平成23年1月
国税庁鑑定企画官

 国税庁では、清酒製造業の健全な発達に資するために清酒の製造状況等の調査を行っています。調査の結果は清酒の製造管理上の指標として清酒製造業者に利用されています。平成21酒造年度(平成21年7月1日〜平成22年6月30日)における清酒の製造状況等については、別表「平成21酒造年度清酒製造状況等」のとおりです。

1 清酒の製造場数

 平成21酒造年度において清酒を製造した場数は1,302場で、前年度から27場減少しています。
 製造方法別の製造場数は、特定名称清酒においては、純米酒1,035場(前年度1,027場)、純米吟醸酒1,112場(同1,123場)、吟醸酒1,001場(同1,026場)、本醸造酒973場(同994場)であり、特定名称清酒以外の清酒は998場(前年度1,041場)です。
 これらの全体の製造場に占める割合は、純米酒79.5%(前年度77.3%)、純米吟醸酒85.4%(同84.5%)、吟醸酒76.9%(同77.2%)、本醸造酒74.7%(同74.8%)、特定名称清酒以外の清酒76.7%(同78.3%)となっています。
(注)特定名称清酒とは、純米酒、純米吟醸酒、吟醸酒及び本醸造酒のことをいいます。

2 清酒の製造数量

 平成21酒造年度における清酒の製造数量(アルコール分20度換算数量)は、469,378キロリットル(対前年度比4.9%減)です。その内、特定名称清酒の製造数量(アルコール分20度換算数量)は、147,829キロリットル(対前年度比5.3%減)となっています。
 特定名称清酒の製造方法別の製造数量対前年度比は、純米酒(対前年度比2.8%減)、純米吟醸酒(同8.3%減)、吟醸酒(同15.6%減)及び本醸造酒(同2.0%減)です。
 製造方法別の製造数量(アルコール分20度換算)の推移は表1及び図1のとおりです。

3 原料米の使用数量等

 平成21酒造年度における清酒用原料米は、玄米としては245,742トン(対前年度比5.7%減)、白米としては167,042トン(同5.6%減)が使用されています。原料米使用数量の推移は表2及び図2のとおりです。
 精米歩合は67.2%(前年度66.8%)で、その推移は表3及び図3のとおりです。

4 原料用アルコールの使用数量

 平成21酒造年度の清酒製造に使用された原料用アルコールの数量(アルコール分100度換算)は30,730キロリットル(対前年度比4.9%減)で、白米1トン当たりに換算すると184.0リットル(同0.8%増)となります。原料用アルコールの使用数量の推移は表4及び図4のとおりです。

表1 製造方法別製造数量(アルコール分20度換算)の推移
酒造年度
区分
17 18 19 20 21  
前年度比
純米酒 キロリットル1 キロリットル2 キロリットル3 キロリットル4 キロリットル5
(9.4)
49,322
(9.8)
51,451
(9.9)
49,844
(10.0)
49,248
(10.2)
47,882
97.2
純米吟醸酒 (4.7)
24,753
(5.2)
27,174
(5.4)
26,950
(5.7)
28,041
(5.5)
25,703
91.7
吟醸酒 (4.6)
24,227
(4.8)
25,205
(4.2)
20,946
(4.4)
21,691
(3.9)
18,303
84.4
本醸造酒 (13.1)
68,182
(13.5)
70,616
(13.2)
66,188
(11.6)
57,094
(11.9)
55,942
98.0
(特定名称清酒)小計 (31.9)
166,486
(33.3)
174,445
(32.6)
163,928
(31.6)
156,074
(31.5)
147,829
94.7
特定名称清酒以外の清酒 (68.2)
355,795
(66.7)
349,847
(67.4)
338,593
(68.4)
337,562
(68.5)
321,549
95.3
合計 (100.0)
522,281
(100.0)
524,293
(100.0)
502,521
(100.0)
493,636
(100.0)
469,378
95.1

(注)

