(工事の請負の範囲)

66−1 法第66条第1項に規定する工事(以下66―9までにおいて「工事」という。)の請負には、設計、監理等の役務の提供のみの請負は含まれないのであるが、工事の請負と一体として請け負ったと認められるこれらの役務の提供の請負については、当該工事の請負に含まれることに留意する。(平11課所4−1追加、平20課個2−17、課審4−186、課法9−3改正)

(契約の意義)

66−2 法第66条第1項に規定する「契約」とは、当事者間における請負に係る合意をいうのであるから、当該契約に関して契約書等の書面が作成されている必要はないのであるから留意する。(平11課所4−1追加)

(契約において手形で請負の対価の額が支払われることになっている場合の取扱い)

66−3 令第192条第2項《支払条件に係る長期大規模工事の判定》に規定する「支払われること」には、契約において定められている支払期日に手形により支払われる場合も含まれることに留意する。(平11課所4−1追加)

(長期大規模工事に該当するかどうかの判定単位)

66−4 請け負った工事が法第66条第1項に規定する長期大規模工事に該当するかどうかは、当該工事に係る契約ごとに判定するのであるが、複数の契約書により工事の請負に係る契約が締結されている場合であって、当該契約に至った事情等からみてそれらの契約全体で一の工事を請け負ったと認められる場合には、当該工事に係る契約全体を一の契約として長期大規模工事に該当するかどうかの判定を行うことに留意する。(平11課所4−1追加)

(工事の目的物について個々に引渡しが可能な場合の取扱い)

66−5 工事の請負に係る一の契約においてその目的物について個々に引渡しが可能な場合であっても、当該工事が法第66条第1項に規定する長期大規模工事に該当するかどうかは、当該一の契約ごとに判定することに留意する。
 ただし、その目的物の性質、取引の内容並びに目的物ごとの請負の対価の額及び原価の額の区分の状況などに照らして、個々に独立した契約が一の契約書に一括して記載されていると認められる工事の請負については、当該個々に独立した契約ごとに長期大規模工事の判定を行うことができる。(平11課所4−1追加)

(長期大規模工事に該当しないこととなった場合の取扱い)

66−6 長期大規模工事に該当する工事について、請負の対価の額の減額や工事期間の短縮があったこと等により、その着工の年の翌年以後において長期大規模工事に該当しないこととなった場合であって、その工事について工事進行基準の適用をしないこととしたときであっても、その適用しないこととした年の前年以前の各年分において計上した当該工事の請負に係る収入金額及び費用の額を既往にさかのぼって修正することはしないのであるから留意する。(平11課所4−1追加)

(長期大規模工事の着手の日の判定)

66−7 令第192条第7項(同条第10項の規定により準用される場合を含む。)に規定する「その請け負つた工事の内容を完成するために行う一連の作業のうち重要な部分の作業」を開始した日がいつであるかについては、当該工事の種類及び性質、その工事に係る契約の内容、慣行等に応じてその「重要な部分の作業」を開始した日として合理的であると認められる日のうち継続して判定の基礎としている日によるものとする。(平11課所4−1追加、平20課個2−17、課審4−186、課法9−3改正)

66−8 削除(平20課個2−17、課審4−186、課法9−3改正)

(損失が見込まれる場合の工事進行基準の適用)

66−9 その年の12月31日の現況において見込まれる工事損失の額(その時の現況により見積もられる工事の原価の額が、その請負の対価を超える場合における当該超える部分の金額をいう。)のうち当該工事に関して既に計上した損益の額を差し引いた額(以下「工事損失引当金相当額」という。)を当該年分に係る工事原価の額として計上している場合であっても、そのことをもって、法第66条第2項に定める「工事進行基準の方法により経理したとき」に該当しないとは取り扱わない。
 この場合において、当該工事損失引当金相当額は、同項の規定により当該年分において必要経費に算入されることとなる工事の請負に係る費用の額には含まれないことに留意する。(平20課個2−17、課審4−186、課法9−3追加)


