(措置法第36条の2第1項第3号に掲げる資産)

36の2−1 措置法第36条の2第1項第3号に規定する「前2号に掲げる家屋及び当該家屋の敷地の用に供されている土地又は当該土地の上に存する権利」とは、同項第1号又は第2号に掲げる家屋とともにこれらの家屋の敷地の用に供されている土地又は土地の上に存する権利(以下36の2−23までにおいて「土地等」という。)でその年の1月1日において所有期間(措置法第31条第2項に規定する所有期間をいう。以下36の2−20までにおいて同じ。)が10年を超えるものを譲渡した場合の当該家屋及び敷地の用に供されている土地等をいうことに留意する。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正)

(注)

  1. 1 措置法第36条の2第1項第3号に該当する家屋及び土地等の譲渡があった場合において、そのいずれか一方の資産に係る譲渡所得についてのみ同条第1項の規定を適用することはできない。
  2. 2 措置法第36条の2第1項第1号又は第2号に規定する家屋とともに当該家屋の敷地の用に供されている土地等の譲渡があった場合において、当該家屋又は当該土地等のいずれか一方のその年1月1日における所有期間が10年以下であるときは、当該家屋及び土地等は同条第1項に規定する譲渡資産に該当しないので、その譲渡所得については、同項の規定を適用することはできない。

(居住期間の判定)

36の2−2 措置法第36条の2第1項第1号に規定する「当該個人がその居住の用に供している家屋」の居住期間(当該個人がその居住の用に供している期間として措置法令第24条の2第6項に規定する期間をいう。以下36の2−22までにおいて同じ。)が10年以上であるものかどうかは、次により判定する。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正)

  1. (1) 当該個人が、譲渡した家屋の存する場所に居住していなかった期間がある場合には、居住していなかった期間を除きその前後の居住していた期間を合計する。
  2. (2) 居住期間に該当するかどうかの判定については、31の3−2及び31の3−6に準じて取り扱う。

(換地処分等があった場合の居住期間の取扱い)

36の2−3 譲渡した土地等が、土地区画整理法による土地区画整理事業、新都市基盤整備法による土地整理若しくは大都市地域住宅等供給促進法による住宅街区整備事業又は都市再開発法による第一種市街地再開発事業若しくは密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業による換地処分又は権利変換(以下この項において「換地処分等」という。)によって取得したものである場合において、当該個人が当該換地処分等に係る従前の家屋の存した場所に居住していた期間は、居住期間に含まれないことに留意する。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正)

(借家であったものを取得した場合の居住期間)

36の2−4 譲渡した家屋が、当該個人以外の者が所有する家屋であったときがある場合であっても、当該個人が当該家屋に居住していた期間は、居住期間に含まれることに留意する。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正)

(家屋の建替え期間中の居住期間の取扱い)

36の2−5 家屋の建替えのために、一時的に他の場所で起居していた期間は、居住期間に含めて差し支えないものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正)

(譲渡資産の譲渡に係る対価の額)

36の2−6 措置法第36条の2第1項に規定する「譲渡資産の譲渡に係る対価の額」とは、例えば譲渡協力金、移転料等のような名義のいかんを問わず、その実質において譲渡資産の譲渡の対価たる金額をいうことに留意する。(平22課資3−4、課個2−14、課審6−20追加)

(譲渡に係る対価の額が1億円を超えるかどうかの判定)

36の2−6の2 措置法第36条の2第1項に規定する譲渡資産の譲渡に係る対価の額(以下この項において「譲渡対価」という。)が1億円を超えるかどうかの判定は、次により行うものとする。(平22課資3−4、課個2−14、課審6−20追加、平24課資3-8、課個2-39、課審7-18、平26課資3-8、課個2-15、課審7-15改正)

