(Q1) 平成15年度の税制改正により、試験研究費の額が増加した場合等の法人税額の特別控除制度が拡充されたそうですが、その改正の概要はどのようなものなのでしょうか。

(A) 改正前の試験研究費の額が増加した場合等の法人税額の特別控除制度は、原則として、次に掲げる2つの仕組みから構成されていました。

【改正前の制度の概要】
改正前の制度の概要の図

(注) 上記1の「増加試験研究費の税額控除制度」は、適用年度の試験研究費の額(A)が基準試験研究費の額(B)を超え、かつ、比較試験研究費の額(C)を超える場合に、比較試験研究費の額を超える部分の金額(A−C。下記の事例では、60−50=10)を基礎として一定の税額控除を認めるというものです。
 なお、「基準試験研究費の額」とは、原則として適用年度の開始の日前2年以内に開始した各事業年度の試験研究費の額のうち最も多い金額をいい、「比較試験研究費の額」とは、原則として適用年度の開始の日前5年以内に開始した各事業年度の試験研究費の額のうち最も多いものから順次その順位を付し、第1位から第3位までの合計額を3で除して計算した金額をいいます。

基準試験研究費の額と比較試験研究費の額についての図

 本制度は、平成15年度の税制改正により、次のような構成となりました。

【改正後の制度の概要】
改正後の制度の概要の図

なお、上記2から4までの制度については、繰越税額控除限度超過額等の繰越控除制度も設けられています(措法42の448。Q16参照)。

(Q2) 研究開発減税の対象となる法人は、業種等によって制約されることはないのでしょうか。

(A) 中小企業技術基盤強化税制は中小企業者等に限定されますが、それ以外に特定の業種に限るなどの制約はありません。なお、研究開発減税の適用に当たっては、次のような点にご注意ください。

  1. 1 青色申告書を提出している法人が対象となります。
  2. 2 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度(以下「解散等事業年度」といいます。)は適用がありません。
  3. 3 確定申告書等に特別控除額の記載及び計算に関する明細書(申告書別表六(六)〜(八))の添付がなければ適用がありません。
     また、中小企業技術基盤強化税制の対象となる「中小企業者等」とは、次に掲げる法人をいい(措令27の44)、中小企業基本法に規定する中小企業者とは異なるので、ご注意ください。
    1. イ 資本又は出資の金額が1億円以下の法人(その発行済株式の総数又は出資金額の2分の1以上を同一の大規模法人に所有されている法人及びその発行済株式の総数又は出資金額の3分の2以上を大規模法人に所有されている法人を除きます。)
    2. ロ 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人 ハ 農業協同組合等(農業協同組合、農業協同組合連合会、中小企業等協同組合、出資組合である商工組合及び商工組合連合会、内航海運組合、内航海運組合連合会、出資組合である生活衛生同業組合、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、森林組合並びに森林組合連合会をいいます(措法42の412九))。

(Q3) 「中小企業技術基盤強化税制」の適用のある中小企業者等に該当するかどうかの判定に当たって、大規模法人には投資事業有限責任組合(ファンド)が含まれますか。

(A) 「大規模法人」とは、次に掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除くこととされています(措令27の44)。

  1. イ 資本又は出資の金額が1億円を超える法人
  2. ロ 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人

ところで、投資事業有限責任組合は組合契約によってその組合員から構成されているものであり、それ自体は法人格を有していないので、「大規模法人」に該当することはなく、その組合員をもって判定することになります。
 したがって、当該組合から出資を受けていることをもって、直ちに中小企業技術基盤強化税制の適用がないということはありません。

(Q4) 「試験研究費の総額に係る税額控除制度」とは、どのような制度なのでしょうか。

(A) 青色申告法人の各事業年度(解散等事業年度を除きます。)において、損金の額に算入される試験研究費の額がある場合には、従来の増加試験研究費の税額控除制度と選択適用とされた上で、その「試験研究費の総額」に次の表に掲げる税額控除割合を乗じて計算した金額の税額控除を認めるという制度です(措法42の4210)。
 なお、税額控除は、当該事業年度の所得に対する法人税額の20%相当額が限度となります。
 また、増加試験研究費の税額控除制度は適用期間が付された措置ですが、「試験研究費の総額に係る税額控除制度」はその適用期間が付されていない恒久的措置とされています。ただし、税額控除割合については、次の事業年度に応じて適用割合が異なるので、ご注意ください。