(前々年分の所得金額の判定)

67−1 令第195条第1号《小規模事業者の要件》に規定する「その年の前々年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額……の合計額が300万円以下」であるかどうかは、法第67条第1項の規定の適用を受けようとする年の前年末現在において確定しているところにより、また、当該前々年分の不動産所得又は事業所得のいずれかに赤字が生じている場合には、当該赤字の金額は他の黒字の金額と相殺したところにより判定するものとする。ただし、当該前年末現在において確定している金額が300万円を超える者であっても、不服申立てに対する決定等により、令第197条第1項《収入及び費用の帰属時期の特例を受けるための手続等》に規定する届出書の提出期限(前年分の所得税につき法第67条第1項の規定の適用を受けていた者については、その年の3月15日) までに300万円以下となった者については、令第195条第1号に規定する要件を満たすものとして差し支えない。(昭46直審(所) 19、昭49直所2−23、平11課所4−1、令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)

(手形又は小切手取引の収入金額又は必要経費算入の時期)

67−2 法第67条第1項の規定の適用を受けている者が手形取引又は小切手取引を行った場合における当該取引に係る金額の収入金額又は必要経費の算入については、次によるものとする。(平11課所4−1、令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)

(1) 手形取引

イ 受取手形にあっては、その手形の支払を受けたものについてはその支払を受けた時にその金額を収入金額に算入し、割引したものについてはその割引した時にその手形金額を収入金額に算入するとともに割引料を必要経費に算入する。この場合において、割引した手形が不渡りとなったことにより遡求に応じて支払ったときは、その支払った時の属する年分の収入金額からその支払った金額に相当する金額を減額する。

ロ 支払手形にあっては、その手形の支払をした時にその金額を必要経費に算入する。

(2) 小切手取引

 小切手取引にあっては、その小切手金額をその受取又は振出しの時の収入金額又は必要経費に算入する。この場合において、その小切手が不渡りとなったときは、その不渡りとなった時の属する年分の収入金額又は必要経費からその小切手金額に相当する金額を減額する。

(貸付金等の貸倒損失の必要経費算入)

67−3 法第67条第1項の規定の適用を受けている者の事業所得を生ずべき業務の遂行上生じた債権のうち、例えば、金融業者の貸付金の元本のように損益取引以外の取引に係るものの貸倒れによる損失は、当該損失の生じた年分の令第196条第2項《小規模事業者の収入及び費用の帰属時期》に規定する必要経費に算入すべき金額に含まれるものとする。(平11課所4−1、令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)

(不動産所得を生ずべき業務及び事業所得を生ずべき業務のいずれか一方を廃止した場合)

67−4 不動産所得を生ずべき業務及び事業所得を生ずべき業務を併せ営んでいた者が、これらの業務のうちいずれか一方を譲渡し又は廃止した場合には、当該譲渡し又は廃止した業務に係る各種所得の金額の計算については、当該譲渡し又は廃止した年において規則第40条第1項《収入及び費用の帰属時期の特例の適用の細目》の規定を適用することに留意する。(平11課所4−1、令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)

(業務を承継した相続人が提出する届出書の提出期限の特例)

67−5 法第67条第1項の規定の適用を受けていた被相続人の不動産所得を生ずべき業務又は事業所得を生ずべき業務を承継したことにより、新たに同項に規定する業務を開始した相続人が提出する令第197条第1項に規定する届出書については、当該被相続人についての所得税の準確定申告書の提出期限(当該期限が法第147条《青色申告の承認があったものとみなす場合》の規定により青色申告の承認があったとみなされる日後に到来するときは、その日)までに提出して差し支えない。(平11課所4−1、令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)

(前々年分の収入金額の判定)

67−6 令第196条の2((雑所得を生ずべき小規模な業務を行う者の要件))に規定する「その年の前々年分の雑所得を生ずべき業務に係る収入金額が300万円以下」であるかどうかは、法第67条第2項の規定の適用を受けようとする年の前年末現在において確定しているところにより判定するものとする。ただし、その前年末現在において確定している金額が300万円を超える者であっても、不服申立てに対する決定等により、その年の3月15日までに300万円以下となった者については、令第196条の2に規定する要件を満たすものとして差し支えない。(令4課個2-13、課法12-16、課審5-9追加)


