第4節 給与所得者の源泉徴収に関する申告

(申告書の記載事項に誤りがあったため徴収不足税額を生じた場合の支払者の措置)

194から198共-1 給与等の支払者は、その提出を受けた給与所得者の扶養控除等申告書、従たる給与についての扶養控除等申告書、給与所得者の配偶者控除等申告書、給与所得者の基礎控除申告書又は給与所得者の保険料控除申告書の記載事項に誤りがあったことにより生じた徴収不足税額があることを知った場合には、直ちにその不足税額を徴収し、納付するものとする。この場合において、当該徴収不足税額が前年分以前の給与等につき生じたものであるときは、当該徴収不足税額は、183から193共-8に定めるところに準じて計算することができるものとする。(昭63直法6-1、直所3-1、平29課法10−13、課個2−22、課審5−8、令元課個2−22、課法11−3、課審5−12改正)

(申告書の記載事項に誤りがあったことによる徴収不足税額の強制徴収)

194から198共-2 194から198共-1の場合において、給与等の支払者が当該徴収不足税額を徴収して納付しないときは、法第221条第1項《源泉徴収に係る所得税の徴収》の規定により、当該徴収不足税額を当該給与等の支払者から徴収することに留意する。ただし、給与等の支払者に当該徴収不足税額を生じたことについて過失がないと認められ、かつ、当該徴収不足税額を徴収して納付することができないことについて正当な事由があると認められる場合には、強いて追求しないものとする。(令2課個2−12、課法11−3、課審5−6改正)

(確定所得申告に係る取扱いの準用)

194から198共-3 学術、技芸の習得のため国外に居住することとなった親族が、給与所得者の扶養控除等申告書、従たる給与についての扶養控除等申告書又は給与所得者の配偶者控除等申告書に非居住者である旨を記載すべき親族(給与所得者の配偶者控除等申告書にあっては非居住者である配偶者)に該当するかどうかの判定については、120-6の取扱いに準じ、法第194条第4項、同条第6項、第195条第4項又は第195条の2第2項の規定により提出又は提示しなければならない書類の取扱いについては、120-7から120-9までの取扱いに準ずる。(平27課個2-11、課法10-16、課審5-7追加、平29課法10−13、課個2−22、課審5−8改正)


法第194条《給与所得者の扶養控除等申告書》及び第195条《従たる給与についての扶養控除等申告書》関係

(給与所得者の扶養控除等申告書等の期限後提出)

194・195-1 給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書が所定の期日後に提出された場合には、その提出後最初に支払う給与等から、これらの申告書に記載されたところにより徴収税額を計算する。(平27課個2-11、課法10-16、課審5-7改正)

(注) これらの申告書に法第194条第1項第7号又は第195条第1項第4号に規定する非居住者である親族の記載がある場合において、法第194条第4項又は第195条第4項に規定する書類の提出又は提示が所定の期日後にされたときは、上記に準じて徴収税額を計算する。

(源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族、障害者等の控除を受けない者の申告)

194・195-2 給与所得者の扶養控除等申告書を提出すべき者が、源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族、障害者等の控除を受けないため、給与等の支払者に関する事項だけを申告する場合には、連記式その他の簡易な方法により申告することができる。(平22課個2-16、課法9-1、課審4-30、平29課法10−13、課個2−22、課審5−8改正)

(申告書に記載する源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族、障害者等の判定)

194・195-3 給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書(以下この項において「扶養控除等申告書等」という。)に記載すべき源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族、障害者等に該当するかどうかは、当該申告書を提出する日の現況により判定する。この場合において、次に掲げる事項については、それぞれ次による。(平22課個2-16、課法9-1、課審4-30、平29課法10−13、課個2−22、課審5−8、令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)

(1) その判定の要素となる所得金額及び法第2条第1項第34号の2ロ(3)((定義))に規定する支払の金額 扶養控除等申告書等(法第194条第5項に規定する申告書を除く。)を提出する日の現況により見積もったその年の合計所得金額及び当該支払の金額の合計額による。

(2) その判定の要素となる年齢 その年12月31日(扶養控除等申告書等を提出する時までに死亡した者については、その死亡の時)の現況による。

(注)

1 法第194条第5項に規定する申告書を提出する場合において、扶養親族が法第2条第1項第34号の2ロ(3)に規定する「その居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者」に該当するかどうかの判定は、当該申告書を提出する日の現況において、2−50により行うのであるが、この場合、2−50中「その年最後の支払の日の電信売買相場の仲値又は当該最後の支払に係る実際に適用された外国為替の売買相場」とあるのは、「法第194条第5項に規定する申告書を提出する直前の支払の日の電信売買相場の仲値又は当該支払に係る実際に適用された外国為替の売買相場」と読み替える。

2 上記(2)の年齢は、法第2条第1項第34号に規定する児童(いわゆる里子)に該当するかどうかを判定する場合等に必要となることに留意する。

(障害者である源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族に係る控除を従たる給与等から行う場合)

194・195-4 従たる給与についての扶養控除等申告書を提出して従たる給与等から控除することができるのは、源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の控除に限られ、障害者、寡婦、ひとり親及び勤労学生の控除は主たる給与等(法第185条第1項第1号((賞与以外の給与等に係る徴収税額))及び第186条第1項第1号((賞与に係る徴収税額))に掲げる給与等をいう。以下194・195-5までにおいて同じ。)からのみ控除することができるのであるから、障害者である源泉控除対象配偶者(同一生計配偶者に該当する者に限る。)及び控除対象扶養親族については、障害者の控除は主たる給与等から行い、源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の控除は従たる給与等から行うことができることに留意する。(昭57直所3-15、直法6-13、直資3-8、平16課個2-23、課資3-7、課法8-8、課審4-33、平22課個2-16、課法9-1、課審4-30、平29課法10−13、課個2−22、課審5−8、令2課個2−12、課法11−3、課審5−6改正)

(主たる給与等と従たる給与等との間の源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の移替え)

194・195-5 従たる給与等に係る源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族として従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された者については、同一年中においてその者を主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族に移し替えることはできないのであるが、主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族として給与所得者の扶養控除等申告書に記載された者については、その者の主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族から除外する旨の記載をした当該申告書に係る異動申告書を提出し、かつ、その除外した者を従たる給与等に係る源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族に追加する旨の記載をした従たる給与についての扶養控除等申告書を提出することにより、従たる給与等に係る源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族に移し替えることができることに留意する。(平22課個2-16、課法9-1、課審4-30、平29課法10−13、課個2−22、課審5−8改正)

(年の中途で退職した者に係る給与所得者の扶養控除等申告書等の効力)

194・195-6 給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書を提出した者が年の中途においてその提出を経由した給与等の支払者のもとを退職した場合には、これらの申告書はその退職により効力を失うものとする。ただし、その退職後その年中に当該支払者がその退職した者に給与等の追加払等をする場合において、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げることが明らかなときは、当該追加払等をする給与等に係る源泉徴収税額は、これらの申告書が退職後も引き続き効力を有するものとして計算して差し支えない。(平22課個2-16、課法9-1、課審4-30、平29課法10−13、課個2−22、課審5−8改正)

  1. (1) その退職した者が給与所得者の扶養控除等申告書を提出した者である場合 その追加払等をする時において、その退職した者が他の給与等の支払者を経由して給与所得者の扶養控除等申告書を提出していないこと。
  2. (2) その退職した者が従たる給与についての扶養控除等申告書を提出した者である場合 その追加払等をする時において、その退職した者が他の給与等の支払者を経由して当該申告書に記載されている源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族を記載した給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書を提出していないこと。