第68条の78〜第68条の80《特定の資産の買換えの場合等の課税の特例》関係

(不動産売買業者の有する土地等)

68の78(1)−1 措置法第68条の78から第68条の80までの規定は、法第2条第20号に規定する棚卸資産については適用がないのであるが、不動産売買業を営む連結法人の有する土地又は建物で、当該連結法人が使用し、若しくは他に貸し付けているもの(販売の目的で所有しているもので、一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該連結法人が具体的な使用計画に基づいて使用することを予定し相当の期間所有していることが明らかであるものは、棚卸資産には該当しないことに留意する。

(固定資産として使用していた土地の分譲)

68の78(1)−2 連結法人が従来固定資産として使用していた土地を譲渡するに当たり、当該土地に集合住宅等を建築し、又は当該土地の区画形質の変更等を行って分譲した場合における当該土地の分譲は、棚卸資産の譲渡に該当しないものとして取り扱う。ただし、その分譲に当たり、その土地について宅地造成を行った場合におけるその造成により付加された価値に対応する部分の譲渡については、この限りでない。

(収用等をされた資産についての適用除外)

68の78(1)−3 譲渡資産について措置法第68条の70から第68条の73までの規定の適用を受けることができる場合には、連結法人がこれらの規定の適用を受けないときにおいても、措置法第68条の78から第68条の80までの規定の適用はないことに留意する。

(贈与による譲渡等があったものとされる場合の適用除外)

68の78(1)−4 資産の贈与による譲渡又は取得は、措置法第68条の78第16項の規定により同条の譲渡又は取得に該当しないのであるから、譲渡法人である連結法人又は譲受法人である連結法人が次に掲げる場合に該当するときは、それぞれ次の金額により譲渡又は取得があったことになるのであるから留意する。(平27年課法2−8「二十八」により改正)

  1. (1) 譲渡法人である連結法人
    • イ 資産の譲渡価額が著しく低い価額であり、その譲渡価額と譲渡の時における当該資産の価額との差額に相当する金額について贈与し又は給与として支給したものと認められる場合 当該譲渡価額
    • ロ 資産の譲渡価額が著しく高い価額であり、その譲渡価額と譲渡の時における当該資産の価額との差額に相当する金額の贈与を受けたものと認められる場合 当該譲渡資産の譲渡時の価額に相当する金額
  2. (2) 譲受法人である連結法人
    • イ (1)のイの場合 (1)のイの譲渡価額
    • ロ (1)のロの場合 (1)のロの譲渡資産の譲渡時における価額に相当する金額

(注) (1)のイの取扱いによる場合において、譲渡法人である連結法人の当該譲渡資産の帳簿価額のうち同条に規定する譲渡があったものとされる部分に対応する金額は、当該譲渡資産の帳簿価額に当該譲渡資産の価額のうちに占める当該譲渡価額の割合を乗じて計算した金額による。

(特例の適用を受ける資産についての延払基準の不適用)

68の78(1)−5 連結法人が、資産の譲渡を行い、当該譲渡について措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受ける場合には、仮にその譲渡が法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額又は個別損金額を計算する場合の法第63条第1項に規定するリース譲渡に該当しても同項の規定を適用することはできないものとする。(平30年課法2−8「四」により改正)

(土地の上に存する権利)

68の78(1)−6 措置法第68条の78第1項に規定する土地の上に存する権利とは、地上権、永小作権、地役権又は土地の賃借権をいい、租鉱権、採石権等のように土地に附帯するものであっても土地そのものを利用することを目的としない権利は含まれないことに留意する。

(借地権の返還により支払を受けた借地権の対価に対する特例の適用)

68の78(1)−7 他人の土地を使用している連結法人が、当該土地の上に存する借地権をその土地の所有者に返還し、その土地の所有者から立退料等の支払を受けた場合には、当該支払を受けた金額のうち借地権の価額に相当する金額については、措置法第68条の78第1項に規定する土地の上に存する権利の譲渡による対価として取り扱う。

(借地権の譲渡対価の全部又は一部を土地所有者が取得した場合の特例の適用)

