間消3-27
蔵関第3223号
昭和44年11月18日

〔 最終改正
令2.12.21課消4−81
〕

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿
税関長 殿
沖縄地区税関長 殿

国税庁長官
財務省関税局長

 揮発油(租税特別措置法第88条の6第1項又は第2項の規定により揮発油とみなされる揮発油類似品及び同法第89条の2第4項に規定する特定石油化学製品を含む。以下同じ。)の製造者、揮発油その他の石油類を輸入する者、免税揮発油の使用者又は揮発油税及び地方揮発油税若しくは関税の免除、払戻し、還付若しくは控除を受けようとする者等(以下「納税義務者等」という。)が、揮発油その他の石油類(以下「石油類」という。)の移出、輸入又は消費等の数量を流量計の指数に基づいて計算している場合において、これらの数量を、揮発油税及び地方揮発油税又は関税に関する課税、免除、払戻し、還付若しくは控除等の基礎となる当該石油類の数量(ドラムかん等の出荷容器に充てんする石油類については、その充てん数量(以下「課税標準等の数量」という。))としようとするときの取扱いを下記のとおり定めたから、実施上遺憾のないようにされたい。
 なお、この通達の施行に伴い、昭和41年8月16日付間消3-30、蔵関第855号「揮発油税および関税等に関する揮発油等炭化水素油の数量測定に流量計を使用する場合の取扱いについて」通達を廃止することとしたから、了知されたい。
〔理由〕
 最近における流量計の使用の実情にかんがみ、流量計の性能の向上及び機構の変化等に即応した取扱いを定め、併せて事務の簡素化を図る等の必要がある。

(要件)

1 納税義務者等が石油類の課税標準等の数量の測定に使用する流量計は、容積型、軸流型その他型式のいかんを問わず、次に掲げる要件を具備し、かつ、取締上差し支えないと認められる状況の下に使用されなければならないこと。

(1) 構造等

イ 流量計の本体に組み込まれていると、その本体から分離されているとを問わず、石油類の測定数量の累積数量を表示する指示機構(以下「積算計」という。)を有すること。この場合において、積算計の最小表示目盛の単位は1リットル以下とするが、当該流量計の機能、使用形態等からみて、取締上差し支えないときは、実情に応じ、当該単位は、100リットル以下の数値であっても妨げないこと。

ロ 空気及びじんあいを除去する装置を有すること。ただし、空気又はじんあいの混入のおそれのない場所に設置される流量計については、これらの装置の両方又はいずれか一方を有しなくても差し支えないこと。

(2) 器差

イ 使用当初及びその後おおむね2年に1回以上、2((器差試験))に定めるところにより器差試験を行ったものであること。

ロ イによる器差が、±0.2%以内(±0.2%に端数がある場合には、±0.2%以内でないこととする。以下同じ。)であること。
 なお、温度補整装置付きの流量計については、流量計本体の器差及び当該補整装置を付けた後の総合器差のそれぞれが±0.2%以内であるほか、当該補整装置そのものの器差も±0.2%以内であること。

(器差試験)

2 器差試験の方法等は、次によること。(令元課消4-59改正)

(1) 器差試験は、次に掲げる者が行う。
 この場合において、ロからニまでに掲げる者が行う器差試験については、これらの者の事業所に勤務する計量士が実施するものとする。

イ 国立研究開発法人産業技術総合研究所

ロ 当該流量計を使用する納税義務者等

ハ 流量計の製造者(計量法(平成4年法律第51号)第40条《事業の届出》の規定による届出を行った者に限る。)

ニ ハに掲げる者から流量計の保守又は修理等の業務の委託を受けている者(計量法第46条《事業の届出》の規定により届出を行った者に限る。)

ホ 計量法第143条《登録》第1項の登録を受けた者(当該登録の範囲が器差試験に必要な液体の種類と流量範囲を含む場合に限る。以下「登録事業者」という。)

(2) 器差試験には、次に掲げるいずれかの計量器(以下「標準器」という。)を使用する。

イ 計量法第103条《基準器検査の合格条件》第1項の規定により基準器検査に合格し、かつ、有効期間内にある基準器

ロ 計量法第136条《証明書の交付等》第1項の規定に基づき特定標準器により校正を受けた計量器

ハ 計量法第143条《登録》第2項第1号に規定する計量器(ロに該当する計量器を除く。)で登録事業者が校正事業に用いるもの(当該登録事業者の登録証に記載された校正測定能力が0.17%以下である場合に限る。)