事業年度 試験研究費割合 税額控除割合
平成15年1月1日から平成18年3月31日までの間に開始する各事業年度(平成15年4月1日以後に終了する事業年度に限ります。) 10%以上 12%
10%未満 (試験研究費割合×0.2)+10%
平成18年4月1日以後に開始する各事業年度 10%以上 10%
10%未満 (試験研究費割合×0.2)+8%

(注)

  1. 1  上記の税額控除割合に小数点以下3位未満の端数(%表示にあっては、小数点以下1位未満の端数)があるときは、これを切り捨てます。
  2. 2 試験研究費割合については、Q5を参照してください。

(Q5) 試験研究費割合は、どのようにして計算するのでしょうか。

(A) 試験研究費の総額に係る税額控除制度における税額控除割合の算定の基礎となる試験研究費割合とは、次の算式により計算した割合をいいます(措法42の412六、措令27の41314)。

【算式】
試験研究費割合の算式

(注) 上記算式中の分母の「平均売上金額」は、当該事業年度及び当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度の売上金額の平均値となります。この場合の売上金額は、棚卸資産の販売その他事業として継続して行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供に係る収益の額(営業外の収益の額とされるべきものを除きます。)を基礎として計算します。

(Q6) 当社(資本金2億円の青色申告法人に該当する株式会社)の平成15年4月1日から平成16年3月31日までの事業年度の試験研究費に係る事項は次のとおりです。試験研究費の総額に係る税額控除額はいくらになるのでしょうか。

  1. (1) 試験研究費の総額 1,000,000円
  2. (2) 試験研究費割合 8.62%
  3. (3) 所得に対する法人税額 1,200,000円

(A) 試験研究費の総額に係る税額控除額は、次のとおりとなります。

  1. (1)  税額控除割合の算出
     試験研究費割合8.62% × 0.2 = 1.724%
     1.724% + 10% ほぼ等しい 11.7%(%表示の小数点以下1位未満の端数切捨て)
  2. (2)  税額控除額の算出
     試験研究費の総額1,000,000円 × 税額控除割合11.7% = 117,000円……(イ)
     所得に対する法人税額1,200,000円 × 20% = 240,000円……(ロ)
     (イ) ≦ (ロ) であることから、(イ)の117,000円 がそのまま税額控除額となります。

(Q7) 当社(資本金2億円の青色申告法人に該当する株式会社)の各事業年度の試験研究費等に係る事項は次のとおりです。試験研究費の総額に係る税額控除制度における当期(平成16年3月期)の試験研究費割合はいくらになるのでしょうか。

  1. (1) 平成15年4月1日〜平成16年3月31日
    1. イ 試験研究費の額  1,300,000円
    2. ロ 売上金額 15,000,000円
    3. ハ 営業外収益の額  900,000円
    4. ニ 雑収入 80,000円
  2. (2) 平成14年4月1日〜平成15年3月31日
    1. イ 試験研究費の額  1,200,000円
    2. ロ 売上金額 14,000,000円
    3. ハ 営業外収益の額 800,000円
    4. ニ 雑収入 70,000円
  3. (3) 平成13年4月1日〜平成14年3月31日
    1. イ 試験研究費の額  1,100,000円
    2. ロ 売上金額 13,000,000円
    3. ハ 営業外収益の額 700,000円
    4. ニ 雑収入 60,000円
  4. (4) 平成12年4月1日〜平成13年3月31日
    1. イ 試験研究費の額  1,000,000円
    2. ロ 売上金額 12,000,000円
    3. ハ 営業外収益の額 600,000円
    4. ニ 雑収入 50,000円

(A)  試験研究費の総額に係る税額控除制度における当期の試験研究費割合は、次のとおりとなります。

  1. (1) 平均売上金額の算出
    {(平16/3期)15,000,000円 +(平15/3期)14,000,000円 +(平14/3期)13,000,000円
    +(平13/3期)12,000,000円} ÷ 4 = 13,500,000円
    (注)「営業外収益の額」や「雑収入」は売上金額に含めません。
  2. (2) 試験研究費割合の算出
    当期の試験研究費の額1,300,000円 ÷ 平均売上金額13,500,000円 ほぼ等しい9.629629%

