税の学習コーナー

税の学習コーナー税の作文(中学生・高校生) 平成29年度「税に関する高校生の作文」国税庁長官賞受賞者発表

平成29年度「税に関する高校生の作文」国税庁長官賞受賞者発表

国税庁長官賞

【題名】納税の心持ち

【都道府県】北海道

【学校名・学年】学校法人北海道龍谷学園双葉高等学校 一年

【氏名】野月 そよか

 一体どれほどの人が納税に喜びを感じているのだろうか。現在日本では少子高齢化が進んでいる。高齢化に伴って社会保障費に関する支出が増える中、少子化は納税の義務を持つ生産年齢人口を減少させている現状がある。一九五〇年時点では一人の高齢者を十二.一人で支えていたのに対し、このままでは一人で一人を支えることになるのだ。私たちが将来、自らの所得から納税するようになったとき、どれほどの負担がかかるのか少し心配だ。私たちもいずれ今以上に社会保障制度に支えられるだろう。ただ、払わなくてよいのならば払いたくない。そう思っていた。
 納税したい、と強く願う人たちの存在を知っているだろうか。様々なことにハンディキャップを持った人たちだ。彼らの中には税額の減税や免除を受けている人が多い。しかし、それらに頼らず、自ら納税の義務を果たすことで社会に貢献したいと思っているのだ。私のいとこは、小学校のときに頸髄を損傷し、手足が動かない状態になった。その後、彼女は口に筆をくわえて絵を描く取り組みを始め、現在までで二冊の本を出版している。その絵本のあとがきには、彼女の母親がこう書いている。「社会にいることを再確認できました。」様々な人とかかわりながら働き、お金を稼ぐ。そしてその中から税を納め、社会に貢献できることを喜ぶ。私が納税したくないと思っていたことが恥ずかしくなった。
 社会保障制度のみならず、私たちの身の回りには、税によって賄われているものがたくさんある。公共施設の管理や道路の整備、教育費の負担など数えきれない。これらは「納税の義務」がなければ成り立たないものである。税は形を変え、自分ひとりの力では貢献できないものに貢献させてくれる。今回、作文を書くにあたって「納税」に喜びを感じている人たちの存在を知った。これから先、自分の所得から納税するときには、払いたくないといった気持ちではなく、自ら社会に貢献できるということに喜びを感じたい。そのためには税の仕組みの理解、使われ方を学ぶことが重要だ。自らの所得から納税する立場となるまで、税についての知識を蓄え、気持ちよく納税できる大人になりたい。

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【題名】税金の意義と私達の責務

【都道府県】岩手県

【学校名・学年】岩手県立杜陵高等学校 一年

【氏名】山谷 未来

 小・中学校で使用されている教科書には、「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待を込め、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」というメッセージがある。しかし、高校で使用している教科書にはこのメッセージはない。それに気づいた時、私は改めて税金の有り難さを感じた。と同時に、税の恩恵にあずかるばかりではなく、将来納税する立場として、社会を支えたいと思った。そう考えると、思わず身が引き締まる思いがした。
 振り返ってみると、母子家庭で育った私の生活は、税金による充実した支援や補助により助けられてきた。例えば病気になった時に、病院での診療や薬の処方を低額で受けられるのは「ひとり親家庭医療制度」のお陰である。この制度一つとっても貴重な税金が使われている。その制度の有り難さを痛感したのは、去年私が突然アナフィラキシーショックを発症し、あまりの苦痛に救急車を呼んだ時である。幸い適切な処置を受け大事には至らず済んだが、医師からは「救急車で来て良かった。」と言われた。この時、生まれて初めて「命を救ってもらった。」という実感が湧き、厚く感謝の念を抱いた。退院後、私は母に「悪いね。救急車呼んだりして。お金かかったでしょ。」と言った。すると母は「ああそれは大丈夫。補助してもらえるから。救急車は無料だから。」と答えた。そのことを知らなかった私はとても驚いた。同時に私の中で税に対する考え方が前向きになり、税についてもっと理解を深めねばならぬという思いを強く抱いた。
 勿論、医療費助成だけではなく、様々な場面に税金は使われていて、高校等の授業料も賄われている。また、道路の舗装やゴミの収集等、身近な所で有意義に税は使われている。税は私達を根底から支える意義を持っていて私達の生活は「税による支えがあってこそ」成り立っている。
 しかし現在、日本は少子高齢化という問題を抱え、そこから多様な諸問題が発生している。その一つが、三十二兆円超の年金など社会保障費を捻出するため、減少している若年層の税負担が増加していることだ。そのため若者達は、税制度そのものを否定的に捉えてしまう傾向にある。だがそのような考えは自らの文化的な生活を喪失してしまうおそれをはらんでいる。私達は納税することで、健康で文化的な生活を営める。このシステムに対する理解と関心を深めれば、それを社会の変化に合わせ改良・発展させ、より豊かな生活に結びつけ得ると私は考える。
 さらにグローバル化が拡大していく中、国内のみならず、国際社会の存続に関わっても日本の税金が必要とされている。税はまさに、国内外での「社会の会費」となっている。
 最後に、先人達が築いてきた素晴らしい制度を維持しつつさらに発展させ、次の世代に託すことが、無償で教科書を託された、日本や世界の未来を担う私達の責務であると思う。