  1. (1) 譲渡資産が共有である場合は、各所有者ごとの譲渡対価により判定する。
  2. (2) 譲渡資産が店舗兼住宅等及びその敷地の用に供されている土地等である場合は、その居住の用に供している部分に対応する譲渡対価により判定し、この場合の譲渡対価の計算については、次の算式により行う。
    • イ 当該家屋のうち居住の用に供している部分の譲渡対価の計算
       当該家屋のうち居住の用に供している部分の譲渡対価の計算の算式
    • ロ 当該土地等のうち居住の用に供している部分の譲渡対価の計算
      当該土地等のうち居住の用に供している部分の譲渡対価の計算の算式
       ただし、これにより計算したその居住の用に供している部分がそれぞれ当該家屋又は当該土地等のおおむね90%以上である場合において、31の3−8に準じて当該家屋又は当該土地等の全部をその居住の用に供している部分に該当するものとして取り扱うときは、当該家屋又は当該土地等の全体の譲渡価額により判定する。
  3. (3) 災害により滅失したその居住の用に供している家屋の敷地の用に供されていた土地等に区画形質の変更等を加えて譲渡した場合において、所得税基本通達33−4《固定資産である土地に区画形質の変更等を加えて譲渡した場合の所得》及び33−5《極めて長期間保有していた土地に区画形質の変更等を加えて譲渡した場合の所得》により譲渡所得となる部分について措置法第36条の2第1項の規定を適用する場合は、その譲渡に係る対価の額のうち譲渡所得となる部分の対価の額により判定する。
  4. (4) 家屋の所有者と当該家屋の敷地の用に供されている土地等の所有者が異なる場合において、36の2−19により、これらの者がともに措置法第36条の2第1項の規定の適用を受ける旨の申告をするときは、当該家屋の譲渡価額と当該土地等の譲渡価額の合計額により判定する。

(「譲渡資産と一体として居住の用に供されていた家屋又は土地等」の判定)

36の2−6の3 その譲渡をした資産が措置法第36条の2第3項及び第4項に規定する「当該譲渡資産と一体として当該個人の居住の用に供されていた家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利」に該当するかどうかは、社会通念に従い、当該譲渡資産と一体として利用されているものであったかどうかを、それぞれ次に掲げる時の利用状況により判定するものとする。(平22課資3−4、課個2−14、課審6−20追加)

  1. (1) 当該譲渡資産の譲渡をする以前に譲渡をしている資産((3)に掲げる資産を除く。) 当該資産の譲渡をした時
  2. (2) 当該譲渡資産の譲渡をした後に譲渡をしている資産((3)に掲げる資産を除く。) 当該譲渡資産の譲渡をした時
  3. (3) 当該譲渡資産がその譲渡の時においてその者の居住の用に供されていないため、その居住の用に供されなくなった時の直前における利用状況により措置法第36条の2第1項の適用を受ける場合において、その居住の用に供されなくなった後に譲渡をしている資産 その者の居住の用に供されなくなった時の直前

(注)

  1. 1 上記の場合において、措置法第36条の2第1項の規定の適用を受けるためのみの目的で(1)、(2)及び(3)に掲げる時の前に一時的に居住の用以外の用に供したと認められる部分については、「当該譲渡資産と一体として当該個人の居住の用に供されていた家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利」に該当する。
  2. 2 当該譲渡資産の譲渡の年の1月1日において所有期間が10年以下である底地や買増しした庭の一部のように、措置法第36条の2第1項の規定の適用対象とならないものも、「当該譲渡資産と一体として当該個人の居住の用に供されていた家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利」に該当することに留意する。

(居住用財産の一部を贈与している場合)

36の2−6の4 措置法令第24条の2第9項に規定する「贈与(著しく低い価額の対価による譲渡を含む。)の時における価額」とは、その贈与の時又はその著しく低い価額の対価による譲渡の時における通常の取引価額をいうことに留意する。
 なお、その譲渡が、著しく低い価額の対価による譲渡に該当するかどうかは、その譲渡の時における通常の取引価額の2分の1に相当する金額に満たない金額による譲渡かどうかにより判定することに留意する。 (平22課資3−4、課個2−14、課審6−20追加、平23課資3-2、課個2-26、課審6-13改正)