(Q8) この研究開発促進税制における試験研究費とは、どのようなものが対象となるのでしょうか。

(A) この研究開発促進税制における試験研究費とは、各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される「製品の製造」又は「技術の改良、考案若しくは発明」に係る試験研究のために要する費用で次に掲げるものをいいます(措法42の412二、措令27の49)。

  1. 1 その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)及び経費
  2. 2 他の者に試験研究を委託する場合の委託研究費
  3. 3 次に掲げる組合等から賦課される費用
    1. a 鉱工業技術研究組合法の鉱工業技術研究組合
    2. b 中小企業経営革新支援法の組合等、沖縄振興特別措置法の特定組合等又は中小企業経営革新支援法の特定組合等
    3. c 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法の認定を受けた法人

(注)  試験研究費に充てるために他の者から支払を受けた金額がある場合には、その金額は試験研究費の額から控除します(措法42の41)。

ところで、この試験研究は、工学的・自然科学的な基礎研究、応用研究及び開発・工業化等を意味するもので、必ずしも新製品や新技術に限らず、現に生産中の製品の製造や既存の技術の改良等のための試験研究であっても対象となります。逆に、「製品の製造」又は「技術の改良、考案若しくは発明」に当たらない人文・社会科学関係の研究は対象とはなりません。
 したがって、例えば、次のような費用は含まれませんので、ご注意ください。

  1. イ 事務能率・経営組織の改善に係る費用
  2. ロ 販売技術・方法の改良や販路の開拓に係る費用
  3. ハ 単なる製品のデザイン考案に係る費用
  4. ニ 既存製品に対する特定の表示の許可申請のために行うデータ集積等の臨床実験費用

(Q9) 例えば、自社の開発研究用のクリーンルームに係る設置費用は、どのようなものが試験研究費として税額控除の対象となるのでしょうか。

(A) この制度の対象となる試験研究費には、「製品の製造」又は「技術の改良、考案若しくは発明」に係る試験研究のために要する原材料費や経費が含まれます。
 この場合の経費には、試験研究のための外注加工賃、水道光熱費、旅費交通費、福利厚生費などのほか、減価償却費や繰延資産に係る償却費などが該当します。
 したがって、法人自らがクリーンルームを建設した場合は、建物及び空調設備等を含めた建物附属設備等の資産の取得となりますので、その取得に要する費用は資産に計上することになりますが、当該資産の当期に係る減価償却費の金額が試験研究費として税額控除の対象となります。

(Q10) 大学等の共同・委託研究先に設置した開発研究用のクリーンルームに係る費用を負担金・委託研究費として支出した場合、試験研究費として税額控除の対象となるのでしょうか。

(A) この制度の対象となる試験研究費には、「製品の製造」又は「技術の改良、考案若しくは発明」に係る試験研究のために要する原材料費や経費とともに、他の者に委託して試験研究を行う法人の委託研究先に対して支払う委託研究費が含まれます。
 したがって、大学等の共同・委託研究先に設置した開発研究用のクリーンルームに係る費用を含む委託研究費のうち、当期の損金の額に算入できる部分の金額は、試験研究費として税額控除の対象となります。
 ところで、そのクリーンルームが当該共同・委託研究以外の他の研究の用にも供することが予定されている場合など、負担した法人の業務に関連せずに、負担金・委託研究費として法人が負担すべき合理的な額と認められない部分の金額がある場合には、その部分の金額は対象とならないこともありますが、例えば、Q14の特別共同試験研究費として認定がされるものは合理的な額と考えられます。
 なお、委託研究費には、金銭だけの支出に限らず、例えば、試験研究用の材料や器具などの現物を交付する場合のその費用も含まれます。

(Q11) 対象となる試験研究費に含まれる「人件費」については、試験研究の業務に「専ら」従事する者に対する人件費だけのようですが、兼任者の人件費についてはどうなるのでしょうか。

