(贈与者の意義等)

70の6の8-1 措置法第70条の6の8第2項第1号に規定する特定事業用資産(以下70の6の8-54までにおいて「特定事業用資産」という。)に係る同条第1項に規定する贈与者(以下70の6の10-16までにおいて「贈与者」という。)からは、既に同条第1項の規定の適用に係る贈与をしているものは除かれることに留意する。(令元課資2-10追加)

(注)

  1. 1 措置法第70条の6の8第2項第2号に規定する特例事業受贈者(以下70の6の10-16までにおいて「特例事業受贈者」という。)が2人以上ある場合において、同一年中に、これらの特例事業受贈者に特定事業用資産の贈与を行うものは「既に同条第1項の規定の適用に係る贈与をしているもの」に含まれないことに留意する。
  2. 2 一の個人が、ある事業(措置法第70条の6の8第2項第1号に規定する事業に限る。以下70の6の10-58までにおいて同じ。)につき措置法令第40条の7の8第1項第1号に定める者に該当し、かつ、他の事業につき同項第2号に定める者に該当する場合において、これらのうちいずれか一の者として措置法第70条の6の8第1項の規定の適用に係る贈与をしているときは、他の者として特定事業用資産の贈与を行う場合であっても、当該個人は、(注)1に掲げる場合に該当する場合を除き、「既に同条第1項の規定の適用に係る贈与をしているもの」に該当することに留意する。

(「全ての贈与」の意義)

70の6の8-2 措置法第70条の6の8第1項の規定の適用に当たっては、贈与者はその有する特定事業用資産の全ての贈与をする必要があるのであるが、全ての贈与が行われたかどうかの判定については、次の取扱いに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 贈与者(生計一親族等を含む。)の営む事業が2以上ある場合には、その事業ごとに判定を行う。

(注) 「生計一親族等」とは、当該贈与者と生計を一にする配偶者その他の親族及び措置法令第40条の7の8第4項に規定する者をいう(以下70の6の8-17までにおいて同じ。)。

(2) 贈与者が同一年中に、2人以上の者に特定事業用資産の贈与をした場合において、その贈与が異なる時期に行われたときには、当該贈与のうち最後に行われた贈与直後において特定事業用資産の全ての贈与が行われたかどうかの判定を行う。

(特例受贈事業用資産の取得の意義等)

70の6の8-3 措置法第70条の6の8第1項の適用対象となる特定事業用資産の贈与者からの贈与による取得は、平成31年1月1日から令和10年12月31日までの間の贈与で、次に掲げる贈与(以下70の6の10-12までにおいて「特例対象贈与」という。)による取得に限られることに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 最初の同項の規定の適用に係る贈与

(2) (1)の贈与の日から1年を経過する日までの贈与

(注)

  1. 1 措置法第70条の6の8第1項に規定する贈与税の申告書に同項の規定の適用を受ける旨の記載がある特定事業用資産が同項に規定する特例受贈事業用資産(以下70の6の10-18までにおいて「特例受贈事業用資産」という。)に該当することに留意する。
  2. 2 措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けようとする者が、当該贈与の時前に相続又は遺贈により取得をした同項の規定の適用を受けようとする特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産について措置法第70条の6の10第1項の規定の適用を受けようとする場合又は受けている場合には、70の6の8-3(2)中「(1)の贈与の日」とあるのは「最初の措置法第70条の6の10第1項の規定の適用に係る相続の開始の日」となることに留意する。
  3. 3 贈与者からの贈与が「最初の措置法第70条の6の8第1項の規定の適用に係る贈与」に該当するかどうかの判定は、受贈者が、当該贈与に係る特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産につき既に同項の規定の適用に係る贈与又は措置法第70条の6の10第1項の規定の適用に係る相続若しくは遺贈を受けていないかどうかにより行うことに留意する。

(特例対象贈与に係る贈与者が贈与税の申告期限前に死亡した場合)

70の6の8-4 特例対象贈与に係る贈与者が、当該特例対象贈与に係る贈与税の申告書の提出期限前に、かつ、受贈者による当該申告書の提出前に死亡した場合(70の6の8-5及び70の6の8-6に掲げる場合を除く。)における措置法第70条の6の8第1項の規定の適用については、次に掲げることに留意する。(令元課資2-10追加)

  • (1) 贈与者が特例対象贈与をした日の属する年に死亡した場合
    • イ 受贈者がロ以外の者である場合
      • (イ) 受贈者が贈与者の死亡に係る相続又は遺贈により財産を取得したとき
         当該特例対象贈与により取得をした特定事業用資産については、相続税法第21条の2第4項の規定に該当する場合には贈与税の課税価格の計算の基礎に算入されないので、措置法第70条の6の8第1項の規定の適用はない。

        (注) 上記の場合、贈与者の死亡に係る相続税については、当該特定事業用資産は、措置法令第40条の7の10第3項の規定により受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得をしたものとみなされることから、措置法第70条の6の10第1項の規定の適用に係る要件を満たしている場合には、同項の規定の適用を受けることができることに留意する。

      • (ロ) 受贈者が贈与者の死亡に係る相続又は遺贈により財産を取得しなかったとき
         受贈者が、当該特例対象贈与により取得をした特定事業用資産について措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受ける旨の贈与税の申告書を提出したとき(同項の規定の適用に係る要件を満たしている場合に限る。)は、当該申告書は、同項の規定の適用のある申告書となることに留意する。
         この場合において、同項の規定による贈与税の納税猶予の適用要件のうち担保の提供については、その提供を要しないものとし、同条第14項の規定による贈与税の免除の規定の適用に当たっては、当該申告書の提出があった時に免除の効果が生ずるものとして取り扱う。
    • ロ 受贈者が贈与者に係る相続時精算課税適用者(相続時精算課税の適用を受けようとする者を含む。)である場合
       当該特例対象贈与により取得をした特定事業用資産については、贈与税の課税価格の計算の基礎に算入されるが、相続税法第28条第4項の規定により贈与税の申告は不要のため措置法第70条の6の8第1項の規定の適用はない。

      (注) 上記の場合、贈与者の死亡に係る相続税については、当該特定事業用資産は、措置法令第40条の7の10第3項の規定により受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得をしたものとみなされることから、措置法第70条の6の10第1項の規定の適用に係る要件を満たしている場合には、同項の規定の適用を受けることができることに留意する。

  • (2) 贈与者が特例対象贈与をした日の属する年の翌年に死亡した場合
     上記(1)のイ(ロ)を準用する。

(特例対象贈与に係る贈与者の前の贈与者が贈与税の申告期限前に死亡した場合)

70の6の8-5 措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けようとする特例事業受贈者に係る贈与者の前の贈与者が、特例対象贈与に係る贈与税の申告書の提出期限前に、かつ、特例事業受贈者による当該申告書の提出前に死亡した場合における同項の規定の適用については、当該特例事業受贈者が、当該特例対象贈与により取得をした特定事業用資産について同項の規定の適用を受ける旨の贈与税の申告書を提出したとき(同項の規定の適用に係る要件を満たしている場合に限る。)は、当該申告書は、同項の規定の適用のある申告書となることに留意する。
 この場合において、同項の規定による贈与税の納税猶予の適用要件のうち担保の提供については、その提供を要しないものとし、同条第14項(第3号に係る部分に限る。)の規定による贈与税の免除の規定の適用に当たっては、当該申告書の提出があった時に免除の効果が生ずるものとして取り扱う。(令元課資2-10追加)

(注) 「前の贈与者」とは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに定める者に当該特定事業用資産の贈与をした者をいう(以下70の6の8-43において同じ。)。

  • イ 贈与者に対する措置法第70条の6の8第1項の規定の適用に係る贈与が、当該贈与をした者の措置法第70条の6の8第14項(第3号に係る部分に限る。)の規定の適用に係るもの(以下このイ、70の6の8-43及び70の6の8−57において「免除対象贈与」という。)である場合 特定事業用資産の免除対象贈与をした者のうち最初に措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けた者
  • ロ イに掲げる場合以外の場合 贈与者

(措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けている贈与者が贈与税の申告期限前に死亡した場合)

70の6の8-6 贈与者(措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けている特例事業受贈者に限る。)が、当該贈与者に係る特例受贈事業用資産の贈与(当該贈与者の措置法第70条の6の8第14項第3号の規定の適用に係る贈与に限る。)の日の属する年に死亡した場合において、当該贈与に係る特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けるためには、同項に規定する贈与税の申告書の提出を要することに留意する。
 なお、当該贈与者の相続の開始に係る相続税については、同項の規定の適用を受けた当該特例受贈事業用資産には、措置法令第40条の7の8第42項の規定により、相続税法第19条、第21条の15及び第21条の16の規定の適用がないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(特例対象贈与に係る受贈者が贈与税の申告期限前に死亡した場合)

70の6の8-7 特例対象贈与に係る受贈者が、当該特例対象贈与を受けた日の属する年の中途において死亡した場合又は当該特例対象贈与に係る贈与税の申告書の提出期限前に当該申告書を提出しないで死亡した場合において、当該受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該受贈者の当該特例対象贈与に係る特定事業用資産について措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受ける旨の贈与税の申告書を提出したとき(同項の規定の適用に係る要件を満たしている場合に限る。)は、当該申告書は、同項の規定の適用のある申告書として取り扱って差し支えない。
 この場合において、同項の規定による贈与税の納税猶予の適用要件のうち担保の提供については、その提供を要しないものとし、同条第14項の規定による贈与税の免除の規定の適用に当たっては、当該申告書の提出があった時に免除の効果が生ずるものとして取り扱う。(令元課資2-10追加)

(申告期限前に全部確定事由が生じた場合)

70の6の8-8 特例対象贈与があった日の翌日から贈与税の申告書の提出期限までの間に、措置法第70条の6の8第3項各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなった場合には、当該特例対象贈与に係る特定事業用資産について同条第1項の規定の適用を受けることができないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(修正申告等に係る贈与税額の納税猶予)

