1 納税申告書の提出等
法第30条の2《移出に係る酒類についての課税標準及び税額の申告》に規定する移出した酒類に係る課税標準及び税額等を記載した申告書の提出等は、次による。
(1) 納税申告書は、製造場ごとに、法第53条《納税地》に規定する納税地を所轄する税務署長に提出するものである。したがって、同一税務署の管轄区域内に2以上の製造場を有する製造者の納税申告書は、各製造場ごとに提出する。
(2) 製造場の移転があった場合の納税申告書の提出先等は次による。
イ 同一税務署管轄内において移転があった場合は、移転前及び移転後のそれぞれの製造場の各別の申告書を同一税務署長に対して提出する。この場合において、移転前の製造場から移出した酒類が移転後の製造場に戻し入れされた場合で、移転前の製造場の申告分から控除してもなお不足額があるときは、移転後の製造場の申告分から控除しても差し支えない。
ロ 税務署の管轄区域を異にする移転があった場合には、移転前の移出に係る分については移転前の製造場の所在地を所轄する税務署長に、移転後の移出に係る分については移転後の製造場の所在地を所轄する税務署長に、それぞれ提出する。
2 税額の端数計算
酒税額についての端数計算等については、通則法第119条《国税の確定金額の端数計算等》及び第120条《還付金等の端数計算等》の規定によるほか、次による。
また、法第28条の3《未納税引取》第6項、法第30条の3《引取りに係る酒類についての課税標準及び税額の申告等》、法第30条の4《移出に係る酒類についての期限内申告による納付等》第2項、法第30条の5《引取りに係る酒類についての酒税の納付等》、法第54条、法第56条、法第58条及び法第59条の規定による酒税額についての端数計算等についても、この取扱いに準ずる。
(1) 酒税額の端数計算は、次による。
イ 酒税額は、税率の適用区分の異なるものごとに算出し、その各算出額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる。
ロ 控除額及び還付額についての端数計算はイに準ずる。ただし、その総額が1円未満の端数があるときは、その額を1円として計算する。
ハ イにより算出した税額の合計金額からロにより算出した控除額の合計金額を控除した金額に100円未満の端数があるとき又はその金額が100円未満であるときは、その端数金額又はその金額を切り捨てる。
ニ 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第1項及び第2項の規定による戻入れ酒類の総量が当該酒類を移出した月の酒類の移出数量の総量であり、かつ、その控除すべき金額が当該酒類に課された酒税額と同一の場合で、その課税額に対し既に端数処理が行われているときの当該控除すべき金額についての端数処理は、その控除額が、国庫に納付された又は納付されるべき金額と同額となるように、控除すべき金額についてハと同様の端数計算を行う。
(2) 申告等区分ごとの税額の端数計算については、次による。
イ 法第30条の2第1項の規定による申告に係るものについては、毎月分ごと
ロ 法第30条の2第2項の規定する申告に係るものについては、その申告ごと
ハ 犯則に係るものについては、1罪ごと
(3) 修正申告書の提出又は更正により納付すべき税額が増加することとなる場合の端数計算は、算出された税額に対して(1)のハによる端数処理を行う。
3 課税標準数量等の端数計算
課税標準数量の端数計算は規則第11条《課税標準数量等の端数計算》に規定するところであるが、控除額、還付額及び免除額の計算の基礎となる数量についても、それぞれ適用法条項ごとに適用することとする。
4 「他の法律」の範囲
法第30条の2第1項第2号に規定する「他の法律」は、措置法をいい、また、同項第5号に規定する「他の法律」は、災免法をいう。
5 強制換価の場合の申告及び徴収
法第6条の3第1項第4号《滞納処分等の場合のみなし移出》の規定により酒類等の製造場に現存する酒類等が強制換価手続により換価されたために、当該製造場から移出したものとみなされて酒税の納税義務が成立した場合は、法第30条の2《移出に係る酒類についての課税標準及び税額の申告》第1項の規定の適用により申告を要する。
6 製造者の責めに帰し得ない場合等の申告の取扱い
法第6条の3《移出又は引取り等とみなす場合》第2項及び第4項に規定する製造者の責めに帰し得ない飲用及び移出があった場合は、法第30条の2《移出に係る酒類についての課税標準及び税額の申告》第1項の規定による申告は要しないこととする。
7 「既に確定した」の意義
法第30条の2《移出に係る酒類についての課税標準及び税額の申告》第1項第5号に規定する「既に確定した」とは、通則法第39条《強制換価の場合の消費税等の徴収の特例》の規定により、強制換価処分により酒税が確定したことをいう。
8 酒類を重量により詰口する場合の取扱い
酒類を重量により詰口する場合における1キロリットル当たりの重量は、当該酒類の詰口時の実際の比重により算定する。
ただし、別表に掲げる酒類については、品目ごとに同表の「1当たりの重量」に掲げるところによることができ、蒸留酒類については、アルコール分ごとに算定した「1
当たりの重量(kg)」(国税庁所定分析法の「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」の「密度(15℃)」欄に掲げる数値を温度4℃における水の密度(0.99997)で除し、1,000を乗じて得た数値(小数点以下第2位を四捨五入したもの))によることができる。
算定に当たっては、1リットル当たりの重量にキログラム位未満第4位の数値がある場合は、これを切り上げてキログラム位未満第3位にとどめる。
なお、実際の比重により算定する場合には、測定器具の故障等により正確な測定ができない場合その他正当な理由がある場合を除き、上記のただし書きによる算定方法に変更することはできないのであるから留意する。
