平成25年2月
国税庁鑑定企画官

 国税庁では、清酒製造業の健全な発達に資するために清酒の製造状況等の調査を行っています。調査の結果は国税庁の酒税行政を実施する上での基礎情報としているほか、清酒製造業者にも清酒の製造管理上の指標として活用されています。平成23酒造年度(平成23年7月1日〜平成24年6月30日)における清酒の製造状況等については、別表「平成23酒造年度清酒製造状況等」のとおりです。

1 清酒の製造場数

 平成23酒造年度において清酒を製造した場数は1,260場で、前年度から12場減少しています。
 清酒のタイプ別の製造場数は、特定名称の清酒においては、純米酒1,031場(前年度1,018場)、純米吟醸酒1,065場(同1,072場)、吟醸酒952場(同964場)、本醸造酒926場(同937場)であり、特定名称以外の清酒は958場(同962場)です。
 これらの全体の製造場に占める割合は、純米酒81.8%(前年度80.0%)、純米吟醸酒84.5%(同84.3%)、吟醸酒75.6%(同75.8%)、本醸造酒73.5%(同73.7%)、特定名称以外の清酒76.0%(同75.6%)となっています。

(注) 特定名称の清酒とは、清酒の製法品質表示基準(平成元年11月国税庁告示第8号)に定める純米酒、純米吟醸酒、吟醸酒及び本醸造酒のことをいいます。

2 清酒の製造数量

 平成23酒造年度における清酒の製造数量(アルコール分20度換算数量。以下同じ。)は、449,171キロリットル(前年度比102.2%)です。その内、特定名称の清酒の製造数量は、142,875キロリットル(同103.7%)となっています。
 特定名称の清酒のタイプ別の製造数量を前年度と比較すると、純米酒は前年度比103.8%、純米吟醸酒は同110.2%、吟醸酒は同115.9%、本醸造酒は同96.2%です。
 清酒のタイプ別の製造数量の推移は表1及び図1のとおりです。

3 原料米の使用数量等

 平成23酒造年度における清酒用原料米は、玄米としては237,791トン(前年度比102.3%)、白米(米粉含む)としては160,801トン(同102.1%)が使用されています。原料米使用数量の推移は表2及び図2のとおりです。
 精米歩合は66.9%(前年度67.1%)で、その推移は表3及び図3のとおりです。

(注) 精米歩合とは、玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米の、その玄米に対する重量の割合のことをいいます。

4 原料用アルコールの使用数量

 平成23酒造年度の清酒製造に使用された原料用アルコールの数量(アルコール分100度換算)は28,902キロリットル(前年度比101.0%)で、白米1トン当たりに換算すると179.7リットル(同99.0%)となります。原料用アルコールの使用数量の推移は表4及び図4のとおりです。

表1 清酒のタイプ別製造数量(アルコール分20度換算)の推移
酒造年度 19 20 21 22 23  
タイプ 前年度比
純米酒 キロリットル1 キロリットル2 キロリットル3 キロリットル4 キロリットル5
(9.9) (10.0) (10.2) (10.4) (10.5)  
49,844 49,248 47,882 45,512 47,259 103.8
純米吟醸酒 (5.4) (5.7) (5.5) (5.7) (6.2)  
26,950 28,041 25,703 25,211 27,772 110.2
吟醸酒 (4.2) (4.4) (3.9) (3.8) (4.3)  
20,946 21,691 18,303 16,544 19,179 115.9
本醸造酒 (13.2) (11.6) (11.9) (11.5) (10.8)  
66,188 57,094 55,942 50,565 48,666 96.2
(特定名称の清酒)
小計
(32.6) (31.6) (31.5) (31.4) (31.8)  
163,928 156,074 147,829 137,833 142,875 103.7
特定名称以外の清酒 (67.4) (68.4) (68.5) (68.6) (68.2)  
338,593 337,562 321,549 301,818 306,296 101.5
合計 (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)  
502,521 493,636 469,378 439,651 449,171 102.2

(注)