<リース取引の意義>

(資産の賃貸借の範囲)

67の2−1 法第67条の2第3項の「資産の賃貸借」には、民法第601条((賃貸借))の規定により効力を生ずることとなる契約に基づく行為のほか、資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する行為も含まれることに留意する。(令7課個2-10、課法12-5、課審5-10追加)

(解除をすることができないものに準ずるものの意義)

67の2−2 法第67条の2第3項第1号に規定する「これに準ずるもの」とは、例えば、次に掲げるものをいう。(平19課個2−31、課審4−44追加、令7課個2-10、課法12-5、課審5-10改正)

(1) 資産の賃貸借に係る契約に解約禁止条項がない場合であって、賃借人が契約違反をした場合又は解約をする場合において、賃借人が、当該賃貸借に係る賃貸借期間のうちの未経過期間に対応するリース料の額の合計額のおおむね全部(原則として100分の90以上)を支払うこととされているもの

(2) 資産の賃貸借に係る契約において、当該賃貸借期間中に解約をする場合の条項として次のような条件が付されているもの

イ 賃貸借資産(当該賃貸借の目的となる資産をいう。以下この項、67の2−3及び67の2−3の4において同じ。)を更新するための解約で、その解約に伴いより性能の高い機種又はおおむね同一の機種を同一の賃貸人から賃貸を受ける場合は解約金の支払を要しないこと。

ロ イ以外の場合には、未経過期間に対応するリース料の額の合計額(賃貸借資産を処分することができたときは、その処分価額の全部又は一部を控除した額)を解約金とすること。

(リース取引の判定)

67の2−3 資産の賃貸借が法第67条の2第3項各号に掲げる要件に該当するかどうかを判定する場合において、当該資産の賃貸借が次のいずれかに該当するときは、当該資産の賃貸借は、同項第2号に掲げる要件に該当することに留意する。(令7課個2-10、課法12-5、課審5-10追加)

(1) 賃貸人の会計リース料の現在価値が、原資産の現金購入価額のおおむね90%以上であること。

(2) 賃貸人の会計リース期間が、原資産の経済的耐用年数のおおむね75%以上であること(原資産の特性、経済的耐用年数の長さ、原資産の中古市場の存在等を考慮した場合に、(1)による判定が90%を大きく下回ることが明らかな場合を除く。)。

(注)

1 本文(1)及び(2)の次に掲げる用語の意義は、それぞれ次による。67の2−3の2において同じ。

(1) 賃貸人の会計リース料 賃借人が賃貸人の会計リース期間中に原資産を使用する権利に関して行う賃貸人に対する支払であり、リース(49−30の11の2(注)3に定めるリースをいう。以下この項及び67の2−3の5において同じ。)において合意された使用料をいう。ただし、残価保証(リース期間(法第67条の2第3項に規定するリース取引に係る契約において定められたその資産の賃貸借期間をいう。67の2−5及び67の2−6において同じ。)終了の時に賃貸借資産の処分価額が当該リースに係る契約において定められている保証額に満たない場合にその満たない部分の金額を当該リースに係る賃借人その他の者がその賃貸人に支払うことにつき保証がされている場合における当該保証をいう。以下この項において同じ。)がある場合には、当該残価保証の額を含むものとし、契約におけるリースを構成しない部分に配分する対価及び将来の業績等により変動する使用料が含まれる場合には、これを含まないものとする。

(2) 原資産 49−30の11の2(注)2に定める原資産をいう。

(3) 賃貸人の会計リース期間 賃貸人が選択した次のいずれかの期間をいう。

イ 賃借人のリース期間(解約不能期間に49−30の11の2(注)1(1)及び(2)の期間を加えた期間をいう。)と同様の方法により決定した期間

ロ 賃借人が原資産を使用する権利を有する解約不能期間にリースが置かれている状況からみて賃借人が再リースする意思が明らかな場合の再リースに係る賃貸借期間を加えた期間原資産 49−30の11の2(注)2に定める原資産をいう。

