(源泉徴収の外国法人税等)

16−3−4 我が国における利子、配当等に対する所得税のように、所得に代えて収入金額又はこれに一定の割合を乗じて計算した金額を課税標準として源泉徴収される税は、令第141条第2項第3号《外国法人税の範囲》に掲げる税に該当するが、外国法人から剰余金の配当若しくは利益の配当又は剰余金の分配(以下この節において「配当等」という。)の支払を受けるに当たり、当該外国法人の当該配当等の額の支払の基礎となった所得の金額に対して課される外国法人税の額に充てるために当該配当等の額から控除される金額は、同号に掲げる税に該当しないことに留意する。(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平15年課法2−22「十七」、平19年課法2−3「四十五」、平21年課法2−5「十七」、平24年課法2−17「七」により改正)

(外国税額控除の適用時期)

16−3−5 法第69条第1項又は第2項《外国税額の控除》の規定による外国税額の控除は、外国法人税を納付することとなる日の属する事業年度において適用があるのであるが、内国法人が継続してその納付することが確定した外国法人税の額を費用として計上した日(その計上した日が外国法人税を納付した日その他の税務上認められる合理的な基準に該当する場合に限る。)の属する事業年度においてこれらの項の規定を適用している場合には、その計算を認める。(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」により改正)

(予定納付等をした外国法人税についての税額控除の適用時期)

16−3−6 内国法人がいわゆる予定納付又は見積納付等(以下この節において「予定納付等」という。)をした外国法人税の額についても16−3−5に定める事業年度において法第69条第1項又は第2項《外国税額の控除》の規定を適用することとなるのであるが、当該内国法人が、継続して、当該外国法人税の額をその予定納付等に係る事業年度の外国法人税について確定申告又は確定賦課等があるまでは仮払金等として経理し、その確定申告、確定賦課等があった日の属する事業年度においてこれらの項の規定を適用することとしている場合には、その計算を認める。(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」により改正)

(国外からの利子、配当等について送金が許可されない場合の外国税額の控除)

16−3−7 国外の者から支払を受ける利子、配当等又は使用料(以下16−3−7において「国外からの利子、配当等」という。)につき、その送金が許可されないため、2−1−31《送金が許可されない利子、配当等の帰属の時期の特例》によりその送金が許可されるまで収益計上を見合わせることとしている場合には、当該国外からの利子、配当等につき課される外国法人税の額については、その後送金が許可されたことその他の理由により当該国外からの利子、配当等の額を収益として計上することとなる日までは損金の額に算入しないものとし、かつ、法第69条第1項及び第2項《外国税額の控除》の規定の適用はないものとする。(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」、平30年課法2−8「二十一」により改正)

16−3−8 削除(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」により改正、平26年課法2−9「四」により削除)

(国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算)

16−3−9 法第69条第4項第1号《国外事業所等に帰せられるべき所得》に掲げる国外源泉所得(以下この節において「国外事業所等帰属所得」という。)に係る所得の金額の計算に当たり、令第141条の3第2項《国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算》の規定に基づき、内国法人の各事業年度の所得の金額の計算に関する法人税に関する法令の規定に準じて計算する場合には、次のことに留意する。(昭58年直法2−3「六」、平2年直法2−1「十三」、平23年課法2−17「三十五」、平24年課法2−17「七」、平26年課法2−9「四」、平27年課法2−26「一」、平30年課法2−28「五」により改正)

  1. (1) 減価償却費、引当金又は準備金の繰入額等の損金算入、延払基準の方法による収益及び費用の計上、法第22条の2第2項《収益の額》の規定に準じて収益の額を益金算入しようとする場合に行われる収益の計上等については、法人税に関する法令の規定により、内国法人の仮決算又は確定した決算において経理することを要件として適用されることとなる。
    (注) 内国法人が単に国外事業所等(同号に規定する国外事業所等をいう。以下この節において同じ。)の帳簿に記帳するだけでは、これらの規定の適用がないことに留意する。
  2. (2) 減価償却資産の償却限度額、資産の評価換えによる評価益の益金算入額又は評価損の損金算入額等を計算する場合で、国外事業所等における資産の購入その他資産の取得に相当する内部取引(同号に規定する内部取引をいう。以下この節において同じ。)があるときのこれらの計算の基礎となる各資産の取得価額は、令第141条の7第1項《特定の内部取引に係る国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算》の規定の適用があるときを除き、当該内部取引の時の価額により当該内部取引が行われたものとして計算した金額となる。
    (注) 例えば、内国法人が国外事業所等に帰せられる減価償却資産につきその償却費を当該帳簿に記帳していない場合であっても、仮決算又は確定した決算において経理しているときは、当該経理した金額(当該金額が償却限度額を超える場合には、その超える部分の金額を控除した金額)は、国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入されることに留意する。

(複数の国外事業所等を有する場合の取扱い)

16−3−9の2 内国法人の国外事業所等が複数ある場合には、当該国外事業所等ごとに国外事業所等帰属所得を認識し当該国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算を行うことに留意する。(平26年課法2−9「四」により追加、平27年課法2−26「一」により改正)

(注) 一の外国に事業活動の拠点が複数ある場合には、当該一の外国の複数の事業活動の拠点全体を一の国外事業所等として本文の認識及び計算を行うことに留意する。

(国外事業所等帰属所得に係る所得の金額を計算する場合の準用)

16−3−9の3 内国法人の国外事業所等帰属所得に係る所得の金額を計算するに当たっては、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる取扱いを準用する。(平26年課法2−9「四」により追加、平27年課法2−26「一」により改正)

  1. (1) 内部取引から生ずる国外事業所等帰属所得に係る所得の金額を計算する場合 20−5−2《内部取引から生ずる恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算》、20−5−4《外国法人における短期保有株式等の判定》、20−5−5《損金の額に算入できない保証料》、20−5−7《損金の額に算入できない償却費等》、20−5−8《販売費及び一般管理費等の損金算入》、20−5−33《繰延ヘッジ処理等における負債の利子の額の計算》及び20−5−34《資本等取引に含まれるその他これらに類する事実》の取扱い
  2. (2) 令第141条の3第6項《共通費用の額の配分》の規定により共通費用の額を配分する場合 20−5−9《本店配賦経費の配分の基礎となる費用の意義》の取扱い
  3. (3) 令第141条の4第1項《国外事業所等に帰せられるべき資本に対応する負債の利子》の規定により、国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入されないこととなる金額を計算する場合 20−5−18《恒久的施設に係る資産等の帳簿価額の平均的な残高の意義》、20−5−19《総資産の帳簿価額の平均的な残高及び総負債の帳簿価額の平均的な残高の意義》、20−5−21《恒久的施設に帰せられる資産の意義》、20−5−23《比較対象法人の純資産の額の意義》及び20−5−26《金銭債務の償還差損等》から20−5−30《原価に算入した負債の利子の額の調整》までの取扱い
  4. (4) 令第141条の5第1項《銀行等の資本に係る負債の利子》の規定により、国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入されることとなる金額を計算する場合 20−5−26の取扱い
  5. (5) 令第141条の6第1項《保険会社の投資資産及び投資収益》の規定により、国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上益金の額に算入されないこととなる金額を計算する場合 20−5−15《外国保険会社等の投資資産の額の運用利回り》の取扱い