70の6の8-9 措置法第70条の6の8第1項の規定は、特例受贈事業用資産の贈与に係る贈与税についての期限後申告、修正申告又は更正に係る税額について適用がないことに留意する。
 ただし、修正申告又は更正があった場合で、当該修正申告又は更正が期限内申告において同項の規定の適用を受けた特例受贈事業用資産の評価又は税額計算の誤りのみに基づいてされるときにおける当該修正申告又は更正により納付すべき贈与税額(附帯税を除く。)については、当初から同項の規定の適用があることとして取り扱う。
 この場合において、当該修正申告又は更正により納税猶予を受ける贈与税の本税の額と当該本税に係る利子税の額に相当する担保については、当該修正申告書の提出の日又は当該更正に係る通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日までに提供しなければならないこととして取り扱う。(令元課資2-10追加)

(担保の提供等)

70の6の8-10 措置法第70条の6の8第1項の規定による担保の提供については、国税通則法第50条から第54条までの規定の適用があることに留意する。(令元課資2-10追加)

(贈与税の額に相当する担保)

70の6の8-11 措置法第70条の6の8第1項に規定する「当該納税猶予分の贈与税額に相当する担保」とは、納税猶予に係る贈与税の本税の額と当該本税に係る納税猶予期間中の利子税の額との合計額に相当する担保をいうことに留意する。
 なお、この場合の当該本税に係る猶予期間中の利子税の額は、同項の規定の適用に係る贈与税の申告書の提出期限における贈与者の平均余命年数を納税猶予期間として計算した額によるものとして取り扱うことに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(注) 上記平均余命年数は、相続税法施行規則第12条の6((定期金給付契約の目的とされた者に係る平均余命))に定める平均余命によることに留意する(以下70の6の10-10において同じ。)。

(贈与者の事業の意義等)

70の6の8-12 贈与者(生計一親族等を含む。)の事業からは、不動産貸付業並びに措置法令第40条の7の8第5項に規定する駐車場業及び自転車駐車場業が除かれているのであるから、贈与者(生計一親族等を含む。)の不動産貸付業、駐車場業又は自転車駐車場業については、その規模、設備の状況及び営業形態等を問わず全て措置法第70条の6の8第1項の規定の適用対象となる事業に当たらないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 下宿等のように部屋を使用させるとともに食事を供する事業は、措置法第70条の6の8第2項第1号に規定する「不動産貸付業その他政令で定めるもの」に当たらないことに留意する。

(贈与者の事業の用に供されていた資産)

70の6の8-13 措置法第70条の6の8第2項第1号イからハまでに定める資産が贈与者(生計一親族等を含む。)の事業の用に供されていた資産に該当するかどうかは、当該資産が特例対象贈与の直前において現実に事業の用に供されていたかどうかで判定するのであるが、当該事業の用に供されていた資産には、災害、疾病等のため、当該特例対象贈与の直前において一時的に当該事業の用に供されていないものが含まれることに留意する。(令元課資2-10追加)

(注)

  1. 1 贈与者が措置法令第40条の7の8第1項第2号に定める者に該当する場合における上記の判定は、当該贈与者に係る生計一親族等(同項第1号に定める者に限る。)の特例対象贈与(当該贈与者から特例対象贈与により取得をした特定事業用資産について措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けようとする者が、当該特例対象贈与の時前に生計一親族等(措置法令第40条の7の10第1項第1号に定める者に限る。)から相続又は遺贈により取得をした当該特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産について措置法第70条の6の10第1項の規定の適用を受けようとする場合又は受けている場合には、当該生計一親族等に係る相続の開始。以下70の6の8-14(2)において同じ。)の直前における現況により行うことに留意する。
  2. 2 贈与者の営む一の事業を、2人以上の受贈者がそれぞれ別の事業として承継をする場合において、特例対象贈与が異なる時期に行われたときにおける上記の判定は、当該特例対象贈与のうち最初に行われた贈与の直前における現況により行うことに留意する。

(特定事業用資産の基準となる貸借対照表)

70の6の8-14 措置法第70条の6の8第1項の規定の対象となる特定事業用資産は、次に掲げる贈与者の区分に応じ、それぞれに定める貸借対照表に計上されているものに限られることに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 措置法令第40条の7の8第1項第1号に定める贈与者 当該贈与者の特例対象贈与の日の属する年の前年分の事業所得(所得税法第27条第1項に規定する事業所得をいう。以下70の6の8-64までにおいて同じ。)に係る青色申告書(同法第2条第1項第40号に規定する青色申告書をいい、措置法第25条の2第3項の規定の適用に係るものに限る。以下70の6の8-14において同じ。)の貸借対照表

(2) 措置法令第40条の7の8第1項第2号に定める贈与者 当該贈与者に係る生計一親族等(同項第1号に定める者に限る。)の特例対象贈与の日の属する年の前年分の事業所得に係る青色申告書の貸借対照表

(注) (1)に掲げる贈与者又は(2)に定める生計一親族等の特例対象贈与の直前において事業の用に供されていた措置法第70条の6の8第2項第1号イからハまでに規定する資産であっても、当該特例対象贈与の日の属する年中に取得をした資産など(1)又は(2)に定める貸借対照表に計上されていない資産については、特定事業用資産に該当しないことに留意する。

(贈与者の事業の用に供されていた宅地等の範囲)

70の6の8-15 措置法令第40条の7の8第6項の「贈与者の事業の用に供されていた宅地等」とは、贈与者(生計一親族等を含む。)の事業の用に供されていた建物又は構築物(以下70の6の8-15の2までにおいて「建物等」という。)で、当該贈与者が所有していたもの又は当該贈与者の親族(生計一親族等を除く。以下70の6の8-15の2までにおいて「その他親族」という。)が所有していたもの(当該贈与者が当該建物等を当該その他親族から無償(相当の対価に至らない程度の対価の授受がある場合を含む。70の6の8-15の2までにおいて同じ。)で借り受けていた場合における当該建物等に限る。)の敷地の用に供されていた宅地等(当該贈与の直前において配偶者居住権に基づき使用又は収益されていた建物等の敷地の用に供されていたものを除く(当該宅地等については70の6の8-15の2参照。)。)をいうことに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(注) 他に貸し付けられていた宅地等(当該貸付けが不動産貸付業、駐車場業及び自転車駐車場業に該当する場合に限る。)は、「贈与者の事業の用に供されていた宅地等」に該当しないことに留意する。70の6の8-15の2において同じ。

(宅地等が配偶者居住権の目的となっている建物等の敷地である場合の贈与者の事業の用に供されていた宅地等の範囲)

70の6の8-15の2 贈与により取得した宅地等が、当該贈与の直前において配偶者居住権に基づき使用又は収益されていた建物等の敷地の用に供されていたものである場合には、贈与者(生計一親族等を含む。)の事業の用に供されていた建物等(当該贈与者又はその他親族が所有していた建物等をいう。以下70の6の8-15の2において同じ。)で、当該贈与者が配偶者居住権者(当該配偶者居住権を有する者をいう。以下70の6の8-15の2において同じ。)であるもの又はその他親族が配偶者居住権者であるもの(当該贈与者が当該建物等を配偶者居住権者である当該その他親族から無償で借り受けていた場合における当該建物等に限る。)の敷地の用に供されていた宅地等が、措置法令第40条の7の8第6項の「贈与者の事業の用に供されていた宅地等」に該当することに留意する。(令2課資2-10追加)

(使用人の寄宿舎等の敷地等)

70の6の8-16 贈与者(贈与者が措置法令第40条の7の8第1項第2号に定める者である場合には、当該贈与者の生計一親族等。以下70の6の8-16において同じ。)の営む事業に従事する使用人の寄宿舎等(当該贈与者の親族のみが使用していたものを除く。)の用に供されていた建物及びその敷地の用に供されていた宅地等は、当該贈与者の当該事業に係る特定事業用資産に当たることに留意する。(令元課資2-10追加)

(店舗兼住宅等の敷地の持分の贈与について贈与税の配偶者控除の適用を受けたものの事業の用に供されていた部分の範囲)

70の6の8-17 店舗兼住宅等(贈与者(生計一親族等を含む。)の事業の用に供されていた建物のうちに当該事業の用以外の用に供されていた部分のある建物及び当該建物の敷地の用に供されていた宅地等をいう。)で、特例対象贈与の日の属する年以前にされたその持分の贈与につき相続税法第21条の6第1項の規定による贈与税の配偶者控除の適用を受け又は受けようとするもの(相続税法基本通達21の6-3のただし書の取扱いを適用して贈与税の申告がされたもの又はされるものに限る。)であっても、措置法令第40条の7の8第6項及び第7項に規定する当該贈与者の当該事業の用に供されていた部分の判定は、当該特例対象贈与の直前における現況によって行うことに留意する。(令元課資2-10追加)

(限度面積の判定について)

70の6の8-18 宅地等又は建物に係る措置法第70条の6の8第2項第1号イ又はロに定める限度面積要件の判定は、贈与者ごとに行うことに留意する。(令元課資2-10追加)

(特定事業用資産である減価償却資産に該当するリース資産)

70の6の8-19 リース資産(所得税法第67条の2第1項((リース取引に係る所得の金額の計算))に規定するリース資産をいう。)であっても、当該リース資産の賃借人である贈与者が、地方税法第341条第4号((固定資産税に関する用語の意義))に規定する償却資産として同法第342条第3項((固定資産税の課税客体等))の規定に基づき同法第383条((固定資産の申告))、第394条((道府県知事又は総務大臣によつて評価される固定資産の申告))又は第745条((道府県が課する固定資産税の賦課徴収等))の規定による償却資産の申告を行っているものについては、措置法第70条の6の8第2項第1号ハに定める減価償却資産に該当することに留意する。(令元課資2-10追加)

(3年以上事業に従事していたこと)

70の6の8-20 特定事業用資産の贈与を受けた受贈者が、措置法第70条の6の8第2項第2号ハの3年以上特定事業用資産に係る事業(当該事業に準ずるものとして措置法規則第23条の8の8第5項に規定するものを含む。)に従事していたかどうかの判定は、次によることに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 当該受贈者が従事していた事業が措置法規則第23条の8の8第5項に規定する「特定事業用資産に係る事業と同種又は類似の事業」に該当するかどうかの判定は、日本標準産業分類(平成25年総務省告示第405号)に掲げる中分類(中分類がない場合には大分類)に基づき行う。

