第3章 受取配当等
3−1−1 連結法人が役員、使用人等の名義をもって所有している株式又は出資について受ける法第23条第1項第1号《受取配当等の益金不算入》に規定する剰余金の配当若しくは利益の配当又は剰余金の分配についても、法第81条の4《連結事業年度における受取配当等の益金不算入》の規定の適用があることに留意する。（平17年課法2−14「六」、平19年課法2−3「十五」により改正）
3−1−2 連結法人が、その有する株式を譲渡した場合において、その名義書換えが行われなかったため、当該譲渡した株式に係る剰余金の配当（法第23条第1項第1号《受取配当等の益金不算入》に規定する剰余金の配当をいう。以下3−1−2において同じ。）の額（当該譲渡後にその支払に係る基準日が到来するものに限る。）を受けたときは、当該剰余金の配当の額は、株主たる地位に基づいて受けたものではないから、これについて法第81条の4《連結事業年度における受取配当等の益金不算入》の規定の適用はないものとする。ただし、配当権利落後その支払に係る基準日までの間に譲渡した株式について剰余金の配当の額を受けたときは、この限りでない。（平19年課法2−3「十五」により改正）
3−1−3 削除（平19年課法2−5「四」、平22年課法2−1「十」により改正、平27年課法2−8「五」により削除）
3−1−4 削除（平19年課法2−3「十五」により改正、平19年課法2−17「九」により削除）
3−1−5 新株予約権付社債に係る新株予約権を行使して株式を取得した場合における法第81条の4第2項《短期保有株式等に係る配当等の益金不算入の不適用》に規定する株式等の判定に当たって、株式を配当等の額の支払に係る基準日以前1月以内に取得したかどうかは、当該行使のあった日によらないで、新株予約権付社債を取得した日によって判定するものとする。
令第155条の7第1項第1号ロ《益金に算入される配当等の元本である株式等》に規定する「当該基準日後2月以内」に新株予約権付社債につき新株予約権の行使があった場合における当該行使に係る株式等（法第81条の4第1項《受取配当等》に規定する株式等をいう。以下3−1−14までにおいて同じ。）の取得の時期の判定についても、同様とする。（平19年課法2−3「十五」、平27年課法2−8「五」、平29年課法2−17「九」により改正）
3−1−6 法第81条の4第2項《短期保有株式等に係る配当等の益金不算入の不適用》に規定する「連結法人……が支払に係る基準日以前1月以内に取得し、かつ、当該株式等又は当該株式等と銘柄を同じくする株式等を当該基準日後2月以内に譲渡した場合」には、例えば、配当等の額を受ける連結法人がその配当等の額の元本である株式等をその支払に係る基準日以前1月以内に取得した事実及び当該株式等と銘柄を同じくする株式等を同日後2月以内に譲渡した事実はないものの当該連結法人と連結完全支配関係がある他の連結法人のいずれかが当該銘柄を同じくする株式等をその支払に係る基準日以前1月以内に取得し、かつ、当該他の連結法人のいずれかが当該銘柄を同じくする株式等を同日後2月以内に譲渡した場合が含まれることに留意する。（平15年課法2−12「六」により追加、平19年課法2−3「十五」、平27年課法2−8「五」により改正）
3−1−7 金融商品取引法第156条の24第1項《免許及び免許の申請》に規定する信用取引（以下「信用取引」という。)により株式の買付けを行った連結法人が、証券会社又は証券金融会社から支払を受ける配当落調整額（信用取引に係る株式につき配当が付与された場合において、証券会社又は証券金融会社が、売付けを行った者から徴収し又は買付けを行った者に支払う当該配当に相当する金銭の額をいう。)は、法第81条の4《受取配当等》に規定する配当等の額には含まれない。（平15年課法2−12「六」、平19年課法2−17「九」、平27年課法2−8「五」、平29年課法2−17「九」により改正）
3−1−8 令第155条の7第2項《益金に算入される配当等の元本である株式等》に規定する「配当等の額の支払に係る効力が生ずる日」とは、2−1−30《剰余金の配当等の帰属の時期》の(1)から(4)までに定める日をいうことに留意する。また、令第155条の9第3項《完全子法人株式等の範囲》及び第155条の10第1項《関係法人株式等の範囲》に規定する「配当等の額の支払に係る効力が生ずる日」とは、2−1−30の(1)から(3)まで又は(5)に定める日をいうことに留意する。（平15年課法2−12「六」、平19年課法2−3「十五」、平22年課法2−1「十」、平27年課法2−8「五」により改正）
3−1−9 連結法人が取得をした令第155条の10第１項《関連法人株式等の範囲》の他の内国法人の株式等を同項の計算期間の初日から当該計算期間の末日まで引き続き有しているかどうかを判定する場合における当該株式等を取得した日は、例えば、株式等の取得の原因が次に掲げるものであるときには、それぞれ次に定める日となることに留意する。（平27年課法2−8「五」により追加、令3年課法2−21「六」により改正）