68の78(1)−8 他人の土地の上に存する建物等が土地とともに譲渡された場合において、当該建物等を有する連結法人が当該土地の上に存する借地権の譲渡対価の額に相当する金額の全部又は一部を取得せず、当該土地の所有者がこれを取得したため、当該金額を当該土地の所有者に贈与(当該土地の所有者が当該連結法人の代表者等であるときは、給与として支給)したものと認められるときは、当該連結法人については、当該借地権の価額に相当する金額は措置法第68条の78第1項に規定する土地の上に存する権利の譲渡による対価の額として取り扱う。

(注) 土地の所有者がこの取扱いにより贈与等を受けたものとされる金額は、当該土地の所有者については、圧縮記帳の特例の適用がない。

(借地権の譲渡対価に代えて新たに借地権を取得する場合の特例の適用)

68の78(1)−9 他人の土地の上に存する建物等が土地とともに譲渡された場合において、当該建物等を有する連結法人が当該土地の上に存する借地権の譲渡対価の額に相当する金額の全部又は一部を取得しなかったときにおいても、当該土地の所有者の有する他の土地について新たに借地権を取得したときは、措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、当該連結法人が借地権の譲渡対価を取得し、これを新たに取得した借地権の取得の対価に充てたものとして取り扱う。この場合において、当該連結法人が新たに取得した借地権の価額と譲渡した借地権の価額との間に著しい差異があるときを除き、その譲渡した借地権の価額と取得した借地権の価額とは同額であるものとすることができる。

(借地権の無償返還に代えて新たに借地権を取得する場合の特例の適用)

68の78(1)−10 68の78(1)−9の取扱いは、連結法人の有する借地権を土地の所有者に返還した場合において、当該土地の所有者から立退料等の支払を受けないで、その土地の所有者の有する他の土地について新たに借地権を取得した場合について準用する。この場合において、当該土地の所有者については、返還を受けた借地権の価額に相当する立退料等の支払をしたものとして連結基本通達16−1−16の取扱いを適用する。

(土地等が買換資産に該当するかどうかの判定)

68の78(1)−11 連結法人の取得した土地等が措置法第68条の78第1項の表の各号の下欄に規定する買換資産に該当するかどうかを判定する場合において、その取得した土地等が当該各号に規定する地域又は区域にあるかどうかは、その土地等を取得した時の現況による。

(資本的支出)

68の78(1)−12 連結法人がその有する資産の改良、改造等を行った場合においても、当該改良、改造等は、原則として措置法第68条の78第1項に規定する買換資産の取得に当たらないのであるが、次に掲げる場合に該当する場合におけるその改良、改造等については、買換資産の取得に当たるものとして同項又は同条第9項の規定を適用することができるものとする。

  1. (1) 新たに取得した買換資産について事業の用に供するために改良、改造等を行った場合(その取得の日から1年以内に行った場合に限る。)
  2. (2) (1)の場合のほか、例えば建物の増築、構築物の拡張又は延長等をした場合のように、その改良、改造等により実質的に新たな資産を取得したと認められる場合

(土地造成費等)

68の78(1)−13 連結法人が、次に掲げるような宅地等の造成のための費用を支出した場合において、その金額が相当の額に上り、実質的に新たに土地を取得したことと同様の事情があるものと認められるときは、当該造成についてはその完成の時に新たな土地の取得があったものとし、当該費用の額をその取得価額として措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用があるものとする。

  1. (1) 自己の有する水田、池沼の土盛り等をして宅地等の造成をするための費用
  2. (2) 自己の有するいわゆるがけ地の切土をして宅地等の造成をするための費用

(貸地の返還を受けた場合に支払った立退料等)

68の78(1)−14 土地を他人に使用させていた連結法人が、借地人を立退かせるために立退料等を支払った場合には、措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、土地の取得があったものとし、当該支払った金額(その金額のうちに当該借地人から取得した建物、構築物の対価に相当する金額があるときは、当該金額を除く。)は、当該土地の取得価額とする。

(公有水面の埋立てをした場合の土地の取得の時期)

68の78(1)−15 連結法人が公有水面の埋立てにより取得した土地の取得の日は、原則として公有水面埋立法第22条第2項の規定による竣功認可の告示のあった日によるのであるが、連結法人が同日前に当該土地の全部又は一部につき使用を開始したときは、その使用を開始した部分については、その使用開始の日をもって取得の日とすることができる。

(建物が譲渡資産に該当するかどうかの判定)

