(相続税の納税猶予期限)

70の6-40 所得税法等の一部を改正する法律(令和2年法律第8号)第15条の規定による改正後の措置法第70条の6第1項に規定する相続税の納税猶予期限は、原則として、次に掲げる相続人の区分に応じ、それぞれに掲げる日となることに留意する。(平21課資2-9、平30課資2-19、令2課資2-10改正)

(1) 同条第1項の規定の適用を受ける特例農地等のうちに相続又は遺贈により取得をした日において都市営農農地等(下図のA農地)がある農業相続人 当該農業相続人の死亡の日

(注) 上記の農業相続人については、たとえ、当該都市営農農地等である特例農地等がその後同条第7項又は第8項の規定に該当したことにより同条第1項の規定の適用を受ける特例農地等のうちに都市営農農地等を有しないこととなった場合においても、全ての特例農地等についてその死亡の日となることに留意する。

(2) 同項の規定の適用を受ける特例農地等の全てが相続又は遺贈により取得をした日において地方圏市街化区域内農地等(下図のC農地)に該当する農業相続人((1)に掲げる者を除く。) 当該農業相続人の死亡の日又は相続税の申告書の提出期限の翌日から20年を経過する日のいずれか早い日

(3) 同項の規定の適用を受ける特例農地等の全てが相続又は遺贈により取得をした日において地方圏生産緑地等(下図のB農地)又は市街化区域外農地等(下図のD農地)に該当する農業相続人((1)に掲げる者を除く。) 当該農業相続人の死亡の日

(4) 同項の規定の適用を受ける特例農地等のうちに相続又は遺贈により取得をした日において地方圏市街化区域内農地等(下図のC農地)に該当するもの及び地方圏生産緑地等(下図のB農地)又は市街化区域外農地等(下図のD農地)に該当するものがあり、かつ、同項に規定する相続税の申告書の提出期限の翌日から20年を経過する日までの間に、農業相続人が相続又は遺贈により取得をした特例農地等のうち当該取得をした日において地方圏生産緑地等(下図のB農地)に該当するもの及び市街化区域外農地等(下図のD農地)に該当するものに係る相続税の全てについて、同条第7項又は第8項の規定による納税の猶予に係る期限が到来している当該農業相続人((1)に掲げる者を除く。) 当該農業相続人の死亡の日又は相続税の申告書の提出期限の翌日から20年を経過する日のいずれか早い日

(5) 同条第1項の規定の適用を受ける特例農地等のうちに相続又は遺贈により取得をした日において地方圏市街化区域内農地等(下図のC農地)に該当するもの及び地方圏生産緑地等(下図のB農地)又は市街化区域外農地等(下図のD農地)に該当するものがあり、かつ、同項に規定する相続税の申告書の提出期限の翌日から20年を経過する日において、農業相続人が相続又は遺贈により取得をした特例農地等のうち当該取得をした日において地方圏生産緑地等(下図のB農地)又は市街化区域外農地等(下図のD農地)に該当するものに係る相続税について、同条第7項又は第8項の規定による納税の猶予に係る期限が到来していないものがある当該農業相続人((1)に掲げる者を除く。) 当該農業相続人の死亡の日

(注)

  1. 1 上記の農業相続人の区分のいずれに該当するかは、特例農地等を相続又は遺贈により取得をした日において、いずれの農地等に該当するかによることに留意する。
  2. 2 上記の「地方圏市街化区域内農地等」とは、特例農地等のうち同条第6項第2号ロに規定する市街化区域内農地等(措置法第70条の4第2項第4号ロ又はハに掲げる農地であって同項第3号イからハまでに掲げる区域内に所在するもの及び措置法第70条の6第6項第2号に規定する生産緑地等を除く。)をいう(下図のC農地)。
  3. 3 上記の「地方圏生産緑地等」とは、特例農地等のうち同号に規定する生産緑地等(都市営農農地等に該当するものを除く。)をいう(下図のB農地)。
  4. 4 上記の「市街化区域外農地等」とは、特例農地等のうち同号ロに規定する市街化区域内農地等以外の農地等をいう(下図のD農地)。
(図)特例農地等の区分及び納税猶予期限

(納税猶予税額の一部について納税猶予の期限が確定する場合の相続税の額の計算)

70の6-41 措置法第70条の6第7項又は第8項の規定により納税猶予税額の一部について、納税猶予の期限が確定する場合における相続税の額の計算は、次の算式により行うのであるから留意する。
 なお、これにより算出された金額に100円未満の端数があるとき又はその全額が100円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨て、その切り捨てた金額は、納税猶予税額として残るのであるから留意する。(平21課資2-9、平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25改正)
納税猶予税額の一部について、納税猶予の期限が確定する場合の相続税の額の算式

(注)

1 上記算式中の(A)の金額は、措置法第70条の6第1項の規定による納税猶予の適用を受けた当初の納税猶予税額をいう。したがって、その後当該納税猶予税額の一部について納税猶予の期限が確定している場合であっても、当初の納税猶予税額によることとなる。

2 上記算式中の(B)の金額は、譲渡等又は買取りの申出等があった特例農地等が代替取得農地等又は付替特例農地等である場合には、次の算式により計算した金額による。

納税猶予税額を求まるための算出式

(特定生産緑地の指定がされなかった場合等)