(注) 当該受贈者が従事していた事業が中分類上、特定事業用資産に係る事業と異なるものに分類される場合であっても、当該受贈者が当該事業において従事していた業務が、当該特定事業用資産に係る事業において行われる業務と同種又は類似のものであるときは、当該受贈者は特定事業用資産に係る事業に従事していた場合に該当することに留意する。

(2) 当該特定事業用資産に係る事業に必要な知識及び技能を習得するための高等学校、大学、高等専門学校その他の教育機関における修学期間は、上記の3年以上の期間に含まれる。

(3) 上記の3年以上の期間には、当該受贈者が学生、生徒又は給与所得者等として繁忙期及び休祭日等に当該特定事業用資産に係る事業に従事していた期間を含めても差し支えない。

(納税猶予の対象とならない資産保有型事業の意義)

70の6の8-21 措置法第70条の6の8第2項第2号ヘの要件を判定する場合において、特定事業用資産に係る事業が同項第4号に規定する資産保有型事業に該当するかどうかの判定は、特例対象贈与の日の属する年の前年1月1日から当該特例対象贈与に係る贈与税の申告期限までの間のいずれかの日において次の算式を満たすかどうかにより行うことに留意する。(令元課資2-10追加)

(算式)

  (B+C)/(A+C) ≧70 /100  

(注)

  1. 1 上記算式中の符号は次のとおり。
    1. A=当該いずれかの日における当該事業に係る貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額の総額
    2. B=当該いずれかの日における当該事業に係る貸借対照表に計上されている特定資産(現金、預貯金その他の資産であって措置法規則第23条の8の8第8項に規定するものをいう。以下70の6の8-23において同じ。)の帳簿価額の合計額
    3. C=当該いずれかの日以前5年以内において特別関係者(特例事業受贈者と措置法令第40条の7の8第15項に規定する特別の関係がある者をいう。以下70の6の8-23において同じ。)が当該特例事業受贈者から受けた措置法第70条の6の8第4号ハに規定する必要経費不算入対価等(以下70の6の8-23までにおいて「必要経費不算入対価等」という。)の合計額
  2. 2 上記算式中の金額の算定については、次の取扱いに留意する。
    1. (1) 上記Cの金額の算定に当たり、特定事業用資産に係る事業に従事したことその他の事由により特別関係者が支払を受けた対価又は給与の金額がある場合で、当該対価又は給与の金額が最初の特例対象贈与の時(当該贈与の時前に相続又は遺贈により取得をした当該事業と同一の事業に係る他の資産について措置法第70条の6の10第1項の規定の適用を受けようとする場合又は受けている場合には、最初の同項の規定の適用に係る相続の開始の時。以下70の6の8-31において同じ。)前又は当該特例対象贈与の時以後のいずれに属するものか区分することができないときは、当該区分することができない金額を当該特例対象贈与の日の属する年の1月1日から当該特例対象贈与の日の前日までの日数と当該特例対象贈与の日からその年の12月31日までの日数がそれぞれその年の日数に占める割合によりあん分する。この場合において、あん分後の金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てて差し支えない。なお、必要経費不算入対価等の意義については、70の6の8-23を参照。
    2. (2) 上記算式による判定は特定事業用資産に係る事業について行うことから、特例事業受贈者が特定事業用資産に係る事業以外の事業(以下70の6の8-21において「特例対象外事業」という。)を行っている場合には、当該特例対象外事業の用に供される資産及び当該特例事業受贈者の特別関係者が当該特例対象外事業に従事したことその他の事由により支払を受けた対価又は給与の金額は、上記の算式に算入されない。
    3. (3) 特例事業受贈者が一の贈与者から特例対象贈与により取得をした特定事業用資産に係る事業が2以上ある場合における上記算式中の各金額は、その2以上の事業の合計による。
  3. 3 特例事業受贈者の事業活動のために必要な資金の借入れを行ったことその他の措置法規則第23条の8の8第7項に規定する事由が生じたことにより、当該いずれかの日において当該特定事業用資産に係る事業が上記算式を満たした場合には、当該いずれかの日から同日以後6月を経過する日までの期間は、資産保有型事業の判定に係る上記の期間から除かれることに留意する。

(納税猶予の対象とならない資産運用型事業の意義)

70の6の8-22 措置法第70条の6の8第2項第2号ヘの要件を判定する場合において、特定事業用資産に係る事業が同項第5号に規定する資産運用型事業に該当するかどうかの判定は、特例対象贈与の日の属する年の前年1月1日から当該特例対象贈与の日の属する年の12月31日までの間のいずれかの年において次の算式を満たすかどうかにより行うことに留意する。(令元課資2-10追加)

(算式)

B/A ≧ 75 /100

(注)

  1. 1 上記算式中の符号は次のとおり。
    1. A=当該いずれかの年における総収入金額
    2. B=当該いずれかの年における特定資産の運用収入の合計額
  2. 2 特例事業受贈者の事業活動のために必要な資金を調達するために特定資産を譲渡したことその他の措置法規則第23条の8の8第9項に規定する事由が生じたことにより、当該いずれかの年において当該特定事業用資産に係る事業が上記算式を満たした場合には、当該いずれかの年の1月1日からその翌年12月31日までの期間は、資産運用型事業の判定に係る上記の期間から除かれることに留意する。
  3. 3 70の6の8-21(注)2は、資産運用型事業の判定を行う場合について準用する。

(必要経費不算入対価等の意義)

70の6の8-23 必要経費不算入対価等の算定に当たっては、次によることに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(1) 特例事業受贈者の特別関係者が特定事業用資産に係る事業に従事したことその他の事由により当該特例事業受贈者から支払を受けた対価又は給与の金額は、所得税法第56条((事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例))又は第57条((事業に従事する親族がある場合の必要経費の特例等))の規定により当該事業に係る事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されるもの以外のものについては必要経費不算入対価等に該当することから、特例事業受贈者と生計を一にする親族に該当しない特別関係者が当該事業から支払を受けた対価又は給与の金額は、当該事業に係る事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されるものであっても、必要経費不算入対価等に該当することに留意する。

(2) 当該特定事業用資産に係る事業に従事する当該特例事業受贈者の使用人(措置法令第40条の7の8第15項第1号又は第2号に掲げる者を除く。)が当該事業に従事したことにより支払を受けた対価又は給与は、同条第16項の規定により必要経費不算入対価等に該当しないことに留意する。

(債務の金額の意義)

70の6の8-24 措置法第70条の6の8第2項第3号イの債務は、その引き受けた時に現に存するものであって、確実と認められるものに限り、その金額は、当該債務を引き受けた時の現況による金額によることに留意する。(令元課資2-10追加)

(特例受贈事業用資産に係る事業に関するものと認められる債務の意義)

70の6の8-25 措置法第70条の6の8第2項第3号に規定する納税猶予分の贈与税額(以下70の6の8-75までにおいて「納税猶予分の贈与税額」という。)の計算をする場合には、特例受贈事業用資産の贈与とともに引き受けた同号イの「特例受贈事業用資産に係る債務」を控除する必要があるのであるが、当該債務には、当該特例受贈事業用資産に係る事業に関するものと認められる債務のほか、当該事業に関するものと認められるもの以外の債務であることが金銭の貸付けに係る消費貸借に関する契約書その他の書面によって明らかにされない債務も含まれることに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 「当該事業に関するものと認められるもの以外の債務」は、例えば次に掲げるものが該当することに留意する。

(1) 居住の用に供する家屋及びその敷地を取得するための資金に充てるための借入金(当該家屋及びその敷地に当該事業の用に供する部分がある場合において当該事業の用に供する部分を明らかに区分できるときにおける当該事業の用に供する部分以外の部分に対応する借入金を含む。)

(2) 教育に要する資金に充てるための借入金

(3) 当該事業の用に供しない自動車その他の資産の取得に要する資金に充てるための借入金

(債務の引受けがないものとされる場合)

70の6の8-26 措置法令第40条の7の8第9項の規定により同条第8項の特例受贈事業用資産の価額が債務の引受けがないものとした場合における価額とされるのは、措置法第70条の6の8第2項第3号の規定による納税猶予分の贈与税額の計算をする場合に限られるのであって、当該特例受贈事業用資産に係る特例対象贈与の日の属する年分の贈与税で同条第1項の贈与税の申告書の提出により納付すべきものの額の計算については、措置法令第40条の7の8第9項の規定の適用はないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 措置法令第40条の7の8第9項の規定が適用される場合には、平成元年3月29日付直評5、直資2-204「負担付贈与又は対価を伴う取引により取得した土地等及び家屋等に係る評価並びに相続税法第7条及び第9条の規定の適用について」の取扱いがないことに留意する。

(特例事業受贈者に係る贈与者が2人以上ある場合の納税猶予分の贈与税額の計算)

70の6の8-27 特例事業受贈者に係る贈与者が2人以上ある場合における納税猶予分の贈与税額の計算は、次の順により行うことに留意する。(令元課資2-10追加、令5課資2-21改正)

  • (1) 次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに掲げる額を当該特例事業受贈者に係るその年分の贈与税の課税価格とみなして、措置法第70条の6の8第2項第3号の規定により計算する(措置法令第40条の7の8第10項の規定による100円未満の端数処理は行わない。)。
    • イ ロに掲げる場合以外の場合 当該特例事業受贈者がその年中において特例対象贈与により取得をした全ての特例受贈事業用資産の価額(措置法第70条の6の8第2項第3号イに規定する特例受贈事業用資産の価額をいう。ロにおいて同じ。)の合計額
    • ロ 当該特例受贈事業用資産が相続税法第21条の9第3項(措置法第70条の2の6第1項、第70条の2の7第1項(第70条の2の8において準用する場合を含む。)又は第70条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものである場合 当該特例受贈事業用資産に係る特例事業受贈者がその年中において特例対象贈与により取得をした全ての特例受贈事業用資産の価額を特定贈与者ごとに合計した額のそれぞれの額
    • (注) その年中において特定贈与者から当該特例受贈事業用資産以外の財産の贈与がある場合における当該特例受贈事業用資産の価額から控除される相続時精算課税に係る基礎控除の額は、その年中において特例対象贈与により取得をした当該特例受贈事業用資産の価額を基礎として計算した金額ではなく、その年分の贈与税の課税価格(当該特例受贈事業用資産の価額及び当該特例受贈事業用資産以外の財産の価額の合計額)を基礎として計算した金額となることに留意する。
  • (2) 措置法令第40条の7の8第12項の規定により、当該特例受贈事業用資産の上記(1)イ及びロに掲げる場合の区分に応じ、当該特例受贈事業用資産に係る贈与者の異なるものごとの納税猶予分の贈与税額を計算する(同項の規定による100円未満の端数処理を行う。)。
  • (3) 上記(2)により算出されたそれぞれの納税猶予分の贈与税額の合計額が当該特例事業受贈者に係る納税猶予分の贈与税額となる。

