徴管5-3
課資2-2
平成14年4月3日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 標題のことについては、下記のとおり定めたから、平成14年4月1日以降これによられたい。
 なお、これに伴い、平成2年4月4日付徴管5-6ほか1課共同「租税特別措置法の一部改正に伴う利子税等の取扱いについて(計画伐採立木に係る延納の特例関係)」(法令解釈通達)は、廃止する。

(理由)
 租税特別措置法の一部を改正する法律(平成14年法律第15号。以下「改正法」と いう。)の施行により、森林施業計画区域内に存する立木(以下「計画伐採立木」という。)に係る相続税の延納の特例制度に係る適用要件及び利子税割合が改正され、同法附則により、改正法の施行日前に許可した相続税の延納についても、この特例が適用されることから、その取扱いを定めたものである。

1 改正の概要等

(1) 改正の概要
 計画伐採立木に係る相続税の延納の特例について、その適用要件である計画伐採 立木の価額の課税相続財産の価額に占める割合(以下「計画伐採立木の割合」という。)を20%以上(改正前30%以上)に引き下げ、利子税の割合(現行特例割合を適用)を年0.6%(改正前年 1.6%)に軽減する。

(注) 利子税は、租税特別措置法第93条による利子税割合の特例措置適用後の割合(分納期間の開始の日の属する月の2月前の月の末日の公定歩合が 0.1%の場合)を示しているが、この特例措置の適用前の利子税割合は、年1.2%(改正前年 3.0%)に軽減された。

(2) 経過措置

イ 改正法による計画伐採立木の割合(20%以上)は、平成14年4月1日(以下「施行日」という。)以降の相続税の延納許可について適用する(ハに該当するものを除く。)。

ロ 改正法による利子税の割合は、施行日以降に分納期限が到来する延納利子税のうち施行日以降の期間に対応するものについて適用する。

ハ 施行日前に延納許可した者のうち、計画伐採立木の割合が20%以上30%未満の場合は、施行日以降の最初に到来する分納期限(分納期限が平成14年7月31日以前の場合は7月31日)までに税務署長に申請することにより、改正法に基づく計画伐採立木に係る延納の特例(分納税額の変更、利子税割合の軽減)を受けることができる。

2 経過措置による計画伐採立木に係る延納の特例適用に伴う処理

(1) 特例適用の対象者
 施行日前に延納許可を受けている者のうち、今回の経過措置により、特例の適用を受けることができる者は、次のいずれの要件も満たす者をいう。

イ 計画伐採立木の割合が20%以上30%未満であること。この場合における計画伐採立木の割合の判定は、当該延納の許可時における計画伐採立木の割合により行うものとする。

(注) 施行日前に延納許可を受けている者のうち、計画伐採立木の割合が30%以上で、改正前の規定による特例の適用を受けていない者については、今回の経過措置による特例の適用を受けることができないことに留意する。

ロ 施行日以降の最初に到来する分納期限(分納期限が平成14年7月31日以前の場合は7月31日)までに、今回の経過措置による適用を受けるための申請があること。

(注) 当該申請期限の経過後に申請があった場合において、申請が遅れたことについてやむを得ない事由があると認められる場合には、期限内に申請があったものとして取り扱うこととして差し支えない。

(2) 特例適用の対象延納税額
 (1)に掲げる者が、今回の経過措置により特例の適用を受けることができる延納税額は、施行日以降に各分納期限が到来する延納税額のうち計画伐採立木に係る延納税額をいう。この場合における計画伐採立木に係る延納税額の計算は次による。

イ 不動産等の割合が50%以上の場合
 施行日現在における分納期限が到来していない延納税額(不動産等に係る税額に限る。)に、不動産等の価額のうち計画伐採立木の価額が占める割合を乗じた延納税額。

ロ 不動産等の割合が50%未満の場合

(イ) 立木に係る延納相続税額がある場合
 施行日現在において分納期限が到来していない延納税額(立木の価額に対応する部分に限る。)に、立木の価額のうち計画伐採立木の価額が占める割合を乗じた延納税額。

(ロ) 立木に係る延納相続税額がない場合
 施行日現在において分納期限が到来していない延納税額に、課税相続財産の価額に占める計画伐採立木の価額の割合を乗じた延納税額。

(3) 適用を受けるための手続
 今回の経過措置による特例の適用を受けようとする者は、平成13年3月30日付徴管5-9ほか5課共同「管理事務提要(延納・物納編)の全部改正について」(事務運営指針)の別冊(以下「事務提要」という。)の様式編に定める『相続税延納条件変更申請書(第19号様式)』に、事務提要の手続編の第3章第4節の2の(4)《計画伐採立木に係る相続税の延納の特例の適用がある場合》のイに定める書類を添付する。
 この場合、相続税延納条件変更申請書を適宜補正して使用する。