68の78(1)−16 連結法人の有する建物が措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に規定する譲渡資産に該当するかどうかは、当該建物を譲渡する時の現況によって判定する。ただし、使用を休止している建物でその休止期間中必要な維持補修が行われておりいつでも使用し得る状態にあるものについては、その休止直前の状況によって判定するものとする。

(工場等の建物及びその附属設備の範囲)

68の78(1)−17 措置法第68条の78第1項の表の第1号の譲渡資産に係る措置法令第39条の7第2項に規定する工場、作業場、研究所、営業所、倉庫その他これらに類する施設(工場、作業場その他これらに類する施設が相当程度集積している区域として国土交通大臣が指定する区域内にあるもの及び福利厚生施設を除く。以下「工場等」という。)及びその附属設備には、工場等の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類するもの及びこれらの建物の附属設備並びに工場等において使用する電力に係る発電所又は変電所の用に供する建物及びこれらの建物の附属設備のように工場等の維持又はその効用を果たすために必要と認められる建物又はその附属設備が含まれる。(平15年課法2−22「三十六」、平23年課法2−17「三十七」、平24年課法2−17「二十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(福利厚生施設の範囲)

68の78(1)−18 措置法第68条の78第1項の表の第1号の譲渡資産並びに同表の第4号の買換資産に係る措置法令第39条の7第2項及び第39条の106第3項に規定する「福利厚生施設」には、社宅、寮、宿泊所、集会所、診療所、保養所、体育館その他のスポーツ施設、食堂その他これらに類する施設が含まれる。(平15年課法2−22「三十六」、平24年課法2−17「二十七」、平26年課法2−6「二十七」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(工場等の建物の敷地の用に供されている土地等の意義)

68の78(1)−19 措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に規定する「その敷地の用に供されている土地等」とは、連結法人が工場等として使用されている建物を有し、かつ、当該連結法人が当該建物の敷地の用に供されている土地又は土地の上に存する権利を有している場合における当該土地又は当該土地の上に存する権利をいう。(平24年課法2−17「二十七」、平26年課法2−6「二十七」、平29年課法2−17「三十」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(工場等の建物又は特定施設の敷地の用に供されている土地等の範囲)

68の78(1)−20 措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に規定する建物の敷地の用に供されている土地等は、当該建物の維持又はその効用を果たすために必要と認められる部分に限られ、当該敷地の用に供されている土地等に含まれるかどうかは、建ぺい率、容積率、土地の利用状況等を総合的に勘案して判定するものとする。
 措置法第68条の78第1項の表の第4号の下欄に規定する特定施設(以下「特定施設」という。)の敷地の用に供される土地等についても、同様とする。(平24年課法2−17「二十七」、平26年課法2−6「二十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(工場等の用とその他の用に共用されている建物の判定)

68の78(1)−21 措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に規定する建物について、一の建物が工場等の用とその他の用に共用されている場合には、床面積の比等の合理的な基準によってその用途の異なるごとに区分し、工場等の用に供されている部分について、措置法第68条の78第1項又は第9項の規定を適用するものとする。(平24年課法2−17「二十七」、平26年課法2−6「二十七」、平29年課法2−17「三十」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(注)

  1. 1 一の建物につき工場等の用に供されている部分とその他の用に供されている部分とに区分する場合において、廊下、階段、機械室その他共用されるべき部分(専らその他の用に供されている部分に係る廊下、階段等を除く。)は、工場等の用に供されている部分に含めることができる。
  2. 2 建物について工場等の用に供されている部分とその他の用に供されている部分とに区分する場合には、その敷地の用に供されている土地等についても、建物を区分した基準等の合理的な基準により区分する。

(所有期間が10年を超える土地等についての買換えの適用)

68の78(1)−22 連結法人により取得をされた日から引き続き所有されていた土地等でその所有期間(措置法第68条の78第1項の表の第1号に規定する所有期間をいう。以下同じ。)が10年を超えるものとともに、当該土地等の上に建設した建物で所有期間が10年を超えないものの譲渡をした場合には、当該建物は措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に掲げる資産に該当しないが、当該土地等は同欄に規定する他の要件を満たすものであれば、同欄に掲げる資産に該当することに留意する。
 同表の第4号の上欄に掲げる資産についても、これに準じて取り扱う。(平15年課法2−22「三十六」、平17年課法2−14「二十五」、平19年課法2−3「四十」、平20年課法2−1「三十二」、平23年課法2−17「三十七」、平26年課法2−6「二十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(注) 譲渡をした資産の所有期間が10年を超えるものであるかどうかの判定に当たり、当該資産が措置法令第39条の106第21項各号に掲げる資産に該当する場合には、同項の規定によりいわゆる取得日の引継ぎが認められているのであるから留意する。