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【題名】税金を知ること

【都道府県】茨城県

【学校名・学年】茨城県立竜ヶ崎第一高等学校 一年

【氏名】川島 夏実

 テレビで時折取り上げられる「滞納者」。差し押さえされてまでも税金を納めないのはなぜか。それは税金について知らず、自分のお金が持っていかれる、という見方をしているからではないかと私は思います。その考えを持ったのは、デンマークの税金と国民について知ったことがきっかけでした。
 デンマークが「高福祉・高負担」で「国民の幸福度ランキング」世界1位であることは有名です。高負担であるにも関わらず国民が幸福だと感じているのは、国民が税金の仕組みや使い道をよく知り、恩恵を享受し、それを実感できているからだと思います。
 以前、海外の生活を紹介する番組で、「税金が高いことを不満に思わないのはなぜか」という問いに対してデンマーク人の女性が、「きちんと高福祉を受けているのを実感して満足しているから」と答えているのを見ました。どんなに税金が高くても、なぜ高いのか、自分達にはどんなメリットがあるのかをきちんと知っているから、国民は何の不満もなく税金を納め、そして幸せを感じているのです。
 「税金は嫌だ」「これ以上増税するなんてとんでもない」という人も多い日本の消費税8パーセントは、世界的に見れば低い方です。このような日本で、「高福祉・高負担」を取り入れるべきだとは思いません。日本の福祉制度も、良い方だと思います。ただそんな日本の中で税金に対して批判的な意見が出るのは、先にも述べたように、税金のことを知らず、また、税金の恩恵を意識できていないからだと思います。
 お金のことを心配せずに救急車や消防車を呼べる。舗装された安全な道を通って通勤・通学ができる。ごみのない綺麗な街で生活できる…。そんな「当たり前」だけど「幸せ」な日々を作ってくれているのが税金だということを知って感謝すれば、「お金を持っていかれる」などというマイナスなイメージはなくなるはずです。そして日本が、デンマークのような幸福度の高い国に近づく一歩になるでしょう。
 生まれてから今まで、税金の恩恵を全く受けず、そしてこれからも税金に支えられることなく生活する人は一人もいません。私達の暮らしを作り、支えてくれる税金を身近に感じるために、「よく分からないから」と避けるのではなく、誰もが関心を持って自分からよく知ることがまず大切なのだと思います。
 今はあまり納税を意識することなく生活している私も、数年すれば納税者になります。今以上に税金について学び理解を深めて、感謝しながら納税できる大人になりたいと思います。

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【題名】税金よ、国民の共有財産であれ!