(4) 特例適用の申請があった場合の処理
 今回の経過措置による特例の適用を受けようとする者から、相続税延納条件変更申請書の提出があった場合は、事務提要の事務手続編第3章第11節《延納条件の変更》に準じて、提出された書類の審査、分納税額の計算、許可又は却下の決議(通知)等の処理を行う。

3 利子税額の計算等

 計画伐採立木に係る延納の特例を受けている者のうち、分納期間中に施行日が含まれる場合の利子税額の計算は次による。 

(1) 改正法による利子税割合の適用期間
 施行日から施行日以降最初に到来する分納期限までの期間について、相続税法第52条第2項の規定を適用して求めた月数とする。
 なお、この月数は、分納期限から逆上って施行日までの期間の月数ではないことに留意する。

(2) 利子税額の計算
 利子税額は、イからロを控除して求める。

イ 分納期限が到来していない計画伐採立木に係る延納税額を基礎とし、前回分納期限(計算する利子税が第1回分納期限に納付するものであれば納期限)の翌日から施行日以降の最初に到来する分納期限までの期間について、相続税法第52条第2項の規定を適用して求めた月数に改正前の利子税割合を乗じて計算した額。

ロ 分納期限が到来していない計画伐採立木に係る延納税額を基礎とし、イの月数に改正前の利子税割合から改正後の利子税割合を控除した割合を乗じて計算した額。
(ここで示す利子税割合は、租税特別措置法第93条による利子税割合の特例措置適用後の利子税の割合(いわゆる「特例割合」)である。)

4 納税者等への周知

(1) 利子税割合の軽減に関する周知
 計画伐採立木に係る延納の許可を受けている者については、施行日以降の最初に到来する分納期限に係る「分納税額の納付のお知らせ」を送付する際、別紙様式1を同封し、利子税割合の軽減について周知する。

(2) 今回の経過措置による計画伐採立木に関する延納の特例適用に関する周知
 相続税の延納利用者((1)に該当する者は除く。)について、施行日以降の最初に到来する分納期限に係る「分納税額の納付のお知らせ」を送付する際、別紙様式2を同封し、今回の経過措置による計画伐採立木に係る延納の特例適用の要件及び手続等について周知する。

(注) 課税資料の調査等により、今回の経過措置による特例適用の対象外と認められる者を把握できた場合には、これらの者に対して別紙様式2を同封しないこととして差し支えない。

(3) 地方公共団体等に対する周知
 地方公共団体の森林施業計画を担当する部署及び林業経営者の団体等に対し、別紙2のチラシを活用するなどにより、税制改正の内容の周知を図るとともに、窓口等へのチラシの設置など、納税者等への情報提供について協力を依頼する。


様式1

 現在、計画伐採立木の延納の特例の適用を受けている者用

 計画伐採立木を相続又は遺贈により取得した方の延納利子税の改正のお知らせ

 森林施業計画区域内に存する立木(以下 「計画伐採立木」といいます。)を相続又は遺贈により取得し、現在、延納を利用されている方につきましては、平成14年3月31日の租税特別措置法の改正により、平成14年4月1日以後の期間に対応する利子税割合が次のとおり軽減されますのでお知らせします。

改正前
利子税割合 特例割合
年 3.0% → → 年 1.6%
改正後
利子税割合 特例割合
年 1.2% → → 年 0.6%

※ 現在、延納利子税は租税特別措置法第93条の規定により、特例割合の欄が適用されています(上表の特例割合は、公定歩合が0.1%の場合です。)。

御不明な点は、最寄りの税務署 管理・徴収部門にお問い合わせください。

様式2

 その他の延納利用者用

 計画伐採立木を相続又は遺贈により取得した場合の延納の特例制度のお知らせ

 平成14年3月31日の租税特別措置法の改正により、森林施業計画区域内に存する立木(以下「計画伐採立木」といいます。)を相続又は遺贈により取得された方で、次の要件に該当する場合は、計画伐採立木に係る延納の特例制度の適用を受けることができることとなりました。

1 課税相続財産の価額のうちに計画伐採立木が占める割合を算出し、当該割合が10分の2以上10分の3未満である場合(この割合が10分の3以上の方は、今回の経過措置の対象となりません。)

2 平成14年4月1日以降最初に到来する分納期限の日までに延納を許可した税務署長に申請書等が提出された場合
 (この分納期限が平成14年4月1日から平成14年7月31日までに到来する場合は、平成14年7月31日が提出期限となります。)

(注) 森林施業計画とは森林所有者が自己の所有する森林について、5年間の施業(植栽、保育、間伐、伐採等)の計画を立て、市町村長等から認定を受けて、森林施業を行うものです。

制度の概要・適用を受けるための申請の手続その他御不明な点は、最寄りの税務署 管理・徴収部門にお問い合わせください。


別紙2

1 改正の概要

 平成14年3月31日の租税特別措置法の改正により、森林施業計画区域内に存する立木(以下「計画伐採立木」といいます。)を相続又は遺贈により取得した場合の相続税の延納の特例について、適用を受けるための要件が緩和されるとともに、その延納に係る利子税の割合が軽減されました。
この改正は、平成14年4月1日以降に延納許可されるものから適用されます。