(既成市街地等に含まれない埋立地の範囲)

68の78(1)−23 措置法第68条の78第1項の表の第1号の既成市街地等に該当しない区域である措置法令第39条の7第2項に規定する「同項の譲渡があった日の属する年の10年前の年の翌年1月1日以後に公有水面埋立法の規定による竣功認可のあった埋立地の区域」とは、当該譲渡のあった日の属する年の12月31日以前10年以内に当該竣功認可のあった埋立地の区域をいうことに留意する。(平15年課法2−22「三十六」により改正)

68の78(1)−24 削除(平26年課法2−6「二十七」により追加、平29年課法2−17「三十」により削除)

68の78(1)−25 削除(平26年課法2−6「二十七」により追加、平29年課法2−17「三十」により削除)

68の78(1)−26 削除(平26年課法2−6「二十七」により追加、平29年課法2−17「三十」により削除)

68の78(1)−27 削除(平15年課法2−22「三十六」により改正、平23年課法2−17「三十七」により削除)

68の78(1)−28 削除(平15年課法2−22「三十六」、平19年課法2−3「四十」により改正、平23年課法2−17「三十七」により削除)

68の78(1)−29 削除(平17年課法2−14「二十五」、平23年課法2−17「三十七」により改正、平26年課法2−6「二十七」により削除)

68の78(1)−30 削除(平17年課法2−14「二十五」、平23年課法2−17「三十七」により改正、平26年課法2−6「二十七」により削除)

(特定施設の敷地の用に供される土地等の意義)

68の78(1)−30の2 措置法第68条の78第1項の表の第4号の下欄の特定施設の敷地の用に供される土地等とは、土地又は土地の上に存する権利を取得した時において、現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものをいう。(平24年課法2−17「二十七」により追加、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(注) 特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものとは、例えば、取得した土地等を特定施設の敷地の用に供することとする具体的な計画があるものをいう。

(長期所有の土地等の買換えに係る面積の判定)

68の78(1)−30の3 連結法人が取得した土地等の面積が措置法第68条の78第1項の表の第4号の下欄に規定する300平方メートル以上であるかどうかの判定については、次による。(平24年課法2−17「二十七」により追加、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

  1. (1) 当該土地等が2以上の者の共有とされるものである場合には、当該土地等の総面積に当該連結法人の共有持分の割合を乗じて計算した面積を、当該連結法人が取得した土地等の面積として判定する。
  2. (2) 当該土地等が区分所有に係る特定施設の敷地の用に供されるものである場合には、当該土地等の総面積に当該特定施設の専有部分の総床面積のうちに当該連結法人の専有部分の床面積の占める割合を乗じて計算した面積を、当該連結法人が取得した土地等の面積として判定する。

(特定施設と特定施設以外の施設から成る一の施設の敷地の用に供される土地等の面積の判定)

68の78(1)−30の4 特定施設と特定施設以外の施設から成る一の施設の敷地の用に供される土地等が措置法第68条の78第1項の表の第4号の下欄に規定する面積の要件を満たしているかどうかの判定は、当該土地等の面積をそれぞれの施設の床面積の比等の合理的な基準によってそれぞれの施設に対応する部分に区分し、特定施設に対応する部分について行う。(平24年課法2−17「二十七」により追加、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(注) 上記の土地等を区分する場合において、廊下、階段、機械室その他共用される部分(専ら特定施設以外の施設の用に供される部分に係る廊下、階段等を除く。)は、特定施設に対応する部分に含めることができる。

(船舶の範囲)

68の78(1)−31 措置法第68条の78第1項の表の第5号の上欄の譲渡資産である船舶には、サルベージ船、工作船、起重機船その他の作業船にあっては、自力で水上を航行しないものも含まれるが、いわゆるかき船、海上ホテル等のようにその形状及び構造が船舶に類似していても主として建物又は構築物として用いることを目的として建造(改造を含む。)されたものは含まれないことに留意する。(平19年課法2−3「四十」、平20年課法2−1「三十二」、平23年課法2−17「三十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(海洋運輸業又は沿海運輸業の意義)