(注)イ及びロの解約不能期間とは、リースに係る契約に基づく賃貸借期間の中途においてその解除をすることができないこととされている期間をいう。

(4) 経済的耐用年数 資産の賃貸借の時における賃貸借資産の性能、規格、陳腐化の状況等を考慮して見積もった経済的使用可能予測期間を用いて計算した年数をいう。

2 賃借人が本文の判定を行う場合には、それぞれ次のとおりとする。

(1) 本文(1)の「賃貸人の会計リース料」を次のとおり読み替える。

賃借人の会計リース料(賃借人が賃借人の会計リース期間(49−30の11の2(注)1に定める賃借人の会計リース期間をいう。以下この項及び67の2−3の2において同じ。)中に原資産を使用する権利に関して行う賃貸人に対する支払であり、次のもので構成される使用料をいう。67の2−3の2において同じ。)

イ 賃借人の固定リース料(賃借人が賃借人の会計リース期間中に原資産を使用する権利に関して行う賃貸人に対する支払であり、賃借人の変動リース料(賃借人が賃借人の会計リース期間中に原資産を使用する権利に関して行う賃貸人に対する支払である使用料のうち、リース開始日以後に発生する事象又は状況の変化で時の経過によるもの以外のものにより変動する部分をいう。以下この項において同じ。)以外の使用料をいう。)

ロ 指数又はレートに応じて決まる賃借人の変動リース料

ハ 残価保証に係る賃借人による支払見込額

ニ 賃借人が行使することが合理的に確実である購入オプションの行使価額

ホ リースの解約に対する違約金の賃借人による支払額(賃借人の会計リース期間に賃借人による解約オプションの行使を反映している場合に限る。)

(2)  本文(2)の「賃貸人の会計リース期間」を「賃借人の会計リース期間」と読み替える。

(サブリースに係るリース取引の判定)

67の2−3の2 資産の賃貸借(サブリースに該当するものに限る。)が法第67条の2第3項各号に掲げる要件に該当するかどうかを判定する場合において、当該資産の賃貸借が次のいずれかに該当するときは、当該資産の賃貸借は、67の2−3の取扱いにかかわらず、同項第2号に掲げる要件に該当することに留意する。(令7課個2-10、課法12-5、課審5-10追加)

(1) サブリースにおける賃貸人の会計リース料の現在価値が、独立第三者間取引におけるリース料のおおむね90%以上であること。

(2) サブリースにおける賃貸人の会計リース期間が、ヘッドリースにおける残りの賃借人の会計リース期間のおおむね75%以上であること((1)による判定が90%を大きく下回ることが明らかな場合を除く。)。

(注)

1 本文の次に掲げる用語の意義は、それぞれ次による。

(1) サブリース サブリース取引(原資産が賃借人から第三者(以下この項において「サブリースの賃借人」という。)にさらにリースされ、当初の賃貸人と賃借人との間のリースが依然として有効である取引をいう。以下この項において「サブリース取引」という。)における当初の賃借人とサブリースの賃借人との間のリースをいう。

(2) 独立第三者間取引におけるリース料 サブリース取引の対象とする原資産に係るサブリースのリース開始日に現金で全額が支払われるものと仮定した場合のリース料(当該サブリースを実行するために必要な知識を持つ自発的な独立第三者の当事者が行うと仮定した場合のリース料に限る。)をいう。原資産 49−30の11の2(注)2に定める原資産をいう。

(3) ヘッドリース サブリース取引における、当初の賃貸人と賃借人との間のリースをいう。

2 サブリースの賃借人が本文の判定を行う場合には、本文(1)中「賃貸人の会計リース料」とあるのは「賃借人の会計リース料」と、本文(2)中「賃貸人の会計リース期間」とあるのは「賃借人の会計リース期間」と、それぞれ読み替える。