16−3−10 削除(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平17年課法2−14「十九」、平19年課法2−17「三十三」、平21年課法2−5「十七」により改正、平27年課法2−26「一」により削除)

16−3−11 削除(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平26年課法2−9「四」により改正、平27年課法2−26「一」により削除)

(国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算における共通費用の額の配賦)

16−3−12 当該事業年度における令第141条の3第6項《共通費用の額の配分》に規定する共通費用の額(法に規定する引当金勘定への繰入額並びに措置法に規定する準備金の積立額及び特別勘定の金額並びに負債の利子の額を除く。以下16−3−12及び16−3−14において「共通費用の額」という。)については、個々の業務ごと、かつ、個々の費目ごとに同項に規定する合理的と認められる基準により国外事業所等帰属所得に係る所得を生ずべき業務(以下16−3−12において「国外業務」という。)に配分するのであるが、個々の業務ごと、かつ、個々の費目ごとに計算をすることが困難であると認められるときは、全ての共通費用の額を一括して、当該事業年度の売上総利益の額(利子、配当等及び使用料については、その収入金額とする。以下16−3−12において同じ。)のうちに国外業務に係る売上総利益の額の占める割合を用いて国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算することができる。(昭58年直法2−3「六」、平2年直法2−1「十三」、平21年課法2−5「十七」、平23年課法2−17「三十五」、平26年課法2−9「四」、平27年課法2−26「一」、令2年課法2−17「十一」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(注)

1 内国法人(金融及び保険業を主として営む法人を除く。)の国外業務に係る収入金額の全部又は大部分が利子、配当等又は使用料であり、かつ、当該事業年度の所得の金額のうちに調整国外所得金額(令第142条第1項《控除限度額の計算》(通算法人にあっては、令第148条第2項第3号《通算法人に係る控除限度額の計算》)に規定する調整国外所得金額をいう。)の占める割合が低いなどのため課税上弊害がないと認められる場合には、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用の額のうち国外業務に関連することが明らかな費用の額のみが共通費用の額であるものとして国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算することができる。

2 内国法人の国外業務に係る収入金額のうちに法第23条の2第1項《外国子会社から受ける配当等の益金不算入》の規定の適用を受ける配当等(以下16−3−13までにおいて「外国子会社配当等」という。)の収入金額がある場合における外国子会社配当等に係る「国外業務に係る売上総利益の額」は、外国子会社配当等の収入金額から当該事業年度において同項の規定により益金の額に算入されない金額を控除した金額によることに留意する。

(国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算における負債の利子の額の配賦)

16−3−13 当該事業年度における令第141条の3第6項《国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算》に規定する共通費用の額に含まれる負債の利子(令第136条の2第1項《金銭債務の償還差損益》に規定する満たない部分の金額のうち同項の規定により当該事業年度の損金の額に算入すべき償還差損の額、手形の割引料、貿易商社における輸入決済手形借入金の利息等を含み、令第141条の5第1項《銀行等の資本に係る負債の利子》に規定する負債の利子を除く。以下16−3−13において同じ。)の額(以下16−3−14までにおいて「共通利子の額」という。)については、内国法人の営む主たる事業が次のいずれに該当するかに応じ、それぞれ次により国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算することができる。(昭58年直法2−3「六」、平2年直法2−1「十三」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平19年課法2−17「三十三」、平21年課法2−5「十七」、平24年課法2−17「七」、平27年課法2−8「十一」、平27年課法2−26「一」、令4年課法2−14「五十八」、令5年課法2−8「十」により改正)

(1)卸売業及び製造業 次の算式による方法

(算式)当該事業年度における共通利子の額の合計額 × 分母の各事業年度終了の時における国外事業所等に係る資産の帳簿価額の合計額 ÷ 当該事業年度終了の時及び当該事業年度の直前事業年度終了の時における総資産の帳簿価額の合計額

(2)銀行業 次の算式による方法

(算式)国外事業所等に係る貸付金、有価証券等の当該事業年度中の平均残高 × 国外事業所等に係る貸付金、有価証券等の当該事業年度中の平均残高 ÷ 預金、借入金等の当該事業年度中の平均残高 +(当該事業年度終了の時及び当該事業年度の直前事業年度終了の時における自己資本の額の合計額 - 左の各事業年度の終了の時における固定資産の帳簿価額の合計額)× 2分の1

(3)その他の事業 その事業の性質に応じ、(1)又は(2)の方法に準ずる方法

(注)

1 (1)の算式の「国外事業所等に係る資産」及び(2)の算式の「国外事業所等に係る貸付金、有価証券等」には、当該事業年度において収益に計上すべき利子、配当等の額がなかった貸付金、有価証券等を含めないことができる。

2 (1)の算式の「国外事業所等に係る資産」及び(2)の算式の「国外事業所等に係る貸付金、有価証券等」に、外国子会社配当等に係る株式又は出資がある場合には、これらの算式における当該株式又は出資に係る「国外事業所等に係る資産の帳簿価額」及び「有価証券等の当該事業年度中の平均残高」の計算は、当該株式又は出資の帳簿価額から当該帳簿価額に当該事業年度における外国子会社配当等の収入金額のうちに法第23条の2第1項《外国子会社から受ける配当等の益金不算入》の規定により益金の額に算入されない金額の占める割合を乗じて計算した金額を控除した金額による。

3 (1)の算式の「総資産の帳簿価額」は、法人税法施行令等の一部を改正する政令(令和2年政令第207号)による改正前の令第22条第1項第1号《株式等に係る負債の利子の額》の規定の例により計算した金額によるものとし、法人が税効果会計を適用している場合において、確定した決算に基づく貸借対照表に計上されている繰延税金資産の額があるときは、当該繰延税金資産の額を含むことに留意する。

