第1章の2 特別税額控除及び減価償却の特例
第42条の4 《試験研究を行った場合の法人税額の特別控除》関係

(試験研究の意義)

42の4(1)−1 措置法第42条の4第19項第1号イ(1)に規定する試験研究とは、事物、機能、現象などについて新たな知見を得るため又は利用可能な知見の新たな応用を考案するために行う創造的で体系的な調査、収集、分析その他の活動のうち自然科学に係るものをいい、新製品の製造又は新技術の改良、考案若しくは発明に係るものに限らず、現に生産中の製品の製造又は既存の技術の改良、考案若しくは発明に係るものも含まれる。(令3年課法2−21「四」により追加、令4年課法2−14「四」により改正)

(試験研究に含まれないもの)

42の4(1)−2 措置法第42条の4第19項第1号イ(1)に規定する試験研究には、例えば、次に掲げる活動は含まれない。(令3年課法2−21「四」により追加、令4年課法2−14「四」、令5年課法2−8「二」により改正)

(1) 人文科学及び社会科学に係る活動

(2) リバースエンジニアリング(既に実用化されている製品又は技術の構造や仕組み等に係る情報を自社の製品又は技術にそのまま活用することのみを目的として、当該情報を解析することをいう。)その他の単なる模倣を目的とする活動

(3) 事務員による事務処理手順の変更若しくは簡素化又は部署編成の変更

(4) 既存のマーケティング手法若しくは販売手法の導入等の販売技術若しくは販売方法の改良又は販路の開拓

(5) 性能向上を目的としないことが明らかな開発業務の一部として行うデザインの考案

(6) (5)により考案されたデザインに基づき行う設計又は試作

(7) 製品に特定の表示をするための許可申請のために行うデータ集積等の臨床実験

(8) 完成品の販売のために行うマーケティング調査又は消費者アンケートの収集

(9) 既存の財務分析又は在庫管理の方法の導入

(10) 既存製品の品質管理、完成品の製品検査、環境管理

(11) 生産調整のために行う機械設備の移転又は製造ラインの配置転換

(12) 生産方法、量産方法が技術的に確立している製品を量産化するための試作

(13) 特許の出願及び訴訟に関する事務手続

(14) 地質、海洋又は天体等の調査又は探査に係る一般的な情報の収集

(15) 製品マスター完成後の市場販売目的のソフトウエアに係るプログラムの機能上の障害の除去等の機能維持に係る活動

(16) ソフトウエア開発に係るシステム運用管理、ユーザードキュメントの作成、ユーザーサポート及びソフトウエアと明確に区分されるコンテンツの制作

(研究開発費として損金経理をした金額の範囲)

42の4(1)−3 措置法第42条の4第19項第1号イ(1)の「研究開発費として損金経理」をした金額には、研究開発費の科目をもって経理を行っていない金額であっても、法人の財務諸表の注記において研究開発費の総額に含まれていることが明らかなものが含まれるものとする。(令3年課法2−21「四」により追加、令4年課法2−14「四」により改正)

(新たな役務の意義)

42の4(1)−4 措置法第42条の4第19項第1号イ(2)に規定する試験研究は新たに提供する役務に係るものに限られるのであるから、同号イ(2)の「新たな役務」に該当するかどうかは、その役務を提供する法人にとって従前に提供していない役務に該当するかどうかにより判定する。(平29年課法2−17「三」により追加、令3年課法2−21「四」、令4年課法2−14「四」により改正)

(従前に提供している役務がある場合の新たな役務の判定)

42の4(1)−5 法人が従前に提供している役務がある場合において、当該法人が提供する役務が措置法第42条の4第19項第1号イ(2)の「新たな役務」に該当するかどうかについては、例えば、当該法人が提供する役務が従前に提供している役務と比較して新たな内容が付加されている場合又は当該法人が提供する役務の提供方法が従前と比較して新たなものである場合には、「新たな役務」に該当する。(平29年課法2−17「三」により追加、令3年課法2−21「四」、令4年課法2−14「四」により改正)

(サービス設計工程の全てが行われるかどうかの判定)

42の4(1)−6 サービス設計工程(措置法令第27条の4第6項各号に掲げるものをいう。以下同じ。)の全てが行われるかどうかは、法人がサービス設計工程の全てを実行することを試験研究の計画段階において決定しているかどうかにより判定する。したがって、サービス設計工程の全てが当該事業年度に完了していない場合又は当該事業年度において試験研究が中止になった場合であっても、法人がサービス設計工程の全てを実行することを試験研究の計画段階で決定しているときには、その試験研究はサービス設計工程の全てが行われる試験研究に該当することに留意する。(平29年課法2−17「三」により追加、令3年課法2−21「四」、令4年課法2−14「四」により改正)

(注) サービス設計工程の全てを実行することの判定については、当該法人がその全部又は一部を委託により行うかどうかは問わないことに留意する。