直所2-41
昭和35年5月2日

国税局長 殿

国税庁長官

 酒類製造業者に雇ようされるとう氏および倉夫が受ける給与に対する源泉所得税の課税にあたっては、下記のようにその取扱を統一することとしたから、これにより関係徴収義務者を指導されたい。

1 か働期間中の各月に支払われまたは支払われるべき給与については、それぞれその月分の給与として、所得税法第38条の規定により源泉徴収を行うこと。

2 か働期間の終期において、その期間中のか働に対する給与の総額が確定し、その確定給与の総額と、既払給与との差額を支払う場合におけるその差額については、賞与の性質を有する給与として取り扱うこと。

3 年末調整については、その年最後に給与を支払う際、その年1月から12月までの間の給与について行うこと。したがって、通常はその年1月から4月までの分と、同年10月から12月までの分との合計額について、その年最後に給与を支払うときに年末調整を行うこととなること。

4 現物給与等に対する課税にあたっては、次によること。

(1) 食事の供与については、所得税法に関する基本通達210の(6)により取り扱うこととし、その他の、たとえば晩しゃく用酒、帰郷の際に支給する酒および酒かす等の現物給与については、しいて課税しないこと。

(2) 帰郷の際に、退職金、祝金等の名義で支給するものについては、以後その酒造業者には雇ようされなくなる者に支給するものであって、退職所得であることが明らかであるものを除き、その支給時における賞与として取り扱うこと。

(3) 帰郷の際に支給する旅費については、それが帰郷に要する旅費の範囲内である場合には、課税しないことに取り扱うこと。

(理由)
 酒造業者に雇ようされるとう氏および倉夫が、そのか働期間中(通常9月下旬ごろから翌年4月中旬ごろまで)に受ける仮払給与、精算払給与に対する源泉徴収の方法およびその給与に対する年末調整の方法等について、その取扱が区々にわたっているので、これを統一するためである。