複数落札入札制

(意義)

1 種類及び価額が同じ財産(例えば、同一銘柄、同一規格の商品又は同一銘柄の証券、社債等の有価証券)を一時に多量に入札の方法により公売する場合においては、その財産の数量の範囲内において入札者の希望する数量及び単価を入札させ、見積価額以上の単価の入札者のうち、入札価額の高い入札者から順次その財産の数量に達するまでの入札者を最高価申込者とする方法(以下「複数落札入札制」という。)によることができる(法第105条第1項前段)。

(最高価申込者の決定方法)

2 複数落札入札制による最高価申込者の決定は、次による。

(1) 入札は、公売財産の数量の範囲内において、入札者の希望する買受数量及び単価を入札書に記載(電子情報処理組織を使用する方法により入札がされる場合は、これらの事項に係る入力)をして行わせる(法第105条第1項前段)。

(2) 見積価額は、単価について定める(法第105条第1項前段、第106条第1項参照)。

(3) 最高価申込者の決定は、見積価額以上の価額の入札者のうち、高額の入札者から順次にその財産の数量に達するまでの入札者を最高価申込者とすることにより行う(法第105条第1項前段)。

(4) (3)により最高価申込者を決定する場合において、同価の入札者が2人以上あったときは、入札数量の多い者を先順位の入札者とし、また入札数量が同量であったときはくじにより先順位の入札者を定める(法第105条第1項後段)。

(5) (3)により最高価申込者を決定する場合において、最後の順位の最高価申込者の入札数量が他の最高価申込者の数量と合計して公売財産の数量を超えるときは、その超える入札数量については入札がなかったものとする(法第105条第2項)。

(6)最高価申込者に対して売却決定をした場合において、買受人のうちに買受代金をその納付の期限までに納付しない者があるときは、開札に引き続き売却決定を行い、かつ、直ちに買受代金を納付させるときに限り、その者に売却決定をした数量の範囲内で、(5)により入札がなかったものとされた入札数量について入札があったものとする。ただし、買受代金を納付しない買受人については、この限りでない(法第105条第3項前段)。

(7) (6)によって最高価申込者を決定しても、なお公売財産に残余を生ずるときは、(4)により最高価申込者とならなかった者を最高価申込者とする(法第105条第3項前段)。

(8) (7)により最高価申込者の決定をする場合において、(4)により最高価申込者とならなかった者が2人以上あるときは、(4)に準じてその順位を決定する(法第105条第3項後段)。

(9) (8)により最高価申込者を決定する場合において、最後の順位の最高価申込者の入札数量が他の最高価申込者の数量と合計して公売財産の数量を超えるときは、(5)に準ずる(法第105条第3項後段)。

数量不足による入札の取消し

3 2の(4)から(9)までに掲げる場合において入札数量の一部についてだけ入札があったものとされた者は、数量の不足を理由として、入札を取り消すことはできない(第100条関係15参照)。