滞納処分の続行停止

(意義)

1 法第114条の「滞納処分の続行の停止」とは、一定の事実の発生により、最高価申込者等の決定又は売却決定に続く後行の処分の執行が差し止められることをいう。

(滞納処分の続行の停止があったとき)

2 法第114条の「国税通則法第105条第1項ただし書(不服申立てがあった場合の処分の制限)その他の法律の規定に基づき滞納処分の続行の停止があつたとき」とは、換価財産について最高価申込者等の決定又は売却決定をした場合において、次に掲げる場合に該当するときをいう。

  • (1) 通則法第23条第5項ただし書《更正の請求があった場合の徴収の猶予》の規定により、国税の徴収が猶予されたとき。
  • (2) 通則法第46条《納税の猶予の要件等》、租税特別措置法第40条の3の4《内部取引に係る課税の特例に係る納税の猶予》、第41条の19の5《国外所得金額の計算の特例》、第66条の4の2《国外関連者との取引に係る課税の特例に係る納税の猶予》、第66条の4の3《外国法人の内部取引に係る課税の特例》又は第67条の18《国外所得金額の計算の特例》の規定により、国税の納税が猶予されたとき。
  • (3) 通則法第105条第1項ただし書《不服申立てがあった場合の処分の制限》の規定により、換価ができないこととなったとき。
  • (4) 行政事件訴訟法第25条第2項本文《執行停止》の規定により滞納処分の続行停止の決定があったとき。
  • (5) 訴えの提起により法第90条第3項《訴訟係属中の換価の制限》の規定に該当することとなったとき。
  • (6) 法第50条第3項《換価の制限》の請求財産の換価の申立てがあった場合で、かつ、同項の規定により請求財産の換価ができないときに該当するとき。
  • (7) 会社更生法第24条第2項《滞納処分等の中止命令》の規定により滞納処分の中止命令があったとき。
  • (8) 会社更生法第25条第3項第2号《包括的禁止命令》の規定により滞納処分が中止されたとき。
  • (9) 更生手続開始の決定があったとき(会社更生法第50条第2項)。
  • (10) 納税の猶予又は換価の猶予が更生計画により認められたとき(会社更生法第199条、第169条、第201条等参照)。

入札等又は買受けの取消しに伴う措置

(取消しの効力の発生と手続等)

3 法第114条の「その入札等又は買受けを取り消すことができる」については、最高価申込者等又は買受人からの入札等又は買受けの取消しの申出により、その効力が生ずるのであるが、これらの申出があった場合には、税務署長は、最高価申込者等の決定の取消し又は売却決定の取消しの手続をとるものとする。この場合において、税務署長は、知れている利害関係人(滞納者を含む。)に対してその旨を通知するものとする。この書面の様式は、別に定めるところによる。

(公売保証金の返還)

4 最高価申込者等又は買受人がその入札等又は買受けを取り消した場合において、その者の提供した公売保証金があるときは、遅滞なく、その公売保証金をその提供した者に返還しなければならない(法第100条第6項第3号)。

再公売との関係

5 滞納処分の続行の停止が解除された後においては、その続行の停止に係る公売を前提とする再公売(法第107条)をすることはできない。