第2節 国内源泉所得

(恒久的施設帰属所得の認識に当たり勘案されるその他の状況)

20−2−1 恒久的施設を有する外国法人の法第138条第1項第1号《恒久的施設帰属所得》に掲げる国内源泉所得(同条第3項の規定により同号に掲げる所得とされるものを除く。以下20−2−2において「恒久的施設帰属所得」という。)の認識に当たり勘案される同号に規定する「その他の状況」には、恒久的施設に帰せられるリスク及び恒久的施設に帰せられる外部取引が含まれることに留意する。(平26年課法2−9「六」により追加)

(注)

1 リスクとは、為替相場の変動、市場金利の変動、経済事情の変化その他の要因による利益又は損失の増加又は減少の生ずるおそれをいう。以下この章において同じ。

2 リスクの引受け又はリスクの管理に関する人的機能を恒久的施設が果たす場合には、当該リスクは当該恒久的施設に帰せられる。

3 外部取引とは、恒久的施設を有する外国法人が他の者との間で行った取引をいう。以下20−2−2において同じ。

(恒久的施設帰属所得の認識)

20−2−2 恒久的施設帰属所得は、外国法人の恒久的施設及びその本店等(法第138条第1項第1号《恒久的施設帰属所得》に規定する本店等をいう。以下この章において同じ。)が果たす機能(リスクの引受け又はリスクの管理に関する人的機能、資産の帰属に係る人的機能その他の機能をいう。以下20−2−2において同じ。)並びに当該恒久的施設及びその本店等に関する事実の分析を行うことにより、当該恒久的施設が果たす機能、当該恒久的施設に帰せられるリスク、当該恒久的施設において使用する資産、当該恒久的施設に帰せられる外部取引、内部取引(同号に規定する内部取引をいう。以下この章において同じ。)その他の恒久的施設帰属所得の認識に影響を与える状況を特定し、これらの状況を総合的に勘案して認識する。この場合において、当該機能及び当該事実の分析は、当該外国法人が行った外部取引ごと又は当該恒久的施設とその本店等との間で行われた資産の移転、役務の提供等の事実ごとに、かつ、当該恒久的施設が当該外国法人から独立して事業を行う事業者であるものとして行うことに留意する。(平26年課法2−9「六」により追加)

(恒久的施設が果たす機能の範囲)

20−2−3 法第138条第1項第1号《恒久的施設帰属所得》に規定する「恒久的施設が果たす機能」には、恒久的施設が果たすリスクの引受け又はリスクの管理に関する人的機能、資産の帰属に係る人的機能、研究開発に係る人的機能、製造に係る人的機能、販売に係る人的機能、役務提供に係る人的機能等が含まれることに留意する。(平26年課法2−9「六」により追加)

(注) 本文の「恒久的施設が果たすリスクの引受け又はリスクの管理に関する人的機能」とは、当該恒久的施設を通じて行う事業に従事する者が行うリスクの引受け又はリスクの管理に関する積極的な意思決定が必要とされる活動をいう。

(恒久的施設において使用する資産の範囲)

20−2−4 法第138条第1項第1号《恒久的施設帰属所得》に規定する「恒久的施設において使用する資産」には、20−5−21の判定により恒久的施設に帰せられることとなる資産のほか、例えば、賃借している固定資産(令第13条第8号イからツまで《減価償却資産の範囲》に掲げる無形固定資産を除く。)、使用許諾を受けた無形資産(措置法第66条の4の3第5項第2号《外国法人の内部取引に係る課税の特例》に規定する無形資産のうち重要な価値のあるものをいう。)等で当該恒久的施設において使用するものが含まれることに留意する。(平26年課法2−9「六」により追加、平28年課法2-11「十四」、令元年課法2−10「十一」、令2年課法2−17「十三」により改正)

(注) 本文の「賃借」及び「使用許諾」には、賃借及び使用許諾に相当する内部取引が含まれる。