70の6-41の2 都市営農農地等である特例農地等について、措置法第70条の4第2項第4号イに規定する特定生産緑地の指定がされなかった場合及び同号イに規定する指定期限日までに特定生産緑地の指定の期限の延長がされなかった場合については、70の4-37の2((特定生産緑地の指定がされなかった場合等))を準用する。(平30課資2-9追加)

(平成30年前旧法適用相続人が有する特例農地等が特定生産緑地である場合の納税猶予期限の確定事由)

70の6-41の3 平成30年前旧法適用相続人(次に掲げる農業相続人をいう。以下70の6-41の3において同じ。)が有する特例農地等(措置法第70条の4第2項第4号イに規定する特定生産緑地に該当するものに限る。)について、措置法第70条の6第8項第1号ロに規定する指定の解除があった場合、生産緑地法の規定による買取りの申出があった場合及び都市計画法の規定に基づく都市計画の決定若しくは変更により特定市街化区域農地等に該当することとなった場合については、70の4-37の3((平成30年前旧法適用受贈者が有する特例適用農地等が特定生産緑地である場合の納税猶予期限の確定事由))を準用する。(平30課資2-9追加)

(1) 平成3年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(2) 平成12年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(3) 平成13年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(4) 平成15年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(5) 平成17年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(6) 平成21年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(7) 平成26年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(8) 平成28年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(9) 平成30年改正前の措置法第70条の6第1項本文の規定の適用を受ける農業相続人

(使用貸借による権利が設定されている特例農地等の譲渡等に伴う当該権利の消滅)

70の6-42 措置法令第40条の7第19項第1号に規定する措置法第70条の6第1項第1号の読替規定中「第70条の4第6項の規定の適用を受けた同項の使用貸借による権利が設定されている農地等の第9項の規定に該当する農業相続人による当該譲渡、贈与、転用若しくは設定又は消滅に伴う当該権利の消滅」については、70の4-45((使用貸借による権利が設定されている特例適用農地等の譲渡等に伴う当該権利の消滅))を準用する。 (平17課資2-7、平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25、平30課資2-19改正)

(特例農地等に設定されている使用貸借による権利の譲渡又は消滅の対価)

70の6-43 特例農地等に設定されている使用貸借による権利の譲渡又は消滅の対価の額については、70の4-46((使用貸借による権利の譲渡又は消滅の対価))を準用する。

(被設定者に対し使用貸借による権利が設定されている特例農地等の買換え又は付替えがあった場合)

70の6-44 措置法第70条の6第9項の規定に該当する農業相続人及び同項第1号に規定する被設定者(以下「被設定者」という。)が特例農地等及び当該特例農地等に設定されている使用貸借による権利の譲渡等をした場合における取扱いについては、70の4-47((措置法第70条の4第6項の適用を受けた特例適用農地等の買換えがあった場合))又は70の4-47の2((措置法第70条の4第6項の適用を受けた特例適用農地等の付替えがあった場合))を準用する。(平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25改正)

(被設定者に対し使用貸借による権利が設定されている特定農地等の買換えがあった場合)

70の6-45 措置法第70条の6第9項の規定に該当する農業相続人及び被設定者が、同条第1項の規定の適用を受ける農地又は採草放牧地につき買取りの申出等があった場合において、当該買取りの申出等に係る特定農地等及び当該特定農地等に設定されている使用貸借による権利の全部又は一部を譲渡等をする見込みである場合における取扱いについては、70の4-48((措置法第70条の4第6項の適用を受けた特定農地等の買換えがあった場合))を準用する。

(被設定者に対し使用貸借による権利が設定されている特例農地等の買換え若しくは付替え又は特定農地等の買換えがあった場合に提出する書類)

70の6-46 被設定者に対し使用貸借による権利が設定されている特例農地等の買換え若しくは付替え又は特定農地等の買換えがあった場合に提出する書類については、70の4-49((措置法第70条の4第6項の適用を受けた特例適用農地等の買換え若しくは付替え又は特定農地等の買換えがあった場合に提出する書類))を準用する。(平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25改正)

(相続税の納税猶予の場合の被設定者による転用)

70の6-47 農業相続人が相続税の納税猶予の適用を受けている場合において、被設定者がその使用貸借による権利の設定を受けた特例農地等の転用をしたときについては、70の4-50((被設定者による転用))を準用する。

(被設定者が農業経営の廃止をし農業相続人が農業経営の開始をした場合)

70の6-48 被設定者が農業経営の廃止をした場合(被設定者の死亡により当該農業経営の廃止をした場合を除く。)において、措置法第70条の6第9項の規定に該当する農業相続人が再び農業経営を開始したときの相続税の納税猶予については、70の4-51((被設定者が農業経営の廃止をし受贈者が再び農業経営の開始をした場合))を準用する。

(農業相続人の他の推定相続人の範囲)

70の6-49 措置法令第40条の7第19項第2号に規定する「農業相続人の他の推定相続人」については、70の4-9((推定相続人の範囲))を準用する。(平17課資2-7、平26課資2-12、課審7-17、徴管6-25、平30課資2-19改正)


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