等として源泉徴収することは不要ですか。

〇 ご質問の見舞金は、非課税所得に該当しますので、給与等として源泉徴収する必要はありません。

〇 新型コロナウイルス感染症に関連して従業員等が事業者から支給を受ける見舞金が、次の3つの条件を満たす場合には、所得税法上、非課税所得に該当します(所得税法9条1項17号)。

  • 1 その見舞金が心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるものであること【条件1
  • 1 その見舞金の支給額が社会通念上相当であること【条件1
  • 1 その見舞金が役務の対価たる性質を有していないこと【条件1

※ 緊急事態宣言が解除されてから相当期間を経過して支給の決定がされたものについては、そもそも「見舞金」とはいえない場合がありますので、ご留意ください。

【条件1について】

〇 心身に加えられた損害につき支払を受けるものの具体例は、次のとおりです。

  •  従業員等やその親族が新型コロナウイルス感染症に感染したため支払を受けるもの
  •  緊急事態宣言の下において、事業の継続を求められる事業者(注1)の従業員等で次のいずれにも該当する者が支払を受けるもの(注2)
    • ・ 多数の者との接触を余儀なくされる業務など新型コロナウイルス感染症の感染リスクの高い業務に従事している者
    • ・ 緊急事態宣言がされる前と比較して、相当程度心身に負担がかかっていると認められる者

(注1) 事業の継続が求められる事業者に該当するかどうかの判定に当たっては、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(令和2年3月28日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)を参考にしてください。

(注2) 緊急事態宣言がされた時から解除されるまでの間に業務に従事せざるを得なかったことに基因して支払を受けるものに限ります。

【条件1について】

〇 見舞金の支給額が社会通念上相当であるかどうかは、次の点を踏まえ判断することになります。

  •  その見舞金の支給額が、従業員等ごとに新型コロナウイルス感染症に感染する可能性の程度や感染の事実に応じた金額となっており、そのことが事業者の慶弔規程等において明らかにされているかどうか。
  •  その見舞金の支給額が、慶弔規程等や過去の取扱いに照らして相当と認められるものであるかどうか。

【条件1について】

〇 例えば、次のような見舞金は役務の対価たる性質を有していないものには該当しないことになります。

  •  本来受けるべき給与等の額を減額した上で、それに相当する額を支給するもの
  •  感染の可能性の程度等にかかわらず従業員等に一律に支給するもの
  •  感染の可能性の程度等が同じと認められる従業員等のうち特定の者にのみ支給するもの
  •  支給額が通常の給与等の額の多寡に応じて決定されるもの

〇 ご質問の見舞金について、上記条件1から1までを満たすものと考えられますので、非課税所得に該当し、給与等として源泉徴収する必要はありません。

〔参考〕

問10

売上げの一部を寄附した場合の必要経費の取扱い〔5月15日追加〕

 私は、個人で食料品の小売販売をしており、今般、売上げの一部を医療機関に寄附する取組を始めることにしました。この取組については、1指定商品の売上金額の一定割合を寄附金額とすること、1寄附先、1寄附日などをあらかじめ設定し、指定商品を購入するお客様にご理解いただけるよう店内ポスターやホームページなどで広く一般に周知するとともに、寄附をした後には、その旨も同様に周知することとしています。
 この度、予定どおり医療機関に寄附をしましたが、この支出は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできますか。

〇 ご質問については、医療機関に寄附した金額が、事前に広く一般に周知していた取組によるものであることが明らかである場合に限り、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することができます。

〇 所得税法上、必要経費とされるのは、収入金額を得るため直接要した費用と販売費・一般管理費等の所得を生ずべき業務について生じた費用とされています(所得税法37条1項)。

〇 ご質問によれば、商品の販売時において、所定の日に売上金額の一定割合の金額を指定された医療機関に寄附することを店内ポスターなどで広く一般に周知していたとのことですので、あなたが始めた取組は、新型コロナウイルス禍の下で社会的に必要とされる医療機関を支援する目的のほかに、集客を目的とした一種の広告宣伝としての効果を有しているものと認められます。
 また、顧客が指定商品を購入する際には、あなたと顧客との間で、この取組(取引条件)に合意していたものと考えられますので、あなたには、売上の一部から所定の金額を医療機関に寄附する義務が生じていることになります。

〇 したがって、医療機関に寄附をしたことによる支出は事業の遂行上必要なものとして生じたものと考えられますので、その支出は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することができます。

〇 なお、あらかじめ周知する内容が不明確である場合など、次のような場合には、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできませんので、ご留意ください。