68の78(1)−31の2 措置法第68条の78第1項の表の第5号の譲渡資産に係る措置法令第39条の7第6項第1号に規定する海洋運輸業又は沿海運輸業(以下「海洋運輸業又は沿海運輸業」という。)は、海洋又は沿海において営む運送営業に限られるから、たとえ海上運送法の規定により船舶運航事業を営もうとする旨の届出をしていても、専ら自家貨物の運送を行う場合には、その営む運送は、海洋運輸業又は沿海運輸業に該当しないことに留意する。(平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(注) 海洋運輸業又は沿海運輸業については、日本標準産業分類(総務省)の「小分類451外航海運業」又は「小分類452沿海海運業」に分類する事業が該当する。

(日本船舶の意義)

68の78(1)−32 措置法第68条の78第1項の表の第5号の下欄の買換資産である船舶は日本船舶に限られるのであるが、当該日本船舶には、外国船籍であった船舶を取得し、これを日本船舶として登録した上運航の用に供した場合の当該船舶が含まれる。(平19年課法2−3「四十」、平20年課法2−1「三十二」、平23年課法2−17「三十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(土地造成費についての面積制限)

68の78(1)−33 連結法人が、その有する土地について造成等を行った場合において、68の78(1)−13により当該造成等を買換資産の取得として措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受けようとするときは、当該土地が譲渡資産の譲渡の日前おおむね10年以内に取得されたものであるときを除き、これにつき同条第2項(同条第10項において準用する場合を含む。以下68の78(1)−36までにおいて同じ。)の規定の適用はないものとする。

(共有地に係る面積制限)

68の78(1)−34 連結法人が土地に係る共有持分(借地権に係る準共有持分を含む。以下68の78(1)−34において同じ。)を譲渡し、又は買換資産として取得した場合における措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、当該土地の面積にその譲渡又は取得をした共有持分の割合を乗じて計算した面積を基礎として同条第2項の規定を適用する。

(仮換地に係る面積制限)

68の78(1)−35 連結法人が土地区画整理法等により仮換地の指定を受けた土地を譲渡し、又は買換資産として取得した場合における措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、当該仮換地の面積を基礎として同条第2項の規定を適用する。

(借地権又は底地に係る面積制限)

68の78(1)−36 連結法人が借地権等(借地権その他の土地の上に存する権利をいう。以下68の78(1)−36において同じ。)又は借地権等の設定されている土地(底地)を譲渡し、又は買換資産として取得した場合における措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、当該借地権等の目的となっている土地又は当該借地権等の設定されている土地の面積を基礎として同条第2項の規定を適用する。

(長期先行取得が認められるやむを得ない事情)

68の78(1)−37 買換資産の取得につき措置法第68条の78第3項(同条第10項において準用する場合を含む。)の規定を適用する場合における措置法令第39条の106第5項に定める「その他これに準ずる事情」には、譲渡資産について次に掲げるような事情があるためやむを得ずその譲渡が遅延した場合が含まれるものとする。(平15年課法2−22「三十六」、平17年課法2−14「二十五」、平19年課法2−3「四十」、平23年課法2−17「三十七」により改正)

  1. (1) 借地人又は借家人が容易に立退きに応じないため譲渡ができなかったこと。
  2. (2) 譲渡するために必要な広告その他の行為をしたにもかかわらず容易に買手がつかなかったこと。
  3. (3) (1)又は(2)に準ずる特別な事情があったこと。

(買換取得資産等の取得の日)

68の78(1)−38 措置法第68条の78第1項の表の第1号又は第4号の上欄に規定する取得の日につき特例が認められる譲渡資産は、措置法令第39条の106第21項各号に掲げる資産に限られるから、例えば、措置法第68条の78第1項の規定により圧縮記帳の規定の適用を受けている資産を譲渡しても、その資産の取得の日は、連結法人が実際にその資産を取得した日によることに留意する。(平15年課法2−22「三十六」、平17年課法2−14「二十五」、平19年課法2−3「四十」、平20年課法2−1「三十二」、平23年課法2−17「三十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(借地権者が土地を取得した場合等の土地等の取得の時期)