(事業を廃止した場合の意義)

70の6の8-28 措置法第70条の6の8第3項第1号の「事業を廃止した場合」とは、特例受贈事業用資産に係る事業の全てを廃止した場合をいうのであって、次に掲げる場合は、同号の「事業を廃止した場合」に該当しないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 特例受贈事業用資産に係る事業が2以上ある場合において、そのうちの一部の事業を廃止したとき

(2) 特例受贈事業用資産に係る事業を他の事業(措置法第70条の6の8第2項第1号に規定する事業に限る。)に転業した場合

(3) 災害、疾病等のためやむを得ず一時的に当該事業を休止した場合

(注) 上記の場合に該当したことに伴い、特例事業受贈者の事業の用に供されなくなった特例受贈事業用資産があるときは、当該特例受贈事業用資産に係る猶予中贈与税額(措置法第70条の6の8第4項に規定する猶予中贈与税額をいう。以下70の6の8-74までにおいて同じ。)に相当する贈与税については、同項の規定に基づき、納税猶予の期限が到来することに留意する。

(確定事由となる資産保有型事業又は資産運用型事業の意義)

70の6の8-29 措置法第70条の6の8第3項第2号の要件を判定する場合には、70の6の8-21((納税猶予の対象とならない資産保有型事業の意義)) 及び70の6の8-22((納税猶予の対象とならない資産運用型事業の意義))を準用する。
 この場合において、70の6の8-21中「特例対象贈与の日の属する年の前年1月1日」とあるのは「贈与税の申告期限の翌日」と、「贈与税の申告期限」とあるのは「措置法第70条の6の8第4項に規定する猶予中贈与税額に相当する贈与税の全部につき納税の猶予に係る期限が確定する日」と、70の6の8-22中「特例対象贈与の日の属する年の前年1月1日」とあるのは「贈与税の申告期限の翌日」と、「の日の属する年の12月31日」とあるのは「に係る措置法第70条の6の8第4項に規定する猶予中贈与税額に相当する贈与税の全部につき納税の猶予に係る期限が確定する日の属する年の前年12月31日」となることに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第5項の承認を受けた場合には、同項の譲渡があった日から同日以後1年を経過する日又は同項第3号の取得の日のいずれか早い日までの間は、同項の譲渡の対価の額に相当する金銭は、特定資産に該当しないことに留意する。

(性風俗関連特殊営業に該当することとなった日の意義)

70の6の8-30 措置法第70条の6の8第3項第2号の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第5項((用語の意義))に規定する性風俗関連特殊営業に「該当することとなった日」とは、同法第27条第1項、第31条の2第1項、第31条の7第1項、第31条の12第1項又は第31条の17第1項((営業等の届出))の届出書を提出した日とする。(令元課資2-10追加)

(事業所得の総収入金額が零となった場合)

70の6の8-31 措置法第70条の6の8第3項第3号の「当該事業に係る事業所得の総収入金額が零となった場合」の判定を行う場合には、次によることに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 特例事業受贈者が一の贈与者から特例対象贈与により取得をした特例受贈事業用資産に係る事業が2以上ある場合には、その2以上の事業の合計額により行う。

(2) 特例事業受贈者が特例受贈事業用資産に係る事業と別の事業を営んでいる場合には、当該別の事業に係る総収入金額は、上記の判定に含まれない。

(特例事業受贈者が個人の事業用資産についての納税猶予の適用を取りやめる場合の期限)

70の6の8-32 措置法第70条の6の8第3項第6号の規定に該当することによる納税の猶予に係る期限は、同条第1項の規定の適用を受けている特例事業受贈者から同項の規定の適用を受けることをやめる旨の届出書の提出があった日から2月を経過する日(当該届出書の提出があった日から当該2月を経過する日までの間に当該特例事業受贈者が死亡した場合には、当該特例事業受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該特例事業受贈者の死亡による相続の開始があったことを知った日の翌日から6月を経過する日)となることから、当該納税猶予に係る贈与税の額及び当該贈与税の額に係る利子税の額の納付の有無に関わらず、当該2月を経過する日に確定することに留意する。(令元課資2-10追加)

(贈与者が2以上ある場合の全部確定事由の判定)

70の6の8-33 特例事業受贈者に係る贈与者が2以上ある場合における措置法第70条の6の8第3項各号に掲げる場合に該当するかどうかの判定は、贈与者の異なるものごとに行うことに留意する。(令元課資2-10追加)

(特例受贈事業用資産の譲渡等の判定)

70の6の8-34 措置法第70条の6の8第4項又は第5項の規定を適用する場合における特例受贈事業用資産の譲渡又は贈与(以下70の6の8-68までにおいて「譲渡等」という。)があったかどうかの判定は、措置法令第40条の7の8第40項及び第41項の規定により行うことに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) なお、特例受贈事業用資産を措置法第70条の6の8第14項第3号の規定による贈与をしたかどうかの判定についても上記により行うことに留意する。

(納税猶予税額の一部について納税猶予の期限が確定する場合の贈与税の額の計算)

70の6の8-35 措置法第70条の6の8第4項の規定により納税猶予税額の一部について、納税猶予の期限が確定する場合における贈与税の額の計算は、同項の規定に該当する直前の猶予中贈与税額に、次に定める割合を乗ずることにより行うことに留意する。
 なお、これにより算出された金額に100円未満の端数があるとき又はその全額が100円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨て、その切り捨てた金額は、納税猶予税額として残ることに留意する。(令元課資2-10追加)

事業の用に供されなくなった特例受贈事業用資産の措置法第70条の6の8第1項の規定の適用に係る贈与の時における価額/当該事業の用に供されなくなった時の直前において当該事業の用に供されていた全ての特例受贈事業用資産の措置法第70条の6の8第1項の規定の適用に係る贈与の時における価額

(注)

  1. 1 「当該事業の用に供されなくなった時の直前において当該事業の用に供されていた全ての特例受贈事業用資産」には、措置法令第40条の7の8第18項の届出に係る特例受贈事業用資産が含まれることに留意する。
  2. 2 「事業の用に供されなくなった特例受贈事業用資産」には、災害、疾病等のためやむを得ず一時的に当該事業の用に供されていない特例受贈事業用資産は含まれないことに留意する。
  3. 3 措置法第70条の6の8第18項の規定の適用を受けた場合における上記算式中の「贈与の時における価額」は、同項に規定する認可決定日における価額となることに留意する。

(廃棄に係る届出書が届出期限までに提出されない場合等)

70の6の8-36 特例事業受贈者が措置法令第40条の7の8第18項の規定の適用を受けようとする場合には、同項に規定する期限(以下70の6の8-36において「届出期限」という。)までに同項に規定する届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければ、同項の規定の適用はないことに留意する。
 当該届出書を届出期限までに提出しない場合には、同項の廃棄をした特例受贈事業用資産に係る猶予中贈与税額に相当する贈与税については措置法第70条の6の8第4項の事業の用に供されなくなった日から2月を経過する日(当該事業の用に供されなくなった日から当該2月を経過する日までの間に当該特例事業受贈者が死亡した場合には、当該特例事業受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該特例事業受贈者の死亡による相続の開始があったことを知った日の翌日から6月を経過する日)に納税の猶予に係る期限が到来することに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 届出期限までに措置法令第40条の7の8第18項に規定する届出書の提出がなかった場合のゆうじょ規定は設けられていない。

(特例受贈事業用資産の処分によって得た対価がある場合)

70の6の8-37 措置法令第40条の7の8第18項の事由により特例受贈事業用資産を処分した場合において、その処分によって得た対価があるとき(その処分に要した費用の額がある場合には、当該対価の額が当該費用の額を超えるときに限る。)は、当該特例受贈事業用資産の処分は同項の廃棄に該当しないことに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(注) 特例受贈事業用資産の処分によって得た対価がある場合における当該処分は、措置法第70条の6の8第5項の「特例受贈事業用資産の譲渡」に該当することに留意する。

(買換承認に係る申請書が申請期限までに提出されない場合等)

70の6の8-38 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第5項の規定の適用を受けようとする場合には、措置法令第40条の7の8第21項に規定する期限(以下70の6の8-38において「申請期限」という。)までに同項に規定する申請書(以下70の6の8-38において「承認申請書」という。)を納税地の所轄税務署長に提出しなければ、措置法第70条の6の8第5項の規定の適用はないことに留意する。
 当該申請書を申請期限までに提出しない場合には、同項の譲渡をした特例受贈事業用資産に係る猶予中贈与税額に相当する贈与税については当該譲渡があった日から2月を経過する日(当該譲渡があった日から当該2月を経過する日までの間に当該特例事業受贈者が死亡した場合には、当該特例事業受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該特例事業受贈者の死亡による相続の開始があったことを知った日の翌日から6月を経過する日)に納税の猶予に係る期限が到来することに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(注)

  1. 1 申請期限までに措置法令第40条の7の8第21項に規定する申請書の提出がなかった場合のゆうじょ規定は設けられていない。
  2. 2 「譲渡があった日」とは、当該特例受贈事業用資産の引渡しがあった日をいうことに留意する。
     ただし、当該特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第5項の規定の適用を受けようとする場合において、当該特例受贈事業用資産の譲渡に関する契約の締結された日をもって当該譲渡があった日とする承認申請書が提出されたときは、当該契約の締結された日をもって「譲渡があった日」として取り扱って差し支えない(以下70の6の10-39までにおいて同じ。)。
  3. 3 特例受贈事業用資産について交換、換地処分又は権利変換が行われた場合で、当該交換、換地処分又は権利変換が所得税法又は措置法の規定により所得税の課税上譲渡がなかったものとみなされたときであっても、当該交換、換地処分又は権利変換は、措置法第70条の6の8第5項の譲渡に該当することから、当該交換、換地処分又は権利変換により取得した資産について同項の規定の適用を受けようとする場合には、申請期限までに承認申請書の提出を要することに留意する。