(A) この制度の対象となる試験研究費に含まれる「人件費」は、「専門的知識をもって試験研究の業務に専ら従事する者の人件費」に限られています。
 その専門的知識を有する者が試験研究の業務に「専ら」従事しているかどうかについては、その試験研究の目的及び内容並びにこれに従事する者の執務形態等によって、そのほとんどすべてが試験研究の業務に従事しているかを判断することになります。 
 したがって、専門的知識を有する者が、仮に、製造という業務と試験研究という業務とに半々に従事しているような場合には、通常、試験研究の業務に専ら従事しているとはいえません。
 ただし、その製造という業務に従事していることについて、その目的・内容及び執務形態等によっては、試験研究の業務に従事することの一環としてみることもあり得ますので、疑義がある場合は、具体的な目的・内容及び執務形態等に基づき、ご相談ください(具体的な相談窓口は、「相談窓口等」の《具体的な相談》を参照してください。)。

(注) 「兼任者の人件費の取扱い」については、平成15年12月25日付課法2-28「試験研究費税額控除制度における人件費に係る『専ら』要件の税務上の取扱いについて」(通知)も参照してください。

(Q12) 「特別共同試験研究に係る税額控除制度」とは、どのような制度なのでしょうか。

(A) 青色申告法人の各事業年度(解散等事業年度を除きます。)において、損金の額に算入される特別共同試験研究費の額がある場合には、その「特別共同試験研究費の額」に、次の表に掲げる税額控除割合を乗じて計算した金額の税額控除を認めるという制度です(措法42の4310)。
 ところで、この制度は、試験研究費の総額に係る税額控除制度を選択した場合に、特別共同試験研究費の額に該当する部分については、試験研究費割合に関係なく、15%(平成18年4月1日以後に開始する事業年度については12%)の税額控除を認めるというものです。したがって、試験研究費の総額に係る税額控除制度(Q4参照)を適用する事業年度において本制度を適用することができますが、増加試験研究費の税額控除制度又は中小企業技術基盤強化税制を適用した事業年度においては本制度を適用することはできません。
 なお、税額控除は、当該事業年度の所得に対する法人税額の20%相当額から試験研究費の総額に係る税額控除制度で適用された税額控除額を控除した残額が限度となります。
 また、従来の増加試験研究費の税額控除制度は適用期間が付された措置でありましたが、「特別共同試験研究に係る税額控除制度」はその適用期間を付されていない恒久的措置とされています。ただし、税額控除割合については、次の事業年度に応じて適用割合が異なるので、ご注意ください。

事業年度 税額控除割合
平成15年1月1日から平成18年3月31日までの間に開始する各事業年度(平成15年4月1日以後に終了する事業年度に限ります。)
15%− 試験研究費の総額に係る税額控除制度で適用された税額控除割合
平成18年4月1日以後に開始する各事業年度
12%− 試験研究費の総額に係る税額控除制度で適用された税額控除割合

(注) 特別共同試験研究費の意義については、Q14を参照してください。

(Q13) 当社(資本金2億円の青色申告法人に該当する株式会社)の平成15年4月1日から平成16年3月31日までの事業年度の試験研究費に係る事項は次のとおりです。研究開発促進税制に係る税額控除額はいくらになるのでしょうか。

  1. (1) 試験研究費の総額 2,000,000円 (うち特別共同試験研究費の額800,000円)
  2. (2) 試験研究費割合 7.58%
  3. (3) 所得に対する法人税額 1,500,000円

(A) 研究開発促進税制に係る税額控除額は、次のとおりとなります。

  1. (1) 試験研究費の総額に係る税額控除割合の算出
     試験研究費割合7.58% × 0.2 = 1.516%
     1.516% + 10% ほぼ等しい 11.5%(%表示の小数点以下1位未満の端数切捨て)
  2. (2) 試験研究費の総額に係る税額控除額の算出
     試験研究費の総額2,000,000円 × 税額控除割合11.5% = 230,000円……(イ)
     所得に対する法人税額1,500,000円 × 20% = 300,000円……(ロ)
     (イ) ≦ (ロ)であることから、(イ)の230,000円がそのまま税額控除額となります。
  3. (3) 特別共同試験研究費に係る税額控除割合の算出
     15% − (上記(2)で適用された税額控除割合)11.5% = 3.5%
  4. (4) 特別共同試験研究費に係る税額控除額の算出
     特別共同試験研究費の額800,000円 × 税額控除割合3.5% = 28,000円……(ハ)
     所得に対する法人税額1,500,000円 × 20% = 300,000円……(ニ)
     (ニ) − (上記(2)で適用された税額控除額)230,000円= 70,000円……(ホ)
     (ハ) ≦ (ホ) であることから、(ハ)の28,000円がそのまま税額控除額となります。
  5. (5) 研究開発促進税制に係る全体の税額控除額の算出
     上記(2)の230,000円 + 上記(4)の28,000円 = 258,000円