(低額譲渡等)

36の2−6の5 譲渡資産の譲渡が所得税法第59条第1項第2号に掲げる譲渡に該当するものである場合又は買換資産(措置法第36条の2第1項に規定する買換資産をいう。以下36の3−2までにおいて同じ。)の取得が相続税法第7条本文《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》の規定に該当するものである場合における措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次によるものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加、平22課資3−4、課個2−14、課審6−20改正)

  1. (1) 譲渡資産のうち、当該譲渡の日における当該資産の価額から当該譲渡の対価の額を控除した金額に相当する部分については、贈与による譲渡があったものとし、当該贈与による譲渡があったものとする部分の金額は、措置法第36条の2第1項に規定する「譲渡資産の譲渡による収入金額」に含まないものとする。この場合において、当該贈与による譲渡があったものとする部分以外の部分の取得費は、その譲渡資産の取得費に当該譲渡の対価の額が当該譲渡資産の当該譲渡の日における価額のうちに占める割合を乗じて計算した金額とする。
  2. (2) 買換資産のうち、当該取得の日における当該資産の価額から当該取得の対価の額を控除した金額に相当する部分については贈与による取得があったものとし、当該贈与による取得があったものとする部分の金額は買換資産の取得価額に含まないものとする。

(店舗兼住宅等の居住部分の判定)

36の2−7 その者が取得をする家屋又は当該家屋の敷地の用に供する土地等のうちにその者の居住の用以外の用に供する部分がある場合における措置法令第24条の2第12項第1号に規定するその居住の用に供する部分の判定については、31の3−7に準じて取り扱うものとする。
 なお、これにより計算したその居住の用に供する部分の面積が当該家屋又は当該敷地の用に供する土地等の面積のおおむね90%以上となるときは、31の3−8に準じて取り扱って差し支えない。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加、平22課資3−4、課個2−14、課審6−20改正)

(居住用家屋の敷地の判定)

36の2−8 その者の取得する土地等が措置法第36条の2第1項に規定する「当該家屋の敷地の用に供する土地若しくは当該土地の上に存する権利」に該当するかどうかの判定については、31の3−12に準じて取り扱うものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加)

(買換資産を一括取得した場合の取得価額の区分)

36の2−9 買換資産に該当する家屋と土地等を一の契約により取得した場合における当該家屋及び土地等のそれぞれの措置法第36条の2第1項に規定する取得価額については、次によるものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加)

  1. (1) 当該家屋及び土地等の価額が当事者間の契約において区分されており、かつ、その区分された価額が当該家屋及び土地等の当該取得の時の価額としておおむね適正なものであるときは、当該契約により明らかにされている価額による。
  2. (2) 当該家屋及び土地等の価額が当事者間の契約において区分されていない場合であっても、例えば、当該家屋及び土地等が建設業者から取得したものであってその建設業者の帳簿書類に当該家屋及び土地等のそれぞれの価額が区分して記載されている等当該家屋及び土地等のそれぞれの価額がその取得先等において確認され、かつ、その区分された価額が当該家屋及び土地等の当該取得の時の価額としておおむね適正なものであるときは、当該確認された価額によることができる。
  3. (3) (1)及び(2)により難いときは、当該一括して取得した家屋及び土地等の当該取得の時における価額の比によりあん分して計算した金額を、それぞれ当該家屋及び土地等の取得価額とする。

(立退料等を支払って貸地の返還を受けた場合)

36の2−10 土地を他人に使用させていた者が、立退料等を支払ってその借地人から貸地の返還を受けた場合には、当該土地の借地権等に相当する部分の取得があったものとし、当該支払った金額(その金額のうちにその借地人から取得した建物、構築物等で当該土地の上にあるものの対価に相当する金額があるときは、当該金額を除く。)を当該土地の借地権等に相当する部分の取得価額として措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定を適用することができるものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加)

(宅地の造成)