4 (2)の算式の「自己資本の額」は、当該貸借対照表の純資産の部に計上されている金額によるものとし、また、「固定資産の帳簿価額」は、当該貸借対照表に計上されている法第2条第22号《定義》に規定する固定資産の帳簿価額による。

(国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算における確認による共通費用の額等の配賦方法の選択)

16−3−14 当該事業年度の共通費用の額又は共通利子の額のうち国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算する場合において、16−3−12又は16−3−13によることがその内国法人の業務の内容等に適合しないと認められるときは、あらかじめ所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては、所轄国税局長)の確認を受けて、当該共通費用の額又は共通利子の額の全部又は一部につき収入金額、直接経費の額、資産の価額、使用人の数その他の基準のうちその業務の内容等に適合すると認められる基準によりその計算をすることができるものとする。(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平27年課法2−26「一」により改正)

(国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算における引当金の繰入額等)

16−3−15 国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上、法の規定に準じて計算した場合に損金の額となる引当金勘定への繰入額並びに措置法の規定に準じて計算した場合に損金の額となる準備金(特別償却準備金を含む。以下16−3−16において同じ。)の積立額及び特別勘定の金額は、国外事業所等ごとに計算を行うことに留意する。この場合において、次のことは次による。(昭58年直法2−3「六」により追加、昭63年直法2−14「九」、平2年直法2−1「十三」、平10年課法2−7「二十二」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平27年課法2−26「一」、令2年課法2−17「十一」により改正)

  1. (1) 法第52条第1項《貸倒引当金》に規定する個別評価金銭債権(以下16−3−15において「個別評価金銭債権」という。)に係る貸倒引当金勘定への繰入額のうち国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入すべき金額は、内国法人が国外事業所等に帰せられる個別評価金銭債権の損失の見込額として仮決算又は確定した決算において貸倒引当金勘定に繰り入れた金額(当該金額が当該個別評価金銭債権について令第96条第1項《貸倒引当金勘定への繰入限度額》の規定に準じて計算した金額を超える場合には、その超える部分の金額を控除した金額)とする。
  2. (2) 法第52条第2項に規定する一括評価金銭債権(以下16−3−15において「一括評価金銭債権」という。)に係る貸倒引当金勘定への繰入額のうち国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入すべき金額は、内国法人が一括評価金銭債権の貸倒れによる損失の見込額として仮決算又は確定した決算において貸倒引当金勘定に繰り入れた金額のうち国外事業所等に係るものとして合理的に計算された金額(当該金額が当該国外事業所等に帰せられる一括評価金銭債権の額の合計額に国外事業所等貸倒実績率(当該国外事業所等が内国法人から独立して事業を行う事業者であるとして、令第96条第6項に規定する貸倒実績率を計算した場合の当該貸倒実績率をいう。以下16−3−15において同じ。)を乗じて計算した金額を超える場合には、その超える部分の金額を控除した金額)とする。

(注)

1 内国法人が単に国外事業所等の帳簿に記帳した金額は、仮決算又は確定した決算において貸倒引当金勘定に繰り入れた金額に該当しないことに留意する。

2 内国法人が国外事業所等の帳簿において貸倒引当金を記帳していない場合であっても、国外事業所等に帰せられる金銭債権につき仮決算又は確定した決算において貸倒引当金勘定への繰入れを行っているときは、当該金銭債権について、(1)又は(2)の適用があることに留意する。

3 内国法人が、全ての国外事業所等につき、国外事業所等貸倒実績率に代えて同項に規定する貸倒実績率により計算を行っている場合には、継続適用を条件としてこれを認める。

(国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算における引当金の取崩額等)

16−3−16 当該事業年度前の各事業年度においてその繰入額、積立額又は経理した金額を国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入した引当金、準備金又は特別勘定の取崩し等による益金算入額がある場合には、当該益金算入額のうちその繰入れをし、積立てをし、又は経理をした事業年度において国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入した金額に対応する部分の金額を当該取崩し等に係る事業年度の国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上益金の額に算入する。(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平22年課法2−1「四十一」、平27年課法2−26「一」、令2年課法2−17「十一」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(注) 当該事業度において適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人をいう。以下16−3−16において同じ。)から引継ぎを受けた引当金、準備金又は特別勘定の取崩し等による益金算入額がある場合には、当該益金算入額のうち当該被合併法人等においてその繰入れをし、積立てをし、又は経理をした事業年度の国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入した金額に対応する部分の金額についても、同様とする。

16−3−17 削除(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平10年課法2−7「二十二」、平12年課法2−7「二十三」、平15年課法2−7「五十七」、平17年課法2−14「十九」、平19年課法2−3「四十五」、平21年課法2−5「十七」により改正、平27年課法2−26「一」により削除)

16−3−18 削除(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平7年課法2−7「十一」、平11年課法2−9「二十三」により改正、平15年課法2−22「十七」により削除)

(国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算における寄附金、交際費等の損金算入限度額の計算)

16−3−19 国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算に当たり、令第141条の3第2項《国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算》の規定に基づき、法第37条第1項若しくは第2項《寄附金の損金不算入》又は措置法第61条の4第1項から第3項まで《交際費等の損金不算入》の規定に準じて計算する場合には、各国外事業所等をそれぞれ一の法人とみなして計算することに留意する。この場合において、次のことは次による。(平28年課法2−11「十一」により追加、令2年課法2−17「十一」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

  1. (1) 令第73条第1項第1号イ《一般寄附金の損金算入限度額》に規定する資本金の額及び資本準備金の額の合計額又は出資金の額は、内国法人の当該事業年度終了の時における同号イに規定する資本金の額及び資本準備金の額の合計額又は出資金の額による。
  2. (2) 措置法第61条の4第1項に規定する資本金の額又は出資金の額は、内国法人の当該事業年度終了の日における同項に規定する資本金の額又は出資金の額による。

(その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算)

16−3−19の2 令第141条の8第1項《その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算》に規定する「国外源泉所得に係る所得のみについて各事業年度の所得に対する法人税を課するものとした場合に課税標準となるべき当該事業年度の所得の金額に相当する金額」とは、現地における外国法人税の課税上その課税標準とされた所得の金額そのものではなく、当該事業年度において生じた令第141条の2第2号《国外所得金額》に掲げる国外源泉所得(以下この節において「その他の国外源泉所得」という。)に係る所得の計算につき法(措置法その他法人税に関する法令で法以外のものを含む。)の規定を適用して計算した場合における当該事業年度の課税標準となるべき所得の金額をいう。(平27年課法2−26「一」により追加)