(注) この結果、試験研究費の額2,000,000円のうち( i )特別共同試験研究費に対しては、15%の税額控除割合が適用(800,000円×15%=120,000円)され、( ii )それ以外の試験研究費に対しては、11.5%の税額控除割合が適用(1,200,000円×11.5%=138,000円)されたことと同様の計算結果(合計258,000円)となります。

(Q14) 特別共同試験研究費とは、どのような試験研究費をいうのでしょうか。

(A) 特別共同試験研究に係る税額控除制度の対象となる特別共同試験研究費とは、次表に掲げる試験研究の区分に応じ、それぞれ次表に掲げる試験研究費の額をいいます(措法42の412七、措令27の419、措規2031317)。

(注)特別共同試験研究は、一般には「産学官連携の共同研20究・委託研究」とも言われています。

試験研究 試験研究費の額
1  研究交流促進法第2条第2項に規定する試験研究機関等と共同して行う試験研究で、その試験研究機関等との契約又は協定(その契約又は協定において、その試験研究に要する費用の分担及びその明細並びにその試験研究の成果の帰属及びその公表に関する事項が定められているものに限ります。以下3までにおいて同じです。)に基づいて行われるもの
 この制度の適用を受けようとする法人の申請に基づき、損金の額に算入される試験研究費の額のうち左の試験研究に要した費用(その試験研究に係る契約又は協定においてその法人が負担することとされている費用に限ります。)の額として、試験研究機関等の長などが認定した認定書に記載された金額
2  大学等と共同して行う試験研究で、その大学等との契約又は協定に基づき研究員をその大学等に派遣して行うもの(3に該当するものを除きます。)
 左の試験研究につき大学等が支出する原材料費等の額(原材料費、人件費(その試験研究に直接従事する者に係るものに限ります。)、旅費、経費及び外注費の額のうち一定の金額をいいます。以下同じです。)のうち、その契約又は協定においてその法人が負担することとされているもの
3  大学等と共同して行う試験研究のうち次に掲げる要件を満たすもの
 その試験研究が、その試験研究の対象となる技術に係る事業を所管する大臣がその技術の水準の向上に著しく寄与するものとして認定したものであること。
 その試験研究が、その大学等との契約又は協定に基づき、研究員をその大学等に派遣して行うもの又はその大学等の研究員を受け入れて行うものであること。
  次に掲げる試験研究費の額の合計額
 左の試験研究につき大学等が支出する原材料費等の額のうち、その契約又は協定においてその法人が負担することとされているもの
 この制度の適用を受けようとする法人の申請に基づき、損金の額に算入される試験研究費の額のうち左の試験研究に要した費用の額(その試験研究に係る契約又は協定においてその法人が負担することとされているものに限るものとし、イの金額を除きます。)として所管大臣が認定した認定書に記載された金額(この認定書に記載された金額がその試験研究に係る契約又は協定に基づき大学等がその法人のその事業年度に対応した期間に支出した原材料費等の額(イの金額を除きます。)であることにつき、その大学等の長が発行する証明書により証明された金額の3倍に相当する金額を超える場合には、その3倍に相当する金額となります。)
4  研究交流促進法第2条第2項に規定する試験研究機関等に委託する試験研究で、その試験研究機関等との契約又は協定(その契約又は協定において、その試験研究に要する費用の金額及びその明細並びにその試験研究の成果の帰属及びその公表に関する事項が定められているものに限ります。以下5までにおいて同じです。)に基づいて行われるもの
 この制度の適用を受けようとする法人の申請に基づき、損金の額に算入される試験研究費の額のうち左の試験研究に要した費用の額(その試験研究に係る契約又は協定において定められている金額を限度とします。)として、試験研究機関等の長などが認定した認定書に記載された金額
5  大学等に委託する試験研究のうち次に掲げる要件を満たすもの
 その試験研究が、その試験研究の対象となる技術に係る事業を所管する大臣がその技術の水準の向上に著しく寄与するものとして認定したものであること。
 その試験研究が、その大学等との契約又は協定に基づき行うものであること。
 この制度の適用を受けようとする法人の申請に基づき、損金の額に算入される試験研究費の額のうち左の試験研究に要した費用の額(その試験研究に係る契約又は協定において定められている金額を限度とします。)として、所管大臣が認定した認定書に記載された金額