【都道府県】神奈川県

【学校名・学年】神奈川県立平塚江南高等学校 二年

【氏名】征矢 晶紀子

 七月十九日、ヤフーの意識調査には、新たに検討されている税金の賛否を問うものがあった。日本から出国するすべての人が対象で、航空機や船舶の代金に税金を上乗せする。観光分野の財源確保が狙いだ。正直、たったこれだけの情報で回答を求める調査に違和感を覚えた。この時私は、国際連帯税を思い出した。国境を越えた活動に少額の課税をして、感染症や気候変動や貧困など、地球規模の問題を解決するための資金に充てるのだ。航空券への課税は、すでにいくつかの国が導入し、成果を上げている。出国時の課税には、自国の財源確保を目的にするだけではなく、国際社会への貢献も盛り込むべきだと感じた。
 最近、心に響いたCMがある。
 例えば、レンガを積んで橋を造る仕事がある。目的を知らずに積むのと、橋を造ると知って積むのとでは、出来上がりが違うはずだ。(野村証券CM)
 私たちも、目的のある納税がしたい。日本という国の出来上がりも違ってくるだろう。国民の義務である納税が、税金を納めるだけで完結していてはならない。税金が生活のどんな場面で使われ、自分たちの助けになっているのか、国民は知っておく必要がある。それは、私たちに与えられている権利なのだ。
 これは、私と母が陸上部の栄養講習に参加してからの話である。母は日常、家族の栄養バランスを支えるために、一日三度の食事を作ることを考えていた。しかし、いろいろな情報をたくわえ試行錯誤するうちに、「食」に対する使命感が生まれ、強い興味を感じるようになる。自分の今日の料理が、家族の数ヶ月先の体をつくっているという自負が生まれた。さらに、家族が幸せに過ごせるよう、健康を支えているのは自分だという満足感を感じるようになったという。自分自身の行動に意味や価値を見出せると、やりがいや意欲が生まれる。納税という行為にも、意味や価値を感じられるようになるのが、目指す形だと思う。しかし今、消費税を払うという一番身近な納税に、その意味や価値を感じている人は、どれくらいいるのだろうか。
 税金について国民に語られる時は、その目的や問題点、取り組みの成果や実績など、出来るだけ多くの情報を公表するべきだと思う。たとえ非公式の発表や意識調査であっても、全体の一部分だけを小出しにして、不確かな情報を与えたまま国民を放置してはならない。正確で詳しい情報を皆が共有し、ともに考えたい。「納税は価値のある行為だ」と誰もが思える日本であれば、私たちの毎日の生活は、豊かなエネルギーで満ちあふれるはずだ。
 また、今後私は「地球規模の税金」にも関心を持とうと思う。新しい発想で世界との絆を強める取り組みについて考え、日本人として国際協力の意識も高めたいと感じている。
 「税金よ、国民の共有財産であれ!」
 一国民である一高校生の声が、中央に届くことを信じている。

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【題名】未来を想う優しさ

【都道府県】富山県

【学校名・学年】富山県立高岡高等学校 一年

【氏名】前田 野乃葉

「消費税、高っ。ばあちゃん、ごめん。」
 今春、高校生になった私に祖母が電子辞書を買ってくれた。二万円代の物を選んだはずが、レジでの支払いは三万円超え。消費税を忘れていた私は、思わぬ高額に大きな声で祖母に謝った。
 祖母は帰り道、私に
「野乃葉、あんなこと簡単に言うたらあかん。」
と言った。私が何のことか分からずにポカンとしていると、
「消費税高い、言うたやろ。税金の使い道知ってたら、そんなことよう言わんよ。考えなしに不満言う人になったらあかん。税金は未来や社会で暮らすみんなの為に必要な経費やから、高いやら、取られとるなんて、ばあちゃんは思わん。でも、野乃葉がいろいろ考えた上で、高いなぁ思うんならそん時は意見せんなん。それは、選挙の一票を必ず投票に行くことやよ。」
と言い、続けて祖母は昔、癌になり闘病したことで、税金で成り立つ公共のサービスにすごく助けられ、社会からの助けがあって今の自分があると日々感謝し、健康なら働きたいと六十七歳になった今も働き続けていることを話してくれた。私はいつも元気で明るい祖母しか知らなかったので驚いた。話の中で特に驚かされたのは、抗ガン剤治療の合間には鬘を被って働いていたことだった。鬘を被ってまで働かなきゃいけないくらいの貧乏だったの?と聞くと、祖母は大笑いして、言った。
「社会の一員として働き、税を納めれるって幸せや。だって、自分が未来の誰かの役に立てるんだから。野乃葉が毎週十冊も本借りてた図書館や、水筒持って一緒に散歩した公園にも、ばあちゃんの税金ちょびっとは役に立ったかと思ったら、嬉しいよ。」
 本当だ。この社会は、どこかの誰かの『未来を想う優しさ』が『税金』という形で集まり、その恩恵であふれている。
 祖母からの合格祝いは、高価な電子辞書だけでなく、社会の一員としてしっかりと自分の考えを持って発言することの大切さと、日頃忘れがちな税金の恩恵への感謝の気持ちを持つこと、という今後の自分にとって、とても大切なものを贈ってもらったように思う。
 数日後、手がちぎれんばかりの冊数の高校の教科書を五万円程で購入した私は、今まで小、中学校と無償だった教科書がこんなにも高価な物であったことを実感し、改めて教育の環境を整えてくださっている税を納める社会の方々に感謝し、税金のしくみをありがたいと思った。
 祖母からの合格祝いの教えを胸に、勉学に励むのはもちろんのこと、常に社会や政治に関心を持ち、考え、自分の意見をしっかりと持った上で、社会の一員としての大切な一票を投じることができるように努力し、将来は医療の仕事に就き、税金を納め、未来を想う優しさを贈り続ける社会人になろう、と心に誓った春だった。