68の78(1)−39 措置法第68条の78第1項の表の第1号又は第4号の規定を適用する場合において、その譲渡資産が次に掲げるものに該当するときは、それぞれ次に定めるところによる。(平15年課法2−22「三十六」、平19年課法2−3「四十」、平20年課法2−1「三十二」、平23年課法2−17「三十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

  1. (1) 借地権を有する連結法人が当該借地権に係る土地を取得したことにより借地権が消滅した土地 消滅した借地権に対応する部分の土地はその借地権の取得の日に取得し、当該借地権に対応する部分以外の部分の土地は、その土地の取得の日に取得したものとする。
  2. (2) 借地権の返還を受けた土地 返還に際して支払った立退料等の額に対応する部分の土地は、その返還を受けた日に取得し、それ以外の部分の土地は、その土地の取得の日に取得したものとする。

(市街地再開発事業の施行に伴う権利変換等により取得した建物等の取得の時期等)

68の78(1)−40 連結法人が、措置法第68条の72第1項又は第5項の規定の適用を受けた同条第1項に係る措置法第65条第1項第4号から第6号までに規定する権利又は当該権利に基づき取得した建物で措置法第68条の72第7項から第9項までの規定の適用を受けたものを譲渡した場合における措置法第68条の78第1項の表の第1号又は第4号の規定の適用については、次によることに留意する。(平15年課法2−22「三十六」、平16年課法2−14「二十八」、平19年課法2−3「四十」、平20年課法2−1「三十二」、平23年課法2−17「三十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

  1. (1) 当該権利を譲渡した場合において、当該権利の取得の基因となった譲渡資産の所有期間が10年を超えるときは、当該権利は同項の表の第1号又は第4号の上欄に掲げる資産に該当する。
  2. (2) 当該権利に基づき取得した建物で措置法第68条の72第7項から第9項までの規定の適用を受けたものを譲渡した場合には、当該権利の取得の基因となった譲渡資産の取得の日に当該建物を取得したものとする。

(借地権を消滅させた後土地の譲渡をした場合等の譲渡対価の区分)

68の78(1)−41 連結法人が68の78(1)−39に該当する土地の譲渡(当該土地に係る借地権の設定を含む。)をした場合(その土地の一部が措置法第68条の78第1項の表の第1号又は第4号の上欄に掲げる土地に該当しないものとされる場合に限る。)において、これらの号の規定の適用を受けるときは、当該各号の上欄に掲げる土地に該当するものとされる部分の土地の譲渡について当該各号の規定を適用する。この場合におけるその譲渡対価の額及び譲渡直前の帳簿価額の区分は、68の68(2)−8、68の68(2)−9、68の68(3)−2及び68の68(3)−3の取扱いに準ずるものとする。(平15年課法2−22「三十六」、平19年課法2−3「四十」、平20年課法2−1「三十二」、平23年課法2−17「三十七」、平29年課法2−17「三十」、令2年課法2−17「二十五」、令3年課法2−21「二十四」により改正)

(交換の場合の買換資産)

68の78(1)−42 連結法人が、措置法第68条の78第1項の表の各号の上欄に掲げる資産と当該各号の下欄に掲げる資産とを交換し、当該交換について措置法第68条の80の規定を適用する場合には、同条の交換取得資産をもって交換譲渡資産の買換資産とする。したがって、当該交換に係る譲渡対価の額については、当該交換に伴い交換譲渡資産の価額と交換取得資産の価額との差額を補うために金銭を取得した場合における当該金銭の額に係る部分を除き、措置法第68条の79の規定の適用はないことに留意する。

(支払った交換差金についての買換えの適用)

68の78(1)−43 連結法人が資産の交換をした場合(措置法第68条の80及び法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第50条の規定の適用を受ける場合を除く。)において、当該交換に伴い交換差金を支払ったときは、当該交換により取得した資産のうち当該交換差金に対応する部分については、買換えにより取得した資産として取り扱うことができるものとする。したがって、当該資産が措置法第68条の78第1項の表の各号の下欄に掲げる買換資産のいずれかに該当する場合において、連結法人がその該当する号の上欄に該当する譲渡資産を有するときは、これらの資産の譲渡及び取得については措置法第68条の78の規定の適用がある。