配当金領収証又は配当金振込通知書

(配当金の支払を受ける権利を表彰する証書の意義)

1 「配当金の支払を受ける権利を表彰する証書」とは、会社(株式の預託を受けている会社を含む。2及び5において同じ。)が株主(株式の預託者を含む。2及び5において同じ。)の具体化した利益配当請求権を証明した証書で、株主がこれと引換えに当該 証書に記載された取扱銀行等のうち株主の選択する銀行等で配当金の支払いを受けることができるものをいう。

(配当金の受領の事実を証するための証書の意義)

2 「配当金の受領の事実を証するための証書」とは、会社が株主に配当金の支払いをするに当たり、あらかじめ当該会社が株主に送付する証書のうち、配当金の支払を受ける権利を表彰する証書以外のもので、株主が取扱銀行等から配当金の支払を受けた際その受領事実を証するために使用するものをいう。
 なお、株主が会社から直接配当金の支払を受けた際に作成する受取書は、第16号文書(配当金領収証)ではなく、第17号文書(金銭の受取書)に該当することに留意する。(平元間消3−15改正)

(配当金支払副票を添付する配当金領収証)

3  配当金領収証には、配当金支払副票を添付することによって配当金の支払を受けることができるものを含む。

(配当金の範囲)

4 「配当金」とは、株式会社の剰余金の配当(会社法第454条第5項《剰余金の配当に関する事項の決定》に規定する中間配当を含む。)に係るものをいう。(平18課消3−36改正)

(振込済みである旨を株主に通知する文書の範囲)

5 「振込済みである旨を株主に通知する文書」とは、会社が株主に対して株主の預貯金口座その他の勘定への配当金振込みの事実を通知する文書をいい、文書の表現が「振り込みます。」又は「振り込む予定です。」等となっているものを含むものとして取り扱う。

1 売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書

2 金銭又は有価証券の受取書で1に掲げる受取書以外のもの

(金銭又は有価証券の受取書の意義)

1 「金銭又は有価証券の受取書」とは、金銭又は有価証券の引渡しを受けた者が、その受領事実を証明するため作成し、その引渡者に交付する単なる証拠証書をいう。(平元間消3−15改正、平20課消3−74改正)

(注) 文書の表題、形式がどのようなものであっても、また「相済」、「完了」等の簡略な文言を用いたものであっても、その作成目的が当事者間で金銭又は有価証券の受領事実を証するものであるときは、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当するのであるから留意する。

(受取書の範囲)

2 金銭又は有価証券の受取書は、金銭又は有価証券の受領事実を証明するすべてのものをいい、債権者が作成する債務の弁済事実を証明するものに限らないのであるから留意する。

(仮受取書)

3 仮受取書等と称するものであっても、金銭又は有価証券の受領事実を証明するものは、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当する。(平元間消3−15改正)

(振込済みの通知書等)

4 売買代金等が預貯金の口座振替又は口座振込みの方法により債権者の預貯金口座に振り込まれた場合に、当該振込みを受けた債権者が債務者に対して預貯金口座への入金があった旨を通知する「振込済みのお知らせ」等と称する文書は、第17号文書(金銭の受取書)に該当する。(平元間消3−15改正)

(受領事実の証明以外の目的で作成される文書)

5 金銭又は有価証券の受取書は、その作成者が金銭又は有価証券の受領事実を証明するために作成するものをいうのであるから、文書の内容が間接的に金銭又は有価証券の受領事実を証明する効果を有するものであっても、作成者が受領事実の証明以外の目的で作成したもの(例えば手形割引料計算書、預金払戻請求書等)は、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当しない。(平元間消3−15改正)

(受取金引合通知書、入金記帳案内書)

6 従業員が得意先において金銭を受領した際に受取書を交付し、又は判取帳若しくは通帳にその受領事実を証明し、その後において事業者が受取引合通知書又は入金記帳案内書等を発行した場合における当該通知書又は案内書等で、当該金銭の受領事実を証明するものは、第17号文書(金銭の受取書)に該当するものとして取り扱う。 (平元間消3−15改正)

(入金通知書、当座振込通知書)

7 銀行が被振込人に対し交付する入金通知書、当座振込通知書又は当座振込報告書等は、課税文書に該当しない。
  なお、被振込人あてのものであっても、振込人に対して交付するものは、第17号文書(金銭の受取書)に該当することに留意する。(平元間消3−15改正)

(銀行間で作成する手形到着報告書)

8 手形取立ての依頼をした仕向け銀行が被仕向け銀行にその手形を送付した場合に、被仕向け銀行が仕向け銀行に交付する手形到着報告書で、手形を受領した旨の記載があるものは、第17号文書(有価証券の受取書)に該当する。(平元間消3−15改正)

(不渡手形受取書)

9 不渡手形を受け取った場合に作成する受取書は、第17号文書(有価証券の受取書)に該当する。(平元間消3−15改正)

(現金販売の場合のお買上票等)