(これらに準ずるものの意義)

67の2−3の3 令第197条の2第1項に規定する「これらに準ずるもの」として同項第1号及び第2号に掲げる要件に準ずる土地の賃貸借とは、例えば、次に掲げるものをいう。(平19課個2−31、課審4−44追加、令7課個2-10、課法12-5、課審5-10改正)

(1) 賃貸借期間の終了後、無償と変わらない名目的な賃料によって賃貸借に係る契約の更新をすることが賃貸借に係る契約において定められている賃貸借(契約書上そのことが明示されていない賃貸借であって、事実上、当事者間においてそのことが予定されていると認められるものを含む。)

(2) 賃貸人に対してその賃貸借に係る土地の取得資金の全部又は一部を貸し付けている金融機関等が、賃借人から資金を受け入れ、当該資金をして当該賃借人の賃借料等の債務のうち当該賃貸人の借入金の元利に対応する部分の引受けをする構造になっている賃貸借

(おおむね100分の90の判定等)

67の2−3の4 令第197条の2第2項に規定する「おおむね100分の90」の判定に当たっては、同項の「賃借人が支払う賃借料の金額の合計額」については、それぞれ次のとおり取り扱うことに留意する。(令7課個2-10、課法12-5、課審5-10追加)

(1) 資産の賃貸借に係る契約等において、賃借人が賃貸借資産を購入する権利を有し、当該権利の行使が確実であると認められる場合には、当該権利の行使により購入するときの購入価額を加算する。

(注) この場合において、その契約書等に当該購入価額についての定めがないときは、残価(賃貸人におけるリース料の額の算定に当たって賃貸借資産の取得価額及びその取引に係る付随費用(賃貸借資産の取得に要する資金の利子、固定資産税、保険料等その取引に関連して賃貸人が支出する費用をいう。)の額の合計額からリース料として回収することとしている金額の合計額を控除した残額をいう。)に相当する金額を購入価額とする。

(2) 資産の賃貸借に係る契約等において、中途解約に伴い賃貸借資産を賃貸人が処分し、未経過期間に対応するリース料の額からその処分価額の全部又は一部を控除した金額を賃借人が支払うこととしている場合には、当該全部又は一部を控除した金額に相当する金額を加算する。

(3)  賃貸借資産の賃貸人に対して補助金等(国又は地方公共団体等から交付を受ける補助金又は助成金等をいい、その交付に当たり当該賃貸借資産に係るリース料の減額が条件とされているものに限る。)が交付される場合であっても、当該リース料の減額部分に相当する金額は、控除しない。

(注) 当該リース料の減額部分に相当する金額は、49−30の10の「賃借人におけるリース資産の取得価額」に含まれない。

67の2−2に定める「おおむね全部」の判定並びに67の2−3 (注)2により読み替えられた場合の67の2−3(1)に定める「おおむね90%以上」の判定及び67の2−3の2(注)2により読み替えられた場合の67の2−3の2(1)に定める「おおむね90%以上」の判定に当たっても、同様とする。

(注) 令第197条の2第2項に規定する「賃貸借期間」には、再リースを行う意思が明らかな場合の当該再リースに係る賃貸借期間を含める。

(リースを構成する部分とリースを構成しない部分とがある場合の取扱い意義)

67の2−3の5 リースを含む契約にリースを構成する部分とリースを構成しない部分とがある場合において、次に掲げる方法により経理しているときは、当該方法により区分された後の当該リースを構成する部分に係る資産の賃貸借について法第67条の2及び令第197条の2の規定並びに法第67条の2関係の取扱いを適用する。(令7課個2-10、課法12-5、課審5-10追加)

