(「宅地」の範囲)

34の2−1 措置法第34条の2第2項第1号に規定する「宅地」とは、建物の敷地及びその維持又は効用を果たすために必要な土地をいうのであるが、ガスタンク又は石油タンクの敷地である土地もこれに含まれるものとして取り扱う。

(地方公共団体等が行う宅地造成事業の施行者と買取りをする者の関係)

34の2−2 措置法第34条の2第2項第1号に規定する住宅の建設又は宅地の造成を行う者が同号に掲げる者に該当し、かつ、当該住宅の建設又は宅地の造成のために土地等の買取りをする者が同号に掲げる者に該当する場合には、当該住宅の建設又は宅地の造成の事業施行者と当該買取りをする者とが異なっていても、同号の規定の適用があることに留意する。

(代行買収の要件)

34の2−3 措置法第34条の2第2項第1号に規定する住宅の建設又は宅地の造成の事業施行者と同号に規定する土地等の買取りをする者が異なる場合におけるその買い取った土地等が当該住宅の建設又は宅地の造成のため買い取った土地等に該当するかどうかは、次に掲げる要件の全てを満たしているかどうかにより判定するものとする。(平23課資3-2、課個2-26、課審6-13改正)

(1) 買取りをした土地等は、最終的に同号に掲げる事業の施行者に帰属するものであること。

(2) 当該土地等の買取り契約書には、当該土地等の買取りをする者が同号に規定する事業の施行者が行う当該住宅の建設又は宅地の造成のために買取りをするものである旨が明記されているものであること。

(3) 上記(1)に掲げる事項については、当該事業の施行者と当該土地等の買取りをする者との間の契約書又は覚書により相互に明確に確認されているものであること。

(収用対償用地が農地等である場合)

34の2−4 農地法の規定により、措置法第34条の2第2項第2号に規定する収用を行う者(措置法令第22条の8第2項に規定する者を含む。以下この項において「公共事業施行者」という。)が当該収用の対償に充てるための農地又は採草放牧地(以下この項において「農地等」という。)を直接取得することができないため、当該公共事業施行者、当該収用により資産を譲渡した者及び当該農地等の所有者の三者が、次に掲げる事項を内容とする契約を締結し、当該契約に基づき、農地等の所有者が当該農地等を譲渡した場合には、当該譲渡は、同法第34条の2第2項第2号に規定する「収用の対償に充てるため買い取られる場合」に該当するものとして、同条第1項の規定を適用することができるものとする。

(1) 農地等の所有者は、当該収用により資産を譲渡した者に対し当該農地等を譲渡すること。

(2) 公共事業施行者は、当該農地等の所有者に対し当該農地等の譲渡の対価を直接支払うこと。

(注) 上記契約方式における農地等の譲渡について措置法第34条の2第2項第2号に規定する「当該収用の対償に充てるため買い取られる場合」に該当するのは、当該農地等のうち事業用地の所有者に支払われるべき事業用地の譲渡に係る補償金又は対価のうち当該農地等の譲渡の対価として公共事業施行者から当該農地等の所有者に直接支払われる金額に相当する部分に限られる。

(収用対償地の買取りに係る契約方式)

34の2−5 次に掲げる方式による契約に基づき、収用の対償に充てられることとなる土地等(以下この項及び34の2−23において「代替地」という。)が公共事業施行者(措置法第33条第1項第1号に規定する土地収用法等に基づく収用(同項第2号の買取り及び同条第4項第1号の使用を含む。以下この項及び34の2−23において同じ。)を行う者をいう。以下この項及び34の2−23において同じ。)に買い取られる場合は、措置法第34条の2第2項第2号に規定する「収用の対償に充てるため買い取られる場合」に該当するものとする。 (平18課資3−6、課個2−11、課審6−5、令4課資3-7、課審7-16改正)

(1) 公共事業施行者、収用により譲渡する土地等(以下この項及び34の2−23において「事業用地」という。)の所有者及び代替地の所有者の三者が次に掲げる事項を約して契約を締結する方式