(その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算における共通費用の額の配賦)

16−3−19の3 当該事業年度における令第141条の8第2項《共通費用の額の配分》に規定する共通費用の額(法に規定する引当金勘定への繰入額並びに措置法に規定する準備金の積立額及び特別勘定の金額並びに負債の利子の額を除く。以下16−3−19の3及び16−3−19の5において「共通費用の額」という。)については、個々の業務ごと、かつ、個々の費目ごとに同項に規定する合理的と認められる基準によりその他の国外源泉所得に係る所得を生ずべき業務(以下16−3−19の3において「国外業務」という。)に配分するのであるが、個々の業務ごと、かつ、個々の費目ごとに計算をすることが困難であると認められるときは、全ての共通費用の額を一括して、当該事業年度の売上総利益の額(利子、配当等及び使用料については、その収入金額とする。以下16−3−19の3において同じ。)のうちに国外業務に係る売上総利益の額の占める割合を用いてその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算することができる。(平27年課法2−26「一」により追加、令2年課法2−17「十一」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(注)

1 内国法人(金融及び保険業を主として営む法人を除く。)の国外業務に係る収入金額の全部又は大部分が利子、配当等又は使用料であり、かつ、当該事業年度の所得の金額のうちに調整国外所得金額(令第142条第1項《控除限度額の計算》(通算法人にあっては、令第148条第2項第3号《通算法人に係る控除限度額の計算》)に規定する調整国外所得金額をいう。)の占める割合が低いなどのため課税上弊害がないと認められる場合には、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用の額のうち国外業務に関連することが明らかな費用の額のみが共通費用の額であるものとしてその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算することができる。

2 内国法人の国外業務に係る収入金額のうちに法第23条の2第1項《外国子会社から受ける配当等の益金不算入》の規定の適用を受ける配当等(以下16−3−19の4までにおいて「外国子会社配当等」という。)の収入金額がある場合における外国子会社配当等に係る「国外業務に係る売上総利益の額」は、外国子会社配当等の収入金額から当該事業年度において同項の規定により益金の額に算入されない金額を控除した金額によることに留意する。

(その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算における負債の利子の額の配賦)

16−3−19の4 当該事業年度における令第141条の8第2項《その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算》に規定する共通費用の額に含まれる負債の利子(令第136条の2第1項《金銭債務の償還差損益》に規定する満たない部分の金額のうち同項の規定により当該事業年度の損金の額に算入すべき償還差損の額、手形の割引料、貿易商社における輸入決済手形借入金の利息等を含む。以下16−3−19の4において同じ。)の額(以下16−3−19の5までにおいて「共通利子の額」という。)については、内国法人の営む主たる事業が次のいずれに該当するかに応じ、それぞれ次によりその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算することができる。(平27年課法2−26「一」により追加、令4年課法2−14「五十八」、令5年課法2−8「十」により改正)

(1)卸売業及び製造業 次の算式による方法

(算式)当該事業年度における共通利子の額の合計額 × 分分母の各事業年度終了の時におけるその他の国外源泉所得の発生の源泉となる貸付金、有価証券等の帳簿価額の合計額 ÷ 当該事業年度終了の時及び当該事業年度の直前事業年度終了の時における総資産の帳簿価額の合計額

(2)銀行業 次の算式による方法

(算式)その他の国外源泉所得の発生の源泉となる貸付金、有価証券等の当該事業年度中の平均残高 × 当該事業年度における共通利子の額の合計額 ÷ 預金、借入金等の当該事業年度中の平均残高 +(当該事業年度終了の時及び当該事業年度の直前事業年度終了の時における自己資本の額の合計額 - 左の各事業年度の終了の時における固定資産の帳簿価額の合計額)× 2分の1

(3)その他の事業 その事業の性質に応じ、(1)又は(2)の方法に準ずる方法

(注)

1 (1)及び(2)の算式の「その他の国外源泉所得の発生の源泉となる貸付金、有価証券等」には、当該事業年度において収益に計上すべき利子、配当等の額がなかった貸付金、有価証券等を含めないことができる。

2 (1)及び(2)の算式の「その他の国外源泉所得の発生の源泉となる貸付金、有価証券等」に、外国子会社配当等に係る株式又は出資がある場合には、これらの算式における当該株式又は出資に係る「有価証券等の帳簿価額」及び「有価証券等の当該事業年度中の平均残高」の計算は、当該株式又は出資の帳簿価額から当該帳簿価額に当該事業年度における外国子会社配当等の収入金額のうちに法第23条の2第1項《外国子会社から受ける配当等の益金不算入》の規定により益金の額に算入されない金額の占める割合を乗じて計算した金額を控除した金額による。

3 (1)の算式の「総資産の帳簿価額」は、法人税法施行令等の一部を改正する政令(令和2年政令第207号)による改正前の令第22条第1項第1号《株式等に係る負債の利子の額》の規定の例により計算した金額によるものとし、法人が税効果会計を適用している場合において、確定した決算に基づく貸借対照表に計上されている繰延税金資産の額があるときは、当該繰延税金資産の額を含むことに留意する。

4 (2)の算式の「自己資本の額」は、確定した決算に基づく貸借対照表の純資産の部に計上されている金額によるものとし、また、「固定資産の帳簿価額」は、当該貸借対照表に計上されている法第2条第22号《定義》に規定する固定資産の帳簿価額による。

(その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算における確認による共通費用の額等の配賦方法の選択)

16−3−19の5 当該事業年度の共通費用の額又は共通利子の額のうちその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額として配分すべき金額を計算する場合において、16−3−19の3又は16−3−19の4によることがその内国法人の業務の内容等に適合しないと認められるときは、あらかじめ所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては、所轄国税局長)の確認を受けて、当該共通費用の額又は共通利子の額の全部又は一部につき収入金額、直接経費の額、資産の価額、使用人の数その他の基準のうちその業務の内容等に適合すると認められる基準によりその計算をすることができるものとする。(平27年課法2−26「一」により追加)

(その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算における引当金の繰入額等)

16−3−19の6 その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上、損金の額に算入すべき法に規定する引当金勘定への繰入額並びに措置法に規定する準備金(特別償却準備金を含む。以下16−3−19の7までにおいて同じ。)の積立額及び特別勘定の金額は、次による。(平27年課法2−26「一」により追加、令2年課法2−17「十一」により改正)