(1) 株式の購入 当該株式の引渡しのあった日
(2) １−６−１《組織再編成の日》に規定する組織再編成（令第155条の10第３項の規定の適用を受けるものを除く。） 同通達で定める組織再編成の日
3−1−10 法第81条の4第6項《連結事業年度における受取配当等の益金不算入》に規定する「関連法人株式等」に係る配当等（以下3−1−11までにおいて「関連法人株式等に係る配当等」という。)とは、他の同一法人に係る株式等の保有が令第155条の10第1項及び第3項《関連法人株式等の範囲》に規定する要件を満たしている場合の当該他の同一法人の株式等に係る配当等をいうのであるから、連結法人が有する他の同一法人の株式等の一部につき同条第1項に規定する計算期間の初日から当該計算期間の末日まで引き続き有していないものがある場合であっても、当該他の同一法人の株式等の他の部分の保有が同項及び同条第3項に規定する要件を満たすときは、当該他の同一法人の株式等に係る配当等の全てが関係法人株式等に係る配当等に該当することに留意する。（平15年課法2−12「六」、平22年課法2−1「十」、平23年課法2−17「九」、平27年課法2−8「五」により改正）
3−1−11 連結法人が支払を受けた他の同一法人の発行する株式等に係る配当等が当該連結事業年度に2以上ある場合において、当該配当等が関連法人株式等に係る配当等に該当するかどうかは、それぞれの配当等の額の支払に係る基準日において当該連結法人の有する株式等に基づいて判定することに留意する。（平15年課法2−12「六」、平19年課法2−3「十五」、平22年課法2−1「十」、平27年課法2−8「五」、平30年課法2−12「三」により改正）
(注) 連結法人が次に掲げる事由により法第81条の３第１項《個別益金額又は個別損金額》の規定により同項の個別益金額を計算する場合の法第24条《配当等の額とみなす金額》の規定に基づきみなし配当の金額を計算するときには、本文の「基準日」は、それぞれ次の日となることに留意する。
(1) 令第４条の３第２項第１号《適格合併の要件》に規定する無対価合併で同項第２号ロに掲げる関係があるもの 当該無対価合併に係る２−１−30《剰余金の配当等の帰属の時期》の(5)イに定める日
(2) 同条第６項第１号イ《適格分割の要件》に規定する無対価分割に該当する分割型分割で同項第２号イ(2)に掲げる関係があるもの 当該無対価分割に係る２−１−30の(5)ロに定める日
3−1−12 連結法人が金銭以外の資産により剰余金の配当又は利益の配当を受ける場合には、法第81条の4《受取配当等》の規定の適用がある配当等の額は、原則として、当該剰余金の配当又は利益の配当の額の支払に係る効力が生じる日における当該金銭以外の資産の価額によることに留意する。（平19年課法2−3「十五」により追加、平27年課法2−8「五」、平29年課法2−17「九」により改正）
3−1−13 法第81条の4第3項《自己株式の取得が予定された株式に係る受取配当等の益金不算入の不適用》に規定する「その配当等の額の生ずる基因となる同号に掲げる事由が生ずることが予定されているもの」とは、連結法人が取得する株式等について、その株式等の取得時において法第24条第1項第5号《自己株式等の取得》に掲げる事由が生ずることが予定されているものをいうことから、例えば、上場会社等が自己の株式の公開買付けを行う場合における公開買付期間(金融商品取引法第27条の5に規定する「公開買付期間」をいう。以下3−1−13において同じ。)中に、連結法人が当該株式を取得したときの当該株式がこれに該当する。（平22年課法2−1「十」により追加、平27年課法2−8「五」、平29年課法2−17「九」により改正）
(注) 連結法人が、公開買付けを行っている会社の株式をその公開買付期間中に取得した場合において、当該株式についてその公開買付けによる買付けがなされなかったときには、その後当該株式に法第24条第1項第5号に掲げる事由が生じたことにより同項に規定する配当等の額を受けたとしても、当該配当等の額については、法第81条の4第3項の規定の適用がないことに留意する。
3−1−14 連結法人が、株式等の全部を直接又は間接に保有していない他の法人(内国法人に限る。)から配当等の額(法第23条第1項《受取配当等の益金不算入》に規定する配当等の額をいう。)を受けた場合において、当該連結法人が保有する当該他の法人の株式又は出資が令第155条の9《完全子法人株式等の範囲》に規定する要件を満たすときには、当該配当等の額は法第81条の4第5項に規定する完全子法人株式等に係る配当等の額に該当することに留意する。（平22年課法2−1「十」により追加、平27年課法2−8「五」により改正）