(特例受贈事業用資産の譲渡の対価の額の意義)

70の6の8-39 措置法第70条の6の8第5項の納税地の所轄税務署長の承認(以下70の6の8-44までにおいて「買換承認」という。)に係る特例受贈事業用資産の「譲渡の対価の額」は、買換承認を受けた特例事業受贈者の次に掲げる区分に応じ、それぞれに定める価額をいうことに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 当該特例事業受贈者が(3)に掲げる者以外の者である場合において税抜経理方式を適用しているとき 当該特例受贈事業用資産に係る税抜価額

(2) 当該特例事業受贈者が(3)に掲げる者以外の者である場合において税込経理方式を適用しているとき 当該特例受贈事業用資産に係る税込価額

(3) 当該特例事業受贈者が免税事業者等である場合 当該特例受贈事業用資産の実際の譲渡価額

(注)

  1. 1 「税抜経理方式」とは、平成元年3月29日付直所3-8、直資3-6「消費税法等の施行に伴う所得税の取扱いについて」(以下70の6の8-39において「取扱い通達」という。)1(5)((用語の意義))に定めるものをいい、「税抜価額」とは、消費税の額及び地方消費税の額を含まない取引の対価の額をいうことに留意する。
  2. 2 「税込経理方式」とは、取扱い通達1(6)に定めるものをいい、「税込価額」とは、消費税の額及び地方消費税の額を含んだ取引の対価の額をいうことに留意する。
  3. 3 「免税事業者等」とは、取扱い通達5((免税事業者等の消費税の処理))の消費税の納税義務が免除されている個人事業者(取扱い通達5(注)の個人事業者を含む。)をいうことに留意する。

(買換資産の取得の意義等)

70の6の8-40 措置法第70条の6の8第5項に規定する特例事業受贈者の事業の用に供される資産(以下70の6の8-44までにおいて「買換資産」という。)の取得については、次の取扱いに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 措置法第70条の6の8第5項に規定する特例事業受贈者の事業の用に供される資産(以下70の6の8-44までにおいて「買換資産」という。)の取得には、購入による取得のほか、自己の建設、製作又は製造(以下70の6の8-40において「建設等」という。)に係る資産の建設等による取得、自己が生育させた所得税法施行令第6条第9号イ((減価償却資産の範囲))に掲げる生物の生育による取得並びに自己が成熟させた同号ロ及びハに掲げる生物の成熟による取得が含まれる。

(注) 措置法第70条の6の8第5項第2号又は第3号の1年を経過する日において資産の建設等、生育又は成熟が完了していないときには、同日までに買換資産の取得が行われていないことから、当該資産の建設等、生育又は成熟に要する費用に充てられた同項の特例受贈事業用資産の譲渡の対価の額の全部が、同項第2号の買換資産の取得に充てられていないものに該当することに留意する。

(2) 特例受贈事業用資産の譲渡があった日前に買換資産の取得が行われた場合においては、その取得に関する契約が譲渡に関する契約があった日以後に行われていると認められるときに限り、措置法第70条の6の8第5項の規定の適用があるものとして取り扱う。

(仲介料、登記費用等の費用)

70の6の8-41 措置法第70条の6の8第5項の規定による買換承認を受けている場合において同項に規定する特例受贈事業用資産の譲渡又は買換資産の取得に要した仲介料、登記費用等の費用があるときは、次によることに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 同項に規定する特例受贈事業用資産の譲渡について仲介料、登記費用等の費用を要した場合には、当該譲渡の対価の額から当該譲渡に要した費用の額を控除した金額をもって同項第2号及び第3号に規定する「譲渡の対価の額」とする。

(2) 買換資産の取得について仲介料、登記費用等の費用を要した場合には、当該費用の額は、当該買換資産の取得に充てられたものとする。

(注) 上記の費用の額については、70の6の8-39((特例受贈事業用資産の譲渡の対価の額の意義))を準用する。

(特例受贈事業用資産とみなされる買換資産の意義)

70の6の8-42 買換承認に係る譲渡の対価の額を充てて取得をした買換資産は、措置法第70条の6の8第5項第3号の規定により、同条第1項の規定の適用を受ける特例受贈事業用資産とみなされることから、当該譲渡の対価の額を充てて取得をした一の資産の取得価額が当該譲渡の対価の額を超える場合においても、その取得をした当該一の資産が同項の規定の適用を受ける特例受贈事業用資産に該当することに留意する。(令元課資2-10追加)

(注)

  1. 1 当該譲渡の対価の額を充てて取得をした資産が宅地等である場合において、当該宅地等の分筆等により、当該宅地等のうち当該譲渡の対価の額を充てて取得した部分が特定されているときは、当該宅地等のうちその特定された部分が買換資産に該当することに留意する。
     この場合において、当該譲渡の対価の額を充てて取得した宅地等の部分の面積については、次の算式により計算した面積によることに留意する。
    (算式)

    A× C /B
    (注) 上記算式中の符号は次のとおり。
    1. A=取得した宅地等の面積
    2. B=取得した宅地等の取得価額
    3. C=譲渡をした特例受贈事業用資産の対価の額
  2. 2 上記(注)1の「宅地等の取得価額」及び「特例受贈事業用資産の対価の額」については、70の6の8-39及び41の取扱いに留意する。

(買換承認に係る1年を経過する日までに特例事業受贈者が死亡した場合)

70の6の8-43 措置法第70条の6の8第5項の買換承認を受けた特例事業受贈者が、当該買換承認に係る特例受贈事業用資産の譲渡があった日から1年を経過する日までに、次に掲げる場合に該当するときには、納税猶予期限は確定せず、同条第14項の規定により贈与税は免除されることに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(1) 当該特例事業受贈者が死亡した場合

(2) 当該特例事業受贈者に係る贈与者(当該特例事業受贈者に係る贈与が免除対象贈与である場合には、前の贈与者)が死亡した場合

(注)

  1. 1 上記(1)の場合において、当該特例事業受贈者がその死亡の日までに買換資産の取得をし、かつ、措置法規則第23条の8の8第11項の書類を提出することなく死亡したときであっても、当該特例事業受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)は当該書類の提出を要しないことに留意する。
  2. 2 上記(1)の場合における当該特例事業受贈者に係る相続税の課税に当たっては、当該譲渡をした特例受贈事業用資産は相続財産を構成せず、当該特例事業受贈者が相続開始の時において有していた財産が相続税の課税価格計算の基礎となることに留意する。
  3. 3 上記(2)の場合には、措置法第70条の6の9第1項(同条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により、当該譲渡をした特例受贈事業用資産は、当該特例事業受贈者が当該贈与者から相続又は遺贈により取得をしたものとみなされるのであるが、この場合において、当該特例事業受贈者が措置法第70条の6の10第1項の規定の適用を受けるときは、措置法令第40条の7の10第35項第5号の規定により、当該譲渡は措置法第70条の6の10第5項の譲渡とみなされ、当該買換承認は、同項の承認とみなされることに留意する。

(譲渡の対価の額の全部又は一部が買換資産の取得に充てられていない場合における事業の用に供されなくなった部分の計算)

70の6の8-44 措置法第70条の6の8第5項第2号の規定により、同号の「当該譲渡があった日から1年を経過する日」において特例事業受贈者の事業の用に供されなくなったものとみなされる買換承認に係る特例受贈事業用資産の部分は、次の算式により計算した部分によることに留意する。(令元課資2-10追加)

(算式)

A×(B-C)/B

(注)

  1. 1 上記算式中の符号は次のとおり。
    1. A=買換承認に係る特例受贈事業用資産の措置法第70条の6の8第1項の規定の適用に係る贈与の時における価額
    2. B=買換承認に係る特例受贈事業用資産の譲渡の対価の額
    3. C=買換資産の取得価額
  2. 2 措置法第70条の6の8第18項の規定の適用を受けた場合における上記Aの「贈与の時における価額」は、同項に規定する認可決定日における価額となることに留意する。
  3. 3 上記Bの「譲渡の対価の額」及びCの「取得価額」については、70の6の8-39及び41の取扱いに留意する。

(現物出資承認に係る申請書が申請期限までに提出されない場合等)

70の6の8-45 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第6項の規定の適用を受けようとする場合には、措置法令第40条の7の8第25項に規定する期限(以下70の6の8-45において「申請期限」という。)までに同項に規定する申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければ、措置法第70条の6の8第6項の規定の適用はないことに留意する。
 当該申請書を申請期限までに提出しない場合には、猶予中贈与税額に相当する贈与税については同項の移転があった日から2月を経過する日(当該移転があった日から当該2月を経過する日までの間に当該特例事業受贈者が死亡した場合には、当該特例事業受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該特例事業受贈者の死亡による相続の開始があったことを知った日の翌日から6月を経過する日)に納税の猶予に係る期限が到来することに留意する。(令元課資2-10追加)

(注)

  1. 1 申請期限までに措置法令第40条の7の8第25項に規定する申請書の提出がなかった場合のゆうじょ規定は設けられていない。
  2. 2 「移転があった日」とは、会社法第34条第1項((出資の履行))の規定に基づく財産の給付として当該特例受贈事業用資産の引渡しがあった日をいうことに留意する。

(措置法第70条の6の8第6項の規定の適用を受けるための移転)

70の6の8-46 措置法第70条の6の8第6項の規定の適用を受けようとする場合には、会社の設立に伴う現物出資により同条第1項の規定の適用を受けている特例受贈事業用資産の全ての移転をする必要があるのであるが、全ての移転をしたかどうかの判定については、次によることに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(1) 特例事業受贈者が一の贈与者から特例対象贈与により取得をした特例受贈事業用資産に係る事業が2以上ある場合には、その2以上の事業に係る全ての特例受贈事業用資産の移転を要すること。