36の2−11 その者の有する土地を居住の用に供するために地盛り、切土等して宅地の造成をした場合において、その費用の額が相当の金額に上り、実質的に新たに土地を取得したことと同様の事情があるものと認められるときは、当該造成についてはその完成の時に新たな土地の取得があったものとし、当該費用の額をその取得価額として措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定を適用することができるものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加)

(買換資産の改良、改造等)

36の2−12 既に有する家屋又は当該家屋の敷地の用に供する土地等についてその者の居住の用に供するため改良、改造等を行った場合のその改良、改造等は、36の2−11に定めるものを除き買換資産の取得には当たらないのであるが、買換資産の取得期間(措置法第36条の2第1項に規定する譲渡資産の譲渡の日の属する年の前年1月1日から当該譲渡の日の属する年の12月31日(同条第2項の規定に該当する場合にあっては譲渡資産の譲渡の日の属する年の前年1月1日から同項に規定する取得期限)までの間をいう。以下36の2−21までにおいて同じ。)内にされた買換資産に該当する家屋又は当該家屋とともにする当該家屋の敷地の用に供する土地等の取得に伴って、買換資産の取得期間内に次に掲げる改良、改造等が行われた場合には、その改良、改造等は買換資産の取得に当たるものとして、同条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定を適用することができるものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加、平29課資3-4、課個2-20、課法10-4、課審7-14改正)

  1. (1) 当該家屋又は当該土地等についてその者の居住の用に供するために改良、改造を行った場合
  2. (2) 当該家屋の取得に伴って次に掲げる資産(事業又は事業に準ずる不動産の貸付けの用に供されるものを除く。)の取得をした場合
    • イ 車庫、物置その他の附属建物(当該家屋の敷地内にあるものに限る。)又は当該建物に係る建物附属設備
    • ロ 石垣、門、塀その他これらに類するもの(当該家屋の敷地内にあるものに限る。)

(買換家屋の床面積要件及び買換土地等の面積要件の判定)

36の2−13 その者が取得をする家屋又は当該家屋の敷地の用に供する土地等について措置法令第24条の2第3項第1号に定める家屋の床面積要件又は同項第2号に定める土地等の面積要件の判定を行う場合には、次の点に留意する。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正) 

  1. (1) その家屋の床面積のうち当該個人が居住の用に供する部分の床面積が50平方メートル以上のものであるかどうかを判定する場合において、当該家屋と一体として利用される離れ屋、物置等の附属家屋は、当該家屋に含むものとする。
  2. (2) その家屋又は土地等が共有物である場合には、当該家屋の全体の床面積(当該家屋のうちその独立部分を区分所有する場合には、その独立部分の床面積)又は土地等の全体の面積(当該土地等が独立部分を区分所有する家屋の敷地の用に供するものである場合には、当該土地等の全体の面積に当該家屋の床面積のうちにその区分所有する独立部分の床面積の占める割合を乗じて計算した面積)により行うこと。
  3. (3) その家屋が店舗兼住宅等である場合には、家屋については31の3−7に準じて計算した居住の用に供する部分の床面積により行い、土地等については、当該店舗兼住宅等の敷地の用に供される土地等の全体の面積により行うこと。
      なお、これにより計算した家屋の居住の用に供する部分の床面積が当該家屋の床面積のおおむね90%以上である場合において、36の2−7に準じて当該家屋の全部をその者の居住の用に供している部分に該当するものとして取り扱うときは、当該家屋の全体の床面積により判定するものとする。
  4. (4) その取得をした土地等に係る仮換地を居住の用に供したことにより、36の2−18に準じて措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定を適用するときは、当該仮換地の面積により判定する。
  5. (5) その取得をする家屋が床面積要件を満たさない場合においては、当該家屋の敷地の用に供する土地等は、その面積が500平方メートル以下のものであっても措置法第36条の2第1項に規定する買換資産に該当しないこと。
  6. (6) その居住の用に供する家屋の敷地の用に供する土地等に、買換資産の取得期間内に取得をした土地等とその他の土地等がある場合においては、買換資産の取得期間内に取得(相続、遺贈又は贈与による取得を除く。)をした土地等の面積の合計面積により判定する。
  7. (7) その譲渡をした家屋の所有者と当該家屋の敷地の用に供されている土地等の所有者が異なる場合において、36の2−19により、これらの者がともに措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける旨の申告をするときは、これらの者が取得をした家屋の全体の床面積及び取得をした土地等の面積の合計面積により判定する。