  1. (1) 法第52条第1項《貸倒引当金》に規定する個別評価金銭債権(以下16−3−19の6において「個別評価金銭債権」という。)に係る貸倒引当金勘定への繰入額は、内国法人の当該事業年度の所得の金額の計算の対象となった個別評価金銭債権の額のうちその他の国外源泉所得の発生の源泉となるものの額に係る部分の金額とし、同条第2項に規定する一括評価金銭債権(以下16−3−19の6において「一括評価金銭債権」という。)に係る貸倒引当金勘定への繰入額は、内国法人の当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入した一括評価金銭債権に係る貸倒引当金勘定への繰入額に、その対象となった一括評価金銭債権の額のうちにその他の国外源泉所得の発生の源泉となるものの額の占める割合を乗じて計算した金額とする。
    (注) その他の国外源泉所得の発生の源泉となる金銭債権のうち当該事業年度において収益に計上すべき利子の額がないものに対応する貸倒引当金勘定への繰入額は、当該事業年度のその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入しないことができる。
  2. (2) (1)の引当金以外の引当金の繰入額、準備金の積立額又は特別勘定の金額については、その引当金、準備金又は特別勘定の性質又は目的に応ずる合理的な基準により計算した金額をその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額とする。

(その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算における引当金の取崩額等)

16−3−19の7 当該事業年度前の各事業年度においてその繰入額、積立額又は経理した金額をその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入した引当金、準備金又は特別勘定の取崩し等による益金算入額がある場合には、当該益金算入額のうちその繰入れをし、積立てをし、又は経理をした事業年度においてその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入した金額に対応する部分の金額を当該取崩し等に係る事業年度のその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上益金の額に算入する。(平27年課法2−26「一」により追加、令2年課法2−17「十一」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(注) 当該事業年度において適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人をいう。以下16−3−19の7において同じ。)から引継ぎを受けた引当金、準備金又は特別勘定の取崩し等による益金算入額がある場合には、当該益金算入額のうち当該被合併法人等においてその繰入れをし、積立てをし、又は経理をした事業年度のその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上損金の額に算入した金額に対応する部分の金額についても、同様とする。

(その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算における損金の額に算入されない寄附金、交際費等)

16−3−19の7の2 当該事業年度において支出した寄附金の額のうちに法第37条第1項又は第2項《寄附金の損金不算入》の規定により損金の額に算入されない金額がある場合には、当該金額のうちその他の国外源泉所得に係る所得を生ずべき業務に係る寄附金の額に対応する部分の金額は、当該事業年度のその他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算上も損金の額に算入しない。
 当該事業年度の交際費等の額のうちに措置法第61条の4第1項《交際費等の損金不算入》の規定により損金の額に算入されない金額がある場合についても、同様とする。(平28年課法2−11「十一」により追加、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(国際海上運輸業における運送原価の計算)

16−3−19の8 法第69条第4項第14号《国際運輸業所得》の国内及び国外にわたって船舶による運送の事業(以下16−3−19の8において「国際海上運輸業」という。)を行うことにより生ずる所得のうち国外において行う業務につき生ずべき所得に係る所得の金額を計算する場合におけるその原価の額は、原則として個々の運送ごとに計算するのであるが、その計算が困難であると認められる場合には、継続して次の算式により計算した金額を当該運送の原価の額とすることができる。(平27年課法2−26「一」により追加)

(算式)国際海上運輸業に係る当該事業年度の運送の原価の額の合計額 × 分母の金額のうち同号に規定する「国外において行う業務」に係るもの ÷ 国際海上運輸業に係る当該事業年度の運送収入の額の合計額

(注) 算式の「当該事業年度の運送の原価の額の合計額」には、その運送のために要した費用の額のうち内国法人が2−2−10《運送収入に対応する原価の額》によりその支出の日の属する事業年度の損金として計算した金額が含まれる。

(欠損金の繰戻しによる還付があった場合の処理)

16−3−20 当該事業年度前の事業年度において法第69条第1項から第3項まで及び第9項《外国税額の控除》の規定の適用の対象とした外国法人税の額(適格合併等(適格合併、適格分割又は適格現物出資をいう。以下この章において同じ。)により事業の全部又は一部の移転を受けている場合にあっては、当該適格合併等に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人又は現物出資法人をいう。以下この章において同じ。)が当該事業に基因して納付した外国法人税の額のうちこれらの規定の適用の対象としたものを含む。)の全部又は一部が法第80条第1項《欠損金の繰戻しによる還付》の規定に類する制度に基づいて還付された場合には、その還付されることとなった日の属する事業年度において当該外国法人税の額につき減額があったものとして法第26条第3項《還付金等の益金不算入》及び法第69条第12項の規定を適用する。(昭58年直法2−3「六」により追加、平2年直法2−1「十三」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」、平22年課法2−1「四十一」、平26年課法2−9「四」、平28年課法2−11「十一」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(外国法人税を課さないことの意義)

16−3−21 令第142条第4項各号《外国法人税が課されない国外源泉所得》に規定する「外国法人税を課さないこととしていること」には、令第142条の2第3項《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》に規定するみなし納付外国法人税の額がある場合を除き、租税条約等の規定により外国法人税が課されないこととされている場合が含まれることに留意する。(平2年直法2−1「十三」により追加、平21年課法2−5「十七」、平24年課法2−17「七」、平26年課法2−9「四」により改正)

(外国法人税額の高率負担部分の判定)

16−3−22 内国法人が納付することとなる外国法人税の額のうちに令第142条の2第1項《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》に規定する「所得に対する負担が高率な部分の金額」(以下16−3−23において「高率負担部分」という。)があるかどうかは、一の外国法人税ごとに、かつ、当該外国法人税の課税標準とされる金額ごとに判定するのであるから留意する。(平2年直法2−1「十三」により追加、平21年課法2−5「十七」、平24年課法2−17「七」により改正)

(予定納付等をした場合の高率負担部分の判定)

