(BTX類規制の趣旨等)

第78条 租特法第89条の2第4項から第9項まで《BTX類に対する規制》の規定は、合成繊維、合成ゴム等の基礎原料等となる揮発油については揮発油税を免除するとの石油化学用免税の趣旨に反して、特定石化製品が揮発油の増量用原料若しくは自動車の内燃機関の燃料等に指定用途外消費され、又は当該消費をする場所に移出されることとなる等、揮発油税の確保上支障がある場合には、当該指定用途外消費又は移出が明らかになつた時点で、当該特定石化製品に及んでいた揮発油税の免税効果を失わしめる趣旨によるものであるから留意する。

2 特定石化製品に該当しないBTX類(次条第2項《特定石化製品の範囲》に規定するものを除く。)を製造し、又は保税地域から引き取る者に対しては、当該BTX類が揮発油の増量用原料又は自動車の内燃機関の燃料等に消費されることにより揮発油税の確保上支障が生ずることを防止するため、当該BTX類を特定石化製品と同様に取り扱う等その流通についての配慮をするよう指導するものとする。

(特定石化製品の範囲)

第79条 BTX類(揮発油に該当するもの又は灯油の規格を有するものを除く。)のうち、次の各号に掲げるものは、特定石化製品に該当する。(昭59間消4-72改正)

(1) 石化免税の規定の適用を受けた原料揮発油(以下この項において「石化免税揮発油」という。)から直接製造されたもの

(2) 石化免税揮発油から直接製造された原料免税石化製品(当該原料免税石化製品を原料として製造された石油化学製品を含む。)を原料の全部又は一部として製造されたもの

(3) 原料免税石化製品の半製品を原料として製造されたもの

(4) 石化免税揮発油(原料免税石化製品の半製品を含む。)とその他の物とを、併せて、又は交互に原料として製造されたもの(その製造工程中にいつたんBTX類以外の物が製造され、更にそれを原料として製造されたBTX類を含む。)

(5) 前4号に規定するBTX類にその他のBTX類(石炭を原料とするもの又は輸入に係るもの等をいう。)又はBTX類以外の物(灯油又は添加剤としてのアルコール若しくはケトン等をいう。)を混和したもの

(6) 前5号に規定するBTX類をいつたん指定用途に供した後回収したもの(当該指定用途に供した後のものが廃油に該当するときを除く。)

2 次に掲げるBTX類は、特定石化製品に該当しないことに取り扱う。

(1) 租特法第89条の2第4項本文《揮発油の移出等とみなす場合》の規定の適用を受けたBTX類

(注) 当該BTX類がたとえ指定用途に供されることとなつても、揮発油税は還付されないことに留意する。

(2) 第22条第2項ただし書《「新たな揮発油を製造するために消費される場合」の範囲等》の規定の適用を受けて製造されたBTX類で、揮発油の半製品に該当するもの

(指定用途の範囲等)

第80条 租特令第47条の4第2項及び租特規則第38条の2《指定用途》並びに昭和52年国税庁告示第1号「租税特別措置法施行規則第38条の2第3号に規定する特定石油化学製品の用途を定める件」に規定する次の各号に掲げる用語の意義又は用途の範囲は、当該各号に定めるところによる。(昭59間消4-72改正)

(1) 炭化水素とその他の物との混合物 単一の炭化水素又は炭化水素油に、例えばアルコール、ケトン、エステル又はエーテル等炭化水素以外の物を混和して生じたものをいう。

(2) 製造用 原料用のほか、溶剤用、希釈用、抽出用等の指定用途に係る物の製造に直接供する用途を含む。

(3) 試験研究用 試験研究のための薬品(以下「試薬」という。)としての用途又は流量計の器差試験のための用途等をいい、自動車の走行試験用、内燃機関の作動試験用及び炭化水素油の製造試験用等の用途を含まない。

(4) 熱源用 ボイラー等で燃焼させるための用途をいい、自動車等の内燃機関の燃料用を含まない。

(5) その性状及び用途が炭化水素油に類しないもの インキ、塗料等含有される特定石化製品がその塗料等の使用目的上の基礎的な成分とはならないもの、又は医薬品類をいい、塗料用の溶剤又はシンナー等含有される特定石化製品がそのシンナー等の使用目的上の基礎的な成分をなすものを含まない。

2 塗料用の溶剤又はシンナー等のうち、含有する成分等からみて自動車用の内燃機関の燃料又はその原料に供した場合には走行上著しい障害が生ずるものとして製造場所在地の所轄税務署長が確認したものについては、前項第5号の規定にかかわらず「その性状及び用途が炭化水素油に類しないもの」に該当するものとして取り扱う。(昭59間消4−72追加)

(注) 当該確認をしたものは、第4条第2項《炭化水素油の意義》に規定する炭化水素油としても取り扱わないのであるから留意する。

3 指定用途を用途別に区分して列記すれば、次のとおりとなるから留意する。(昭59間消4−72改正)

(1) 次に掲げる物の製造用

イ 炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で、温度15度及び1気圧において液状のものを含む。(2)において同じ。)に該当しない物

ロ 炭化水素油で、灯油の規格を有するもの又は掲名石化製品に該当するもの

ハ 特定用途免税の揮発油

ニ スチレン

ホ 炭化水素とその他の物との混合物で、温度15度及び1気圧において液状のもののうち、その性状及び用途が炭化水素油に類しないもの

(2) 試験研究用

(3) 熱源用

(4) 洗浄用

(一定の容器に収容された特定石化製品の取扱い)