10 商店が現金で物品を販売した場合に買受人に交付するお買上票等と称する文書で、当該文書の記載文言により金銭の受領事実が明らかにされているもの又は金銭登録機によるもの若しくは特に当事者間において受取書としての了解があるものは、第17号文書(金銭の受取書)に該当するものとして取り扱う。(平元間消3−15改正)

(支払通知書受領書等)

11 文書の受取書であるような形式をとる「支払通知書受領書」等と称する文書であっても、金銭又は有価証券の受領事実を証明するために作成するものは、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当する。
 また、金銭等の支払者が作成するような形式をとる「支払通知書控」等と称する文書であっても、金銭又は有価証券を受領するに際し、その受取人から支払人に交付する文書であることが明らかなものは、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当する。(平元間消3−15改正)

(資産を使用させることによる対価の意義)

12 「資産を使用させることによる対価」とは、例えば土地や建物の賃貸料、建設機械のリース料、貸付金の利息、著作権・特許権等の無体財産権の使用料等、不動産、動産、無体財産権その他の権利を他人に使わせることの対価をいう。
  なお、債務不履行となった場合に発生する遅延利息は、これに含まれないのであるから留意する。

(資産に係る権利を設定することによる対価の意義)

13 「資産に係る権利を設定することによる対価」とは、例えば家屋の賃貸借契約に当たり支払われる権利金のように、資産を他人に使用させるに当たり、当該資産について設定される権利の対価をいう。
 なお、家屋の賃貸借契約に当たり支払われる敷金、保証金等と称されるものであっても、後日返還されないこととされている部分がある場合には、当該部分は、これに含まれるのであるから留意する。

(役務を提供することによる対価の意義)

14 「役務を提供することによる対価」とは、例えば、土木工事、修繕、運送、保管、印刷、宿泊、広告、仲介、興行、技術援助、情報の提供等、労務、便益その他のサービスを提供することの対価をいう。

(対価の意義等)

15 「対価」とは、ある給付に対する反対給付の価格をいう。したがって、反対給付に該当しないもの、例えば、借入金、担保物(担保有価証券、保証金、証拠金等)、寄託物(寄託有価証券、預貯金等)、割戻金、配当金、保険金、損害賠償金(遅延利息及び違約金を含む。)、各種補償金、出資金、租税等の納付受託金、賞金、各種返還金等は、売上代金に該当しないのであるから留意する。

(債券の意義)

16 令第28条《売上代金に該当しない対価の範囲等》第2項第1号に規定する「債券」とは、起債に係る債券をいうのであって、その権利の表示方法がいわゆる現物債であると登録債又は振替債であるとを問わない。(平13課消3−12、平18課消3−36改正)

(為替取引における送金資金の受取書の意義)

17 令第28条第3項に規定する「為替取引における送金資金の受取書」とは、例えば、電信送金の依頼を受けた銀行が送金依頼人に対し作成交付する送金資金の受取書をいう。(平13課消3−12改正)

(有価証券の受取書の記載金額)

18 小切手等の有価証券を受け取る場合の受取書で、受取に係る金額の記載があるものについては当該金額を、また、第17号の2文書に該当する有価証券の受取書で、受取に係る金額の記載がなく当該有価証券の券面金額の記載があるものについては当該金額を、それぞれ記載金額として取り扱う。
  なお、売上代金に係る有価証券の受取書について通則4のホの(三)の規定が適用される場合は、当該規定に定めるところによるのであるから留意する。(昭59間消3−24、平元間消3−15改正)

(共同企業体と構成員の間で作成する受取書)

19 共同施工方式(構成員が資金、労務、機械等を出資し、合同計算により工事等を共同施工する方式)をとる共同企業体とその構成員との間において金銭等を授受する場合に作成する受取書の取扱いは、次による。(平元間消3−15改正)

  • (1) 共同企業体が作成する受取書
    • イ 出資金(費用分担金と称するものを含む。)を受け取る場合に作成する受取書は、営業に関しないものとして取り扱う。
    • ロ 構成員に金銭等の受領を委託し、構成員から当該委託に基づく金銭等を受け取る場合に作成する受取書は、金銭等を受け取る原因が売上代金であるかどうかにより、第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)又は17号の2文書(売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書)に該当する。
  • (2) 構成員が作成する受取書
    • イ 利益分配金又は出資金の返れい金を受け取る場合に作成する受取書は、17号の2文書(売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書)に該当する。
    • ロ 共同企業体から金銭等の支払の委託を受けた構成員が、当該委託に基づく金銭等を受け取る場合に作成する受取書は、金銭等を支払う原因が売上代金であるかどうかにより、第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)又は第17号の2文書(売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書)に該当する。

(相殺の事実を証明する領収書)

20 売掛金等と買掛金等とを相殺する場合において作成する領収書等と表示した文書で、当該文書に相殺による旨を明示しているものについては、第17号文書(金銭の受取書)に該当しないものとして取り扱う。
  また、金銭又は有価証券の受取書に相殺に係る金額を含めて記載してあるものについては、当該文書の記載事項により相殺に係るものであることが明らかにされている金額は、記載金額として取り扱わないものとする。(平元間消3−15改正)

(利益金又は剰余金の分配をすることができる法人)

