官審(法)35
昭和45年8月10日
国税局長 殿
国税庁長官
標題のことについて、納税者から別紙2のとおり照会があり、これに対し当庁特別審理室参事官名をもって別紙1のとおり回答したから了知されたい。
(趣旨)
法人が、その賞与支給規程において定める支給対象期間経過後に入社した使用人等に対し僅少額の賞与を支給しているときは、「前年の1人当たり賞与支給額」が低目に計算される結果、一般の場合に比べて賞与引当金勘定の繰入限度額が少なく算出される不合理があるので、その調整を行なえることとしたものである。
別紙 1
官審(法)34
昭和45年8月10日
○○株式会社
取締役 経理部長 殿
国税庁特別審理室 参事官
標題のことについては、支給対象期間経過後に入社した者に対して支給する賞与の額が僅少であることにかえりみ、お申出のとおり取り扱うことといたします。
別紙 2
国税庁直税部長
佐藤健司 殿
○○株式会社 取締役経理部長
法人税法施行令第103条第2項に規定する賞与引当金の繰入限度額の計算における「前年の1人当たり賞与支給額」の算出方法について、ご照会致します。
弊社は、毎年7月、12月に従業員に対して、賞与を支払っており、その支給対象期間は、支給日の直前の事業年度(3月、9月)と賞与支給規程において定めております。また、賞与支給の際に、当該支給対象期間に在職する従業員のほかに、支給対象期間終了後支給日までの間に新規に入社した者に対しても、勤労意欲を失わぬよう、僅少額の「金一封」(1人当たり1,000円乃至5,000円)を支給することが慣例となっています。この場合、「前年の1人当たり賞与支給額」の計算上、新規入社者に対する「金一封」の金額及びその支給人員数を前年の賞与支給金額及びその対象人員数に含めるべきか否かについては、法文上必ずしも明白ではありません。仮に含めて計算するものとしますと、「金一封」の1人当たり金額が一般従業員に対する賞与の額に比較してきわめて少額であるため、「前年の1人当たり賞与支給額」が著しく過少に算出されることになります。これに対して、当該事業年度終了の時に在職する従業員は、賞与の支給対象人員のみ(「金一封」の支給対象者は在職せず)ですから、この方法による場合、賞与引当金として積立て得る金額は、
実際に支給すべき賞与の額に比較して著しく低くなるという不合理な結果となります。したがって、弊社としては、賞与引当金の繰入限度額の計算の基礎となる「前年の1人当たり賞与支給額」について、新規入社者に対する「金一封」の金額及びその支給人員数を前年の賞与支給額及びその対象人員数から除外してこれを算出することに致したいと存じますが、税法上差支えないかどうか、ご教示いただきたいと存じます。
以上