(床面積の意義)

36の2−14 措置法令第24条の2第3項第1号に規定する家屋の「床面積」は、次による。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9、平30課資3-2、課個2-25、課法10-3、課審7-6改正)

  1. (1) 同号イ(1)に規定する家屋の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(登記簿上表示される面積)による。
  2. (2) 同号イ(2)に規定する独立部分の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(登記簿上表示される面積)による。したがって、当該床面積には、数個の独立部分に通ずる階段、エレベーター室等共用部分の面積は含まれない。

(借地権又は底地に係る面積要件の判定)

36の2−15 借地権又は借地権の設定されている土地(底地)を取得した場合における措置法令第24条の2第3項第2号に規定する「面積」は、当該借地権の目的となっている土地又は当該借地権の設定されている土地の面積によることに留意する。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正)

(やむを得ない事情により買換資産の取得が遅れた場合)

36の2−16 措置法第36条の2第2項において準用する同条第1項の規定の適用を受けた者が、買換資産に該当する家屋(いわゆる建売住宅のように家屋とともにその敷地の用に供する土地等の譲渡がある場合の当該土地等を含む。以下この項において同じ。)を買換資産の取得期間内に取得できなかった場合であっても、次に掲げる要件のいずれをも満たすときは、当該家屋は買換資産の取得期間内に取得されていたものとして取り扱う。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加、平29課資3-4、課個2-20、課法10-4、課審7-14改正)

  1. (1) 買換資産に該当する家屋を買換資産の取得期間内に取得する契約を締結していたにもかかわらず、その契約の締結後に生じた災害(その災害について措置法第36条の2第2項括弧書の取得期限の延長の承認を受けている場合のその災害を除く。)その他その者の責めに帰せられないやむを得ない事情により当該契約に係る家屋を当該期間内に取得できなかったこと。
  2. (2) 買換資産に該当する家屋を取得期限(措置法第36条の2第2項に規定する「取得期限」をいう。36の3-1において同じ。)の属する年の翌年12月31日までに取得し、かつ、同日までに当該取得した家屋をその者の居住の用に供していること。

(注) 買換資産の取得の日については、所得税基本通達33−9《資産の取得の日》に定めるところにより判定するのであるが、次に掲げる資産は、それぞれ次に掲げる日以後において取得することになることに留意する。

  1. (1) 他から取得する家屋で、その取得に関する契約時において建設が完了していないもの 当該建設が完了した日
  2. (2) 他から取得する家屋又は土地等で、その取得に関する契約時において当該契約に係る譲渡者がまだ取得していないもの((1)に掲げる家屋を除く。) 当該譲渡者が取得した日

(買換資産を当該個人の居住の用に供したことの意義)

36の2−17 買換資産を当該個人の居住の用に供したかどうかについては、31の3−2に準じて判定することとして取り扱う。この場合において、買換資産である土地等については、当該土地等の上にあるその者の有する家屋をその者が居住の用に供したときに、当該個人の居住の用に供したことになることに留意する。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加)

(注) 買換資産がその者の居住の用に供されていないときは、たとえその者の譲渡した資産が36の2−23において準用する31の3−6により譲渡資産に該当することになる場合であっても、その譲渡につき措置法第36条の2第1項の規定の適用はない。

(仮換地の指定されている土地等の判定)