  • 1. ( )書は、構成比(%)です。
  • 2. 集計値の端数処理の関係で、各値の合計が合計値と異なる場合があります。
図1 清酒の製造数量の推移
清酒の製造数量の推移
表2 原料米使用数量の推移
酒造年度            
区分 17 18 19 20 21 前年度比
玄米 トン
273,375
トン
282,256
トン
270,363
トン
260,715
トン
245,742

94.3
白米 187,313 190,426 182,366 176,958 167,042 94.4
図2 原料米使用数量の推移
表3 精米歩合の推移
酒造年度          
区分 17 18 19 20 21
純米酒
66.2

66.0

65.6

65.7

65.9
純米吟醸酒 51.9 52.0 51.7 51.9 51.9
吟醸酒 50.8 51.0 50.5 50.4 50.3
本醸造酒 65.4 65.4 64.8 65.4 64.9
特定名称清酒以外の清酒 72.4 72.6 72.6 72.9 73.5
合計 66.8 66.8 66.6 66.8 67.2
図3 精米歩合の推移
精米歩合の推移
表4 原料用アルコールの使用数量(アルコール分100度換算)の推移
酒造年度
区分
17 18 19 20 21  
前年度比
使用数量 キロリットル1 キロリットル2 キロリットル3 キロリットル4 キロリットル5
35,699 34,205 33,093 32,307 30,730 95.1
白米1トン当たり使用数量 リットル1 リットル2 リットル3 リットル4 リットル5
190.6 179.6 181.5 182.6 184.0 100.8
図4 白米1トン当たりの原料用アルコール使用数量

白米1t当たりの原料用アルコール使用数量

別表 平成21酒造年度清酒製造状況等
区分 製造場数 製成清酒 製成かす 使用原料  
実数 平均アルコール分 日本酒度
合計
平均
日本酒度
実数 アルコール又はしょうちゅう
  純アル数量 (玄米) 白米 (純アル数量) 白米1トンあたり
純米酒 キロリットル1 キロリットル2 千度 トン1 トン2 トン3 キロリットル リットル
1,035 52,439 9,576 18.3 91,434 1.7 6,328 37,314 24,572
純米吟醸酒 1,112 28,988 5,141 17.7 63,380 2.2 4,590 26,488 13,756
吟醸酒 1,001 19,341 3,661 18.9 71,007 3.7 2,848 16,041 8,062 828 102.7
本醸造酒 973 56,321 11,188 19.9 181,690 3.2 6,305 35,665 23,157 2,602 112.4
特定名称清酒以外の清酒 998 311,790 64,310 20.6 200,097 0.6 19,672 130,233 97,495 27,300 280.0
全体 1,302 468,878 93,876 20.0 607,608 1.3 39,743 245,742 167,042 30,730 184.0
区分 使用原料 各種歩合
糖類 酸類 グルタミン酸ソーダ 清酒かす 清酒 精米歩合 かす歩合
ぶどう糖 水あめ 乳酸 こはく酸 くえん酸 りんご酸 実数 純アル数量
純米酒 キログラム1 キログラム2 キログラム3 キログラム4 キログラム5 キログラム6 キログラム7 トン キロリットル1 キロリットル2
65.9 25.8
純米吟醸酒 51.9 33.4
吟醸酒 50.3 35.3
本醸造酒 64.9 27.2
特定名称清酒以外の清酒 1,082,431 4,237,952 27,546 16,263 4,846 275 33 19 439 30 73.5 20.2
全体 1,082,431 4,237,952 27,546 16,263 4,846 275 33 19 439 30 67.2 23.8

(注)

  • 1. 集計値の端数処理の関係で、各値の合計が合計値と異なる場合があります。
  • 2. 純アル数量とは、製成清酒(実数)に含まれるアルコール分(100度換算)の数量をいいます。
  • 3. 日本酒度とは清酒の比重を表す指標です。
  • 4. 「日本酒度合計」は、日本酒度×製成数量(リットル)の累計です。
  • 5. 精米歩合とは、玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米の、その玄米に対する重量の割合をいいます。