  •  周知する内容を”売上げの一部を寄附します”としか示していない場合(寄附金額が不明確)
  •  周知する内容を”医療機関に寄附します”としか示していない場合(寄附先が不明確)
  •  周知内容と異なる内容の寄附を行っている場合(事業の遂行上必要かどうか不明確)

※ 個人事業主が支出した寄附金で、必要経費に算入されないものについては、事業主個人の家事上の経費になります。家事上の経費に該当する寄附の寄附先が国や地方公共団体等の寄附金(税額)控除の対象である場合には、控除の適用を受けることができます。

贈与税に関する取扱い

問11

住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例における取得期限等の延長について〔4月30日追加〕

 住宅取得等資金の非課税の特例について、次の場合に該当し、期限までに住宅の取得又は居住ができなかった場合でも適用を受けることはできますか。  

1 令和元年に父から住宅資金の贈与を受けて、家屋の棟上げまで工事が終了し、令和2年12月31日までに居住する見込みであるとして、この特例の適用を受けて贈与税の申告を行ったが、新型コロナウイルス感染症の影響により住宅の新築工事の工期が延長され同日までに居住できなかった場合

1 令和2年1月に母から贈与を受けた住宅資金について特例の適用を受ける予定であり、令和3年3月15日までに住宅を新築する見込みであったが、新型コロナウイルス感染症の影響により工事の工期が延長され、同日までに工事が完了できない場合

〇 「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」の適用を受けるためには、取得期限(贈与を受けた年の翌年3月15日)までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築(いわゆる棟上げまで工事が了している状態を含みます。)又は取得等をし、居住期限(同年12月31日)までにその家屋に居住する必要があります。

〇 ただし、「災害に基因するやむを得ない事情」により、取得期限までに新築等ができなかった場合又は居住期限までに居住ができなかった場合には、それぞれの期限が1年延長され、特例の適用を受けることができます(租税特別措置法70条の2第10項、第11項)。

〇 今般の新型コロナウイルス感染症に関しては、例えば、緊急事態宣言などによる感染拡大防止の取組に伴う工期の見直し、資機材等の調達が困難なことや感染者の発生などにより工事が施行できず工期が延長される場合など、新型コロナウイルス感染症の影響により生じた自己の責めに帰さない事由については、「災害に基因するやむを得ない事情」に該当するものと認められます。

〇 したがって、お尋ねの場合が、上記のやむを得ない事情に該当するときは、

  • 1の場合については、居住期限の延長がされますので、その延長後の居住期限(令和3年12月31日)までにその家屋に居住すれば、この特例の適用を受けることができます。
  • 1の場合については、取得期限と居住期限が延長されますので、その延長後の取得期限(令和4年3月15日)までにその家屋を取得し、延長後の居住期限(令和4年12月31日)までにその家屋に居住すれば、この特例の適用を受けることができます。

〇 具体的には、個々の事例により判断することとなりますが、ご不明な点がありましたら所轄の税務署へご相談ください。

〔参考〕

消費税に関する取扱い

問12

賃料の減額を行った場合の消費税率等の経過措置について〔5月15日追加〕

 不動産賃貸業を営む当社は、テナント賃料の支払の猶予に応じるなど柔軟な措置の実施を検討いただきたいとの政府の要請もあり、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けているテナント(賃借人)の支援のために、賃料を一定の期間減額することにしました。
 このテナントへの賃貸(資産の貸付け)については、消費税率等の経過措置(旧税率8%)の適用を受けていますが、上記の理由により賃料を減額した場合、引き続き、経過措置が適用されるのでしょうか。

【国土交通省から不動産関連業界への要請の概要】
 新型コロナウイルス感染症等の影響により賃料の支払が困難なテナントに対して、その状況に配慮して支払の猶予や賃料の減免に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討いただきたい。

〇 資産の貸付けに係る消費税率等の経過措置(旧税率8%)の適用を受けている賃料を、31年指定日(平成31年4月1日)以後に変更した場合は、変更後に行われる資産の貸付けには当該経過措置は適用されませんが、当該賃料の変更が「正当な理由に基づくもの」であれば、経過措置が適用されます。

〇 ご質問のように、政府の要請を踏まえて新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた賃借人の支援のために当該賃料を減額することが明らかな場合は、「正当な理由に基づくもの」として取り扱って差し支えありませんので、引き続き、資産の貸付けに係る消費税率等の経過措置が適用されます。

  • ※ 賃料の減額に係る変更契約書や覚書等において、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた賃借人の支援のために賃料を減額する旨を明らかにしておいてください。
  • ※ 不動産以外の資産(事務機器等)の貸付けについて、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた賃借人の支援のために賃料を一定の期間減額する場合も、同様に取り扱って差し支えありません。
  • ※ 当該政府の要請が行われる前に、賃貸業者が、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた賃借人の支援のために賃料を一定の期間減額した場合も、同様に取り扱って差し支えありません。

