(住宅の貸付けの範囲)

6−13−1 法別表第二第13号《住宅の貸付け》に規定する「住宅の貸付け」には、庭、塀その他これらに類するもので、通常、住宅に付随して貸し付けられると認められるもの及び家具、じゅうたん、照明設備、冷暖房設備その他これらに類するもので住宅の附属設備として、住宅と一体となって貸し付けられると認められるものは含まれる。
 なお、住宅の附属設備又は通常住宅に付随する施設等と認められるものであっても、当事者間において住宅とは別の賃貸借の目的物として、住宅の貸付けの対価とは別に使用料等を収受している場合には、当該設備又は施設の使用料等は非課税とはならない。

(プール、アスレチック施設等付き住宅の貸付け)

6−13−2 プール、アスレチック施設等を備えた住宅の貸付けにおいて、例えば当該施設等を居住者以外の者も利用でき、かつ、当該居住者以外の者が利用する場合に利用料(月決め又は年決めの会費等を含む。)を徴収している場合等には、居住者について家賃の一部としてその利用料に相当する額が収受されていても、当該施設等の貸付けは住宅の貸付けには含まれないのであるから留意する。

(駐車場付き住宅の貸付け)

6−13−3 駐車場付き住宅としてその全体が住宅の貸付けとされる駐車場には、一戸建住宅に係る駐車場のほか、集合住宅に係る駐車場で入居者について1戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられる等の場合で、住宅の貸付けの対価とは別に駐車場使用料等を収受していないものが該当する。

(旅館業に該当するものの範囲)

6−13−4 令第16条の2《住宅の貸付けから除外される場合》に規定する旅館業法第2条第1項《定義》に規定する旅館業には、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業及び下宿営業が該当するのであるから留意する。
 したがって、ホテル、旅館のほか同法の適用を受けるリゾートマンション、貸別荘等は、たとえこれらの施設の利用期間が1月以上となる場合であっても非課税とはならない。なお、貸家業及び貸間業(学生等に部屋等を提供して生活させるいわゆる「下宿」と称するものを含む。)については、同法第2条第1項に規定する旅館業には該当しないのであるから留意する。 (平30課消2−5により改正)

(注)住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第2条第3項《定義》に規定する住宅宿泊事業は、旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に該当することから、非課税とはならないことに留意する。

(店舗等併設住宅の取扱い)

6−13−5 住宅と店舗又は事務所等の事業用施設が併設されている建物を一括して貸し付ける場合には、住宅として貸し付けた部分のみが非課税となるのであるから留意する。

(注) この場合は、建物の貸付けに係る対価の額を住宅の貸付けに係る対価の額と事業用の施設の貸付けに係る対価の額とに合理的に区分することとなる。

(住宅の貸付けと役務の提供が混合した契約の取扱い)

6−13−6 一の契約で非課税となる住宅の貸付けと課税となる役務の提供を約している場合には、この契約に係る対価の額を住宅の貸付けに係る対価の額と役務の提供に係る対価の額に合理的に区分するものとする。

(注) この契約に該当するものとして、例えば、有料老人ホーム、ケア付住宅、食事付の貸間、食事付の寄宿舎等がある。

(転貸する場合の取扱い)

6−13−7 住宅用の建物を賃貸する場合において、賃借人が自ら使用しない場合であっても、当該賃貸借に係る契約において、賃借人が住宅として転貸することが契約書その他において明らかな場合には、当該住宅用の建物の貸付けは、住宅の貸付けに含まれるのであるから留意する。

(注) この場合において、賃借人が行う住宅の転貸も住宅の貸付けに該当する

(用途変更の場合の取扱い)

6−13−8 貸付けに係る契約において住宅として貸し付けられた建物について、契約当事者間で住宅以外の用途に変更することについて契約変更した場合には、契約変更後の当該建物の貸付けは、課税資産の譲渡等に該当することとなる。

(注) 貸付けに係る契約において住宅として借り受けている建物を賃借人が賃貸人との契約変更を行わずに、当該賃借人において事業の用に供したとしても、当該建物の借受けは、当該賃借人の課税仕入れに該当しないのであるから留意する。

(家賃の範囲)

6−13−9 家賃には、月決め等の家賃のほか、敷金、保証金、一時金等のうち返還しない部分及び共同住宅における共用部分に係る費用を入居者が応分に負担するいわゆる共益費(6−13−1、6−13−2又は6−13−3の規定により住宅の貸付けに含まれないこととされる施設等に係る費用部分を除く。)も含まれることに留意する。  

(貸付けに係る用途が明らかにされていない場合の意義)

6−13−10 法別表第二第13号《住宅の貸付け》に規定する「当該契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合」には、例えば、住宅の貸付けに係る契約において、住宅を居住用又は事業用どちらでも使用することができることとされている場合が含まれるのであるから留意する。(令2課消2-9により追加)

(貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合の意義)

6−13−11 法別表第二第13号《住宅の貸付け》に規定する「当該契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に当該貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合」とは、住宅の貸付けに係る契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に当該貸付けに係る賃借人や住宅の状況その他の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合をいうのであるから、例えば、住宅を賃貸する場合において、次に掲げるような場合が該当する。(令2課消2-9により追加)

(1) 住宅の賃借人が個人であって、当該住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合

(2) 住宅の賃借人が当該住宅を第三者に転貸している場合であって、当該賃借人と入居者である転借人との間の契約において人の居住の用に供することが明らかにされている場合

(3) 住宅の賃借人が当該住宅を第三者に転貸している場合であって、当該賃借人と入居者である転借人との間の契約において貸付けに係る用途が明らかにされていないが、当該転借人が個人であって、当該住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合