(減価償却資産に係る登録免許税等)

49−3 減価償却資産に係る登録免許税(登録に要する費用を含む。)をその資産の取得価額に算入するかどうかについては、次による。(平17課個2−23、課資3−5、課法8−6、課審4−113、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)

(1) 特許権、鉱業権のように登録により権利が発生する資産に係るものは、取得価額に算入する。

(2) 船舶、航空機、自動車のように業務の用に供するについて登録を要する資産に係るものは、取得価額に算入しないことができる。

(3) (1)及び(2)以外の資産に係るものは、取得価額に算入しない。

(注)

1 業務の用に供される資産に係る登録免許税等のうち、取得価額に算入しないものについては、37−5参照

2 業務の用に供されない固定資産に係る登録免許税等については、38−9及び60−2参照

3 上記の減価償却資産には、相続等により取得した減価償却資産を含むものとする。

(減価償却資産の取得に際して支払う立退料等)

49−4 減価償却資産の取得に際し、当該減価償却資産を使用していた者に支払う立退料その他立ち退かせるために要した金額は、当該減価償却資産の取得価額に算入する。

(注) 土地及び減価償却資産でない建物等の取得に際して支払う立退料については、38−11参照

(集中生産を行うなどのための機械装置の移設費)

49−5 集中生産若しくはよりよい立地条件において生産を行うなどのため一の事業場の機械装置を他の事業場に移設した場合又はガスタンク、鍛圧プレス等多額の据付費を要する機械装置を移設した場合(措置法第33条の4《収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除》に規定する収用交換等に伴い移設した場合を除く。)には、運賃、据付費等その移設に要した費用(移設のための解体の費用を除く。以下この項において「移設費」という。)の額はその機械装置(当該機械装置に係る資本的支出を含む。以下この項において同じ。)の取得価額に算入し、当該機械装置の移設直前の未償却残額のうちに含まれている据付費(以下この項において「旧据付費」という。)に相当する金額は、必要経費に算入する。ただし、その移設費の額の合計額が当該機械装置の移設直前の未償却残額の10%に相当する金額以下であるときは、旧据付費に相当する金額を必要経費に算入しないで、その移設費の額を当該移設をした日の属する年分の必要経費に算入することができる。(昭57直所3−1、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)

(注) 主として新規の生産設備の導入に伴って行う既存の生産設備の配置換えのためにする移設は、原則として集中生産又はよりよい立地条件において生産を行う等のための移設には当たらない。

(採掘権の取得価額)

49−6 試掘権の目的となっている鉱物に係る鉱区につき採掘権を取得した場合には、当該試掘権の未償却残額に相当する金額及び当該採掘権の出願料、登録免許税その他その取得のために直接要した費用の額の合計額を当該採掘権の取得価額とする。

(自己の研究に基づき取得した工業所有権の取得価額)

49−7 自己の研究の成果に基づき取得した工業所有権の取得価額は、その研究のために特別に支出した費用の額の合計額のうちその取得した年の前年以前において必要経費に算入されなかった部分の金額とし、当該工業所有権の出願料、特許料その他登録のために要する費用の額は、当該取得価額に算入しないことができる。(昭46直審(所)19改正)

(譲渡を受けた出願権に基づき取得した工業所有権の取得価額)

49−8 他から譲渡を受けた出願権(工業所有権に関し特許又は登録を受ける権利をいう。)に基づき取得した工業所有権の取得価額は、その出願権の取得のために要した金額のうち、その工業所有権を取得した年の前年以前において償却費の額に算入されなかった部分の金額と当該工業所有権を取得するために直接要した費用の額との合計額とする。(昭46直審(所)19改正)

(注) 他から譲渡を受けた出願権に係る発明等を業務の用に供した場合には、その出願権は、無形固定資産に準じその出願権の目的たる工業所有権の耐用年数により償却することができる。

(自己の製作に係るソフトウエアの取得価額等)

49−8の2 自己の製作に係るソフトウエアの取得価額については、令第126条第1項第2号の規定に基づき、当該ソフトウエアの製作のために要した原材料費、労務費及び経費の額並びに当該ソフトウエアを業務の用に供するために直接要した費用の額の合計額となることに留意する。
 この場合、その取得価額については適正な原価計算に基づき算定することとなるのであるが、原価の集計、配賦等につき、合理的であると認められる方法により継続して計算している場合には、これを認めるものとする。 (平12課所4−30追加、令3課個2-10、課法11-28、課審5-4改正)

(注)

1 他の者から購入したソフトウエアについて、そのソフトウエアの導入に当たって必要とされる設定作業及び自己の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用の額は、当該ソフトウエアの取得価額に算入することに留意する。

