(株式の割当てを受ける権利の評価)

190 株式の割当てを受ける権利の価額は、その株式の割当てを受ける権利の発生している株式について、169≪上場株式の評価≫、174≪気配相場等のある株式の評価≫、177≪気配相場等のある株式の評価の特例≫、187≪株式の割当てを受ける権利等の発生している株式の価額の修正≫、188−2≪同族株主以外の株主等が取得した株式の評価≫若しくは前項の定めにより評価した価額又は189≪特定の評価会社の株式≫に定める特定の評価会社の株式を188−2≪同族株主以外の株主等が取得した株式の評価≫の本文の定めにより評価した価額に相当する金額から割当てを受けた株式1株につき払い込むべき金額を控除した金額によって評価する。ただし、課税時期において発行日決済取引が行われている株式に係る株式の割当てを受ける権利については、その割当てを受けた株式について169≪上場株式の評価≫の定めにより評価した価額に相当する金額から割当てを受けた株式1株につき払い込むべき金額を控除した金額によって評価する。(昭47直資3−16・昭58直評5外・平2直評12外・平18課評2−27外改正)

(株主となる権利の評価)

191 株主となる権利の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(昭47直資3−16・昭58直評5外・平2直評12外・平12課評2−4外・平18課評2−27外改正)

(1) 会社設立の場合の株主となる権利の価額は、課税時期以前にその株式1株につき払い込んだ価額によって評価する。

(2) (1)に該当しない株主となる権利の価額は、その株主となる権利の発生している株式について、169≪上場株式の評価≫、174≪気配相場等のある株式の評価≫、177≪気配相場等のある株式の評価の特例≫、187≪株式の割当てを受ける権利等の発生している株式の価額の修正≫、188−2≪同族株主以外の株主等が取得した株式の評価≫若しくは189−7≪株式の割当てを受ける権利等の発生している特定の評価会社の株式の価額の修正≫の定めにより評価した価額又は189≪特定の評価会社の株式≫に定める特定の評価会社の株式を188-2≪同族株主以外の株主等が取得した株式の評価≫の本文の定めにより評価した価額に相当する金額(課税時期の翌日以後その株主となる権利につき払い込むべき金額がある場合には、その金額からその割当てを受けた株式1株につき払い込むべき金額を控除した金額)によって評価する。ただし、課税時期において発行日決済取引が行われている株式に係る株主となる権利については、その割当てを受けた株式について、169≪上場株式の評価≫の定めにより評価した価額に相当する金額(課税時期の翌日以後その株主となる権利につき払い込むべき金額がある場合には、その金額から払い込むべき金額を控除した金額)によって評価する。

(株式無償交付期待権の評価)

192 株式無償交付期待権の価額は、その株式無償交付期待権の発生している株式について、169≪上場株式の評価≫、174≪気配相場等のある株式の評価≫、177≪気配相場等のある株式の評価の特例≫、187≪株式の割当てを受ける権利等の発生している株式の価額の修正≫、188−2≪同族株主以外の株主等が取得した株式の評価≫若しくは189−7≪株式の割当てを受ける権利等の発生している特定の評価会社の株式の価額の修正≫の定めにより評価した価額又は189≪特定の評価会社の株式≫に定める特定の評価会社の株式を188−2≪同族株主以外の株主等が取得した株式の評価≫の本文の定めにより評価した価額に相当する金額によって評価する。ただし、課税時期において発行日決済取引が行われている株式に係る無償交付期待権については、その株式について169≪上場株式の評価≫の定めにより評価した価額に相当する金額によって評価する。(昭47直資3-16・昭58直評5外・平2直評12外・平12課評2−4外・平18課評2−27外改正)

(配当期待権の評価)

193 配当期待権の価額は、課税時期後に受けると見込まれる予想配当の金額から当該金額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額(特別徴収されるべき道府県民税の額に相当する金額を含む。以下同じ。)を控除した金額によって評価する。(昭55直評20外・昭58直評5外・平2直評12外・平11課評2−2外・平28課評2−10外改正)

(ストックオプションの評価)

193−2 その目的たる株式が上場株式又は気配相場等のある株式であり、かつ、課税時期が権利行使可能期間内にあるストックオプションの価額は、課税時期におけるその株式の価額から権利行使価額を控除した金額に、ストックオプション1個の行使により取得することができる株式数を乗じて計算した金額(その金額が負数のときは、0とする。)によって評価する。この場合の「課税時期におけるその株式の価額」は、169((上場株式の評価))から172((上場株式についての最終価格の月平均額の特例))まで又は174((気配相場等のある株式の評価))から177−2((登録銘柄及び店頭管理銘柄の取引価格の月平均額の特例))までの定めによって評価する。(平15課評2−15外追加)

(上場新株予約権の評価)