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【題名】私達の使命

【都道府県】静岡県

【学校名・学年】静岡県立富士高等学校 一年

【氏名】金子 渓

 この夏、私はロンドンを旅行した。イギリスと日本、同じ先進国といえども、言葉や文化、生活習慣などにおいて、多くの違いがある。ロンドンについて下調べをしていく中で驚いたことの一つに消費税の高さがある。なんと20%だ。日本の倍以上ある。国民から不満は出ないのだろうか。
 イギリスの税率に興味を持ち、調べを進めてみると、イギリスの消費税VATは、かなり高い消費税率だが、全てにかかる訳ではないようだ。食品や子供服、おむつ、書籍、新聞、医薬品などには消費税はかからない。これなら納得がいく。消費税の高い国々では生活必需品と贅沢品とで差を設けており、消費税率の高さが人々の大きな負担にならないように配慮されているのだ。
 またおもしろい税金もある。渋滞税だ。渋滞が社会問題化したロンドンだが、この施行によって公共機関などの利用を促し、一定の効果が出たそうだ。そしてこの税はハイブリットカーや電気自動車など地球にやさしい税金には課税されない。長い目で見れば空気の改善も期待できるだろう。都市部の渋滞に頭を悩ます日本でも、誰もが納得できる仕組みさえ整えば導入するのも可能ではないかと思う。こうしてみると税金とは巡りに巡って私達の生活をより便利に豊かにするものだということに気付く。これはイギリスも日本も全く同じだ。学校、図書館、公園…。私の身の周りでも形をかえて広く深く税金は生かされている。
 しかし残念なことに、イギリスを訪れている間に、私はイギリスの闇の部分も目の当たりにした。地下鉄の近くや路上には住む家もなく、そこに寝泊まりしている人々がいた。緊縮財政で公共サービスの縮小が続く現在のイギリスを物語っている。かつて「ゆりかごから墓場まで」と言われた福祉国家は大きく変容してしまったのか。そして今の日本もまたイギリスと同様、貧困と無縁だとは否めないのが実情だ。とても悲しい。税金は明るい場所を色鮮かに輝かせる為ではなく、暗闇を優しく照らすものであってほしいと願う。大切なことは、国民から集めた税金を国などが使うことで、それに最大限の価値を持たせることではないかと思う。その為に私達ができることは、不満を言う前に、税金の向かう先にしっかりと目を向けることではないか。税金の使い途が不透明だと感じるのは、私達の税金、すなわち政治への無関心さが起因しているのだと痛感する。
 これからの日本は税金を負担する人が減少する一方で、税金をもとにやらねばならない仕事は増えていく。政府の借金もどんどん増えている。この現状を変えていくにはどうしたらよいのだろう。簡単には答えはでない。しかし、私達一人一人が利己的な考えを捨て、社会に参加する意識を高めることこそ、この閉塞から抜け出す糸口になると私は確信する。そして日本だけでなく世界の人々が幸せに暮せる社会を世界中のみんなで作り出す。それが私達若い世代に与えられた使命だと強く思う。