2 既に有しているソフトウエア又は購入したパッケージソフトウエア等(以下この項において「既存ソフトウエア等」という。)の仕様を大幅に変更して、新たなソフトウエアを製作するための費用の額は、当該新たなソフトウエアの取得価額になるのであるが、その場合(新たなソフトウエアを製作することに伴い、その製作後既存ソフトウエア等を利用することが見込まれない場合に限る。)におけるその既存ソフトウエア等の残存価額は、当該新たなソフトウエアの製作のために要した原材料費となることに留意する。

3 市場販売目的のソフトウエアにつき、完成品となるまでの間に製品マスターに要した改良又は強化に係る費用の額は、当該ソフトウエアの取得価額に算入することに留意する。

(ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる費用)

49−8の3 次に掲げるような費用の額は、ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる。(平12課所4-30追加、令3課個2-10、課法11-28、課審5-4改正)

(1) 自己の製作に係るソフトウエアの製作計画の変更等により、いわゆる仕損じがあったため不要となったことが明らかなものに係る費用の額

(2) 研究開発費の額(自己の業務の用に供するソフトウエアに係る研究開発費の額については、その自己の業務の用に供するソフトウエアの利用により将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかな場合における当該研究開発費の額に限る。)

(3) 製作等のために要した間接費、付随費用等で、その費用の額の合計額が少額(その製作原価のおおむね3%以内の金額)であるもの

(資本的支出の取得価額の特例の適用関係)

49−8の4 資本的支出につき、令第127条第2項、第4項又は第5項の規定を適用した場合には、当該適用した年の翌年以後において、49−18の2による場合を除き、これらの資本的支出を分離して別々に償却することはできないことに留意する。(平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26追加)

(温泉をゆう出する土地を取得した場合の温泉利用権の取得価額)

49−9 温泉を利用する権利を取得するために、温泉をゆう出する土地を取得した場合における当該温泉を利用する権利の取得価額は、当該土地の取得に要した金額から当該土地に隣接する温泉をゆう出しない土地の価額に比準して計算した当該土地の価額を控除した金額とする。

(出漁権等の取得価額)

49−10 許可漁業の出漁権、繊維工業における織機の登録権利、タクシー業のいわゆるナンバー権のように法令の規定、行政官庁の指導等による規制に基づく許可、認可、登録、割当て等に係る権利の取得価額には、これらの権利を取得するために直接要した費用のほか、例えば、当該権利に係る事業を廃止する者に対して残存業者が負担する補償金のように当該権利の維持又は保全のために支出した費用の額が含まれる。(昭55直所3−19、直法6−8、平11課所4−25改正)

49−11 削除(昭55直所3−1、直法6−1、直資3−1、昭60直所3−1、直法6−1、直資3−1、昭60直所3−21、直資3−5改正)

(未成熟の植物から収穫物があった場合等の取得価額の計算)

49−12 令第6条第9号ロ及びハ《減価償却資産の範囲》に掲げる植物につき、その植物が成熟するまでの間に次に掲げる事実が生じた場合には、その植物の取得価額の計算については、それぞれ次によるものとする。

(1) 収穫物が収穫されたこと。 令第126条第1項第4号イに掲げる金額から当該収穫物の価額に相当する金額を控除して取得価額を計算する。

(2) 災害等による損害が生じ、又はその損害を防止するための支出をしたこと。 当該損害を回復するために支出した費用(資本的支出に属する費用を除く。)及び当該損害を防止するために支出した費用を除いて取得価額を計算する。

(減価償却資産について値引き等があった場合)

49−12の2 業務の用に供する減価償却資産について値引き、割戻し又は割引(以下この項において「値引き等」という。)があった場合には、次の算式により計算した金額の範囲内でその値引き等のあった日の属する年の1月1日における当該減価償却資産の取得価額及び未償却残額を減額することができるものとする。(昭57直所3−1、令4課個2-13、課法12-16、課審5-9改正)

(算式)

値引き等の額×(当該減価償却資産のその年の1月1日おける未償却残額)÷(当該減価償却資産のその年の1月1日おける取得価額)

(注)

1 当該減価償却資産が法第42条第1項の規定の適用を受ける同項に規定する国庫補助金等に係るもの又は法第43条第1項の規定の適用を受ける同項に規定する国庫補助金等をもって取得されたものである場合には、算式の取得価額及び未償却残額は令第90条第2項第1号又は第91条第2項の規定により計算した金額によることに留意する。

2 当該減価償却資産についてその年の前年から繰り越された措置法の規定による特別償却額又は割増償却額の償却不足額があるときは、当該償却不足額が生じた時においてその値引き等があったものとした場合に計算される特別償却額又は割増償却額を基礎として当該繰り越された償却不足額を修正するものとする。

3 値引き等の額から取得価額等を減額した額を控除した残額は、値引き等のあった日の属する年分の総収入金額に算入することに留意する。