16−3−23 内国法人が予定納付等をした外国法人税の額については、16−3−22《外国法人税額の高率負担部分の判定》にかかわらず、当該外国法人税の額に係る高率負担部分はないものとして法第69条第1項《外国税額の控除》の規定を適用するものとする。この場合において、当該予定納付等をした外国法人税(適格合併等により事業の全部又は一部の移転を受けている場合にあっては、当該適格合併等に係る被合併法人等が当該事業に係る所得に基因して予定納付等をした外国法人税のうち同項の規定を適用したものを含む。)に係る確定申告又は確定賦課等により納付する金額につき同項の規定の適用を受けるときは、当該確定申告又は確定賦課等により確定した外国法人税の額(予定納付等をした外国法人税の額を控除する前の金額をいう。以下16−3−23において同じ。)に基づき令第142条の2第1項《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》の規定を適用する。(平2年直法2−1「十三」により追加、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」、平22年課法2−1「四十一」、平24年課法2−17「七」、令和元年課法2−33「三」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(注) この取扱いを適用することにより、当該確定した外国法人税の額につき高率負担部分の金額が生じ、かつ、当該高率負担部分の金額が確定申告又は確定賦課等により納付する金額を超えるときは、当該超える部分の金額については、当該金額が令第147条第1項《外国法人税が減額された場合の特例》に規定する減額控除対象外国法人税額であるものとして、同条の規定を適用する。

(高率負担部分の判定をする場合の総収入金額の計算における投資簿価修正が行われた通算子法人株式の帳簿価額の取扱い)

16−3−24 令第142条の2第2項第1号《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》及び規則第29条第1項第1号《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額の計算に係る総収入金額等》に規定する当該資産の譲渡の直前の帳簿価額は、当該資産の譲渡が令第119条の3第5項 《移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》の他の通算法人の株式の通算終了事由が生ずる基因となった譲渡に該当するときには、同項又は令第119条の4第1項《評価換え等があった場合の総平均法の適用の特例》の規定により算出される金額にその譲渡をした株式の数を乗じた金額となることに留意する。(令4年課法2−14「五十八」により追加)

(高率負担部分の判定をする場合の総収入金額の計算における譲渡損益調整額の取扱い)

16−3−25 令第142条の2第2項第1号《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》の譲渡に係る収入金額とみなされる金額の計算上、法第61条の11第1項《完全支配関係がある法人の間の取引の損益》の規定の適用がある有価証券又は固定資産の譲渡に係る譲渡損益調整額は、影響しないことに留意する。
 規則第29条第1項第1号《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額の計算に係る総収入金額等》の計算についても、同様とする。(平15年課法2−7「五十七」により追加、平15年課法2−12「十」、平21年課法2−5「十七」、平22年課法2−1「四十一」、平24年課法2−17「七」、平30年課法2−8「二十一」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(注) 譲渡損益調整額とは、12の4−2−2《譲渡損益調整資産の譲渡に伴い特別勘定を設定した場合の譲渡損益調整額の計算》に定める譲渡損益調整額をいう。

(外国法人税額に増額等があった場合)

16−3−26 内国法人が外国法人税の額につき法第69条第1項から第3項まで及び第9項《外国税額の控除》の規定の適用を受けた場合(適格合併等により事業の全部又は一部の移転を受けている場合にあっては、当該適格合併等に係る被合併法人等が当該事業に係る所得に基因して納付した外国法人税の額につきこれらの規定の適用を受けた場合を含む。)において、その適用を受けた事業年度後の事業年度において、当該外国法人税の額の増額があり、かつ、同条第1項から第3項までの規定の適用を受けるときは、当該外国法人税につき、その増額後の金額に基づいて控除対象外国法人税額の再計算を行うものとし、増額した控除対象外国法人税額は、当該外国法人税の額の増額のあった日の属する事業年度において新たに生じたものとして同条の規定を適用する。この場合において、次に掲げる場合にあっては、それぞれ次による。(平2年直法2−1「十三」により追加、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平22年課法2−1「四十一」、平26年課法2−9「四」に、平28年課法2−11「十一」、令4年課法2−14「五十八」より改正)

  1. (1) 増加することとなった控除対象外国法人税額が増加した外国法人税の額以下である場合 増加することとなった控除対象外国法人税額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入しない。
  2. (2) 増加することとなった控除対象外国法人税額が増加した外国法人税の額を超える場合 増加することとなった控除対象外国法人税額のうち、増加した外国法人税の額に相当する金額は当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入しないものとし、当該増加した外国法人税の額に相当する金額を超える部分の金額については、当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する。

(注)1  外国法人税の額の減額があった場合において、当該外国法人税につき、減額された外国法人税の額を超えて控除対象外国法人税額を減額することとなるときは、当該超える部分の控除対象外国法人税額に相当する金額については、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する。

(注)2  通算法人の法第69条第18項(同条第24項において準用する場合を含む。)の規定の適用に係る本文の取扱いの適用に当たっては、「及び第9項」とあるのは「、第9項及び第18項(同条第24項において準用する場合を含む。)」と読み替える。

16−3−27 削除(平2年直法2−1「十三」により追加、平15年課法2−7「五十七」、平23年課法2−17「三十五」、平24年課法2−17「七」により改正、平26年課法2−9「四」により削除)

(外国法人税の額から控除されるもの)

16−3−28 令第142条の2第2項《利子等に係る外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》に規定する利子等の収入金額を課税標準として源泉徴収の方法に類する方法により課される外国法人税(以下16−3−28において「源泉徴収外国法人税」という。)のうち、当該源泉徴収外国法人税が課される国又は地域において法第68条《所得税額の控除》の規定に類する制度により税額控除又は損金算入のいずれかを選択適用することとされているものについては、当該源泉徴収外国法人税につき損金の額に算入しているときであっても、令第142条の2第2項の規定は適用しないものとする。(平2年直法2−1「十三」により追加、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」、平24年課法2−17「七」により改正)

(事業の区分)

16−3−29 内国法人の主として営む事業が令第142条の2第2項第1号から第3号まで《利子等に係る外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》に掲げる事業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。この場合において、当該法人が2以上の事業を兼営しているときは、それぞれの事業に属する収入金額等事業の規模を表す事実によって判定する。(平2年直法2−1「十三」により追加、平6年課法2−5「十」、平12年課法1−49、平15年課法2−7「五十七」、平20年課法2−5「三十二」、平21年課法2−5「十七」、平24年課法2−17「七」により改正)

(注) 日本標準産業分類の「大分類J金融業,保険業」の「中分類67保険業(保険媒介代理業、保険サービス業を含む)」の「673共済事業・少額短期保険業」のうち共済事業を営む法人は、生命共済事業及び損害共済事業に属する収入金額の合計額等、これらの共済事業の規模を表す事実によって同項第2号及び第3号に掲げる生命保険業及び損害保険業を主として営む内国法人であるかどうかを判定する。この場合において、当該法人が生命共済事業及び損害共済事業を兼営しているときは、当該法人に係る同項第1号に規定する総収入金額の合計額に相当する金額は、次により計算する。