第81条 塗料の溶剤、試薬等に該当する特定石化製品を、品名、用途(指定用途に限る。)及び正味収容量が見やすい箇所に明りように表記されているペール缶、18リツトル缶、ポンド瓶等収容容量20リツトル以下の販売用の容器(当該表記する者の氏名又は名称が付記されているものに限る。)に収容し、かつ、その販売先を帳簿その他の記録により明らかにするものについては、取締り上支障がない限り、当該容器への収容の時をもつて、それぞれの指定用途に消費されたものとして取り扱う。(昭59間消4−72改正)

(注) 塗料の製造者等からの委託により塗料の溶剤等を製造している場合にあつては、容器に付記する者の氏名又は名称は、当該委託者名を記載するとともに、これに現実の製造者を識別できる記号を付記する方法によることとして差し支えない。

2 前項の規定は、特定石化製品自体の試験(当該試験用のフラスコ又はシリンダー等の洗浄を含み、自動車を走行させて行う試験を除く。)の用に供するために、特定石化製品の製造場から移出される特定石化製品について準用する。

3 第25条第2項《特定石化製品の消費等》の規定により特定石化製品と同様に取り扱う物をドラム缶等の収容容量が20リツトルを超える容器に収容して指定用途に供する場所に移出する場合において、当該物を経常的に販売業者の倉庫等に一時保管することとしており、かつ、指定用途に供された事実を製造者において確認できるときは、当該製造者と販売業者の間及び当該販売業者と使用者の間に区分して、それぞれ特定石化製品の非課税移出の規定に準じた手続を行うこととして差し支えない。(昭59間消4−72追加)

(注) この場合には、使用者の作成する消費事績を証明する書類(その写しを含む。)を当該製造者及び販売業者にそれぞれ保存させるものとする。

4 塗料の製造者等が塗料の溶剤等(第25条第2項の規定により特定石化製品と同様に取り扱うもので、かつ、容器に収容したものに限る。)の製造を他に委託している場合において、当該塗料の溶剤等の販売を当該委託者の名義により行つているときは、当該委託者が自ら製造した塗料の溶剤等をその製造場から移出するものとして、特定石化製品の非課税移出の規定に準じた手続を行うこととして差し支えない。(昭59間消4−72追加)

(特定石化製品の移出入手続の特例)

第81条の2 租特法第89条の2第12項《石油化学製品の製造のため消費される揮発油の免税等》の規定の適用を受けようとする者は、租特令第47条の5第7項《特定石油化学製品の移出についての書面の提出等》に規定する方法により当該特定石化製品が租特法第89条の2第4項ただし書の規定に該当するものであること及び当該場所に移入されたことについての明細(以下この条において「移出入の明細」という。)を明らかにしなければならないのであるが、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める方法によっているときは、移出入の明細が明らかにされているものとして取り扱う。
 なお、同条第12項の規定の適用を受けようとする者に対しては、同条第6項に規定する書面に特定石化製品の移出に関する明細書を添付させるものとする。(平30課消4-19追加)

(1) 当該特定石化製品を移出した者と当該特定石化製品を移入した者が同一である場合  租特法第89条の2第4項ただし書の規定に該当する特定石化製品である旨の記載をした納品書等及び物品受領書等を作成し、これをそれぞれ移入場所及び移出場所において保存する方法。

(2) 前号以外の場合  当該特定石化製品の移出の事実を租特令第47条の6《記帳義務》に定めるところにより明らかにし、移入証明書を保存する方法。

2 租特法第89条の2第12項第2号に規定する「当該特定石油化学製品が継続して移入される場所」とは、承認申請に係る製造場から移出される特定石化製品を、おおむね月1回以上の頻度で継続的に移入する場所をいう。(平30課消4-19追加)

3 租特法第89条の2第12項第2号に規定する税務署長の承認は、当該製造場から移出する当該特定石化製品の移入場所ごとに与えるのであるから留意する。(平30課消4-19追加)

4 租特法第89条の2第13項に規定する「同項に規定する特定石油化学製品を継続して移入する場所」とは、移出した特定石化製品をおおむね月1回以上の頻度で継続的に移入する場所をいう。
 なお、当該場所が移出した特定石化製品を2以上の製造場から移入する場所である場合には、当該2以上の製造場からの移入を併せて「おおむね月1回以上の頻度で継続的に移入する場所」に該当するかどうかの判定を行うのであるから留意する。(平30課消4-19追加)

5 当該特定石化製品を移出した者と当該特定石化製品を移入した者が同一である場合であって、第1項第1号に定める方法によっているときは、移入届出書の提出を省略させても差し支えない。この場合、特定石化製品の移入者に対しては、特定石化製品の移入場所について法第23条第1項《製造の開廃等の申告》に規定する申告書を提出させるとともに、これに移入しようとする特定石化製品の種類、年間移入見込数量等を記載した書類を添付させる。また、提出した書類の記載内容に異動が生じた場合には、その都度異動後の内容を記載した書類を提出させる。(平30課消4-19追加)

6 租特法第89条の2第14項に規定する「揮発油税及び地方揮発油税の保全上不適当と認められる事情があるとき」又は同条第15項に規定する「揮発油税及び地方揮発油税の保全上不適当と認められる事情が生じたとき」の取扱いについては、第61条の2第1項又は第2項《「揮発油の保全上不適当と認められる事情」の範囲等》の規定を準用する。この場合において、同条第1項及び第2項中「法第14条の2第1項」とあるのは「租特法第89条の2第14項」と、「法第14条の2第2項」とあるのは「租特法第89条の2第15項」と、第1項第5号及び第6号中「揮発油」とあるのは「特定石化製品」と、同項第5号中「納税申告書」とあるのは「同条第6項に規定する書面」と読み替えるものとする。(平30課消4-19追加)