直法2−27
昭和49年3月11日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

 標題のことについて、通商産業省立地公害局長林信太郎から別紙2のとおり照会があり、これに対し別紙1のとおり回答したから、これによられたい。

別紙1

直法2−26
昭和49年3月11日

通商産業省立地公害局長
林信太郎 殿

国税庁長官 安川七郎

 標題のことについては、お申出のとおり取扱うこととします。

別紙2

48立局第219号
昭和48年12月10日

国税庁長官
安川七郎 殿

通商産業省立地公害局長
林信太郎

 有明海における第3水俣病の発見の報道、水産庁のPCB汚染水域の発表を契機として、漁業の操業の停止、水産物の販売の不振等により、一連の漁介類を取扱う、漁業者、水産加工業者、生鮮魚介類の販売業者、すしを扱う飲食店等(以下「被害漁業者等」という。)の被害が深刻な社会問題となった。水銀又はPCBによる汚染又は汚染のおそれに起因して著しい被害を受けるこれら被害漁業者等の経営の維持、安定を図るため、これら被害漁業者等に対して緊急融資を行う旨閣議了解された。これは、行政措置として実行されることとなったが、その直後「水銀等による水産動植物の汚染に係る被害漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法」が制定され、同法に継承されることとなったものである。
 特別措置法は、都道府県及び市町村が、被害漁業者等に対し融資機関が経営資金を貸し付けるとき、当該貸付けについて利子補給を行うこと及び水銀等による汚染等の影響が著しいと認められる特定地域に係る貸付けの損失を補償する旨の契約の締結、並びに政府はこれら利子補給及び損害補償に要する経費の一部を補助することを内容としている。
 この措置の対象となる融資機関が貸付ける経営資金は一定の融資条件に適合するものに限られており、この場合融資を受ける被害漁業者等の金利負担率が年3%となっている。
 さて、この閣議了解された、水銀・PCB汚染関連中小企業緊急金融措置における融資を受ける被害漁業者等の支払うべき年3%の金利負担について中曽根通商産業大臣と植村経済団体連合会々長との間に「産業界は被害漁業者等が負担することとなる金利3%相当分の肩代りを行うこと」に関し了承された。このことは、昭和48年7月6日及び8月31日の衆議院商工委員会における中曽根大臣の答弁に記録されている。
 その後本金融措置は前述したとおり「水銀等による水産動植物の汚染に係る被害漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法」に継承され実行されることとなったが、特定地域に係る被漁業者等の負担する金利3%相当分の産業界の肩代りについても、そのまま受け継がれている。
 この資金は、水銀、PCBをかつて製造若しくは使用したことのあると思われる事業者を主体とし、さらにこれら事業者に関連のある事業者が拠出することとなっている。
 ついては、この個々の事業者が拠出する金は、公害防止等について社会的責務を持つ事業者がその責務において拠出するものであり、事業者の事業遂行に伴って発生する事業経費であると考えられるので、法人税法上その拠出の時に損金の額に算入しうることとするようよろしくお取りはからい下さい。