(帳簿価額のうち最も大きいものの意義)

2−3−20 連結法人が対象配当等の額及び令第119条の3第7項《移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》に規定する同一事業年度内配当等の額(以下2−3−20の8までにおいて「同一事業年度内配当等の額」という。)を受ける場合における同項の「帳簿価額のうち最も大きいもの」とは、それぞれの配当等の額に係る基準時の直前における帳簿価額のうち最も大きいものをいうことに留意する。(令2年課法2−17「三」により追加)

(注) 連結法人が他の法人(令第119条の3第7項に規定する他の法人をいう。以下2−3−20の9までにおいて同じ。)の発行する株式で2−3−16の2《2以上の種類の株式が発行されている場合の銘柄の意義》の取扱いによりそれぞれ異なる銘柄として令第119条の2第1項《有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法》の規定の適用を受けるものを有する場合には、当該対象配当等の額及び同一事業年度内配当等の額に係る各基準時の直前における帳簿価額は、それぞれの銘柄の帳簿価額を合計した金額によることに留意する。

(外国子会社から受ける配当等がある場合の益金不算入相当額)

2−3−20の2 連結法人が他の法人から受ける対象配当等の額又は同一事業年度内配当等の額が措置法第68条の92第2項《連結法人の外国関係会社に係る所得の課税の特例》の規定の適用を受けるものである場合の益金不算入相当額は、同項の規定の適用を受けないものとして法第81条の3第1項(法第23条の2第1項《外国子会社から受ける配当等の益金不算入》に係る部分に限る。)の規定により計算した場合の益金不算入相当額となることに留意する。(令2年課法2−17「三」により追加)

(帳簿価額から減算する金額のあん分)

2−3−20の3 連結法人が子会社株式簿価減額特例の適用を受ける場合において、当該連結法人が有する他の法人の株式(2−3−16の2《2以上の種類の株式の発行されている場合の銘柄の意義》の取扱いによりそれぞれ異なる銘柄として令第119条の2第1項《有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法》の規定の適用を受けるものに限る。)の帳簿価額から減算する金額は、益金不算入相当額を対象配当等の額に係る基準時の直前におけるそれぞれの銘柄の帳簿価額の比によりあん分して計算した金額とする。(令2年課法2−17「三」により追加)

(関連法人株式等に該当する場合における益金不算入相当額の計算)

2−3−20の4 他の法人の株式等(株式又は出資をいう。以下2−3−20の9において同じ。)が法第81条の4第6項《受取配当等》に規定する関連法人株式等(以下2−3−20の4において「関連法人株式等」という。)に該当する場合における益金不算入相当額については、例えば、令第155条の8第1項《株式等に係る負債の利子の額》の規定により対象配当等の額から控除すべき負債の利子の額(以下2−3−20の4において「負債利子等の額」という。)を関連法人株式等に係る配当等の額のうちに占める対象配当等の額及び同一事業年度内配当等の額の合計額又はそれ以外の配当等の額の合計額の割合に応じて区分するなど負債利子等の額を合理的に区分した金額により計算する。(令2年課法2−17「三」により追加)

(基準時連結事業年度後に対象配当等の額を受ける場合の取扱い)

2−3−20の5 連結法人が他の法人から受ける対象配当等の額について、当該対象配当等の額に係る基準時の属する連結事業年度(以下2−3−20の5において「基準時連結事業年度」という。)終了の日後にこれを受ける場合には、その受ける対象配当等の額に基づき当該基準時連結事業年度に遡って子会社株式簿価減額特例の適用があることに留意する。ただし、当該対象配当等の額を受けることが確実であると認められる場合には、その受けることが確実であると認められる対象配当等の額に基づき当該基準時連結事業年度の確定申告において令第119条の3第7項又は第8項《移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》の規定の適用を受けることとしても差し支えない。(令2年課法2−17「三」により追加)

(内国株主割合が90%以上であることを証する書類)

