(納税者の責めに帰すべき事由がない場合)

9-1 法第71条第1項第4号イに規定する「納税者の責めに帰すべき事由がない場合」とは、例えば、同号の納税者が調査においてその国税に係る国外取引又は国外財産に関する書類の提示又は提出を求められた後に、当該納税者又は書類保有者(当該納税者以外の者で当該書類を保有する者をいう。以下この項において同じ。)が、災害があったこと、又は病気による入院をしたこと等により、指定された期限までにその提示又は提出をすることができない場合などのほか、当該書類保有者に当該書類の取寄せを依頼しても、当該書類の収集に相当な困難を伴うことが判明した場合をいう。
 なお、当該書類の収集に相当な困難を伴うことが判明した場合とは、次に掲げる場合など、当該納税者が通常取り得る手段を用いても入手できないことが客観的に確認することができる場合をいう。

  • (1) 当該書類保有者が所在する国の国内法の規定により、当該書類の取得が困難である場合
  • (2) 当該書類について、法令等の規定により保存すべき期間が徒過している場合
  • (3) 当該書類保有者が所在不明となっている場合
  • (4) 当該納税者が当該書類保有者から当該書類の提出を拒否された場合
  • (注) 当該納税者と当該書類保有者との間に支配関係や親族関係その他の特殊の関係がある場合、当該納税者が当該書類保有者の事業の方針の全部又は一部につき実質的に決定できる関係がある場合などには、基本的に書類の収集に相当な困難を伴うこととは言えないことに留意する。

(「相手国等から提供があつた情報に照らし非違があると認められること」の範囲)

9-2 法第71条第1項第4号ロに規定する「相手国等から提供があつた情報に照らし非違があると認められること」とは、相手国等から提供があった情報から非違があると直接的に認められる場合のみならず、その情報が直接的に非違に結びつかない場合であっても、その情報とそれ以外の情報とを総合勘案した結果として非違があると合理的に推認される場合も含まれることに留意する。