直法5-9
直所4-12
昭和46年11月11日

国税局長 殿

国税庁長官

 標題のことについて、下記のとおり定め、昭和47年1月1日以後に支払うべきものから、これにより取り扱うこととしたから通達する。
 なお、昭和31年12月11日付直所2-116「生命保険会社が支部長等に支払う報酬等に対する所得税の取扱について」通達および昭和33年5月16日付直所2-36「『生命保険会社がその支部長等に支払う報酬等に対する所得税の取扱について』通達に基く判定等について」通達は、これを廃止する。

(趣旨)
 生命保険会社がその支部長等に交付する金銭その他の給付については、特定の生命保険会社に限り、支部長等に対するその職務の報酬として支払うものは給与所得とし、支部長等としての職務の遂行に要する費用に充てるためのものとして交付するものは当該支部長等の所得とはしないことに取り扱ってきたのであるが、最近における生命保険会社の経理の実態を考慮し、その取扱いを整備したものである。

1 生命保険会社が、その支部長等(自己の指揮下にある外務員を指導督励して生命保険契約の募集に当たらせることを主たる任務とし、当該外務員の募集成績に応じて計算される報酬を受ける者をいう。以下同じ。)に対してその職務に関する金銭その他の給付を支部長等個人に対する報酬と支部長等としての職務の遂行に要する費用(以下「経営費等」という。)に充てるためのものとに明確に区分して交付しており、かつ、当該支部長等の職務の遂行に関して次に掲げる事実がある場合には、所得税基本通達の204-22(外交員または集金人の業務に関する報酬または料金)にかかわらず、当該報酬は所得税法第28条第1項((給与所得))に規定する給与等とする。

(1) 支部長等がその職務を行うために使用する事務所の建物、備品等は、生命保険会社の所有または賃借にかかるものであること。

(2) 支部長等の職務を補助する事務員は、すべて生命保険会社の雇用する者であり、かつ、当該事務員の身分、勤務条件等は、当該生命保険会社の一般の使用人と同等であること。

(3) 経営費等の支出の明細は、営業報告書等により少なくとも月1回、定期的に証拠書類を添えて生命保険会社に報告されており、当該生命保険会社は、その支出の内容および経営費等に充てるためのものとして支部長等に交付した金銭等の残高を確認するとともに、当該残高を当該生命保険会社の資産として計上していること。

(注)

1 この取扱いの適用がある場合には、生命保険会社が経営費等に充てるためのものとして支部長等に交付する金銭等は、支部長等の所得とはならないことに留意する。

2 支部長等が生命保険会社から支払を受ける報酬のうちに、生命保険契約の募集をしたことによりその報酬として支払を受けるものがある場合には、当該報酬は所得税法第204条第1項第4号((源泉徴収義務))に掲げる報酬または料金に該当することに留意する。

2 生命保険会社がその支部長等に交付する金銭その他の給付につきこの取扱いの適用があるかどうかは、その交付を受ける支部長等ごとに、当該給付および当該支部長等の職務の遂行に関して上記1の事実があるかどうかにより判定するものとする。