酒類の品目 | アルコール分 | 1![]() |
摘要 |
---|---|---|---|
清酒及び合成清酒 | 度 |
|
|
ビール及び発泡酒 | − | 1,008 | |
果実酒 | − | 997 |
9 酒類を容量により詰口する場合の取扱い
容量により詰口する場合の酒類の数量は、温度せっ氏15度の時における数量とし、計量に当たっては温度の変化による膨張率を考慮の上、正確に量定する。
10 容量2リットル以下のびん詰品の容量の取扱い
容量2リットル以下のびんに詰口する酒類の容量の決定は、同一形態の容器100本につき詰口された酒類又は水の容量(容器の王冠部から液面までの空間の長さ(以下「空積深」という。)を一定とした場合の容量)を重量により測定して1本当たりの平均容量を算出(1本当たりの平均容量はミリリットル位にとどめることとし、1ミリリットル未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)し、その平均容量をもって当該容器に詰口した酒類の容量とする方法によるものとする。ただし、次表の「型式」欄に掲げる名称の容器で、「入味線」欄に掲げる入味から外底部(びんを置いた平面をいう。以下同じ。)又は空積深まで酒類を詰口する場合においては、当該容器に詰口した酒類の容量は、「型式」欄に掲げる容量とする。
(注) 酒類又は水の数量を重量に換算するときは、酒類については8に定めるところにより行うこととし、水については1リットルを1キログラムとして取り扱う。
型式 ※日本産業規格S2350容量 表示付きガラス製びん (壜)付属書B |
入味線 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
名称 | 容量(![]() |
入味から外底部(![]() |
空積深(![]() |
|
JS-15 | 180 | 117 | 30 | 徳利型![]() |
JS-16 | 180 | 118 | 35 | だ円形ポケット![]() |
JS-21 JS-22 |
300 | 186 | 60 | 普通型![]() |
JS-23 JS-23-2 JS-23-3 JS-24 JS-24-2 |
334 | 181 | 60 | 肩張又はなで肩型![]() |
JS-25 | 334 | 140.5 | 50 | 新型![]() |
JS-29 | 360 | 163 | 50 | スタッピー型![]() |
JS-32 JS-32-2 JS-32-3 JS-33 JS-33-2 |
500 | 190 | 65 | なで肩型![]() |
JS-36 | 550 | 225 | 55 | ぶどう酒型![]() |
JS-37 | 600 | 229 | 焼酎600![]() |
|
JS-38 | 600 | 214.5 | 焼酎600![]() |
|
JS-40 JS-40-2 JS-41 JS-43 JS-43-2 |
633 | 219 | 70 | ![]() |
JS-44 | 640 | 232 | 55 | 焼酎640![]() |
JS-45 JS-46 |
720 | 227 | 70 | 普通型![]() |
JS-48 | 900 | 229 | 59.5 | 普通型![]() |
JS-49 | 900 | 227 | 55 | 普通型![]() |
JS-50 | 900 | 222.5 | 53.8 | 変型![]() |
JS-51 | 1,000 | 240 | 72 | 普通型(ネジ口)![]() |
JS-52 | 1,800 | 291 | 104 | ![]() |
11 酒類を詰口する場合の増量詰の取扱い
酒類を重量又は容量により詰口する場合には、正確に計量させるものとし、計量の結果、1容器の詰口数量が、当該容器の詰口表示量を超えて増量詰されている場合において、当該増量詰分が表示量の1パーセントに相当する重量又は容量(その容量が5ミリリットル未満のときは、5ミリリットルとする。)の範囲内であるときは、当該増量詰分については、強いて移出数量に算入させる必要はないものとして取り扱う。この場合において、容量2リットル以下の容器詰品については、1容器当たりの増量詰量が上記に定める重量又は容量を超えるときであっても、それらの容器100個に対する増量詰量が上記に定める重量又は容量の範囲内であるときは、上記の場合と同様に取り扱っても差し支えない。ただし、粉末酒については次による。
(1) 表示量が10キログラムを超えるもの 表示量の1パーセント以内
(2) 表示量が50グラムを超え10キログラム以下のもの 表示量の4パーセント以内
(3) 表示量が50グラム以下のもの 2グラム以内
12 製造場内で酒母又はもろみを飲用した場合の申告
製造場内において、酒母又はもろみを飲用した場合は、法第30条の2第2項の規定の適用はなく、同条第1項の規定が適用になるのであるから留意する。
第30条の3 引取りに係る酒類についての課税標準及び税額の申告等
1 輸入酒類に対する税率適用区分
輸入酒類に対する酒税の税率の適用区分は、その酒類の製造方法等につき輸出国政府機関又はこれに準ずる機関の証明書により判定することに取り扱う。ただし、次に該当する場合にあっては、次のとおり取り扱うこととして差し支えない。
(1) コニャック、キルシュ、アルマニャック及びカルバトスの名称を付している酒類は、ブランデーとする。
(2) シェリー、ポートワインの名称を付している酒類については、原料として使用したブランデー等のアルコール分の総量がその酒類のアルコール分の総量の100分の90を超えていること又は原料としてブランデー等を使用していないことが明らかであるものを除き、アルコール分が15度以上のものは、甘味果実酒とする。
(3) 老酒については、その他の醸造酒に該当することが明らかなものを除き、リキュールとする。