2−3−20の6 令第119条の3第7項第1号《移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》の「当該期間を通じて当該割合が100分の90以上であることを証する書類」とは、設立の時の株主の状況及び当該設立の時から特定支配日(同号に規定する特定支配日をいう。)までの株主の異動の状況が確認できる書類のそれぞれをいうことから、例えば、これらの状況が確認できる商業登記簿謄本、株主名簿の写し、株式譲渡契約書又は有価証券台帳等はこれに該当する。(令2年課法2−17「三」により追加)

(他の法人等が外国法人である場合の円換算)

2−3−20の7 連結法人が令第119条の3第7項第2号、第8項及び第11項《移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》の規定の適用を受ける場合において、他の法人又は同項第1号に規定する関係法人が外国法人であるときにおけるこれらの規定の計算の基礎となる金額の円換算については、当該計算の基礎となる金額につき全て外貨建ての金額に基づき計算した金額について円換算を行う方法又は当該計算の基礎となる金額につき全て円換算後の金額に基づき計算する方法など、合理的な方法により円換算を行っている場合には、これを認める。(令2年課法2−17「三」により追加)

(特定支配後増加利益剰余金額超過額に達するまでの金額)

2−3−20の8 連結法人が令第119条の3第8項《移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》の規定の適用を受ける場合において、対象配当等の額及び同一事業年度内配当等の額の合計額が特定支配後増加利益剰余金額超過額(同項に規定する特定支配後増加利益剰余金額超過額をいう。以下2−3−20の8において同じ。)を超えているときは、当該特定支配後増加利益剰余金額超過額に達するまでの金額に当該対象配当等の額及び同一事業年度内配当等の額のいずれを優先して充てるかは、当該連結法人の選択による。(令2年課法2−17「三」により追加)

(総平均法による場合の帳簿価額の減額の判定)

2−3−20の9 連結法人が対象配当等の額を受領することにより令第119条の4第1項《評価換え等があった場合の総平均法の適用の特例》の規定の適用を受ける場合において、令第119条の3第7項《移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》の規定の例により当該対象配当等の額に係る株式等の帳簿価額を減算するかどうかを判定するときは、その判定の基礎となる帳簿価額は、令第119条の4第1項の規定により評価換え等(同項に規定する評価換え等をいう。以下2−3−20の9において同じ。)の直前の帳簿価額とみなされる金額によることに留意する。(令2年課法2−17「三」により追加)

(注) 当該対象配当等の額につき、令第119条の4第1項後段においてその例によるものとされる令第119条の3第7項の規定が適用されないため当該対象配当等の額に係る株式等の帳簿価額が減額されない場合には、当該対象配当等の額の受領による評価換え等のあった時の属する連結事業年度については、令第119条の4第1項に規定する評価換前期間及び同項に規定する評価換後期間をそれぞれ一連結事業年度とみなさないこととして総平均法によりその一単位当たりの帳簿価額を算出して差し支えない。

(追加型株式投資信託に係る特別分配金の取扱い)

2−3−20の10 令第119条の3第16項《追加型株式投資信託に係る特別分配金の支払があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》に規定する「元本の払戻しに相当する金銭の交付」とは、いわゆる個別元本方式による公社債投資信託以外の追加型証券投資信託に係る特別分配金の支払をいうのであるから留意する。(令2年課法2−17「三」により追加)

(注) 当該特別分配金は、元本の払戻しとしての性質を有するものであり、法第81条の4《受取配当等》の規定の適用の対象とならない。

(一株に満たない株式等を譲渡した場合等の原価)

2−3−21 連結法人が、令第119条の8の3《取得請求権付株式の取得等の対価として生ずる端数の取扱い》に規定する1株に満たない端数に相当する部分、令第139条の3第1項各号《一株未満の株式等の処理の場合等の所得計算の特例》に掲げる1株に満たない端数又は令第139条の3の2《合併等により交付する株式に一に満たない端数がある場合の所得計算》に規定する1株に満たない端数につき代わり金の交付を受けたときの譲渡に係る原価の額は、当該連結法人が当該1株に満たない端数に相当する株式等の交付を受け直ちに譲渡したものとして法第61条の2《有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入》の規定を適用する。ただし、当該連結法人が当該代わり金に相当する金額を益金の額に算入している場合は、これを認める。(平19年課法2−3「十二」、平20年課法2−5「六」、平29年課法2−17「七」により改正)