(規則第29条第1項第1号、第2号及び同条第2項第2号に掲げる金額の合計額)-(規則第29条第1項第3号及び同条第2項第3号に掲げる金額の合計額)

(所得率等が変動した場合の取扱い)

16−3−30 内国法人が外国法人税の額につき法第69条第1項から第3項まで《外国税額の控除》の規定の適用を受けた場合において、その適用を受けた事業年度(以下16−3−30において「適用事業年度」という。)に係る所得率又は利子収入割合について異動が生じたこと等により当該外国法人税の額に係る控除対象外国法人税額に異動が生じたとき(16−3−26の適用がある場合を除く。)は、当該適用事業年度において当該外国法人税の額につき、その異動後の控除対象外国法人税額に基づいて法第69条の規定を適用することに留意する。(平2年直法2−1「十三」、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」、平23年課法2−17「三十五」、平24年課法2−17「七」、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(注) 1 本文の所得率とは令第142条の2第2項《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》に規定する所得率をいい(以下16−3−32までにおいて同じ。)、利子収入割合とは同項第4号括弧書に規定する割合をいう。
2 通算法人の法第69条第18項(同条第24項において準用する場合を含む。)の規定の適用に係る本文の取扱いの適用に当たっては、「第3項まで」とあるのは「第3項まで及び第18項(同条第24項において準用する場合を含む。)」と、「事業年度(」とあるのは「事業年度(同条第18項(同条第24項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けた場合には、同条第18項(同条第24項において準用する場合を含む。)に規定する過去適用事業年度。」と、それぞれ読み替える。
 通算法人が法第69条第18項(同条第24項において準用する場合を含む。)に規定する過去適用事業年度につき同条第19項(同条第24項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける場合についても、同様とする。

(総収入金額)

16−3−31 所得率の計算の基礎となる令第142条の2第2項第1号《利子等に係る外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》に規定する納付事業年度及び前2年内事業年度の総収入金額(以下16−3−32において「総収入金額」という。)とは、令第142条の2第2項及び規則第29条第1項若しくは第2項《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額の計算に係る総収入金額等》並びにこの節において別段の定めのあるものを除き、当該納付事業年度及び前2年内事業年度において益金の額に算入されるべき収入金額の合計額をいうことに留意する。(平2年直法2−1「十三」、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」、平24年課法2−17「七」により改正)

(引当金勘定の取崩し等による益金の額の収入金額からの除外)

16−3−32 所得率を計算する場合において、引当金勘定、準備金勘定又は特別勘定の取崩しによる益金算入額、法第25条第2項又は第3項《資産の評価益の益金不算入等》の規定による評価益の益金算入額、法第48条第3項《保険差益等に係る特別勘定の金額の損金算入》の規定による特別勘定の益金算入額及び措置法第65条の7第4項又は第12項《特定資産の買換えの場合の課税の特例》の規定による買換資産を事業の用に供しない場合の益金算入額等の益金算入額は、規則第29条第1項又は第2項《総収入金額の合計額に相当する金額の計算》に定めるものを除き、総収入金額に算入しない。(平2年直法2−1「十三」により追加、平12年課法2−7「二十三」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平17年課法2−14「十九」、平26年課法2−9「四」、令2年課法2−17「十一」により改正)

(資産の売却に係る収入金額)

16−3−33 令第142条の2第2項第1号及び規則第29条第1項第1号《金融業等に係る総収入金額の計算等》に規定する有価証券及び固定資産(以下16−3−33において「資産」という。)の売却に係る収入金額には、次のものが含まれる。(平2年直法2−1「十三」により追加、平2年直法2−6「九」、平11年課法2−9「二十三」、平14年課法2−1「四十」、平15年課法2−7「五十七」、平17年課法2−14「十九」、平24年課法2−17「七」により改正)

  1. (1) 法第50条第1項《交換により取得した資産の圧縮額の損金算入》に規定する取得資産の価額(当該取得資産とともに取得した令第92条第2項第1号《交換により生じた差益金の額》に規定する交換差金等の金額を含む。)
  2. (2) 措置法第64条第1項若しくは第65条第1項《収用換地等に伴い資産を取得した場合の課税の特例》に規定する補償金若しくは清算金(収用等の対価に該当するものに限る。)の金額又は代替資産若しくは交換取得資産の価額
  3. (3) 措置法第65条の9《特定の資産を交換した場合の課税の特例》の規定により、交換の日におけるその資産の価額に相当する金額をもって譲渡したものとみなされる同条第1号に規定する交換譲渡資産の価額
  4. (4) 借地権の譲渡対価の額
  5. (5) 令第138条第1項《借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入》の規定に該当する場合における借地権の設定等に伴って収受する権利金等の金額
(注) 1 法第47条第1項《保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》に規定する保険金等の金額は、資産の売却に係る収入金額に含まれない。
2 不動産売買業を営む法人の有する土地又は建物であっても、当該法人が使用し若しくは他に貸し付けているもの(販売の目的で所有しているもので一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該法人が使用することを予定して長期間にわたり所有していることが明らかなものは、固定資産に該当する。

(棚卸資産の販売による収入金額)

16−3−34 規則第29条第3項《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額の計算に係る売上総利益の額》に規定する「棚卸資産の販売による収入金額」には、棚卸資産の販売に係る契約が解除されたことにより収受する違約金の額は含まれないことに留意する。(平2年直法2−1「十三」により追加、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」により改正)

(棚卸資産の販売以外の事業に係る収入金額)

16−3−35 規則第29条第3項括弧書《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額の計算に係る売上総利益の額》に規定する「当該事業に係る収入金額」は、同項に規定する売上総利益の額の計算の基礎となる収入金額に限られるのであるから、営業外損益及び特別損益に属する収入金額は、これに含まれない。(平2年直法2−1「十三」により追加、平15年課法2−7「五十七」、平21年課法2−5「十七」、平23年課法2−17「三十五」により改正)

(内国法人に帰せられるものとして計算される金額を課税標準として当該内国法人に対して課される外国法人税の額)

16−3−36 令第142条の2第7項第3号及び第8項第1号から第4号まで《外国税額控除の対象とならない外国法人税の額》に規定する「内国法人に帰せられるものとして計算される金額を課税標準として当該内国法人に対して課される外国法人税の額」には、例えばその所在地国でいわゆるパス・スルー課税が適用される事業体で、我が国においては外国法人に該当するものの所得のうち、その所在地国において構成員である内国法人に帰せられるものとして計算される金額に対して課される外国法人税の額が該当する。(平21年課法2−5「十七」により追加、平22年課法2−1「四十一」、平24年課法2−17「七」、令3年課法2−21「十三」により改正)