(1) リースを構成する部分とリースを構成しない部分とに分ける方法

(2) 対応する原資産(49−30の11の2(注)2に定める原資産をいう。以下この項において同じ。)を自ら所有していたと仮定した場合に貸借対照表において表示するであろう科目ごと又は性質及び当該個人の業務における用途が類似する原資産のグループごとに、リースを構成する部分とリースを構成しない部分とを分けずに、リースを構成する部分と関連するリースを構成しない部分とを合わせてリースを構成する部分とする方法

<金銭の貸借とされるリース取引>

(金銭の貸借とされるリース取引の判定)

67の2−4 法第67条の2第2項に規定する「一連の取引」が同項に規定する「実質的に金銭の貸借であると認められるとき」に該当するかどうかは、取引当事者の意図、その資産の内容等から、その資産を担保とする金融取引を行うことを目的とするものであるかどうかにより判定する。したがって、例えば、次に掲げるようなものは、これに該当しないものとする。(平19課個2−31、課審4−44追加)

(1) 譲渡人が資産を購入し、当該資産をリース取引(同条第3項に規定するリース取引をいう。以下67の2−5において同じ。)に係る契約により賃借するために譲受人に譲渡する場合において、譲渡人が譲受人に代わり資産を購入することに次に掲げるような相当な理由があり、かつ、当該資産につき、立替金、仮払金等として経理し、譲渡人の購入価額により譲受人に譲渡するもの

イ 多種類の資産を導入する必要があるため、譲渡人において当該資産を購入した方が事務の効率化が図られること。

ロ 輸入機器のように通関事務等に専門的知識が必要とされること。

ハ 既往の取引状況に照らし、譲渡人が資産を購入した方が安く購入できること。

(2) 業務の用に供している資産について、当該資産の管理事務の省力化等のために行われるもの

(借入金として取り扱う売買代金の額)

67の2−5 法第67条の2第2項の規定の適用がある場合において、その資産の売買により譲渡人が譲受人から受け入れた金額は、借入金の額として取り扱い、譲渡人のリース期間中のリース料の額の合計額のうちその借入金の額に相当する金額については、当該借入金の返済をすべき金額(以下この項において「元本返済額」という。)として取り扱う。この場合において、譲渡人の各年分のリース料の額に係る元本返済額とそれ以外の金額との区分は、通常の金融取引における元本と利息の区分計算の方法に準じて合理的にこれを行うのであるが、譲渡人が当該リース料の額のうちに元本返済額が均等に含まれているものと処理しているときは、これを認める。(平19課個2−31、課審4−44追加、令7課個2-10、課法12-5、課審5-10改正)

(貸付金として取り扱う売買代金の額)

67の2−6 法第67条の2第2項の規定の適用がある場合において、その資産の売買により譲受人が譲渡人に支払う金額は、貸付金の額として取り扱い、譲受人のリース期間中のリース料の額の合計額のうちその貸付金の額とした金額に相当する金額については、当該貸付金の返済を受けた金額として取り扱う。この場合において、譲受人の各年分のリース料の額に係る貸付金の返済を受けたものとされる金額とそれ以外の金額との区分は、通常の金融取引における元本と利息の区分計算の方法に準じて合理的にこれを行うのであるが、譲受人が、当該リース料の額のうち貸付金の返済を受けたものとされる金額が均等に含まれているものとして処理しているときは、これを認める。(平19課個2−31、課審4−44追加、令7課個2-10、課法12-5、課審5-10改正)


(特定株式を時価により取得したものとみなされた場合の所得区分)

67の3−1 法第67条の3第4項第2号に規定する特定株式(以下この項及び67の3−2において「特定株式」という。)の発行法人の役員又は従業員(役員又は従業員であった者を含む。以下この項において「役員等」という。)が同条第4項第1号に規定する特定法人課税信託(以下この項及び67の3−2において「特定法人課税信託」という。)の同条第1項に規定する受益者等(以下この項において「受益者等」という。)となったことにより、当該特定法人課税信託が同条第1項に規定する法人課税信託(67の3−2において「法人課税信託」という。)に該当しないこととなった場合において、同条第3項の規定によりその該当しないこととなった時における価額により取得したものとみなされる特定株式のその取得に係る所得区分は、給与所得とする。ただし、当該役員等が、その者の退職に基因して特定法人課税信託の受益者等となったと認められる場合は、退職所得とする。(令7課個2-10、課法12-5、課審5-10追加)