193−3  上場新株予約権の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(平26課評2−19外追加)

(1) 新株予約権が上場期間内にある場合

イ ロに該当しない上場新株予約権の価額は、その新株予約権が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格(課税時期に金融商品取引所の公表する最終価格がない場合には、課税時期前の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格とする。以下この項において同じ。)と上場期間中の新株予約権の毎日の最終価格の平均額のいずれか低い価額によって評価する。

ロ 負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した上場新株予約権の価額は、その新株予約権が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価する。

(2) 上場廃止された新株予約権が権利行使可能期間内にある場合

課税時期におけるその目的たる株式の価額から権利行使価額を控除した金額に、新株予約権1個の行使により取得することができる株式数を乗じて計算した金額(その金額が負数のときは、0とする。以下この項において同じ。)によって評価する。この場合の「課税時期におけるその目的たる株式の価額」は、169((上場株式の評価))から172((上場株式についての最終価格の月平均額の特例))までの定めによって評価する(以下この項において同じ。)。
 ただし、新株予約権の発行法人による取得条項が付されている場合には、課税時期におけるその目的たる株式の価額から権利行使価額を控除した金額に、新株予約権1個の行使により取得することができる株式数を乗じて計算した金額と取得条項に基づく取得価格のいずれか低い金額によって評価する。

(持分会社の出資の評価)

194 会社法第575条第1項に規定する持分会社に対する出資の価額は、178≪取引相場のない株式の評価上の区分≫から前項までの定めに準じて計算した価額によって評価する。(昭59直評7外・平18課評2−27外改正)

(医療法人の出資の評価)

194−2 医療法人に対する出資の価額は、178((取引相場のない株式の評価上の区分))の本文、179((取引相場のない株式の評価の原則))から181((類似業種))本文まで、182((類似業種の株価))から183−2((類似業種の1株当たりの配当金額等の計算))まで、184((類似業種比準価額の修正))の(2)、185((純資産価額))の本文、186((純資産価額計算上の負債))から186−3((評価会社が有する株式等の純資産価額の計算))まで、187((株式の割当てを受ける権利等の発生している株式の価額の修正))の(2)、189((特定の評価会社の株式))、189-2((比準要素数1の会社の株式の評価))から189−4((土地保有特定会社の株式又は開業後3年未満の会社等の株式の評価))(185((純資産価額))のただし書の定め及び188−2((同族株主以外の株主等が取得した株式の評価))の定めを適用する部分を除く。)まで及び189−5((開業前又は休業中の会社の株式の評価))から192((株式無償交付期待権の評価))までの定めに準じて計算した価額によって評価する。この場合において、181((類似業種))の「評価会社の事業が該当する業種目」は同項の定めにより別に定める業種目のうちの「その他の産業」とし、189((特定の評価会社の株式))の(1)の「比準要素数1の会社の株式」に相当する医療法人に対する出資は、183((評価会社の1株当たりの配当金額等の計算))の(2)又は(3)に定める「1株当たりの利益金額」又は「1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」のそれぞれ金額のうち、いずれかが0であり、かつ、直前々期末を基準にして同項の定めに準じそれぞれの金額を計算した場合に、それぞれの金額のうち、いずれか1以上が0である評価対象の医療法人の出資をいい、180((類似業種比準価額))及び189-3((株式等保有特定会社の株式の評価))の(1)のイに定める算式は、それぞれ次の算式による。(昭59直評7外追加、平2直評12外・平11課評2−2外・平12課評2-4外・平18課評2−27外・平20課評2-5外・平29課評2-12外・平29課評2-46外改正)

(1) 180((類似業種比準価額))に定める算式
180に定める算式
 ただし、上記算式中の「0.7」は、178((取引相場のない株式の評価上の区分))に定める中会社に相当する医療法人に対する出資を評価する場合には「0.6」、同項に定める小会社に相当する医療法人に対する出資を評価する場合には「0.5」とする。

(2) 189-3((株式等保有特定会社の株式の評価))の(1)のイに定める算式
189-3のイに定める算式
 ただし、上記算式中の「0.7」は、178((取引相場のない株式の評価上の区分))に定める中会社に相当する医療法人に対する出資を評価する場合には「0.6」、同項に定める小会社に相当する医療法人に対する出資を評価する場合には「0.5」とする。

(農業協同組合等の出資の評価)

195 農業協同組合等、196((企業組合等の出資の評価))の定めに該当しない組合等に対する出資の価額は、原則として、払込済出資金額によって評価する。

(企業組合等の出資の評価)

196 企業組合、漁業生産組合その他これに類似する組合等に対する出資の価額は、課税時期におけるこれらの組合等の実情によりこれらの組合等の185((純資産価額))の定めを準用して計算した純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)を基とし、出資の持分に応ずる価額によって評価する。(昭58直評5外改正)