(2) 当該特例受贈事業用資産に係る事業の用に供されている資産のうちに、同項の規定の適用を受けていない資産がある場合には、当該資産については移転を要しないこと。

(3) 特例事業受贈者に係る贈与者が2以上ある場合には、贈与者の異なるものごとに判定を行うこと。

(注) 2以上の贈与者から特例対象贈与により取得をした特例受贈事業用資産に係る事業が同一の事業である場合において、特例事業受贈者が当該2以上の贈与者のうち一部の贈与者に係る特例受贈事業用資産について措置法第70条の6の8第6項の移転をしたときは、同項の移転をしなかった他の贈与者に係る特例受贈事業用資産については、引き続き当該特例事業受贈者の事業の用に供する必要があることに留意する。

(現物出資承認を受けた後における確定事由)

70の6の8-47 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第6項の承認(以下70の6の8-48において「現物出資承認」という。)を受けた場合には、当該特例事業受贈者に係る贈与税の納税猶予の期限が到来する事由については、同条第3項及び第4項の規定の適用はなく、措置法令第40条の7の8第27項において準用する措置法第70条の7第5項及び第14項(措置法第70条の7の5第10項において準用する場合を含む。)の規定によることに留意する。(令元課資2-10追加)

(注)

  1. 1 この場合においては、70の7-17((対象受贈非上場株式等の譲渡等の判定))〜29((納税猶予税額の一部について納税猶予の期限が確定する場合の贈与税の額の計算))を準用する。
  2. 2 納税猶予の期限が到来した場合における利子税の納付については、措置法令第40条の7の8第27項第4号において準用する措置法第70条の7第27項(同項の表の第3号及び第5号から第9号までに係る部分に限る。)及び第70条の7の5第22項(同項の表の第9号から第13号までに係る部分に限る。)の規定によることに留意する。

(現物出資承認を受けた後における免除事由)

70の6の8-48 特例事業受贈者が現物出資承認を受けた場合における贈与税の免除については、次の取扱いに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(1) 特例受贈事業用資産とみなされた株式等(株式又は出資をいう。以下70の6の8-48において同じ。)の全ての贈与をした場合において、当該贈与により当該株式等を取得した者が措置法第70条の7第1項又は第70条の7の5第1項の規定の適用を受けたときは、措置法第70条の6の8第14項第3号の規定により贈与税が免除される。

(注) 特例事業受贈者から贈与により取得をした当該株式等について、当該贈与に係る受贈者が措置法第70条の7第1項又は第70条の7の5第1項の規定の適用を受けない部分がある場合には、当該部分に係る猶予中贈与税額については免除されず、措置法令第40条の7の8第27項において準用する措置法第70条の7第5項の規定により納税の猶予に係る期限が到来することに留意する。
 なお、特例事業受贈者が当該株式等の全ての贈与をした場合において、当該株式等を取得した受贈者において措置法令第40条の8第2項に規定する部分を超える部分が生じたときは、当該株式等のうちその超える部分については「措置法第70条の7第1項の規定の適用を受けない部分」に該当しないことに留意する。

(2) 措置法第70条の6の8第14項第4号の規定による免除の適用はない。

(3) 措置法第70条の6の8第16項から第18項までの規定による免除の適用はなく、措置法令第40条の7の8第27項第2号において準用する措置法第70条の7第16項から第25項まで及び第70条の7の5第12項から第19項までの規定による免除が適用される。

(注) (3)の場合には、70の7-38((破産免除等の申請書が申請期限までに提出されない場合等))〜42((免除申請があった場合の利子税の計算))及び70の7-45((猶予中贈与税額の再計算に係る申請書が申請期限までに提出されない場合等))〜48((対象受贈非上場株式等の認可決定日における価額の意義))並びに70の7の5-25((事業の継続が困難な事由の判定の時期))〜37((差額免除に係る免除申請があった場合の利子税の計算))を準用する。

(既に個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除等の適用を受けている他の者がいる場合等)

70の6の8-49 特定事業用資産について、措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けようとする場合において、同項の規定の適用を受けようとする者以外の者が当該特定事業用資産に係る事業と同一の事業の用に供される資産について次に掲げるいずれかの規定の適用を受け、又は受けようとしているときは、同項の規定の適用を受けることができないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 措置法第70条の6の8第1項

(2) 措置法第70条の6の10第1項

(注)

  1. 1 措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けようとする者が、当該特定事業用資産に係る事業と同一の事業の用に供される資産について上記(1)又は(2)のいずれかの規定の適用を受けている場合には、同項の規定の適用を受けることができることに留意する。
  2. 2 上記の措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けることができるかどうかの判定は、特定事業用資産に係る事業ごとに行うことに留意する。

(継続届出書の提出期間)

70の6の8-50 措置法第70条の6の8第9項に規定する届出書は、同項に規定する特例贈与報告基準日の翌日から3月を経過するごとの日までに提出しなければならないのであるが、その提出期間は、当該特例贈与報告基準日の翌日から当該3月を経過するごとの日までの期間として取り扱う。(令元課資2-10追加)

(注) 上記の「特例贈与報告基準日」とは、特定申告期限(特例事業受贈者の最初の特例対象贈与の日の属する年分の贈与税の申告書の提出期限又は最初の措置法第70条の6の10第1項の規定の適用に係る相続に係る同項に規定する相続税の申告書の提出期限のいずれか早い日をいう。)の翌日から3年を経過するごとの日をいうことに留意する。

(特例受贈事業用資産に係る事業と別の事業を営んでいる場合に継続届出書に添付する貸借対照表等の意義)

70の6の8-51 措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受ける特例事業受贈者が同項の規定の適用を受ける特例受贈事業用資産に係る事業(以下70の6の8-51において「特例対象事業」という。)と別の事業を営んでいる場合には、同条第9項の規定により提出する届出書に添付すべき措置法規則第23条の8の8第15項第2号イに掲げる貸借対照表及び損益計算書は、当該別の事業と区分された当該特例対象事業に係る貸借対照表及び損益計算書をいうことに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(注) 特例事業受贈者が特例対象事業と別の事業を営んでいる場合には、措置法令第40条の7の8第39項の規定により、それぞれの事業につき所得税法第148条第1項((青色申告者の帳簿書類))の規定による帳簿書類の備付け、記録又は保存を要することとされており、当該貸借対照表及び損益計算書は、当該帳簿書類に基づき作成することに留意する。

(増担保命令等に応じない場合の納税猶予の期限の繰上げ)

70の6の8-52 措置法第70条の6の8第12項の規定により、増担保命令等に応じないため納税猶予の期限を繰り上げる場合には、担保不足に対応する納税猶予に係る税額だけでなく、猶予中贈与税額の全額について納税猶予の期限を繰り上げることに留意する。(令元課資2-10追加)

(贈与者が死亡した場合の免除税額等)

70の6の8-53 措置法第70条の6の8第14項第2号の規定により免除となる贈与税は、同号の贈与者の死亡の直前における猶予中贈与税額に次の割合を乗じて計算した金額となることに留意する。

当該贈与者が贈与をした特例受贈事業用資産の当該贈与の時における価額/当該贈与者の死亡の直前に当該特例受贈事業用資産に係る事業の用に供されていた全ての当該特例受贈事業用資産の当該贈与の時における価額

 なお、これにより算出された金額に100円未満の端数があるとき又はその全額が100円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(注)

  1. 1 上記の「当該贈与者が贈与をした特例受贈事業用資産の当該贈与の時における価額」からは、当該贈与者が措置法第70条の6の8第14項第3号の規定の適用に係る贈与をした当該特例受贈事業用資産の価額が除かれることに留意する。
  2. 2 上記の「当該贈与者が贈与をした特例受贈事業用資産の当該贈与の時における価額」からは、同条第1項の規定の適用を受ける特例事業受贈者が、その有する措置法令第40条の7の8第40項に規定する対象事業用資産の譲渡等をしている場合には、その譲渡等をした当該対象事業用資産の価額は除かれることに留意する。
     なお、この場合において、「当該贈与者が贈与をした特例受贈事業用資産の当該贈与の時における価額」の算定に当たっては、措置法令第40条の7の8第40項の規定の適用に留意する。
  3. 3 「当該贈与者の死亡の直前に当該特例受贈事業用資産に係る事業の用に供されていた全ての当該特例受贈事業用資産」及び「当該贈与者が贈与をした特例受贈事業用資産」には、措置法令第40条の7の8第18項の届出に係る特例受贈事業用資産が含まれることに留意する。
  4. 4 措置法第70条の6の8第18項の規定の適用を受けた場合における上記算式中の「贈与の時における価額」は、同項に規定する認可決定日における価額となることに留意する。

(措置法第70条の6の8第1項の適用に係る贈与をした場合の免除)

70の6の8-54 措置法第70条の6の8第14項第3号の規定による免除については、次によることに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

  • (1) 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第14項第3号の規定による免除を受けるためには、同項の規定の適用を受けている特例受贈事業用資産の全ての贈与をする必要があるのであるが、全ての贈与をしたかどうかの判定については次による。
    • イ 特例受贈事業用資産に係る事業が2以上ある場合には、その2以上の事業に係る全ての特例受贈事業用資産の贈与を行う必要がある。    

      (注) 上記の場合において特例事業受贈者がその2以上の事業のうち一部の事業に係る特例受贈事業用資産のみ贈与をしたときは、当該贈与をした特例受贈事業用資産に係る猶予中贈与税額については免除されず同条第4項の規定により納税の猶予に係る期限が到来するのであるが、当該贈与を受けた受贈者については、同条第1項の規定の適用に係る要件を満たした場合には、同項の規定の適用を受けることができることに留意する。

    • ロ 当該特例事業受贈者が同一年中に2人以上の受贈者に特例受贈事業用資産の贈与をした場合において、その贈与が異なる時期に行われたときには、当該贈与のうち最後に行われた贈与直後において特例受贈事業用資産の全ての贈与が行われたかどうかの判定を行う。
  • (2) 特例事業受贈者から贈与を受けた者が措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けるためには、当該特例事業受贈者の事業に係る特定事業用資産の全ての贈与を受ける必要があることから、当該特例事業受贈者が同条第14項第3号の規定による免除を受けるには、特例受贈事業用資産の全てに加え、当該事業に係る特例受贈事業用資産以外の特定事業用資産の全ての贈与を行う必要がある。  