イ 代替地の所有者は公共事業施行者に代替地を譲渡すること。

ロ 事業用地の所有者は公共事業施行者に事業用地を譲渡すること。

ハ 公共事業施行者は代替地の所有者に対価を支払い、事業用地の所有者には代替地を譲渡するとともに事業用地の所有者に支払うべき補償金等(事業用地の譲渡に係る補償金又は対価に限る。以下この項において同じ。)の額から代替地の所有者に支払う対価の額を控除した残額を支払うこと。

(注) 上記契約方式における代替地の譲渡について措置法第34条の2第2項第2号に規定する「当該収用の対償に充てるため買い取られる場合」に該当するのは、当該代替地のうち事業用地の所有者に支払われるべき事業用地の譲渡に係る補償金又は対価に相当する部分に限られるので、例えば、上記契約方式に基づいて公共事業施行者が取得する代替地であっても当該事業用地の上にある建物につき支払われるべき移転補償金に相当する部分には措置法第34条の2第1項の規定の適用がないことに留意する。

(2) 公共事業施行者と事業用地の所有者が次に掲げる事項を約して契約を締結する方式

イ 事業用地の所有者は公共事業施行者に事業用地を譲渡し、代替地取得を希望する旨の申出をすること。

ロ 公共事業施行者は事業用地の所有者に代替地の譲渡を約すとともに、事業用地の所有者に補償金等を支払うこと。ただし、当該補償金等の額のうち代替地の価額に相当する金額については公共事業施行者に留保し、代替地の譲渡の際にその対価に充てること。

(一団地の公営住宅の買取りが行われた場合の措置法第33条等との適用関係)

34の2−6 公営住宅法第2条第4号に規定する「公営住宅の買取り」が、一団地の住宅経営に係る事業として行われる場合において、当該一団地の住宅経営に係る事業が50戸未満の事業であるときは、措置法第34条の2第2項第2号に該当するのであるが、当該一団地の住宅経営に係る事業が50戸以上の事業であるときは、措置法第33条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》、第33条の2《交換処分等に伴い資産を取得した場合の特例》又は第33条の4《収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除》の規定の適用がある場合があるのであるから留意する。

(公営住宅の買取りが行われた場合における特例の適用対象となる土地等の範囲)

34の2−7 土地等が措置法第34条の2第2項第2号に規定する公営住宅の買取りにより地方公共団体に買い取られる場合における同条第1項の規定の適用については、次の点に留意する。

(1) 措置法第34条の2第1項の規定の適用対象となる土地等は、固定資産である土地等に限られること。したがって、例えば、土地所有者が建物を建設し、その建物と敷地である土地が買い取られる場合において、当該土地の譲渡による所得が所基通33−5《極めて長期間保有していた土地に区画形質の変更等を加えて譲渡した場合の所得》の取扱いにより事業所得、雑所得又は譲渡所得に区分されるときには、譲渡所得となる部分のみに同項の規定の適用があること。

(2) 措置法第34条の2第2項第2号に規定する公営住宅の買取りにおける土地等の買取りとは、地方公共団体が公営住宅法第2条第4号の規定により公営住宅として建物(同号に規定する附帯施設を含む。以下この項において同じ。)を買い取るために必要な土地の所有権、地上権又は賃借権を取得することをいい、当該建物の買取りに付随しない土地等の買取りは、これには該当しないことから、例えば、地方公共団体が公営住宅として建物とその敷地である借地権等を買い取り、当該借地権等の設定されていた土地の所有者と当該土地等に係る賃貸借契約を締結した場合において、その後に当該土地の所有者から底地を買い取った場合には、当該底地の譲渡については措置法第34条の2第1項の規定の適用はないこと。

(注)

1 公営住宅法第2条第4号に規定する「附帯施設」とは、給水施設、排水施設、電気施設等のほか自転車置場、物置等の施設をいい、公営住宅法第2条第9号に規定する児童遊園、共同浴場、集会場等の「共同施設」は、同条第4号の公営住宅の買取りには含まれていないのであるから留意する。

2 公営住宅の買取りに伴い借地権等が設定される場合の措置法第34条の2第1項の規定の適用関係については、34−3による。

(3) 借地権等を有する者が、当該借地権等に係る底地を取得した後、公営住宅として買い取られる建物に付随して旧借地権等部分と旧底地部分が買い取られる場合には、そのいずれの部分についても、措置法第34条の2第1項の適用があること。


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