(Q15) 中小企業技術基盤強化税制が改正されたそうですが、どのような改正が行われたのでしょうか。

(A) 改正前のこの制度は、青色申告法人である中小企業者等の各事業年度(解散等事業年度を除きます。)において、損金の額に算入される試験研究費の額の10%相当額を、その事業年度の法人税額の15%相当額を限度として、法人税額から控除することができるというものでした。
 本年度の税制改正において、1増加試験研究費の税額控除制度(措法42の41)、2試験研究費の総額に係る税額控除制度(措法42の42)及び3特別共同試験研究に係る税額控除制度(措法42の43)との選択適用とされた上で、次の改正が行われました(措法42の4710)。
 また、改正前のこの制度は適用期間が付された措置でしたが、その改正に併せて適用期間の撤廃も行われています。

  1. (1) 税額控除割合
    税額控除割合が、次の表のとおり改正されました。
    事業年度 税額控除割合
     平成14年12月31日以前に開始した各事業年度又は平成15年3月31日以前に終了した事業年度 10%
     平成15年1月1日から平成18年3月31日までの間に開始する各事業年度(平成15年4月1日以後に終了する事業年度に限ります。) 15%
     平成18年4月1日以後に開始する事業年度 12%
     すなわち、中小企業者等に該当する法人の平成15年1月1日以後開始する事業年度(平成15年4月1日以後に終了する事業年度に限ります。)にあっては、特別共同試験研究に係る税額控除制度のような適用範囲の制限なしに、同制度と同率の税額控除割合による税額控除を受けることができます。
  2. (2) 税額控除限度額
     税額控除は、当該事業年度の所得に対する法人税額の20%相当額(改正前は15%相当額)が限度とされました。

(Q16) 試験研究費に係る税額控除制度において、本事業年度において控除しきれなかった金額を翌事業年度に繰り越して控除できる制度ができたそうですが、どのような制度でしょうか。

(A) この制度は、次のようなものです。

  1. (1) 繰越税額控除限度超過額に係るもの
     青色申告法人の各事業年度(解散等事業年度を除きます。)において、当該事業年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度で試験研究費の総額に係る税額控除制度及び特別共同試験研究に係る税額控除制度による控除をしてもなお控除しきれない金額の合計額(以下Q18までにおいて「繰越税額控除限度超過額」といいます。)がある場合、その事業年度の試験研究費の額(租税特別措置法第44条の3の規定により開発研究用設備の特別償却費として損金の額に算入された金額を除きます。以下「特別償却実施額控除後試験研究費の額」といいます。)が当該事業年度開始の日の前日を含む事業年度の特別償却実施額控除後試験研究費の額(前事業年度の月数と当該事業年度の月数が異なる場合等には、調整後の金額)を超えるときは、繰越税額控除限度超過額の税額控除を認めるという制度です(措法42の44、措令27の412)。
  2. (2) 繰越中小企業者等税額控除限度超過額に係るもの
     中小企業技術基盤強化税制による控除をしてもなお控除しきれない金額の合計額(以下「繰越中小企業者等税額控除限度超過額」といいます。)がある場合についても、上記(1)の制度と同様の要件の下に、その繰越中小企業者等税額控除限度超過額の税額控除を認めるという制度です(措法42の48、措令27の45)。
  3. (3) 税額控除の限度額
     上記(1)又は(2)の税額控除(重複適用はできません。)は、当該事業年度の所得に対する法人税額の20%相当額が限度となります。また、当該事業年度において新たに税額控除制度を適用した場合には、下記(4)のとおり、その新たな税額控除制度の控除額と繰越税額控除限度超過額との合計額で判断します(措法42の448)。
  4. (4) 繰越控除の順序
     上記(1)の繰越税額控除限度超過額の税額控除を行う事業年度において試験研究費の総額に係る税額控除制度又は特別共同試験研究に係る税額控除制度の適用による税額控除がある場合には、上記(3)の法人税額の20%相当額は、まず、試験研究費の総額に係る税額控除制度又は特別共同試験研究に係る税額控除制度の税額控除に充て、次に、その残額を繰越税額控除限度超過額の税額控除に充てます(措法42の44612八)。
    • (注)  繰越税額控除限度超過額の繰越控除制度を適用する事業年度において、中小企業技術基盤強化税制を併用して適用することはできませんので、ご注意ください(措法42の47かっこ書)。
    • また、同様に、上記(2)の繰越中小企業者等税額控除限度超過額の税額控除を行う事業年度において中小企業技術基盤強化税制の適用による税額控除がある場合には、上記(3)の法人税額の20%相当額は、まず、中小企業技術基盤強化税制の税額控除に充て、次に、その残額を繰越中小企業者等税額控除限度超過額の税額控除に充てます(措法42の48912・十)。
    • (注) 繰越中小企業者等税額控除限度超過額の繰越控除制度を適用する事業年度において、試験研究費の総額に係る税額控除制度又は特別共同試験研究に係る税額控除制度を併用して適用することはできませんので、ご注意ください(措法42の48かっこ書)。
    【制度の概要】
    制度の概要の図
  5. (5) その他
    これらの繰越控除は、繰越税額控除限度超過額又は繰越中小企業者等税額控除限度超過額が生じた事業年度から当該事業年度まで引き続き青色申告書の提出をしている場合に限り適用することができます(措法42の412八、十)。