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【題名】教科書の後ろに書かれた言葉

【都道府県】京都府

【学校名・学年】京都教育大学附属高等学校 一年

【氏名】白杉 紫帆子

 「はい、これお金。」四月、高校の入学前の登校日の前日。私は母から教科書代を預かった。その時、私は違和感を覚えたのと同時に小学校で初めて教科書をもらった時のことを思い出した。もう十年程前のことなので、小学一年生の時の出来事なんてほとんど覚えていない。にも関わらず、なぜかこの時のことだけは、はっきりと思い出せたのだ。
 同じく四月のこと。小学校に入学した私たちには教科書が配られた。初めてもらった教科書は、これから始まる学校生活をより一層楽しみにさせるものの一つだった。そして何日か経ち、いよいよ教科書を使う授業の日がやってきた。「やっと教科書を使える。」とわくわくしながら先生の「教科書を開いてください。」という指示を待っていた。しかし、先生の口から発せられた言葉は私が想像していたものとは違うものだった。「みなさん、教科書を開く前に、教科書の後ろを見てみてください。」私は若干の驚きを感じながらも、言われたように教科書の後ろを見た。そこには小さな文字でこう書いてあった。
「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、国民の税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」
 先生はこの言葉を読み、私たちに分かりやすく説明して下さった。しかし、その時はまだこのことの意味はあまり分かっておらず、ただ「そうなんだ。」と思っただけだった。この言葉は、どの教科の教科書にもしっかりと書かれていた。
 さらに、中学に入学し、教科書をもらった時も同じことを言われた。その時には税について少しだけ知識を持っていたので、なんとなくだったが「大切に使おう。」と思えた。
 そして現在。私の教科書にはもう、小中学生の頃に見たあの言葉はどこにも書かれていない。そこで初めて、私はやっと「税が私たちを支えてくれていたんだ。」ということを実感したのだ。もしも税がなかったら、私たちは教科書代を自分たちで支払わなければならなかっただろう。そしてそれは、かなりの負担になったに違いない。
 税によって、国民全員で一人一人を支えていく。そして、支えられ大人になれたからこそ、今度は税によって、皆で子供たちを支えていく。とても素敵なつながりだと感じた。税は、そのつながりをつくるのに欠かせないものなんだと思った。
 税と聞いてイメージするのは「家計を圧迫する」といったような、マイナスのものが多い。私たちは小さい頃から税に助けられてきたのに、そう感じてしまうのは、とても恩知らずなことなのではないだろうか。もっと税のプラスの面を見ようとし、知っていく必要があると思った。税を「払わせられている」のではなく「払うことで未来を支えている」と考えれば、これほどまでに名誉なことはないだろう。

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【題名】チームワーク

【都道府県】山口県

【学校名・学年】学校法人櫨蔭学園聖光高等学校 一年

【氏名】中本 至音

 僕は聖光高校の硬式野球部で活躍している。野球は団体競技でもあり、個人競技でもある。夏の大会に僕は投手で出場した。捕手のミットを狙ってボールを投げる。三振がとれた時僕は大声を出しガッツポーズした。打たれても守備の先輩が守ってくれる。初めての夏の大会で僕は、とても楽しく投げることができた。キャッチャーミットにボールが入った時の乾いた高い音は今でも思い出すことができる。僕達は二回戦で負けてしまったけど、最後の一球まで「勝ちたい」という思いでプレーすることができた。悔し涙は沢山でたけれど、来年はもっと勝ち進んで大好きな仲間と最高の野球をするんだと思った。
 税金を納める事も野球と同じで個人でやることだけど大切なのは団体で行うことだ。僕達は主に道具を買った時や食べ物を買った時に消費税を税金として納める。僕達ひとり一人が納める税金は微量なものでしかないけれど、これが何十人、何百人という風に増えると微量だったものがどんどんふくれあがり大きな力を持つことになる。税金も努力と同じでコツコツ積み上げていくことで最後は大きな山となり自分に返ってくる。財務省は捕手で僕達国民は全員が投手である。税金というボールを財務省に向けて投げる。こうして次々と国民が投げたボールは捕手のミットに納まる。一人ではできないことも全員が同じ場所を目指すことで普段の何倍、何十倍もの力になる。そうして集められた税金は、スタンドで待つ応援団のもとにホームランで配られる。病院などに分配された税金は僕達がケガや病気になった時の医療費となる。応援団がいるから僕達は思い切って野球をすることができる。いつも以上のプレーができるのは応援の力だと思う。だから応援してくれる人達に感謝を常にしようと思う。
 税金があるから僕達の生活はとても充実している。僕は中学生の時に腰椎分離症になり大好きな野球を半年することができなかった。長い期間病院に通った。今思えば、あの時医療保険がなかったら、治療するだけで大金がかかるため野球は続けられなかったと思う。色々な人の税金を使って今も自分は野球をしている。そう考えると自分が税金を納めるのは当たり前だと思う。自分が納めた税金で他の人の力になれるのならば、それはとても幸せなことだと思う。
 何事でもそうだけど、人は一人では何もできない。税金を納めることも、利用するのも一人ではできない。上手く税金を利用するためにもチームワークがとても必要だと思う。チームワークが良いと困難なことでも乗りこえられる。一人じゃないから頑張れる。税金を納めるのも自分一人じゃない。「みんなは一人のために、一人はみんなのために」この言葉をずっと忘れないようにしたい。