(外国子会社から受ける剰余金の配当等の額に係る外国法人税の額の計算)

16−3−36の2 内国法人が外国子会社(法第23条の2第1項《外国子会社から受ける配当等の益金不算入》に規定する「外国子会社」をいう。以下16−3−36の2において同じ。)から受ける剰余金の配当等(法第23条第1項第1号《受取配当等の益金不算入》に規定する剰余金の配当若しくは利益の配当又は剰余金の分配をいう。以下16−3−36の2において同じ。)の額の一部について法第23条の2第3項の規定の適用を受ける場合には、控除対象外国法人税額の計算の基礎となる当該剰余金の配当等の額に係る外国法人税の額は、当該内国法人が受ける当該剰余金の配当等の額を課税標準として課される外国法人税の額に次の(1)に掲げる金額の(2)に掲げる金額に対する割合を乗じて計算する等合理的な方法により計算した額とする。(平27年課法2−8「十一」により追加)

  1. (1) (2)に掲げる剰余金の配当等の額のうち当該外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額
  2. (2) 当該内国法人が当該外国子会社から受けた剰余金の配当等の額の元本である株式又は出資の総数又は総額につき当該外国子会社により支払われた剰余金の配当等の額

(国外事業所等帰属所得を認識する場合の準用)

16−3−37 20−2−1《恒久的施設帰属所得の認識に当たり勘案されるその他の状況》から20−2−4《恒久的施設において使用する資産の範囲》までの取扱いは、国外事業所等帰属所得を認識する場合について準用する。(平26年課法2−9「四」により追加)

(振替公社債等の運用又は保有)

16−3−38 20−2−6《振替公社債等の運用又は保有》は、令第145条の3第1項第1号《国外にある資産の運用又は保有により生ずる所得》に掲げる債券の範囲について準用する。(平26年課法2−9「四」により追加、令4年課法2−14「五十八」により改正)

(機械設備の販売等に付随して行う技術役務の提供)

16−3−39 20−2−12《機械設備の販売等に付随して行う技術役務の提供》は、令第145条の5第3号《人的役務の提供を主たる内容とする事業の範囲》に掲げる「科学技術、経営管理その他の分野に関する専門的知識又は特別の技能を有する者の当該知識又は技能を活用して行う役務の提供を主たる内容とする事業」から除かれる「機械設備の販売その他事業を行う者の主たる業務に付随して行われる場合における当該事業」の範囲について準用する。(平26年課法2−9「四」により追加)

(船舶又は航空機の貸付け)

16−3−40 法第69条第4項第5号《船舶等の貸付けによる所得》に掲げる船舶又は航空機の貸付けによる対価とは、船体又は機体の賃貸借であるいわゆる裸用船(機)契約に基づいて支払を受ける対価をいい、乗組員とともに船体又は機体を利用させるいわゆる定期用船(機)契約又は航海用船(機)契約に基づいて支払を受ける対価は、これに該当しない。(平26年課法2−9「四」により追加)

(注) 1 いわゆる定期用船(機)契約又は航海用船(機)契約に基づいて支払を受ける対価は、同項第14号の運送の事業に係る所得に該当する。
2 内国法人が非居住者又は外国法人に対する船舶又は航空機の貸付け(いわゆる裸用船(機)契約によるものに限る。)に基づいて支払を受ける対価は、たとえ当該非居住者又は外国法人が当該貸付けを受けた船舶又は航空機を専ら国内において事業の用に供する場合であっても、同項第5号に掲げる国外源泉所得に該当することに留意する。

(振替公社債等の利子)

16−3−41 20−2−6《振替公社債等の運用又は保有》は、法第69条第4項第6号イ《債券の利子等》に規定する債券の範囲について準用する。(平26年課法2−9「四」により追加)

(貸付金に準ずるもの)

16−3−42 法第69条第4項第8号《国外において業務を行う者に対する貸付金の利子》に規定する「国外において業務を行う者に対する貸付金」に準ずるものには、国外において業務を行う者に対する債権で次に掲げるようなものが含まれることに留意する。(平26年課法2−9「四」により追加)

  1. (1) 預け金のうち同項第6号ロに規定する預貯金以外のもの
  2. (2) 保証金、敷金その他これらに類する債権
  3. (3) 前渡金その他これに類する債権
  4. (4) 他人のために立替払をした場合の立替金
  5. (5) 取引の対価に係る延払債権
  6. (6) 保証債務を履行したことに伴って取得した求償権
  7. (7) 損害賠償金に係る延払債権
  8. (8) 当座貸越に係る債権

(工業所有権等の意義)

16−3−43 20−3−2《工業所有権等の意義》は、法第69条第4項第9号イ《使用料等》に規定する「工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの」(以下16−3−44において「工業所有権等」という。)の意義について準用する。(平26年課法2−9「四」により追加)

(使用料の意義)

16−3−44 法第69条第4項第9号イ《使用料等》の工業所有権等の使用料とは、工業所有権等の実施、使用、採用、提供若しくは伝授又は工業所有権等に係る実施権若しくは使用権の設定、許諾若しくはその譲渡の承諾につき支払を受ける対価の一切をいい、同号ロの著作権の使用料とは、著作物(著作権法第2条第1項第1号《定義》に規定する著作物をいう。以下16−3−44において同じ。)の複製、上演、演奏、放送、展示、上映、翻訳、編曲、脚色、映画化その他著作物の利用又は出版権の設定につき支払を受ける対価の一切をいうのであるから、これらの使用料には、契約を締結するに当たって支払を受けるいわゆる頭金、権利金等のほか、これらのものを提供し、又は伝授するために要する費用に充てるものとして支払を受けるものも含まれることに留意する。(平26年課法2−9「四」により追加)

(備品の範囲)

16−3−45 令第145条の7第1項《国外業務に係る使用料等》に規定する器具及び備品には、美術工芸品、古代の遺物等のほか、観賞用、興行用その他これらに準ずる用に供される生物が含まれることに留意する。(平26年課法2−9「四」により追加)

(利子の範囲)

16−3−46 3−1−3((4)、(5)及び(7)を除く。)《支払利子の範囲》は、法第69条第7項《外国税額の控除》に規定する利子の範囲について準用する。(平26年課法2−9「四」により追加、平28年課法2−11「十一」、令4年課法2−14「五十八」により改正)