(特定株式の価額)

67の3−2 特定株式に係る法第67条の3第3項の「第1項に規定する該当しないこととなった時における価額」は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次による。ただし、次により算定した価額が、同条第1項に規定する帳簿価額相当額に満たない場合には、同条第3項の規定により、当該帳簿価額相当額となることに留意する。(令7課個2-10、課法12-5、課審5-10追加)

(1) 特定株式が金融商品取引所に上場されている場合 当該特定株式につき金融商品取引法第130条((総取引高、価格等の通知等))の規定により公表された最終の価格(特定法人課税信託が法人課税信託に該当しないこととなった日に最終の価格がない場合には、同日前の同日に最も近い日における最終の価格とし、2以上の金融商品取引所に同一の区分に属する最終の価格がある場合には、当該価格が最も高い金融商品取引所の価格とする。以下この項において同じ。)

(2) 特定株式に係る旧株が金融商品取引所に上場されている場合 当該旧株の最終の価格を基準として当該特定株式につき合理的に計算した価額

(3) (1)の特定株式及び(2)の旧株が金融商品取引所に上場されていない場合において、当該特定株式又は当該旧株につき気配相場の価格があるとき (1)又は(2)の最終の価格を気配相場の価格と読み替えて(1)又は(2)により求めた価額

(4) (1)から(3)までに掲げる場合以外の場合 次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める価額

イ 売買実例のあるもの 最近において売買の行われたもののうち適正と認められる価額

ロ 公開途上にある特定株式で、当該特定株式の上場又は登録に際して特定株式の公募又は売出し(以下この項において「公募等」という。)が行われるもの(イに該当するものを除く。) 金融商品取引所又は日本証券業協会の内規によって行われるブックビルディング方式又は競争入札方式のいずれかの方式により決定される公募等の価格等を参酌して通常取引されると認められる価額

(注)公開途上にある株式とは、金融商品取引所が株式の上場を承認したことを明らかにした日から上場の日の前日までのその株式及び日本証券業協会が株式を登録銘柄として登録することを明らかにした日から登録の日の前日までのその株式をいう。

ハ 売買実例のないもので特定株式の発行法人と事業の種類、規模、収益の状況等が類似する他の法人の株式の価額があるもの 当該価額に比準して推定した価額

ニ イからハまでに該当しないもの 特定法人課税信託が法人課税信託に該当しないこととなった日又は同日に最も近い日におけるその特定株式の発行法人の1株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額

(受益者等課税信託の委託者がその有する資産を信託した場合の譲渡所得の収入金額等)

67の3−3 受益者等課税信託(法第13条第1項に規定する受益者(同条第2項の規定により同条第1項に規定する受益者とみなされる者を含む。以下この項において「受益者等」という。)がその信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされる信託をいう。以下この項において同じ。)の委託者(居住者に限る。以下この項において同じ。)がその有する譲渡所得の基因となる資産を信託し、当該受益者等課税信託の受益者等となる者が法人である場合における法第67条の3第5項の規定の適用に関しては、次の点に留意する。(平19課資3−5、課個2−15、課審6−9追加、令7課個2-10、課法12-5、課審5-10改正)

(1) 当該法人が対価を負担せずに受益者等課税信託の受益者等となる者であるときは、法第59条第1項の規定により、当該資産を信託した時における価額に相当する金額を収入金額として当該委託者の譲渡所得の金額を計算する。

(2) 当該法人が対価を負担して受益者等課税信託の受益者等となる者であるときは、当該対価の額を収入金額として当該委託者の譲渡所得の金額を計算する。
 なお、この場合において、当該対価の額が法第59条第1項第2号に規定する額であるときは、同項の規定が適用される。

(注) 法第67条の3第6項から第8項までの規定の適用に関しても同様となる。