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【題名】税はみんなの貯金箱

【都道府県】香川県

【学校名・学年】香川県立三木高等学校 一年

【氏名】立山 温貴

 「最大多数の最大幸福」という言葉を教科書で見た事がある。インターネットで調べたら、ベンサムという人が唱えた考え方で、よりたくさんの人がより幸せになる、という事だそうだ。そんないい事があったらこの上なく素晴らしい。しかし、幸せになるのが同じ考え方の人たちで、他の意見や立場の人は無視されていたら、あまり良くない。それをなんとかできるのが、税金ではないだろうか。
 たくさんの意見があった時、当事者どうしの努力に関わらず、環境や立場の違いというのはいつでも私たちの合意や理解、幸せの前に壁となって立ちはだかる。これは、税金についての多様な意見においても同じことだと思う。
 例えば数年前、政府が「消費税を上げて、法人税を下げ、増えたお金を社会保障に回します」といってニュースになり、町の人や専門家から賛否両論、たくさんの意見が出た。私や家族は「買い物で出すお金が増えるから困るね。お金があるのなら会社が払ってもいいのでは」という意見だったが、それは四十代二人と子供しか家にいないからだと思う。もし、うちがお年寄りや病気の人がたくさんいる家庭なら、「社会保障が充実するなら」と喜んで賛成しただろう。事実、世論調査で賛成すると答えた人も多かった。
 では、私や家族は絶対にこの人たちと分かり合えないのかというとそうではないと思う。増税に反対だった人も賛成だった人も、「私たちがより幸せになるためにはどうすればいいかな」という観点で意見を言っていた。つまり、ゴールは同じなのである。違うのは方法だけなのだ。
 ここで誰の幸せを最優先にすればよいかという問題は難しい。消費税だけを大幅に上げれば日本の庶民みんなが大変な事になるし、かといって法人税だけを上げれば会社という会社は経営が苦しくなっていずれ働く人にもしわ寄せがやって来る。どちらも払わないとなると、庶民や会社の幸せのために、自分ではどうにもならない理由で生活に苦しむ人たちを犠牲にする事になるから、これは論外だ。政治に携わる人たちにもこれは難問と見えて、今この問題は議論が止まっている。
 だが、私は議論がゆっくりと進む事は大賛成だ。この問題に限らずみんなが払った税金をどう使うか、というのは何となく決めてはいけないし、払う私たちも何となく払ってはいけない。税金はいわばそこに住んでいるみんなの為の貯金箱だから、特定の立場の人だけではなくあらゆる立場の人が税金の恩恵を受けるべきである。その為には隅々まで仕組みを知って丁寧に話し合う事が必要だ。
 税金には、これからも「最大多数の最大幸福」ならぬ「最多立場の最大幸福」を実現するみんなの貯金箱として活躍してほしい。また、私自身も、ルールだから納めるだけ、ではなくいろいろな立場の人たちの為という意識をもって税金の事を考えたいと思う。