(注)

  1. 1 例えば、半年決算の法人の場合等では、当該事業年度までに既にこれらの繰越控除の適用を受けた金額は、当該事業年度においてこれらの繰越控除の適用を受けることはできません。
  2. 2 増加試験研究費の税額控除制度には、上記のような繰越控除制度がありませんので、ご注意ください。

(Q17) 当社(資本金2億円の青色申告法人に該当する株式会社)の各事業年度の試験研究費等に係る事項は次のとおりです。研究開発促進税制に係る税額控除制度における平成16年3月期、平成17年3月期及び平成18年3月期の税額控除額はいくらになるのでしょうか。

  1. (1) 平成15年4月1日〜平成16年3月31日
    1. イ 試験研究費の総額 3,000,000円
      (注)試験研究費の総額のうちに、措法42の11の規定により情報通信機器等の特別償却費として損金の額に算入された金額500,000円と措法44の3の規定により開発研究用設備の特別償却費として損金の額に算入された金額1,400,000円とが含まれています。
    2. ロ 試験研究費割合 10.23%
    3. ハ 所得に対する法人税額 1,500,000円
  2. (2) 平成16年4月1日〜平成17年3月31日
    1. イ 試験研究費の総額 3,500,000円
      (注)試験研究費の総額のうちに、措法44の3の規定により開発研究用設備の特別償却費として損金の額に算入された金額1,700,000円が含まれています。
    2. ロ 試験研究費割合 9.89%
    3. ハ 所得に対する法人税額 2,300,000円
  3. (3) 平成17年4月1日〜平成18年3月31日
    1. イ 試験研究費の総額 3,500,000円
      (注)試験研究費の総額のうちに、措法44の3の規定により開発研究用設備の特別償却費として損金の額に算入された金額1,600,000円が含まれています。
    2. ロ 試験研究費割合 9.12%
    3. ハ 所得に対する法人税額 2,500,000円

