直法1―116
昭和31年7月5日

国税局長 殿

国税庁長官

標題のことについて、別紙のとおり福岡国税局長から照会があつたが、これについては下記により取り扱うこととしたから、これにより処理することとされたい。

1 専門店会の行う業務は、加盟店のために、消費者たる会員を募集してこれに商品引換券を発行することによりその顧客の増加を図るとともに、加盟店の会員に対する売掛債権の取立委任を受け、これと引換えに当該債権金額に相当する金額をこれに供与することを目的とした包括的な請負業と認められ、その請負契約は、専門店会が加盟店に対して商品引換券と引換えに券面金額を支払つたつど部分的に完成したものとして取り扱うものとすること。したがつて、当該請負契約に基いて専門店会が加盟店から受ける手数料は、原則として、商品引換券と引換えに券面金額を支払つた日を含む事業年度の益金に算入するものとすること。

2 専門店会が加盟店から当該債権の譲渡を受け、且つ、その危険を負担する旨契約している場合において、商品引換券と引換えに券面金額を支払つた際に受けた手数料を1により全額益金に計上せず、これを繰延整理し、各事業年度において会員から回収すべき債権金額に応じて益金に計上しているものについては、毎期その方法を継続している場合に限り、その計算を認めるものとすること。

別紙

福局直法(審)第289号
昭和30年7月29日

国税庁長官 殿

福岡国税局長

 小売業者を加盟店とし消費者を会員とする専門店会が下記の形態により物品販売の仲介をなし、会員と加盟店の取引によつて生じた加盟店の売掛金を譲り受け一定の手数料を差し引いた残額を加盟店に支払い、その際生ずる手数料について、各事業年度末において存する未収債権の割合に応じて計算した当該金額を未経過手数料勘定として貸借対照表の貸方勘定に計上したものの法人税課税上の取扱方について次のとおり甲説、乙説の2説があり、いずれに従うべきか疑義があるので至急御指示仰ぎたく上申いたします。(中略)

1 「甲説」専門店会は実質的に自己の名において商店売買の当事者となるのでなく債権の譲渡を受けて月賦にて回収を行うものであり月賦販売でないから法人税基本通達250の規定の適用はできない。手数料は債権を引受けた時に発生するものであつて債権の回収を月賦とすることと直接関係はないので債権引受時の利益として一時に課税すべきである。

2 「乙説」引受債権の回収が現に月賦となつており直接物品を販売する者ではないが法人税基本通達250の規定に準じて取り扱うが至当である。

(以下略)