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【題名】税を支払える幸せ

【都道府県】佐賀県

【学校名・学年】佐賀県立佐賀西高等学校 一年

【氏名】織田 くれは

 「国民は法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」日本国憲法第三十条に規定されている。税金を支払うことは国民の義務であり、一人一人の支払った税金が国を動かし支える原動力となる。
 私が産まれた二〇〇一年には消費税が導入されていたため、税は身近なものに感じていた。しかし、消費税が五%から八%になり生活への負担が大きくなるのではと感じ、消費税がなかったらと自分勝手な考えをして意識するようになっていた。
 ある日、市報に掲載されていた税金についての記事を読んでいた時、近くにいた祖父に所得税など税金を支払っていて負担に感じることはなかったか聞いてみた。農家である祖父は、
「作物が収穫できた時は税金を支払えて嬉しかった。そして、支払った税金が世の中のためになることも嬉しかった。」
と笑顔で話していた。その言葉から支払った税金が誰かのためになるだけでなく、税を支払えることは災害や事故もなく仕事が出来たという幸せの証だと気付かされた。農業の天敵は風水被害である。風水被害にあうと一瞬で収穫直前の作物が無駄になることもあり、元に戻っても病気になりやすく経費も時間もかかる。その時に助けてくれたのが税金だった。そのことについて調べると予期せぬ災害などで納税者が被害を被った場合、その損失に対して雑損控除という所得控除で損失を取り戻す方法や所得税を軽減、あるいは免除してもらえると知った。今まで当たり前だった生活が一変し、大切に育ててきた作物、安全安心な気持ちもなくなりかけた時に、被害の全てを取り戻すことは出来ないかもしれない。しかし、生活の立て直しが、より早く出来る手助けになる税は公共施設など形のあるものを作ったりするだけでなく、生活の仕組みなど形のないものなどにも多方面に使われていた。災害や事故などの被害にあうと「まさかこうなるとは思っていなかった」と誰もが口にするが税金は物だけが揃っても人は希望がなければ安心して笑顔で暮らせない未来を想像していると気付き、税へ感謝の気持ちが溢れてきた。
 個人では出来ない公共設備の維持や管理など税は様々な形で私達に返ってきている。毎日を快適に過ごせることを当たり前のように過ごし税金の恩恵を受けていることを見過ごし、支払わされているだけの感覚に陥ることが一番怖いことなのかもしれない。税からの恩恵をしっかりと受け止め、よりよい国作りの手助けが税金だということを忘れずに、そして国を守るために何が出来るかを一人一人が考え、国民で創りあげる国にすることが大切なのかもしれない。憲法第三十条は納税の義務だけでなく、一人一人の幸せまでも守ってくれる条文だ。今から税や社会の仕組みを学び税を支払えることに感謝しながら、税をしっかり支払える大人になりたい。