  • 1. ( )書は、構成比(%)です。
  • 2. 集計値の端数処理の関係で、各値の合計が合計値と異なる場合があります。

図1 清酒のタイプ別製造数量の推移

表2 原料米使用数量の推移
酒造年度 19 20 21 22 23  
区分 前年度比
玄米 トン1 トン2 トン3 トン4 トン5 %
270,363 260,715 245,742 232,421 237,791 102.3
白米 182,366 176,958 167,042 157,521 160,801 102.1

図2 原料米使用数量の推移

表3 精米歩合の推移
酒造年度 19 20 21 22 23
区分
純米酒 % % % % %
65.6 65.7 65.9 65.9 65.5
純米吟醸酒 51.7 51.9 51.9 51.7 51.7
吟醸酒 50.5 50.4 50.3 50.1 50.6
本醸造酒 64.8 65.4 64.9 64.6 65.1
特定名称以外の清酒 72.6 72.9 73.5 73.6 73.7
合計 66.6 66.8 67.2 67.1 66.9

図3 精米歩合の推移

表4 原料用アルコールの使用数量(アルコール分100度換算)の推移
酒造年度 19 20 21 22 23  
区分 前年度比
使用数量 キロリットル1 キロリットル2 キロリットル3 キロリットル4 キロリットル5 %
33,093 32,307 30,730 28,614 28,902 101.0
白米1t当たり使用数量 リットル1 リットル2 リットル3 リットル4 リットル5 %
181.5 182.6 184.0 181.7 179.7 99.0

図4 白米1t当たりの原料用アルコール使用数量の推移

図4 白米1t当たりの原料用アルコールの使用数量の推移

別表

平成23酒造年度清酒製造状況等

区分 製造場数 製成清酒 製成かす 使用原料
実数 平均アルコール分 日本酒度合計 平均日本酒度 実数 アルコール又はしょうちゅう
  純アル数量 (玄米) 白米 (純アル数量) 白米1tあたり
純米酒 キロリットル1 キロリットル2 千度 トン1 トン2 トン3 キロリットル リットル
1,031 51,993 9,452 18.2 82,138 1.6 6,789 37,447 24,537 - -
純米吟醸酒 1,065 31,582 5,554 17.6 66,549 2.1 5,364 29,221 15,098 - -
吟醸酒 952 20,311 3,836 18.9 85,767 4.2 3,197 16,917 8,554 846 98.9
本醸造酒 926 49,266 9,733 19.8 169,437 3.4 5,788 31,120 20,254 2,280 112.6
特定名称以外の清酒 958 297,758 61,259 20.6 375,760 1.3 19,158 123,085 92,359 25,776 279.1
全体 1,260 450,909 89,834 19.9 779,651 1.7 40,296 237,791 160,801 28,902 179.7

区分 使用原料 各種歩合
糖類 酸類 清酒かす 清酒 精米歩合 かす歩合
ぶどう糖 水あめ 乳酸 こはく酸 くえん酸 りんご酸 実数 純アル数量
純米酒 キログラム1 キログラム2 キログラム3 キログラム4 キログラム5 キログラム6 トン キロリットル1 キロリットル2 % %
- - - - - - - - - 65.5 27.7
純米吟醸酒 - - - - - - - - - 51.7 35.5
吟醸酒 - - - - - - - - - 50.6 37.4
本醸造酒 - - - - - - - - - 65.1 28.6
特定名称以外の清酒 1,589,866 3,768,720 16,107 13,407 3,240 768 25 181 11 73.7 20.7
全体 1,589,866 3,768,720 16,107 13,407 3,240 768 25 181 11 66.9 25.0

(注)

  • 1. 集計値の端数処理の関係で、各値の合計が合計値と異なる場合があります。
  • 2. 純アル数量とは、製成清酒(実数)に含まれるアルコール分(100度換算)の数量をいいます。
  • 3. 日本酒度とは清酒の比重を表す指標です。
  • 4. 「日本酒度合計」は、日本酒度×製成数量(リットル)の累計です。
  • 5. 精米歩合とは、玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米の、その玄米に対する重量の割合をいいます。