 
改正前
改正後
適用要件 相続財産の価額のうち計画伐採立木の価額が占める割合10分の3以上 相続財産の価額のうち計画伐採立木の価額が占める割合10分の2以上
利子税割合
  (年 3.0 %)
      ↓
特例割合  年 1.6 % ※
  (年 1.2 %)
      ↓
特例割合  年 0.6 % ※

※ 現在、利子税の割合は特例割合(租税特別措置法第93条の規定による特例(軽減)措置)を適用(上表の特例割合は、公定歩合が年0.1%の場合)しています。

(参考)計画伐採立木を相続又は遺贈により取得した場合の延納の特例の概要
計画伐採立木を相続又は遺贈により取得し、一定の要件に該当する場合には、計画伐採立木に対応する延納税額について、1年賦均等額又は立木の伐採時期及び材積に応じて分納税額を定めることができる、2一般の延納税額より低い割合の利子税が適用される、3延納期間が最長20年(従来の特定森林施業計画又は平成14年4月1日以降に認定を受けた森林施業計画で゛一定の要件を満たすものに対応する場合は最長40年)まで認められるという特例制度をいいます。

2 経過措置

(1)計画伐採立木を相続し、既に延納の特例の適用を受けている方
 
計画伐採立木に対応する延納税額に係る利子税の割合(平成14年4月1日以降の期間に対応するもの)が上記1のとおり軽減されます(手続等は必要ありません。)。

(2)相続税の延納を利用している方で、計画伐採立木を相続したが、計画伐採立木に係る延納の特例の適用を受けていない方
 次の要件に該当する方は、計画伐採立木に係る延納の特例の適用を受けることができます。

イ 課税相続財産の価額のうちに計画伐採立木の占める割合を算出し、当該割合が10分の2以上10分の3未満である場合(この割合が10分の3以上の方は、今回の経過措置の対象となりません。)

ロ 平成14年4月1日以降最初に到来する分納期限の日(その分納期限が平成14年4月1日から平成14年7月31日までに到来する場合は、平成14年7月31日となります。)までに延納を許可した税務署長に対し申請書等が提出された場合

御不明な点は、最寄りの税務署 管理・徴収部門にお問い合わせください。


(参考)事前相談等があった場合のチラシ

 相続税の延納を利用されている方で、森林施業計画区域内に存する立木(計画伐採立木)を相続し、次の要件等に該当する場合には、平成14年4月1日以降の延納税額(計画伐採立木に対応する税額部分に限ります。)について、計画伐採立木に係る延納の特例の適用を受けることができます。

【要件等】

1 課税相続財産の価額のうち計画伐採立木が占める割合を算出し、当該割合が10分の2以上10分の3未満である場合

2 平成14年4月1日以降最初に到来する分納期限の日(その分納期限が平成14年4月1日から平成14年7月31日までに到来する場合は、平成14年7月31日となります。)までに延納を許可した税務署長に申請書等が提出された場合

(注) 提出していただく申請書等は次のとおりです。

(1) 申請書(相続税延納条件変更申請書を適宜補正して使用します。)

(2) 森林計画伐採立木に係る相続税の延納の明細書

(3) 森林施業計画認定書(特定森林施業計画認定書)の写し

(4) 森林施業計画書(特定森林施業計画書)の写し

(5) 森林施業(特定森林施業)に関する長期の方針を記載した書面の写し

(6) 森林施業計画(特定森林施業計画)が定められている区域内に存する立木の樹種及び樹齢別の価額の明細

【計画伐採立木に係る延納の特例制度の概要】
 計画伐採立木に係る延納の特例が認められた場合には、計画伐採立木に対応する延納税額について、次のような特例を受けることができます。

1 年賦均等額又は立木の伐採時期及び材積に応じて分納税額を定めることができます。

2 一般の延納税額より低い割合の利子税が適用されます。
(平成14年4月1日以降は、年 1.2%(公定歩合が年0.1%である場合に適用される特例割合:年0.6%))

3 延納期間が最長20年(従来の特定森林施業計画又は平成14年4月1日以降に認定を受けた森林施業計画で一定の条件に該当するものに該当する場合は最長40年)まで認められます。

(参考)
 森林施業計画とは、森林所有者が自己の所有する森林について、5年間の施業(植栽、保育、間伐、伐採等)の計画を立て、市町村長等から認定を受けて計画的な森林施業を行うもので、通常の森林施業計画と特定森林施業計画に大別されます。
 森林所有者は、この認定を受けることにより、税金、補助金及び融資制度において優遇措置を受けることができます。

改正の概要や延納制度については、詳しくは税務署(管理・徴収部門)にお尋ねください。
 森林施業計画の概要及びその認定等に関するご質問等は、市町村の林業担当課又は総合農林事務所にお尋ねください。