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【題名】税とは支え合い

【都道府県】熊本県

【学校名・学年】学校法人松浦学園城北高等学校 三年

【氏名】前田 果林

 多くの人は、「税」と聞いて何を思うだろうか。私は、「税」とは「支え合い」だと思う。
 私は、錐体ジストロフィーという病気を患った視覚障がい者だ。小学二年生の頃に発病し、その一年後に身体障がい者手帳を両親から受け取った。両親は、まわりの友達と同じように私をいろいろな場所に連れていったり経験させたりしてくれた。ただ一つだけ違うところは、映画館や遊園地など出かける時はその身体障がい者手帳を持ち、受付や係員に見せることで、入場料が安くなっているようだった。幼かった私には「なぜ、手帳を見せると安くなるのか」と疑問を持つこともあったものの、よく理解しないまま、これは当然のことなんだと思うようになっていた。
 しかし、それは全く「当然のこと」などではなかったのだ。私は、介護老人ホームでのワークキャンプをきっかけに、介護福祉士を目指し、高校は社会福祉科のある城北高校に入学した。福祉について専門的に学んでいくうちに「税」に結びついた。私が、いつも大事に持っている身体障がい者手帳は、社会保障法のひとつである「身体障害者福祉法」に基づいて作られている。社会保障とは、国や社会が、個人的リスクである病気やケガ、老化や失業など生活上の問題が原因で起こる貧困を予防するために、所得を保障し、社会的サービスを給付する制度のことだ。この「身体障害者福祉法」には、身体障がい者が自立し、社会経済活動への参加に努めるように、また国や地方公共団体は必要な援助や保護に努めるように記されている。こうした背景で提供されているサービスであることを踏まえて、私は、自立し、社会、文化など様々な分野の活動に参加するために、この手帳を有効に活用させていただこうと思うようになった。
 私が小・中学校、高校で充実した学校生活を送ることができたのは、友人や先生方、そして家族の支えがあったからだ。そして十分な教育が受けることができたのは、私の為に準備してくださった拡大教材・拡大読書器、単眼鏡などのおかげである。直接関わる周りの支えは気づいていたが、今まで自分がどれだけ「税」の制度やそれを担う見ず知らずの方々に支えられてきたかを痛感した。
 誰もが、いつどこで生活が急変する事態が来るか分からない。私もそれまで目の前に広がっていた視界が、病気により奪われ、私も両親も希望を失いかけた。病気だけでなく、それがもしかしたら事故かもしれないのだ。まさに昨年の熊本地震もそうである。今もなお生活再建に向けて、安心した日常生活を送れるよう税金が使われている。国民が納める税金によって社会保障が充実する。その保障のおかげで、私も健常者とほとんど変わらない生活を送れたと思うし、何よりも希望を取り戻すことができた。私もいずれ納税者になる。今、支えてもらっていることを忘れず、納税で誰かを支え、社会貢献していきたい。

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【題名】税について考えたこと

【都道府県】沖縄県

【学校名・学年】沖縄県立陽明高等学校 三年

【氏名】名嘉 真鈴

 「伊平屋島の海はとても綺麗だね。ここが好きになった。また来たい。」
 私の故郷を訪れた人たちは皆そう言って笑顔を浮かべ、私は誇らしく思うがこの海の美しさにも税が関わっているとは今まで知らなかった。
 小中学校の行事の一つに海浜清掃がある。正直面倒だと思いつつやっていたが、拾ったごみを処分するための費用や輸送コストに加え、休憩のときに飲むキーパーの麦茶や軍手などもすべて環境税というもので賄われていると聞いた。
 私の島では全国でも少ない特別な環境税があり、フェリーのチケット購入時に入域税として百円ずつ加算される。そこで納税されたお金は海浜清掃を含め島の環境美化活動のために使われる。このことをつい最近になって知り、億劫だった海浜清掃に対しての意識が変わったと同時に、税という存在を身近に感じた。また、環境税で島の活性化と観光客の笑顔の相互扶助が成り立つのだと税に対しての意識も変わった。
 この相互扶助の成り立ちは環境税のみならず、その他の税にも関連する重要な要素だと思う。その中で大切にすべきことは、税を使う側の納税されたお金をどういった使途でどのように活用していくのか、それに見合った税率であるのかを納税者がきちんと把握し納得できることを考慮した上で、自分のお金と同様に適切にお金を扱う姿勢である。そして、それらを納税者に分かりやすい形で公開し、また納税者も税と積極的に向き合っていくことで初めて本当の意味での税の意義が見えてくるのではないだろうか。
 税金はいわば私たちが身近な生活、または将来の生活を豊かにするために政府に託す投資であり、必要不可欠なものだと思う。
 私はもうすぐ選挙権が付与される年齢だ。これからの社会を築くための一票の重みを理解しなければならない。環境税について知るまで税に対し関心すら持つことはなく、税と言えばせいぜい消費税しか思いつかず、何の目的でなにに使われているのかも知らないまま、払うことが義務だから払うという認識でしかなかった。救急車や教科書など、無償で私たちの暮らしに潤いを与えてくれるものも当たり前と感じていた。おそらく、私と同じような考えの若者が多いのが現状だろう。今、私たちは税を通して様々な教育制度に支えられ、恵まれた環境の中で学ぶことができていて、心から日本人に生まれて良かったと実感できる。その私たちがこれでは未来の子供達はどうなってしまうだろう。次世代を担う私たちがまず税に興味を持ち、政治と向き合う責任を自覚することでまた一つの相互扶助が成り立つのだ。
 この作文を書くにあたり、故郷のことから始まり様々な視点から税について考えることができた意味は大きい。税を知る、それがよりよい社会を実現するための一歩となるだろう。

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