    (注) 上記の要件を満たさない場合には、贈与をした特例受贈事業用資産に係る猶予中贈与税額については免除されず、同条第4項の規定により納税の猶予に係る期限が到来することに留意する。

  • (3) 特例事業受贈者からの贈与により取得をした当該特例受贈事業用資産について、当該贈与に係る受贈者が措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けない部分がある場合には、当該部分に係る猶予中贈与税額については免除されず同条第4項の規定により納税の猶予に係る期限が到来する。 

    (注) 当該受贈者が取得をした当該特例受贈事業用資産のうちに宅地等又は建物がある場合において、当該宅地等の面積の合計又は建物の床面積の合計が同条第2項第1号イ又はロに定める限度面積を超えるときにおけるその超える部分については、上記の「措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受けない部分」に該当しないことに留意する。

  • (4) 措置法第70条の6の8第14項第3号の規定の適用に係る贈与をした特例受贈事業用資産が、宅地等又は建物である場合において、当該宅地等又は建物のうちに特例受贈事業用資産に該当しない部分があるときは、当該贈与を受けた受贈者は、当該宅地等又は建物のうち、当該特例受贈事業用資産に係る部分から先に同条第1項の規定の適用を受けるものとする。

(事業を継続することができなくなった場合に該当することとなった日)

70の6の8-55 措置法第70条の6の8第14項第4号に掲げる場合に該当することとなった日とは、原則として同条第1項に規定する贈与税の申告書の提出期限(以下70の6の8-56において「贈与税の申告書の提出期限」という。)後に措置法規則第23条の8の8第21項各号に掲げる事由に該当することとなった日をいうのであるが、特例事業受贈者が当該事由に該当することとなった日後のいずれかの日を措置法第70条の6の8第14項第4号に掲げる場合に該当することとなった日として同項に規定する届出書を提出した場合には、同日によることとして差し支えない。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(特例受贈事業用資産に係る事業を継続することができなくなったやむを得ない理由)

70の6の8-56 措置法第70条の6の8第14項第4号に規定する特例事業受贈者が特例受贈事業用資産に係る事業を継続することができなくなったことについて措置法規則第23条の8の8第21項に定めるやむを得ない理由とは、次に掲げる事由に該当することとなったことをいうことに留意する。(令元課資2-10追加、令2課資2-10改正)

(1) 贈与税の申告書の提出期限後において、特例事業受贈者に措置法規則第23条の8の8第21項各号に規定する事由が生じたこと

(2) 特例事業受贈者が贈与税の申告書の提出期限において既に身体上の障害の程度が2級である者として記載のある身体障害者手帳の交付を受けていた場合で、当該贈与税の申告書の提出期限後に、当該身体障害者手帳に記載された身体上の障害の程度が1級に変更されたこと

(3) 特例事業受贈者が贈与税の申告書の提出期限において既に身体上の障害の程度が1級又は2級である者として記載のある身体障害者手帳の交付を受けていた場合で、当該贈与税の申告書の提出期限後に、その障害とは別に身体上の障害の程度が1級又は2級である障害が当該身体障害者手帳に新たに記載されたこと

(4) 特例事業受贈者が贈与税の申告書の提出期限において既に同項各号に掲げる事由が生じていた場合で、当該贈与税の申告書の提出期限後に、新たに当該特例事業受贈者に同項各号に掲げる事由が生じたこと

(免除を受けた特例事業受贈者に係る相続税法第21条の14から第21条の16までの不適用)

70の6の8-57 措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受ける特例事業受贈者が同条第14項、第16項から第18項までの規定により猶予中贈与税額の全部又は一部の免除を受けた場合において、同条第1項の規定の適用に係る特例受贈事業用資産(相続税法第21条の9第3項(措置法第70条の2の6第1項、第70条の2の7第1項(第70条の2の8において準用する場合を含む。)又は第70条の3第1項において準用する場合を含む。以下70の6の8-58において同じ。)の規定の適用を受けるものに限る。)の贈与者の相続が開始したときは、当該特例受贈事業用資産のうち当該免除を受けた猶予中贈与税額に対応する部分については、相続税法第21条の14から第21条の16までの規定は適用されないことに留意する。
 この場合において、「当該特例受贈事業用資産のうち当該免除を受けた猶予中贈与税額に対応する部分」とは、当該特例事業受贈者が当該免除につき適用を受けた次に掲げる規定の区分に応じ、それぞれに定める部分をいうことに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 措置法第70条の6の8第14項第1号 当該特例受贈事業用資産のうち当該特例事業受贈者が同号の死亡の直前に有していたもの

(2) 措置法第70条の6の8第14項第2号 当該特例受贈事業用資産のうち同号の贈与者が贈与(免除対象贈与を除く。)をしたものであって当該特例事業受贈者が同号の死亡の直前に有していたもの

(3) 措置法第70条の6の8第14項第3号 当該特例受贈事業用資産のうち当該特例事業受贈者が同号の規定の適用に係る贈与をしたもの

(4) 措置法第70条の6の8第14項第4号 当該特例受贈事業用資産のうち当該特例事業受贈者が同号に掲げる場合に該当することとなった直前に有していたもの

(5) 措置法第70条の6の8第16項 当該特例受贈事業用資産のうち次の算式により計算した金額に相当する部分

(算式)
A×C/B

(注) 上記算式中の符号は次のとおり。

  • A=当該特例受贈事業用資産の同条第1項の規定の適用に係る贈与の時における価額
  • B=当該特例受贈事業用資産に係る納税猶予分の贈与税額
  • C=同条第16項の規定により免除された贈与税の額

(6) 措置法第70条の6の8第17項 当該特例受贈事業用資産のうち、次の算式により計算した金額に相当する部分

(算式)
(A−B)×C/((C+D))

(注) 上記算式中の符号は次のとおり。

  • A=当該特例受贈事業用資産の同条第1項の規定の適用に係る贈与の時における価額
  • B=当該特例受贈事業用資産の同条第17項第1号イの譲渡等の対価の額又は同項第2号イの廃止の直前における当該特例受贈事業用資産の時価に相当する金額(当該譲渡等の対価の額が、同項第1号イに規定する当該特例受贈事業用資産の時価に相当する金額の2分の1以下である場合には、当該2分の1に相当する金額)
  • C=同条第17項の規定により免除された贈与税の額
  • D=同条第17項各号ロに掲げる金額

(7) 措置法第70条の6の8第18項 当該特例受贈事業用資産のうち次の算式により計算した金額に相当する部分

(算式)
(A−B)×C/((C+D))

(注) 上記算式中の符号は次のとおり。

  • A=当該特例受贈事業用資産の同条第1項の規定の適用に係る贈与の時における価額
  • B=当該特例受贈事業用資産の同条第18項に規定する認可決定日における価額
  • C=同項の規定により免除された贈与税の額
  • D=同項第2号に掲げる金額

(注)

  1. 1 上記(1)から(4)に定めるものには、措置法令第40条の7の8第18項の届出に係る特例受贈事業用資産が含まれることに留意する。
  2. 2 上記(5)から(7)までに掲げる規定の適用前に当該特例受贈事業用資産について措置法第70条の6の8第18項の規定の適用を受けている場合には、上記(5)から(7)までの算式中の「贈与の時における価額」は、同項に規定する認可決定日における価額による。

(第二贈与者が死亡した場合の相続税法第21条の14から第21条の16までの不適用)

70の6の8-58 措置法第70条の6の8第1項の規定の適用を受ける特例事業受贈者の同項の規定の適用に係る贈与が同条第14項第3号の規定の適用に係る贈与(相続税法第21条の9第3項の規定の適用を受ける特例受贈事業用資産に係る贈与に限る。以下70の6の8-58において「第二贈与」という。)であり、かつ、当該特例受贈事業用資産が第二贈与者(第二贈与をした者をいう。以下70の6の8-58において同じ。)が第一贈与者(第二贈与前に第二贈与者に当該特例受贈事業用資産の贈与をした者をいう。)からの贈与により取得をしたものである場合の当該第二贈与者が死亡したときにおける当該特例事業受贈者が当該第二贈与により取得をした当該特例受贈事業用資産については、相続税法第21条の14から第21条の16までの規定は適用されないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(破産免除等の申請書が申請期限までに提出されない場合等)

70の6の8-59 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第16項の規定に基づき贈与税の免除を受けようとする場合には、同項に規定する期限(以下70の6の8-59において「免除申請期限」という。)までに同項に規定する申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければ、同項の規定の適用はないことに留意する。
 当該申請書を免除申請期限までに提出しない場合には、猶予中贈与税額に相当する贈与税については同項各号に掲げる場合に該当することとなった日から2月を経過する日(同項各号に掲げる場合に該当することとなった日から当該2月を経過する日までの間に当該特例事業受贈者が死亡した場合には、当該特例事業受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該特例事業受贈者の死亡による相続の開始があったことを知った日の翌日から6月を経過する日)に納税の猶予に係る期限が到来することに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 免除申請期限までに措置法第70条の6の8第16項に規定する申請書の提出がなかった場合のゆうじょ規定は設けられていない。

(措置法第70条の6の8第16項第1号の規定の適用を受けるための譲渡等)

70の6の8-60 措置法第70条の6の8第16項第1号の規定の適用を受けようとする場合には、同条第1項の規定の適用を受けている特例受贈事業用資産の全ての譲渡等をする必要があるのであるが、全ての譲渡等をしたかどうかの判定については、次によることに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 特例受贈事業用資産に係る事業が2以上ある場合には、その2以上の事業に係る全ての特例受贈事業用資産の譲渡等を行う必要がある。

(2) 特例事業受贈者に係る贈与者が2以上ある場合には、贈与者の異なるものごとにその判定を行う。

(3) 当該特例受贈事業用資産に係る事業の用に供されている資産のうちに、同項の規定の適用を受けていない資産がある場合には、当該資産については譲渡等をする必要はない。

(特例受贈事業用資産の時価に相当する金額の意義)

