第3節 関連者間取引に係る書類の整理保存の特例

(工業所有権等の意義)

17−3−4 規則第59条の2第1項第1号⦅関連者間取引に係る書類の整理保存の特例⦆の「工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの」とは、工業所有権及びその実施権等のほか、これらの権利の目的にはなっていないが、生産その他業務に関し繰り返し使用し得るまでに形成された創作、すなわち、特別の原料、処方、機械、器具、工程によるなど独自の考案又は方法を用いた生産についての方式、これに準ずる秘けつ、秘伝その他特別に技術的価値を有する知識及び意匠等をいう。したがって、ノウハウはもちろん、機械、設備等の設計及び図面等に化体された生産方式、デザインもこれに含まれるが、技術の動向、製品の販路、特定の品目の生産高等の情報又は機械、装置、原材料等の材質等の鑑定若しくは性能の調査、検査等は、これに該当しない。(令8年課法2−9「十六」により追加)

(注) 本文の「技術の動向、製品の販路、特定の品目の生産高等の情報又は機械、装置、原材料等の材質等の鑑定若しくは性能の調査、検査等」の提供、実施等が同項第2号イからハまでに掲げる役務の提供に該当する場合には、同項の規定の適用があることに留意する。

(取引を行った場合の意義)

17−3−5 規則第59条の2第1項⦅関連者間取引に係る書類の整理保存の特例⦆の「取引(……)を行つた場合」とは、各事業年度において同項第1号の譲渡若しくは貸付け又は同項第2号の役務の提供を行った場合をいうのであるから、同項第1号の貸付け又は同項第2号の役務の提供が2以上の事業年度にわたって反復又は継続して行われる場合には、これらの貸付け又は役務の提供が行われる日の属する各事業年度において同項の規定の適用があることに留意する。(令8年課法2−9「十六」により追加)

(特定事項記載書類の性質)

17−3−6 規則第59条の2第1項⦅関連者間取引に係る書類の整理保存の特例⦆に規定する特定事項記載書類(以下17−3−8までにおいて「特定事項記載書類」という。)は、同項に規定する関連者間取引(以下17−3−11までにおいて「関連者間取引」という。)に関して受領し、又は作成した同項に規定する書類で、法人税に関する法令の規定により保存しなければならないもの(以下17−3−7において「取引関係書類」という。)に同項各号に掲げる当該関連者間取引の区分に応じ当該各号に定める事項(以下17−3−7において「必要記載事項」という。)の記載又は記録がない場合に、その記載又は記録がない事項(以下17−3−8までにおいて「特定事項」という。)を明らかにするためのものであるから、当該関連者間取引について、その内容の全てを記載する必要はなく、特定事項が明らかにされていれば足りることに留意する。
 なお、特定事項がない場合には、特定事項記載書類の取得等を要しないことに留意する。(令8年課法2−9「十六」により追加)

(特定事項記載書類の取得等を要しない場合)

17−3−7 関連者間取引に係る必要記載事項について、当該関連者間取引に係る複数の取引関係書類に記載又は記録されている事項を総合して確認することができる場合には、特定事項はなく、特定事項記載書類の取得等を要しないことに留意する。(令8年課法2−9「十六」により追加)

(反復継続取引)

17−3−8 同一内容の貸付け又は役務の提供が反復又は継続して行われている場合において、当該貸付け又は役務の提供に係る取引条件や役務内容に変更がないことが契約書、協定書その他の資料により確認できるときは、当該貸付け又は役務の提供に係る特定事項について、一の特定事項記載書類を取得又は作成し、これを保存することとして差し支えない。(令8年課法2−9「十六」により追加)

(費用分担等に係る事業活動の例示)

17−3−9 規則第59条の2第1項第2号イの事業活動には、当該事業活動に要する費用を役務の提供を受ける者が分担して負担するものとして、例えば、次に掲げるものが含まれる。(令8年課法2−9「十六」により追加)

(1) 同号イ(1)に掲げる研究開発、広告宣伝その他の経営資源を活用して行われる事業活動

イ 青色申告法人及び関連者(同条第3項に規定する関連者をいう。)に共通する商号、ブランド、商標その他これらに類する無体の財産的価値の維持又は向上を目的として実施される広告宣伝、販売促進、市場分析その他これらに類する活動

ロ 新製品若しくは新技術の開発又は既存の製品等の改良その他の研究開発に係る事業活動であって、技術、ノウハウその他の専門的知識又は経験を活用して行われるもの

(2) 同号イ(2)に掲げる専用資産を活用する事業活動

イ 情報システム、データベースその他事務処理の用に供する資産をグループで共通利用し、その提供、維持又は管理を行う事業活動

ロ 建物、設備その他の資産をグループで共通利用し、その提供、維持又は管理を行う事業活動
 なお、当該事業活動に要する費用について、複数の役務の提供に係るものとして一括して請求されるなど、個々の役務の提供ごとに明確に区分されていない場合であっても、そのことのみをもって同号イの事業活動に該当しないこととはならないことに留意する。

(経営の管理又は指導等に係る役務提供の例示)

17−3−10 規則第59条の2第1項第2号ロの役務の提供には、例えば、次に掲げるものが含まれる。(令8年課法2−9「十六」により追加)

(1) 経営に関し、事業計画の策定、業績管理又は内部管理体制の整備について助言又は指導を行うもの

(2) 人事、労務、法務、財務その他の業務運営に関し、専門的知識又は経験に基づき支援を行うもの

(3) 事業運営に資する情報を、定期的又は組織的に提供するもの

(注)1 株主又は出資者としての地位に基づき行われる活動であって、専らその地位に基づいて行われ、役務の提供として対価の授受を予定していないものは、通常、同号ロに掲げる役務の提供には当たらない。

2 17−3−9⦅費用分担等に係る事業活動の例示⦆のなお書の取扱いは、同号ロに掲げる役務の提供について準用する。

(関連者間取引に係る書類の整理保存の特例に係る取扱いの準用)

17−3−11 内国法人である普通法人等(法第150条の2第1項⦅帳簿書類の備付け等⦆に規定する普通法人等をいう。)に対する規則第67条の2⦅関連者間取引に係る書類の整理保存の特例⦆の規定の適用に当たっては、17−3−1⦅発行済株式⦆から17−3−10⦅経営の管理又は指導等に係る役務提供の例示⦆までの取扱いを準用する。(令8年課法2−9「十六」により追加)