36の2−18 土地区画整理法による土地区画整理事業、新都市基盤整備法による土地整理若しくは大都市地域住宅等供給促進法による住宅街区整備事業の施行地区内にある土地等を買換資産として取得した場合において当該土地等につき仮換地の指定があったとき又はこれらの事業の施行地区内にある土地等で仮換地の指定されているものを買換資産として取得した場合において、当該取得した土地等を措置法第36条の2第1項に規定する当該個人の居住の用に供したかどうかは、当該取得した土地等に係る仮換地を当該居住の用に供したかどうかにより判定することとして取り扱う。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加)

(居住用家屋の所有者とその敷地の所有者が異なる場合の取扱い)

36の2−19 措置法第36条の2第1項第1号又は第2号に掲げる家屋(以下この項及び次項において「譲渡家屋」という。)の所有者以外の者が当該譲渡家屋の敷地の用に供されている土地等でその譲渡の年の1月1日における所有期間が10年を超えているもの(以下この項において「譲渡敷地」という。)の全部又は一部を有している場合において、譲渡家屋の所有者と譲渡敷地の所有者の行った譲渡等が次に掲げる要件の全てを満たすときは、これらの者がともに同条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける旨の申告をしたときに限り、その申告を認めることとして取り扱う。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加、平23課資3-2、課個2-26、課審6-13、平29課資3-4、課個2-20、課法10-4、課審7-14改正)

  1. (1) 譲渡家屋の所有者と譲渡敷地の所有者は、次のいずれにも該当する資産の措置法第36条の2第1項に規定する譲渡をしていること。
    • イ 譲渡敷地の所有者の譲渡家屋における居住期間が10年以上であること。
    • ロ 譲渡敷地は、譲渡家屋とともに譲渡されているものであること。
    • ハ 譲渡家屋は、その譲渡の時において当該家屋の所有者が譲渡敷地の所有者とともにその居住の用に供している家屋(当該家屋がその所有者の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されたものであるときは、その居住の用に供されなくなった時の直前においてこれらの者がその居住の用に供していた家屋)であること。
  2. (2) 譲渡家屋の所有者と譲渡敷地の所有者は、次のいずれにも該当する資産の措置法第36条の2第1項に規定する取得をしていること。
    • イ これらの者が取得した資産は、その居住の用に供する一の家屋又は当該家屋とともに取得した当該家屋の敷地の用に供する一の土地等で国内にあるものであること。
    • ロ イの家屋又は土地等は、これらの者のそれぞれが、おおむねその者の(1)に掲げる譲渡に係る譲渡収入金額(当該家屋の取得価額又は当該家屋及び土地等の取得価額の合計額が譲渡家屋及び譲渡敷地の譲渡収入金額の合計額を超える場合にあっては、それぞれの者に係る譲渡収入金額に当該超える金額のうちその者が支出した額を加算した金額)の割合に応じて、その全部又は一部を取得しているものであること。
    • ハ 当該取得した家屋又は土地等は、買換資産の取得期間内に取得されているものであること。
    • ニ 当該取得した家屋は、買換資産をその居住の用に供すべき期間(措置法第36条の2第1項に規定する買換資産の取得の日から譲渡資産の譲渡の日の属する年の翌年12月31日(同条第2項に該当する場合にあっては、買換資産の取得の日の属する年の翌年12月31日)までの期間をいう。以下36の2−21までにおいて同じ。)内に、譲渡家屋の所有者が譲渡敷地の所有者とともにその居住の用に供しているものであること。
  3. (3) 譲渡家屋の所有者と譲渡敷地の所有者とは、譲渡家屋及び譲渡敷地の譲渡の時(当該家屋がその所有者の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されたものであるときは、その居住の用に供されなくなった時)から買換資産をその居住の用に供すべき期間を経過するまでの間、親族関係を有し、かつ、生計を一にしていること。

(注)

  1. 1 この取扱いは、譲渡家屋の所有者が当該家屋(譲渡敷地のうちその者が有している部分を含む。)の譲渡につき措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けない場合(当該譲渡に係る長期譲渡所得がない場合を除く。)には、譲渡敷地の所有者について適用することはできない。
  2. 2 この取扱いにより、譲渡敷地の所有者が当該敷地の譲渡につき措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける場合には、譲渡家屋の所有者に係る当該家屋の譲渡について措置法第41条の5第1項又は第41条の5の2第1項の規定の適用を受けることはできない。

