徴管5−2
徴徴2−4
課資2−100
平成6年4月1日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 租税特別措置法第70条の10(相続税の延納の許可を受けた個人の延納税額についての物納等の特例)の規定による相続税の物納等の特例に関する取扱いについて、下記のとおり定めたから、これにより取り扱われたい。

(理由)
 租税特別措置法の一部を改正する法律(平成6年法律第22号)及び租税特別措置法施行令の一部を改正する政令(平成6年政令第110号)の施行に伴い、相続税の延納の許可を受けた個人の延納税額についての物納等の特例の規定が設けられたため、これに関する取扱いを定めたものである。

(「延納の許可を受けた者」の範囲)

1 租税特別措置法(以下「法」という。)第70条の10第1項に規定する「延納の許可を受けた者」には、同条第3項に規定する申請の期限までに相続税法(昭和25年法律第73号)第38条(延納―延納の要件)第1項の規定による延納の許可を受けた者を含むことに留意する。

(「納期限」の意義)

2 法第70条の10第1項に規定する「納期限」とは、相続税法第38条第1項の規定による許可に係る分納税額の納期限をいうが、相続税法第39条(延納の手続・許可及び変更)の規定により延納の条件が変更された場合には、当該変更後の条件に係る分納税額の納期限をいうものであることに留意する。

(注) 相続税法第39条の規定による延納の条件の変更については、平成5年5月28日付徴管5−6ほか2課共同「相続税の延納の条件の変更等の取扱いについて」通達によって取り扱われることに留意する。

(「特例物納対象税額」の範囲)

3 法第70条の10第1項に規定する「特例物納対象税額」には、利子税等の附帯税の額は含まれないことに留意する。

(金銭で納付することが困難である場合の判定)

4 法第70条の10第1項に規定する「金銭で納付することを困難とする事由」があるかどうかの判定は、昭和34年1月28日付直資10「相続税法基本通達の全部改正について」通達(以下「相続税法基本通達」という。)41−2(金銭で納付することが困難である場合の判定)に準じて取り扱うものとする。

(「課税価格の計算の基礎となった財産」の範囲)

5 法第70条の10第2項に規定する「課税価格の計算の基礎となった財産」については、相続税法基本通達41−4(法第19条の規定の適用がある贈与財産による物納)の定めによる。

(特例物納の許可を求めようとする税額を超える価額の土地による特例物納)

6 特例物納の許可を求めようとする税額を超える価額の土地による特例物納の申請があった場合においては、相続税法基本通達41−10(相続税額を超える価額の財産による物納)の定めによる。

(用益権の設定されている土地)

7 相続税法基本通達41−11(用益権の設定されている土地等)((2)を除く。)に掲げるような土地について特例物納の申請があった場合においては、同通達41−11に準じて取り扱うものとする。

(居住等の用に供している土地(底地))

8 居住又は事業の用に供している土地及び家屋で、その土地(底地)について特例物納の申請があった場合においては、相続税法基本通達41−12(相続人が居住等の用に供している土地(底地)の物納)の定めによる。

(「期間内に一回に限り」の意義)

9 法第70条の10第4項に規定する「期間内に一回に限り」とは、同条第3項に規定する申請期間内において再申請できないことをいい、特例物納の申請を取り下げた後に、再度、特例物納の申請をすることは認められないことに留意する。

(注) 特例物納の申請後にその内容を訂正することは、差し支えないことに留意する。

(管理又は処分をするのに不適当な土地)

10 法第70条の10第5項ただし書に規定する「管理又は処分をするのに不適当であると認める」土地とは、相続税法基本通達42−2(管理又は処分をするのに不適当な財産)の(1)及び(3)に掲げるような土地をいうものとする。ただし、特例物納に充てようとする土地(以下「特例物納土地」という。)が特例物納の許可を受けようとする延納税額の担保となっている場合には、当該土地について他の私債権の担保権の目的となっていないときは、質権、抵当権その他の担保権の目的となっていないものとして取り扱う。

(管理官庁との協議)

11 特例物納土地に係る管理官庁との協議については、相続税法基本通達42−3(管理官庁との協議)の定めによる。

(特例物納の却下又は取下げ)

12 法第70条の10第5項の規定により特例物納の申請が却下された場合、同法第7項の規定により特例物納の申請が取り下げたとみなされた場合又は特例物納の申請を自ら取り下げた場合は、特例物納の申請前に許可を受けた延納の条件(同条第8項に規定する分納税額の納期限の延長を除く。)が継続することに留意する。

(分納期限の延長と利子税の取扱い)

13 法第70条の10第3項の規定による特例物納の申請があった場合において、当該申請により特例物納の許可を受けようとする税額のうち、平成6年4月1日から同条第5項の規定により申請が許可され納付があったものとされる日、同条第5項の規定により申請が却下される日、同条第7項の規定により申請を取り下げたものとみなされる日又は自ら申請を取り下げる日までの間にその分納期限が到来する分納税額の納期限の延長と利子税の納付の取扱いについては、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次の掲げるところによることに留意する。

区分
納期限が延長される日
利子税の納付
許可があった場合  納付があったものとされる日まで  申請日直前の分納期限の翌日から延長された左の納期限までの期間(申請書の提出があった日の翌日から左の納期限までの期間を除く。)に対応する利子税について、左の納期限までに納付しなければならない。
却下された場合  却下の通知を受けた日の翌日から起算して1月を経過する日まで  申請日直前の分納期限の翌日から延長された左の納期限までの期間に対応する利子税について、左の納期限までに納付しなければならない。
取り下げたものとみなされた場合  変更を求めようとする旨の通知を受けた日から20日を経過した日の翌日から起算して1月を経過する日まで
自ら取り下げた場合  自ら特例物納の申請を取り下げた日の翌日から起算して1月を経過する日まで

(注) 特例物納の申請後最初に到来する分納期限(特例物納の申請前の延納の許可の条件に係る分納税額の納期限をいう。)前に特例物納の申請について許可、却下又は取下げがあった場合には、同条第8項に規定する分納税額の納期限の延長の取扱いがないことに留意する。

(収納価額の改訂等)

14 法第70条の10第9項ただし書の規定により当該特例物納土地の収納価額を定める場合には、相続税法基本通達43−1(「収納の時の現況により当該財産の収納価額を定める」の意義)、同通達43−2(移転登記までの財産の状況の変化),同通達43−3(「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化を生じたとき」の意義)、同通達43−4(物納許可額等の訂正)、同通達43−5(収納価額の特例)に準じて取り扱うものとする。

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(様式)

法第70条の10第3項に規定する申請書の様式は、次に掲げるところによる。

(1) 相続税特例物納申請書 別紙第1号様式(PDFファイル/39KB)

(2) 相続税特例物納申請書別紙 別紙第2号様式(PDFファイル/21KB)
(特例物納土地目録)