〔参考〕

租税条約に関する取扱い

問13

国際郵便の引受停止等により租税条約に関する届出書が提出できない場合の取扱い〔5月29日追加〕

 当社(源泉徴収義務者)は、外国法人(非居住者等)へ源泉徴収の対象となる著作権等の使用料を支払う予定です。
 その外国法人は、租税条約による源泉所得税の免除を受けたいとのことですが、その免除を受けるためには、租税条約に関する届出書をその使用料の支払日の前日(期限)までに当社を経由して、税務署に提出する必要があります。
 しかし、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴う国際郵便物の引受停止等により、期限までに届出書の提出ができそうにありません。
 このような場合、租税条約による源泉所得税の免除は受けられないのでしょうか。

〇 原則として、租税条約に関する届出書を期限までに提出できない場合、源泉徴収義務者は、その使用料に係る源泉所得税を法定納期限までに納付する必要があります(所得税法212条1項)。
 なお、後日、租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書を提出することで源泉徴収された所得税の還付を受けることができます(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令2条8項、9項等)。

〇 ご質問のように、新型コロナウイルス感染症の影響により、期限までに租税条約に関する届出書の原本を提出できない場合には、新型コロナウイルス感染症が沈静化するまでの当面の対応として、源泉徴収義務者が非居住者等からメール等により受領した届出書(その添付書類を含みます。)を出力したものを税務署に提出することとして差し支えありません。

〇 なお、非居住者等が租税条約に関する届出書の原本の提出をすることができることとなった際には、源泉徴収義務者は遅滞なく届出書の原本の提出を受ける必要がありますが、税務署からその原本の提出を求められるまでの間は、源泉徴収義務者において、その原本を保管しておくこととして差し支えありません。

※ この取扱いは、「外国居住者等所得相互免除法に関する届出書」の提出についても同様です。

問13-2

 租税条約に関する届出書に添付する居住者証明書を取得できない場合の取扱い〔5月29日追加〕

 当社(源泉徴収義務者)から源泉徴収の対象となる配当の支払を受ける外国法人(非居住者等)が、租税条約による源泉所得税の免除を受けるためには、租税条約に関する届出書に外国の税務当局が発行する居住者証明書を添付する必要があります。
 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、その外国の税務当局における居住者証明書の発行が遅延しており、届出書の提出期限までに居住者証明書を取得することが困難な状況となっています。
 このような場合、租税条約による源泉所得税の免除は受けられないのでしょうか。

〇 原則として、租税条約に関する届出書(居住者証明書等の添付書類を含みます。)を期限までに提出できない場合、源泉徴収義務者は、その配当に係る源泉所得税を法定納期限までに納付する必要があります(所得税法212条1項)。
 なお、後日、租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書を提出することで源泉徴収された所得税の還付を受けることができます(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令2条8項、9項等)。

〇 ご質問のように、租税条約に関する届出書に居住者証明書を添付する必要がある場合において、新型コロナウイルス感染症の影響により、外国の税務当局による居住者証明書の発行が遅延している旨の申立てがあり、次のように非居住者等が条約相手国の居住者であることが確認できる場合には、新型コロナウイルス感染症が沈静化するまでの当面の対応として、それぞれ次の方法によることとして差し支えありません。

1 源泉徴収義務者が非居住者等の居住者証明書の写し(おおむね1年以内に発行されたもの)を保管している場合
 源泉徴収義務者がその写しのコピーを作成し、その届出書に添付して提出する(後日、税務署から直近の居住者証明書等の確認を求められた場合には、その証明書の提出等をする)方法

1 非居住者等が源泉徴収義務者の関連会社等(注1)であって、その源泉徴収義務者において、その非居住者等が条約相手国の居住者であることが明らかな場合
 その源泉徴収義務者がその届出書の余白部分にその旨を記載(注2)して提出する(後日、居住者証明書の発行を受けた際には、その居住者証明書にその届出書の控え(税務署の収受印の押印のあるもの等)の写しを添付して税務署に提出する)方法

  • (注1) 関連会社等とは、源泉徴収義務者と資本関係や人的関係等を有する者で、その者が条約相手国の居住者であることについてその源泉徴収義務者において判断することができる者をいいます。
  • (注2) 届出書の余白部分には、例えば、「所得者は、支払者の親会社であり、〇〇国の居住者であることが明らかである。居住者証明書の発行が遅延しているため、当該証明書は後日提出する。」と記載してください。
  • ※ この取扱いは、「外国居住者等所得相互免除法に関する届出書」の提出についても同様です。