(借地権等の設定されている土地の譲渡についての取扱い)

36の2−20 譲渡家屋の所有者が、当該家屋の敷地である借地権等の設定されている土地でその譲渡の年の1月1日における所有期間が10年を超えているもの(以下この項において「居住用底地」という。)の全部又は一部を所有している場合において、当該居住用底地が当該家屋とともに譲渡されているときは、当該家屋及び居住用底地の譲渡について措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定の適用を認めることとして取り扱い、当該家屋を取り壊して当該居住用底地を譲渡したときの同条の規定の適用については、31の3−5に準じて取り扱う。
 また、譲渡家屋の所有者以外の者が、居住用底地の全部又は一部を所有している場合における措置法第36条の2の規定の適用については、36の2−19に準じて取り扱うこととする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正)

(相続人が買換資産を取得した場合)

36の2−21 譲渡資産の譲渡をした者が買換資産を取得しないで死亡した場合であっても、その死亡前に買換資産の取得に関する売買契約又は請負契約を締結しているなど買換資産が具体的に確定しており、当該買換資産をその相続人が買換資産の取得期間内に取得し、かつ、その居住の用に供すべき期間内に当該買換資産を当該相続人の居住の用に供したときは、譲渡資産の譲渡をした者の当該譲渡に係る譲渡所得について措置法第36条の2第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定を適用することができるものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加)

(特例の対象となる譲渡資産であることについての証明)

36の2−22 措置法第36条の2第1項に規定する資産を譲渡した場合において、当該資産が同項に規定する資産に該当するものであることについて、措置法規則第18条の4第5項に規定する登記事項証明書、戸籍の附票の写し等(以下この項において「公的書類」という。)では証明することができない場合(戸籍の附票の消除や家屋が未登記である等の事由により公的書類の交付を受けることができない場合を含む。)には、公的書類に類する書類で措置法第36条の2第1項に規定する資産に該当するものであることを明らかにするものを確定申告書に添付した場合に限り、同条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定の適用があることに留意する。
 なお、当該譲渡に係る契約を締結した日の前日において、同条第1項に規定する資産を譲渡した者の住民基本台帳に登載されていた住所が、当該資産の所在地と異なる場合については、31の3-26に準じて取り扱うものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9、平22課資3−4、課個2−14、課審6−20、平28課資3−4、課個2−33、課審7−11、徴管6−24、平29課資3-4、課個2-20、課法10-4、課審7-14改正)

(注) 公的書類に類する書類には、例えば、次のようなものが含まれる。

  1. 1 措置法第36条の2第1項に規定する家屋であることを証する書類 固定資産課税台帳の写し、取得に関する契約書
  2. 2 当該譲渡した者の居住期間を証する書類 学校の在籍証明書、郵便書簡、町内会等の居住者名簿

(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例に関する取扱い等の準用)

36の2−23 その者が譲渡した家屋若しくは土地等が措置法第36条の2第1項各号に掲げる譲渡資産に該当するかどうか又はこれらの資産の譲渡が同項に規定する「譲渡」に該当するかどうかの判定等については、31の3−2、31の3−4から31の3−18まで、31の3−20から31の3−25まで及び35−1に準じて取り扱うものとする。この場合において、31の3−17中「譲渡(措置法第33条の3第3項に規定する相続、遺贈又は贈与を含む。)した場合」とあるのは「譲渡した場合」と「譲渡(措置法第33条の3第5項に規定する相続、遺贈又は贈与を含む。)した場合」とあるのは「譲渡した場合」と「譲渡(措置法第33条の3第7項に規定する相続、遺贈又は贈与を含む。)した場合」とあるのは「譲渡した場合」とそれぞれ読み替えるものとする。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9改正)


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