18−2−5 令第155条の40第1項第1号《構成会社等に係る再計算国別国際最低課税額》の「当該過去対象会計年度に係る納付すべき対象租税の額(……)が当該過去対象会計年度後の対象会計年度において減少した場合」とは、租税に関する法令の規定の適用によって構成会社等の過去対象会計年度に係る納付すべき対象租税の額が減少した場合をいい、単に対象租税に該当しない租税の額を当該構成会社等の対象租税の額に含めていたことによって当該対象租税の額が減少する場合は、これに該当しないことに留意する。(令5年課法2−17「十」により追加)
18−2−5の2 規則第38条の32第1項第2号イ《構成会社等に係る再計算国別国際最低課税額》に掲げる金額は、法人税又は法人税に相当する税に関する法令の規定により損金の額に算入される金額をいうのであるから、同号の取戻繰延税金負債に相当する金額から除かれる金額(同号イに掲げる金額に係る部分の金額に限る。)の算定に当たっては、同号イの有形資産が貸借対照表又は連結貸借対照表に有形資産として計上されているかどうかを問わないことに留意する。(令7年課法2−14「二」により追加)
18−2−5の3 規則第38条の32第2項《構成会社等に係る再計算国別国際最低課税額》の「過去対象会計年度に計上された繰延税金負債に係る令第155条の35第1項第2号(調整後対象租税額の計算)に掲げる金額」については、次のことに留意する。(令7年課法2−14「二」により追加)
(1) 過去対象会計年度において調整後法人税等調整額(規則第38条の28第3項第1号《調整後対象租税額の計算》に規定する調整後法人税等調整額をいう。以下18−2−5の3において同じ。)に加算した被配分繰延対象租税額(同条第4項に規定する被配分繰延対象租税額をいう。)がある場合には、当該被配分繰延対象租税額が含まれる。
(2) 18−1−67(1)から(8)まで《独立企業間価格又は独立企業間価格相当額により取引が行われたとみなされた場合等の調整後法人税等調整額の計算》に掲げる場合には、それぞれ同通達の(1)から(8)までに定めるときの貸借対照表又は連結貸借対照表に計上されることとなる資産及び負債を基礎として計算した調整後法人税等調整額を基礎として計算した金額とする。
18−2−5の4 各対象会計年度において取戻繰延税金負債(規則第38条の32第2項《構成会社等に係る再計算国別国際最低課税額》に規定する取戻繰延税金負債をいう。以下18−2−5の5までにおいて同じ。)を先入先出法(同項第2号に掲げる先入先出法をいう。以下18−2−5の5において同じ。)により算出する場合において、同号の総勘定元帳科目又は集計繰延税金負債区分に移行対象会計年度前繰延税金負債(規則第38条の28第15項《調整後対象租税額の計算》に規定する移行対象会計年度前繰延税金負債をいう。以下18−2−5の5までにおいて同じ。)が含まれるときにおける当該取戻繰延税金負債(当該総勘定元帳科目又は集計繰延税金負債区分に係る部分の金額に限る。)の算出に当たっては、規則第38条の32第6項において準用する規則第38条の28第15項第2号の規定に基づき、各対象会計年度の繰延税金負債減少額(規則第38条の32第2項第1号イ(1)に規定する繰延税金負債減少額をいう。以下18−2−5の4において同じ。)を移行対象会計年度前繰延税金負債の取崩額とみなして繰延税金負債残高(同号イ(1)に規定する繰延税金負債残高をいう。以下18−2−5の4において同じ。)を算出し、各対象会計年度において移行対象会計年度前繰延税金負債の取崩額とみなした金額の合計額が移行対象会計年度(令第155条の3第2項第11号《定義》に規定する移行対象会計年度をいう。以下18−2−5の5において同じ。)における移行対象会計年度前繰延税金負債に達したときは、その達した対象会計年度における繰延税金負債減少額から当該対象会計年度において移行対象会計年度前繰延税金負債の取崩額とみなした金額を控除した残額を当該対象会計年度の繰延税金負債減少額として繰延税金負債残高を算出することに留意する。(令7年課法2−14「二」により追加)