(A) 研究開発促進税制に係る税額控除額は、次のとおりとなります。

  1. (1) 平成16年3月期
    1. イ 試験研究費の総額に係る税額控除割合の算出
       試験研究費割合10.23%が10%以上であることから、税額控除割合は12%が適用されます。
    2. ロ 試験研究費の総額に係る税額控除額の算出
       試験研究費の総額 3,000,000円 × 税額控除割合12% = 360,000円……(イ)
      (注) 試験研究費の総額は損金の額に算入されることの要件はありますが、租税特別措置法の規定による特別償却費であることをもってその総額から控除する必要はありません。
      所得に対する法人税額 1,500,000円 × 20%= 300,000円……(ロ)
       (イ) > (ロ)であることから、(ロ)の300,000円 が限度となります。
    3. ハ 翌期に繰り越せる繰越税額控除限度超過額
       翌期(平成17年3月期)における繰越税額控除限度超過額(この事例の場合、試験研究費の総額に係る税額控除制度による控除をしてもなお控除しきれない金額の合計額)に該当する金額は、60,000円(360,000円−300,000円)となります。
  2. (2) 平成17年3月期
    1. イ 試験研究費の総額に係る税額控除割合の算出
       試験研究費割合9.89% × 0.2 = 1.978%
       1.978% + 10%ほぼ等しい 11.9%(%表示の小数点以下1位未満の端数切捨て)
    2. ロ 試験研究費の総額に係る税額控除額の算出
       試験研究費の総額3,500,000円 × 税額控除割合11.9% = 416,500円……(イ)
        所得に対する法人税額2,300,000円 × 20% =460,000円……(ロ)
       (イ) ≦ (ロ)であることから、(イ)の416,500円がそのまま税額控除額となります。
    3. ハ 特別償却実施額控除後試験研究費の増加の有無の判定
       当期の特別償却実施額控除後試験研究費の額1,800,000円(3,500,000円−1,700,000円)は、前期の特別償却実施額控除後試験研究費の額1,600,000円(3,000,000円−1,400,000円)を超えていますので、当期に繰り越すことができる繰越税額控除限度超過額がある場合には、限度額の範囲内で税額控除できます。
      (注) 特別償却実施額控除後試験研究費の額に含まないこととされる特別償却費は、租税特別措置法第44条の3の規定による開発研究用設備の特別償却費に限ります。
       なお、前期の月数と当期の月数が同じであるため、前期の特別償却実施額控除後試験研究費の額について月数による調整計算は必要ありません。
    4. ニ 繰越税額控除限度超過額の控除
       前期(平成16年3月期)の繰越税額控除限度超過額60,000円は、当期(平成17年3月期)の所得に対する法人税額の20%相当額の控除余裕枠43,500円(460,000円−416,500円)の範囲内で税額控除できます(すなわち、43,500円 が控除されます)。
  3. (3)  平成18年3月期
    1. イ 試験研究費の総額に係る税額控除割合の算出
       試験研究費割合9.12% × 0.2 = 1.824%
       1.824% + 10% ほぼ等しい11.8%(%表示の小数点以下1位未満の端数切捨て)
    2. ロ 試験研究費の総額に係る税額控除額の算出
       試験研究費の総額3,500,000円 × 税額控除割合11.8% = 413,000円……(イ)
       所得に対する法人税額2,500,000円 × 20%= 500,000円……(ロ)
       (イ)≦ (ロ)であることから、(イ)の413,000円がそのまま税額控除額となります。
    3. ハ 特別償却実施額控除後試験研究費の増加の有無の判定
       当期の特別償却実施額控除後試験研究費1,900,000円(3,500,000円−1,600,000円)は、前期の特別償却実施額控除後試験研究費1,800,000円(3,500,000円−1,700,000円)を超えていますので、当期に繰り越すことができる繰越税額控除限度超過額がある場合には、限度額の範囲内で税額控除できます。
    4. ニ 繰越税額控除限度超過額の控除
       前々期(平成16年3月期)の繰越税額控除限度超過額60,000円のうち前期(平成17年3月期)において控除しきれなかった金額16,500円(60,000円−43,500円)については、当期(平成18年3月期)においては、その事業年度開始の日1年以内に開始した事業年度の繰越税額控除限度超過額に当たらないため、改めて税額控除できません。

(Q18) 研究開発促進税制に係る改正後の規定は、いつから適用されるのでしょうか。

(A) これまで説明してきた次の制度に係る改正後の規定は、法人の平成15年1月1日以後に開始し、かつ、平成15年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税について適用されます。
 ただし、法人の平成15年1月1日前に開始した事業年度及び平成15年3月31日以前に終了した事業年度分の法人税については、改正前の規定が適用されます。

  • 「試験研究費の総額に係る税額控除制度」の創設(Q4参照)
  • 「特別共同試験研究に係る税額控除制度」の創設(Q12参照)
  • 「中小企業技術基盤強化税制」の拡充(Q15参照)
  • 「繰越税額控除限度超過額等の繰越控除制度」の創設(Q16参照)

(注) 「繰越税額控除限度超過額」及び「繰越中小企業者等税額控除限度超過額」は、法人の平成15年1月1日以後に開始し、かつ、平成15年4月1日以後に終了する事業年度においてそれぞれの税額控除制度による控除してもなお控除しきれない金額の合計額について、その控除しきれない金額が発生した事業年度後の事業年度において税額控除の対象となります。