直審5−1 (例規)
直審4−3
昭和48年1月19日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 標題のことについては、下記のとおり定めたから通達する。 なお、土地区画整理法または土地改良法による土地区画整理事業または土地改良事業の施行地区内の公共用地等は、本来はこれらの事業の中で換地処分の手法を通じて取得されるべきものであるが、この取扱いは、仮換地または一時利用地の指定のあった日から相当の期間が経過しており、かつ、近い将来において換地処分が行われる見込みがないなど仮換地または一時利用地そのものを公共事業の用に供することについてやむを得ない事情がある場合について適用するものとする。

(趣旨)

 土地等につき土地区画整理法または土地改良法による土地区画整理事業または土地改良事業が施行された場合において、当該土地等にかかる仮換地または一時利用地が公共事業のために使用されたことにより当該仮換地または一時利用地について有する使用収益権が消滅し、補償金等を取得するときにおける収用等の場合の課税の特例の適用に関する取扱いを明らかにしたものである。

(用語の意義)

1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

(1) 仮換地等 土地区画整理法第98条第1項《仮換地の指定》の規定により指定があった仮換地または土地改良法第53条の5第1項《一時利用地の指定》の規定により指定があった一時利用地をいう。

(2) 起業地 租税特別措置法(以下「措置法」という。)第33条の4第1項《収用交換等の場合の譲渡所得の特別控除》に規定する収用交換等または措置法第65条の2第1項《収用換地等の場合の所得の特別控除》に規定する収用換地等にかかる事業を施行すべき土地の区域をいう。

(3) 従前の宅地等 土地区画整理法上の従前の宅地または土地改良法上の従前の土地をいう。

(4) 土地収用法等 措置法第33条第1項第1号《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》または第64条第1項第1号《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》に規定する土地収用法等をいう。

(5) 公共事業施行者 措置法第33条の4第3項第1号または第65条の2第3項第1号に規定する公共事業施行者をいう。

(仮換地等が土地収用法等により使用され補償金等を取得する場合等)

2 仮換地等が起業地内にあり、当該仮換地等にかかる従前の宅地等が起業地の外にある場合において、当該仮換地等が次に掲げる場合に該当して補償金または対価を取得するときは、当該補償金または対価は、措置法第33条第1項または第64条第1項に規定する保証金または対価に該当するものとする。

(1) 仮換地等が土地収用法等の規定に基づいて使用された結果、当該仮換地等について有する使用収益権が消滅する場合

(2) 仮換地等について有する使用収益権の消滅の申出を拒むときは土地収用法等の規定に基づいて当該仮換地等が使用され当該権利が消滅することとなる場合において、当該権利が契約により消滅するとき

(従前の宅地等が買い取られ対価を取得する場合)

3 仮換地等が起業地内にあり、当該仮換地等にかかる従前の宅地等が起業地の外にある場合において、公共事業施行者からの買取り等の申出に応じて当該従前の宅地等の譲渡をし、納税者から当該譲渡の対価の額の全部が当該仮換地等の使用収益権の消滅の対価に該当するものとして2の取扱いにより措置法第33条第1項、第33条の4第1項、第64条第1項または第65条の2第1項の規定を適用して確定申告書等の提出があったときは、これを認めるものとする。

(注) 「確定申告書等の提出があったとき」には、措置法第33条の4第1項の規定の適用について同条第4項の規定により確定申告書の提出をしなければならない者以外の者が従前の宅地等の譲渡の対価の額の全部を仮換地等の使用収益権ンの消滅の対価に該当するものとして2の取扱いの適用を受ける旨を記載した書類および同項に規定する書類を提出した場合が含まれるものとする。

(仮換地等の使用収益権が消滅する場合の収用証明書)

4 2の取扱い(3により2の取扱いを受ける場合を含む。5において同じ。)により、措置法第33条第1項、第33条の4第1項、第64条第1項または第65条の2第1項の規定の適用を受ける場合に確定申告書等に添付すべき収用証明書は、仮換地等として指定されている土地についての租税特別措置法施行規則第14条第6項各号《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》または第22条の2第4項各号《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》に掲げる使用の証明書類とする。

(最初に買取り等の申出のあった日)

5 2の取扱いにより仮換地等の使用収益権の消滅につき措置法第33条の4第1項または第65条の2第1項の規定を適用する場合には、措置法第33条の4第3項第1号または第65条の2第3項第1号に規定する最初に買取り等の「申出のあった日」は、当該仮換地等にかかる従前の宅地等の使用収益権について最初に消滅の申出のあった日のうちいずれか早い日をいうものとする。

(仮換地等の使用収益権の消滅があった後における換地処分により取得した換地が収用等される場合)

6 仮換地等の使用収益権の消滅につき2の取扱いの適用を受けた者が、当該消滅のあった日の属する年の翌年1月1日以後に行われた換地処分により当該仮換地等を換地として取得した場合において、当該換地が当該仮換地等を使用している者によって土地収用法等の規定に基づいて収用されまたは買い取られ、補償金または対価を取得したときは、当該収用または買取りにより譲渡した換地については、措置法第33条の4第3項第2号または第65条の2第3項第2号の規定により、1,200万円損金算入の特例は適用がないものとする。

(注) 上記の場合において、換地処分により仮換地として指定のあった土地以外の土地を換地として取得した場合で上記の取扱いにより難いときは、個別に上申するものとする。