18−2−5の5 各対象会計年度において取戻繰延税金負債を後入先出法(規則第38条の32第2項第1号《構成会社等に係る再計算国別国際最低課税額》に掲げる後入先出法をいう。)又は先入先出法により算出する場合において、同条第6項の規定により読み替えられた規則第38条の28第17項《調整後対象租税額の計算》の「当該適用対象会計年度の前対象会計年度までに計上されたもの」は、規則第38条の32第6項において準用する規則第38条の28第16項の規定に基づき、次の順により取り崩されたものとみなすことに留意する。(令7年課法2−14「二」により追加)
(1) 移行対象会計年度前繰延税金負債
(2) 移行対象会計年度から同条第21項の規定の適用を受けた対象会計年度の前対象会計年度までに計上されたもの
(3) 同項の規定の適用を受けた対象会計年度から同条第22項の規定の適用を受けた対象会計年度の前対象会計年度までに計上されたもの
18−2−5の6 規則第38条の32第3項第1号《構成会社等に係る再計算国別国際最低課税額》の「その計上された対象会計年度の5対象会計年度後の対象会計年度終了の日までにその全額が取り崩されることが客観的な事実に基づき見込まれる繰延税金負債」とは、例えば、次に掲げる繰延税金負債の区分に応じ、それぞれ次に掲げる事項を考慮して判定した場合に、当該繰延税金負債の計上された対象会計年度の5対象会計年度後の対象会計年度終了の日までにその全額が取り崩されることが見込まれるものをいう。(令7年課法2−14「二」により追加)
(1) 債権に係る会計上の収益計上時期と税務上の益金算入時期とが異なることにより生ずる繰延税金負債 当該債権の発生の基となる契約に係る支払期限、過去における支払の状況等
(2) 資産の譲渡に係る会計上の収益計上時期と税務上の益金算入時期とが異なることにより生ずる繰延税金負債 構成会社等の所在地国の租税に関する法令における当該収益の額に係る益金算入時期に関する規定
(3) 工事に係る会計上の収益計上時期と税務上の益金算入時期とが異なることにより生ずる繰延税金負債 当該工事に係る契約期間
(4) 無形資産に係る税務上の償却期間と会計上の償却期間とが異なることにより生ずる繰延税金負債 当該無形資産に係る償却期間、償却方法等
(5) 資産の賃貸借等に係る支払が、税務上は当該支払が行われる対象会計年度において当該支払の全額が損金の額に算入され、会計上は当該支払が行われる対象会計年度以後の各対象会計年度における費用の額とされることにより生ずる繰延税金負債 会計上当該支払が費用として計上される期間
(6) 棚卸資産に係る税務上の評価額が会計上の評価額を下回ることにより生ずる繰延税金負債 当該棚卸資産の譲渡が見込まれる日等
18−2−5の7 規則第38条の35第1項第2号イ《無国籍構成会社等に係る再計算国際最低課税額》に掲げる金額は、法人税又は法人税に相当する税に関する法令の規定により損金の額に算入される金額をいうのであるから、同号の取戻繰延税金負債に相当する金額から除かれる金額(同号イに掲げる金額に係る部分の金額に限る。)の算定に当たっては、同号イの有形資産が貸借対照表又は連結貸借対照表に有形資産として計上されているかどうかを問わないことに留意する。(令7年課法2−14「二」により追加)
18−2−6 令第155条の40第2項第3号《構成会社等に係る再計算国別国際最低課税額》に規定する財務省令で定める金額(以下18−2−6において「再計算繰越国別調整後対象租税額」という。)は、特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(所在地国が同一である構成会社等に限る。)の過去対象会計年度に係る同号イに規定する再計算国別調整後対象租税額の計算により算定されたものであるから、例えば、過去対象会計年度において同号イに規定する再計算調整後対象租税額が零を下回る構成会社等が当該対象会計年度において当該特定多国籍企業グループ等に属さないこととなったとしても、これを考慮しないところにより再計算繰越国別調整後対象租税額の計算を行うことに留意する。(令5年課法2−17「十」により追加)