(債務の確定の判定)

2−2−12 法第22条第3項第2号《損金の額に算入される販売費等》の償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、別に定めるものを除き、次に掲げる要件の全てに該当するものとする。(昭55年直法2−8「七」、平23年課法2−17「五」により改正)

(1) 当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。

(2) 当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。

(3) 当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。

(損害賠償金)

2−2−13 法人が、その業務の遂行に関連して他の者に与えた損害につき賠償をする場合において、当該事業年度終了の日までにその賠償すべき額が確定していないときであっても、同日までにその額として相手方に申し出た金額(相手方に対する申出に代えて第三者に寄託した額を含む。)に相当する金額(保険金等によりほてんされることが明らかな部分の金額を除く。)を当該事業年度の未払金に計上したときは、これを認める。(昭55年直法2−8「七」により追加、平15年課法2−7「七」、平23年課法2−17「五」、令4年課法2−14「八」により改正)

(注) 損害賠償金を年金として支払う場合には、その年金の額は、これを支払うべき日の属する事業年度の損金の額に算入する。

(短期の前払費用)

2−2−14 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2−2−14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。(昭55年直法2−8「七」により追加、昭61年直法2−12「二」により改正)

(注) 例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。

(消耗品費等)

2−2−15 消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。(昭55年直法2−8「七」により追加)

(注) この取扱いにより損金の額に算入する金額が製品の製造等のために要する費用としての性質を有する場合には、当該金額は製造原価に算入するのであるから留意する。