直審(法)14
昭和38年2月6日
国税局長 殿
国税庁長官
標題のことについて、下記のとおり定めたから、これにより取り扱われたい。
(趣旨)
電気事業を営む法人または電源開発株式会社は、その有する発電所の上流にダム等が建設されることにより、発電所の利用率が増加して著しく利益を受ける場合は、電源開発促進法(昭和27年法律第283号)または特定多目的ダム法(昭和32年法律第35号)の規定により、そのダム等の建設費等の一部を負担するが、その負担した金額の償却等に関する取扱を定めたものである。
記
(下流増負担金の償却方法)
1 電気事業を営む法人または電源開発株式会社(以下「電気事業者等」という。)が支払う次に掲げる金額(以下「下流増負担金」という。)は、法人税法施行規則(以下「規則」という。)第21条の8第1項に規定する繰延費用とし、その償却の基礎となる期間は40年とする。
(償却の始期)
2 下流増負担金の償却の開始の日は、その支払うこととなる金額の総額につき、その負担すべきことが確定した日とその負担の原因となつたダム等または多目的ダムの使用開始の日とのいずれか遅い日とする。
(支払利息の区分計算)
3 下流増負担金を年賦払等の方法により分割して支払うこととなる場合において、各事業年度において支払う下流増負担金の額とその利息に相当する部分の金額とが相手方との契約書等において明確に区分されており、かつ、当該利息の額のうち各事業年度中に経過した期間に対応する金額を計算することができるものであると認められるときは、当該支払利息に相当する金額は、繰延費用の金額に含めないで、各事業年度中に経過した期間に対応する金額を当該事業年度の損金に算入することができる。
(既往に支払つた下流増負担金の取扱)
4 電気事業者等が、この通達の日付の日前に支払うべきことが確定した下流増負担金については、次により取り扱う。
(圧縮記帳)
5 電気事業者等が下流増負担金を収入することとなる場合には、その収入することとなる下流増負担金の総額につき、その収入すべきことが確定した日を含む事業年度において規則第12条の規定の適用があるのであるが、この場合において、当該電気事業者等が設置または改良したダム等(土地を含む。以下同じ。)を構成する個別の資産に対応する下流増負担金の収入金額は、それぞれ次に掲げる算式によつて計算した金額による。
(算式)
(受取利息の区分計算)
6 電気事業者等が下流増負担金を年賦払等により収入することとなる場合は、各事業年度において収入する金額のうち利息に相当する部分の金額については、各事業年度中に経過した期間に対応する金額を当該事業年度の益金に算入する。
(既往に収入した下流増負担金の取扱)
7 電気事業者等がこの通達の日付の日前に収入すべきことが確定した下流増負担金につき、その収入すべきことが確定した日を含む事業年度において規則第12条の規定の適用を受けなかつたが、この通達の日付の日を含む事業年度までにおいてその適用があるものとして圧縮記帳の計算をしたときは、これを認める。この場合においてダム等に付けることができる帳簿価額は、次の算式によつて計算した金額を下らない金額とする。
(算式)