70の6の8-61 措置法第70条の6の8第16項第1号イの「特例受贈事業用資産の時価に相当する金額」は、評価基本通達の定めにより算定することに留意する。(令元課資2-10追加)

(特例受贈事業用資産の譲渡等の対価の額の意義)

70の6の8-62 措置法第70条の6の8第16項第1号イの「特例受贈事業用資産の譲渡等の対価の額」の意義については、70の6の8-39((特例受贈事業用資産の譲渡の対価の額の意義))を準用する。(令元課資2-10追加)

(差額免除の申請書が申請期限までに提出されない場合等)

70の6の8-63 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第17項の規定に基づき贈与税の免除を受けようとする場合には、同項に規定する期限(以下70の6の8-63において「申請期限」という。)までに同項に規定する申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければ、これらの規定の適用はないことに留意する。
 これらの申請書を申請期限までに提出しない場合には、猶予中贈与税額に相当する贈与税については同項第1号の譲渡等をした日又は同項第2号の事業の廃止をした日から2月を経過する日(当該譲渡等をした日又は事業の廃止をした日から当該2月を経過する日までの間に当該特例事業受贈者が死亡した場合には、当該特例事業受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該特例事業受贈者の死亡による相続の開始があったことを知った日の翌日から6月を経過する日)に納税の猶予に係る期限が到来することに留意する。(令元課資2-10追加)

(注)

  1. 1 申請期限までに措置法第70条の6の8第17項に規定する申請書の提出がなかった場合のゆうじょ規定は設けられていない。
  2. 2 「譲渡等をした日」とは、特例受贈事業用資産の引渡しがあった日ということに留意する(以下70の6の10-60までにおいて同じ。)。

(事業の継続が困難な事由の意義)

70の6の8-64 措置法第70条の6の8第17項に規定する特例受贈事業用資産に係る事業の継続が困難な事由とは、次に掲げる事由をいうことに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 直前3年内の各年(特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第17項各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなった日の属する年の前年以前3年内の各年をいう((2)において同じ。)のうち2以上の年において、当該事業に係る事業所得の金額が零未満であること。

(2) 直前3年内の各年のうち2以上の年において、当該事業に係る各年の事業所得に係る総収入金額が当該各年の前年の総収入金額を下回ること。

(3) 特例事業受贈者が心身の故障その他の事由により当該特例受贈事業用資産に係る事業に従事することができなくなったこと。

(注) 上記(1)及び(2)の判定については、次の取扱いに留意する。

  • (1) 特例事業受贈者が一の贈与者から特例対象贈与により取得をした特例受贈事業用資産に係る事業が2以上ある場合には、その2以上の事業の合計額により行うこと。
  • (2) 特例事業受贈者が特例受贈事業用資産に係る事業と別の事業を営んでいる場合における当該別の事業に係る金額は、上記の判定に含まれないこと。

(措置法第70条の6の8第17項第1号の規定の適用を受けるための譲渡等)

70の6の8-65 措置法第70条の6の8第17項第1号の「特例受贈事業用資産の全ての譲渡等」の意義については、70の6の8-60((措置法第70条の6の8第16項第1号の規定の適用を受けるための譲渡等))を準用する。(令元課資2-10追加)

(特例受贈事業用資産に係る事業の廃止の意義)

70の6の8-66 措置法第70条の6の8第17項第2号の「事業の廃止をした場合」とは、特例受贈事業用資産に係る事業の全てを廃止した場合をいうのであるから、特例事業受贈者が一の贈与者から特例対象贈与により取得をした特例受贈事業用資産に係る事業が2以上ある場合において、その一部の事業を廃止したときは、同項の規定の適用はないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 事業の全てを廃止したかどうかの判定は、特例事業受贈者に係る贈与者の異なるものごとに行うことに留意する。

(免除申請贈与税額の基礎となる金額の計算)

70の6の8-67 措置法第70条の6の8第17項に規定する免除申請贈与税額の基礎となる同項各号イの金額の計算については、次の取扱いに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 同項各号イの「特例受贈事業用資産の時価に相当する金額」は、評価基本通達の定めにより算定する。

(2) 同項第1号イの「譲渡等の対価の額」の意義については、70の6の8-39((特例受贈事業用資産の譲渡の対価の額の意義))を準用する。

(3) 納税猶予分の贈与税額の計算に当たり措置法令第40条の7の8第8項の「特例受贈事業用資産の価額から控除した金額」がある場合には、当該控除した金額を措置法第70条の6の8第17項第1号イに規定する譲渡等の対価の額又は同項第2号イの特例受贈事業用資産の時価に相当する金額から控除する。

(措置法第70条の6の8第17項の規定の適用を受ける場合の納税猶予の期限)

70の6の8-68 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第17項の規定の適用を受ける場合には、次の表の左欄に掲げる場合の区分に応じ、中欄に掲げる金額に相当する贈与税については右欄に掲げる日から2月を経過する日(当該右欄に掲げる日から当該2月を経過する日までの間に当該特例事業受贈者が死亡した場合には、当該特例事業受贈者の相続人(包括受遺者を含む。)が当該特例事業受贈者の死亡による相続の開始があったことを知った日の翌日から6月を経過する日)に納税の猶予に係る期限が到来することに留意する。(令元課資2-10追加)

場合 金額
(1) 措置法第70条の6の8第17項第1号に掲げる場合 同号イ及びロに掲げる金額の合計額 同号の譲渡等をした日
(2) 措置法第70条の6の8第17項第2号に掲げる場合 同号イ及びロに掲げる金額の合計額 同号の事業の廃止をした日

(猶予中贈与税額の再計算に係る申請書が申請期限までに提出されない場合等)

70の6の8-69 特例事業受贈者が措置法第70条の6の8第18項の規定の適用を受けようとする場合には、同条第20項の申請期限(以下70の6の8-69において「申請期限」という。)までに同項に規定する申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければ、同条第18項の規定の適用はないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 申請期限までに措置法第70条の6の8第18項に規定する申請書の提出がなかった場合のゆうじょ規定は設けられていない。

(債務処理計画が成立した日の意義)

70の6の8-70 措置法第70条の6の8第18項に規定する「債務処理計画が成立した日」とは、産業競争力強化法(平成25年法律第98号)第135条第1項に規定する中小企業再生支援協議会が、措置法第70条の6の8第16項第1号に規定する債務処理計画の策定の支援を含む特例受贈事業用資産に係る事業の再生を支援する場合において、対象となる債権者全員が再生計画に同意する旨の書面を提出した日をいうことに留意する。(令元課資2-10追加)

(認可決定日後に確定事由が生じた場合)

70の6の8-71 措置法第70条の6の8第18項に規定する認可決定日以後同条第21項の規定による通知が発せられた日(以下70の6の8-71において「通知日」という。)前に、同条第3項各号に掲げる場合に該当することとなった場合、同条第4項の場合に該当することとなった場合及び同条第11項の規定の適用があった場合並びに当該通知日前に同条第12項の規定による納税の猶予に係る期限の繰上げがあった場合には、同条第18項の規定の適用がないことに留意する。(令元課資2-10追加)

(再計算猶予中贈与税額の計算)

70の6の8-72 措置法第70条の6の8第19項に規定する再計算猶予中贈与税額の計算については、次の取扱いに留意する。(令元課資2-10追加)

(1) 同項の「特例受贈事業用資産の認可決定日における価額」は、評価基本通達の定めにより算定する。

(2) 納税猶予分の贈与税額の計算に当たり措置法令第40条の7の8第8項の「特例受贈事業用資産の価額から控除した金額」がある場合には、当該金額を措置法第70条の6の8第19項の特例受贈事業用資産の認可決定日の価額から控除する。

(免除申請があった場合の延滞税の計算)

70の6の8-73 措置法令第40条の7の8第37項の規定は、措置法第70条の6の8第16項又は第17項の規定による免除申請書が提出された場合で、同条第22項に規定する納期限又は当該免除申請書の提出があった日のいずれか遅い日の翌日から同条第21項の規定による免除通知書を発した日までの間に猶予中贈与税額から同条第16項又は第17項に規定する免除申請贈与税額(以下70の6の8-74までにおいて「免除申請贈与税額」という。)を控除した残額に相当する贈与税を納付するときに、それと併せて納付すべき延滞税の額の計算に関する取扱いであることに留意する。したがって、当該免除通知書を発した日後においては、猶予中贈与税額から同条第21項の規定により免除をする税額を控除した残額に相当する贈与税を基礎金額として、納付すべき延滞税の額を計算することに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 免除申請贈与税額と免除をする税額が異なる場合には、措置法令第40条の7の8第37項の規定により計算した延滞税の額と免除後の贈与税額を基礎金額として計算した納付すべき延滞税の額に差額が生じることになるため、同項の規定により計算した延滞税の額の増額又は減額の処理を行う必要があることに留意する。

(免除申請があった場合の利子税の計算)

70の6の8-74 措置法令第40条の7の8第38項の規定は、措置法第70条の6の8第16項又は第17項の規定による免除申請書が提出された場合で、当該免除申請書の提出があった日から同条第21項の規定による免除通知書を発した日までの間に猶予中贈与税額から免除申請贈与税額を控除した残額に相当する贈与税を納付するときに、それと併せて納付すべき利子税の額の計算に関する取扱いであることに留意する。したがって、当該免除通知書を発した日後においては、猶予中贈与税額から同項の規定により免除をする税額を控除した残額に相当する贈与税を基礎金額として、納付すべき利子税の額を計算することに留意する。(令元課資2-10追加)

(注) 免除申請贈与税額と免除をする税額が異なる場合には、措置法令第40条の7の8第38項の規定により計算した利子税の額と免除後の贈与税額を基礎金額として計算した納付すべき利子税の額に差額が生じることになるため、同項の規定により計算した利子税の額の増額又は減額の処理を行う必要があることに留意する。

(2以上の贈与者がある場合の担保の取扱い)

70の6の8-75 特例受贈事業用資産に係る贈与者が2以上ある場合、措置法第70条の6の8第1項に係る担保の提供手続き、同条第12項に係る納税猶予の期限の繰上げの取扱いに当たっては、贈与者の異なるものごとの納税猶予分の贈与税額にそれぞれの規定を適用することに留意する。(令元課資2-10追加)