ニ 計量法第144条《証明書の交付》第1項の規定に基づき登録事業者が校正した計量器で同項に規定する証明書が交付されたもの(当該証明書に記載された拡張不確かさが0.17%以下である場合に限る。)

ホ 国立研究開発法人産業技術総合研究所法(平成11年法律第203号)第11条《業務の範囲》第1項第3号の規定に基づく試験により校正された計量器

ヘ 標準オイルメーター試験規格(日本計量機器工業連合会規格JMIF 010-1999)に従って実施する試験を受け、かつ、当該試験に合格後2年を経過しない口径が8センチメートルを超える標準オイルメーター

(注) ハからホまでに掲げる計量器については、当該計量器について校正を受けた日又は試験に合格した日から一定期間(流量計にあっては2年、体積管にあっては3年、体積タンクにあっては5年)を経過していないものに限るものとする。

(3) 流量計本体の器差は、当該流量計の積算計により測定した試料の数量を、標準器により測定した当該試料の数量(器差のある標準器を用いた場合には、補正した数量)と比較して求める。

(注) 「当該流量計の積算計により測定した試料の数量」及び「標準器により測定した当該試料の数量」は、当該積算計又は当該標準器の指示機構等の最小表示目盛の単位にかかわらず、可能な限り精密に読み取った数量によることとする。

(4) 流量計本体の器差試験の試料は、当該器差試験に係る流量計を使用する石油類と同一種類のものとするが、これにより難いときは、当該石油類と油質が類似する2種類の石油類(粘度調整の計算を行うことにより、当該流量計を使用する石油類を試験試料とした場合とほぼ同一の試験成績が求められるものに限る。)を用いても差し支えない。
 ただし、器差試験に係る流量計の能力に比し試験試料の貯蔵能力が不足することその他相当の理由により、これらの試験試料によって器差試験を行うことができない場合で、器差の確定上支障がないと認められるときは、1時間当たり600キロリットルを超える流量に限り、器差試験の試料として水を用いても妨げない。

(注) 「器差の確定上支障がないと認められるとき」とは、所定の試験試料を用いることが可能な流量の部分について、当該試験試料による器差試験と水による器差試験とを行った場合において、これらの試験の成績がほぼ一致し、又はこれらの試験の成績の間に一定の相関関係がある等、水のみにより器差試験を行う流量の部分についての器差を合理的に推定できるときをいう。

(5) 流量計本体の器差試験は、流量計を実際に使用する場合の流量(以下「常用流量」という。)を考慮した2以上の流量において、1回につき1分間以上(基準体積管を使用する場合を除く。)試験試料を計量する方法により行う。ただし、標準器の能力が十分でないことその他相当の理由により、常用流量を考慮した2以上の流量において器差試験を行うことができない場合で、流量計本体の器差の確定上支障がないと認められるときは、標準器を用いて適正に試験できる最大の流量が、次のいずれにも該当する場合に限り、当該流量を含む2以上の流量において、当該器差試験を行なっても差し支えない。

イ 1時間当たり600キロリットルを超える流量であること。

ロ 器差試験に係る流量計の使用最大流量の3分の1以上の流量であること。

(注)

  1. 1 「器差の確定上支障がないと認められるとき」とは、標準器を用いて適正に試験できる最大の流量を含む2以上の流量における器差がほぼ同一の値を示す等、器差試験を行わない流量の部分についての器差を合理的に推定できるときをいう。
  2. 2 「標準器を用いて適正に試験できる最大の流量」には、(4)のただし書により、試験試料として水を用いることとした部分の流量を含まないこととする。

(6) 温度補整装置の器差試験は、実際に使用する場合の温度を考慮した2以上の温度を当該装置の温度検出部に与えて行う。

(課税標準等の数量の計算等)

3 流量計により石油類の数量を測定した場合の課税標準等の数量の計算等については、次によること。

(1) 課税標準等の数量は、積算計に表示される数値(当該積算計の最小表示目盛の単位で読み取った数値)により計算する。
 なお、正常に作動する2以上の積算計を有する流量計を使用する場合の当該計算は、常時使用することとしている積算計に表示される数値によることとする。