21 「会社以外の法人で、法令の規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をすることができることとなっているもの」には、おおむね次に掲げる法人がこれに該当する。(平13課消3−12、平20課消3−74、令4課消4−67改正)

  • (1) 貸家組合、貸家組合連合会
  • (2) 貸室組合、貸室組合連合会
  • (3) 事業協同組合、事業協同組合連合会
  • (4) 事業協同小組合、事業協同小組合連合会
  • (5) 火災共済協同組合、火災共済協同組合連合会
  • (6) 信用協同組合、信用協同組合連合会
  • (7) 企業組合
  • (8) 協業組合
  • (9) 塩業組合
  • (10) 消費生活協同組合、消費生活協同組合連合会
  • (11) 農林中央金庫
  • (12) 信用金庫、信用金庫連合会
  • (13) 労働金庫、労働金庫連合会
  • (14) 商店街振興組合、商店街振興組合連合会
  • (15) 船主相互保険組合
  • (16) 輸出水産業協同組合
  • (17) 漁業協同組合、漁業協同組合連合会
  • (18) 漁業生産組合
  • (19) 水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会
  • (20) 共済水産業協同組合連合会
  • (21) 森林組合、森林組合連合会
  • (22) 蚕糸組合
  • (23) 農業協同組合、農業協同組合連合会
  • (24) 農事組合法人
  • (25) 貿易連合
  • (26) 相互会社
  • (27) 労働者協同組合(特定労働者協同組合を除く。)、労働者協同組合連合会(出資のあるものに限る。以下同じ。)
  • (28) 輸出組合、輸入組合
  • (29) 商工組合、商工組合連合会
  • (30) 生活衛生同業組合、生活衛生同業組合連合会

(注) ここに掲げる以外の法人については、当該法人に係る法令の規定又は定款の定めにより判断する必要がある。

(公益法人が作成する受取書)

22 公益法人が作成する受取書は、収益事業に関して作成するものであっても、営業に関しない受取書に該当する。

(人格のない社団の作成する受取書)

23 公益及び会員相互間の親睦等の非営利事業を目的とする人格のない社団が作成する受取書は、営業に関しない受取書に該当するものとし、その他の人格のない社団が収益事業に関して作成する受取書は、営業に関しない受取書に該当しないものとする。

(農業従事者等が作成する受取書)

24 店舗その他これらに類する設備を有しない農業、林業又は漁業に従事する者が、自己の生産物の販売に関して作成する受取書は、営業に関しない受取書に該当する。

(医師等の作成する受取書)

25 医師、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、保健師、助産師、看護師、あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、獣医師等がその業務上作成する受取書は、営業に関しない受取書として取り扱う。 (平13課消3−12、平14課消3−7改正)

(弁護士等の作成する受取書)

26 弁護士、弁理士、公認会計士、計理士、司法書士、行政書士、税理士、中小企業診断士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士、設計士、海事代理士、技術士、社会保険労務士等がその業務上作成する受取書は、営業に関しない受取書として取り扱う。

(法人組織の病院等が作成する受取書)

27 営利法人組織の病院等又は営利法人の経営する病院等が作成する受取書は、営業に関しない受取書に該当しない。
  なお、医療法(昭和23年法律第205号)第39条に規定する医療法人が作成する受取書は、営業に関しない受取書に該当する。

(受取金額の記載中に営業に関するものと関しないものとがある場合)

28 記載金額が5万円以上の受取書であっても、内訳等で営業に関するものと関しないものとが明確に区分できるもので、営業に関するものが5万円未満のものは、記載金額5万円未満の受取書として取り扱う。(平26課消3-21改正)

(租税過誤納金等の受取書)

29 国税及び地方税の過誤納金とこれに伴う還付加算金を受領(納税者等の指定する金融機関から支払を受ける場合を含む。)する際に作成する受取書は、課税しないことに取り扱う。

(返還を受けた租税の担保の受取書)

30 租税の担保として提供した金銭又は有価証券の返還を受ける際に作成する受取書は、課税しないことに取り扱う。

(返還された差押物件の受取書)

31 差押物件の返還を受ける際に作成する受取書は、課税しないことに取り扱う。

(株式払込金領収証又は株式申込受付証等)

32 株式払込金(株式申込証拠金を含む。)領収証又はこれに代えて発行する株式申込受付証並びに出資金領収証で、直接会社が作成するものは営業に関しない受取書に該当するものとし、募集及び払込取扱業者が作成するものは営業に関しない受取書に該当しないものとして取り扱う。

(災害義えん金の受取書)

33 新聞社、放送局等が、災害その他の義えん金の募集に関して作成する受取書は、課税しないことに取り扱う。

(取次票等)

34 金融機関が得意先から送金又は代金の取立て等の依頼を受け、金銭又は有価証券を受領した場合に作成する「取次票」、「預り証」等は、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当するのであるから留意する。(平元間消3−15追加)

(担保品預り証書)

35 金銭又は有価証券を担保として受け入れたことを内容とする担保品預り証書等は、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当するのであるから留意する。(平元間消3−15追加)