(2) 流量計に専属する定量装置(当該流量計の本体に組み込まれていると、その本体から分離されているとを問わない。)の指示する数値により石油類の数量を測定している場合の課税標準等の数量は、(1)にかかわらず、当該定量装置による測定数量とする。この場合において、当該定量装置が正常に作動していることを確認できるときは、たとえ当該定量装置による当該石油類の測定数量と当該流量計の積算計に表示された数値により計算した対応測定数量との間に、流量計の機構上、機械的に制御できないと認められる程度の誤差が生ずることがあってもこれを無視して差し支えない。

(3) 温度補整装置付きの流量計以外の流量計で数量を測定した石油類が、常温換算を要することとされているものである場合には、(1)又は(2)による数量を温度15度における数量に換算する必要がある。
 なお、高温に加熱され、又は低温に冷却された石油類の数量を測定する等のため、流量計自体が膨張又は収縮する等、当該石油類についての常温換算以外にも特別な補正計算が必要であると認められる場合には、適正と認められる方法により補正の計算をして課税標準等の数量としても差し支えない。

(注) 本体の器差が±0.2%以内であって温度補整装置を付けた後の総合器差又は当該補整装置そのものの器差が±0.2%を超えているものは、「温度補整装置付きの流量計以外の流量計」に該当するものであるから留意する。

(届出等)

4 流量計を使用する者が届出すべき事項その他の手続に関する事項等については、次によること。(昭61間消5-202改正)

(1) 納税義務者等には、あらかじめ、流量計の使用場所ごとに、当該流量計の管理責任者を定めさせる。この場合において、当該納税義務者等が揮発油税及び地方揮発油税に関する各種の申告又は申請等の手続につき代理人を定めているときは、原則として、当該代理人を当該管理責任者とさせる。

(2) 流量計を設置しようとする納税義務者等には、あらかじめ「揮発油税及び関税等流量計使用届出書」(別紙様式1)により、その旨の届出をさせることとし、その届出事項の内容に異動が生じたときは、書面により、その旨の届出をさせる。

(3) 2((器差試験))に定める器差試験を行った納税義務者等には、当該試験に係る「揮発油税及び関税等流量計器差試験成績書」(別紙様式2)を作成させ、5年間保存させる。

(4) 流量計を設置した納税義務者等には、次に掲げる事項を表示した表示板を当該流量計に取り付けさせるとともに、取外し又は器差の調節等が無断で行われないように、所要の封かんをさせる。

イ 当該流量計の設置順号

ロ 税務署所管又は税関所管の区分

ハ 当該流量計の名称及び型式

ニ 当該流量計を使用する石油類の種類

ホ 器差試験を行った年月日

(5) 国税庁、税務署及び税関の当該職員は、(2)による届出事項の内容、(3)の試験成績書の内容、(4)の表示若しくは封かんの状況、課税標準等の数量の計算方法又は流量計の保全状況等について、随時、立会いその他の方法により、その適否を調査又は検討するものとする。

(特例等)

5 1((要件))に定める要件を具備しない流量計により石油類の数量を測定している場合の取扱いは、次によること。

(1) 揮発油税若しくは租税特別措置法による揮発油税及び地方揮発油税の免除又は関税定率法若しくは関税暫定措置法による関税の払戻し若しくは還付に係る石油類を消費し、使用し、又は移出する場合の課税標準等の数量は、当該消費、使用又は移出の実態を勘案し、当該流量計により測定した数量によることがやむを得ないと認められ、かつ、当該数量によっても事務運営上特に支障がないと判断されるときは、当該数量によることとしても差し支えないものとし、これによることとした納税義務者等には、4((届出等))(1)から(4)までに準じた手続等をさせる。

(2) (1)に規定する場合のほか、当該流量計により測定した石油類の数量を課税標準等の数量としたい旨の申出があった場合で、石油類の数量測定の実態等からみて、その申出に相当の理由があると認められるときは、税務署長又は税関長は(税務署長は国税局長を経由して)、意見を付けて国税庁長官又は財務省関税局長にその旨を上申する。

(3) (2)の上申があった場合には、国税庁長官又は財務省関税局長は、必要があれば両者で協議のうえ、その上申に係る税務署長又は税関長に対して(税務署長に対しては国税局長を経由して)、指示する。

(注) (3)による指示が、この通達に特例を設けることとなり、かつ、その内容が一般性を有するものである場合には、上申及び指示の内容を各国税局長及び税関長に通達する。

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