公売保証金の納付に使用できる小切手

(小切手)

1 法第100条第1項第1号の「国税の納付に使用することができる小切手」とは、証券ヲ以テスル歳入納付ニ関スル法律に基づき租税及び歳入の納付に使用できる証券のうちの小切手をいうが、このうち提示期間の満了までに5日以上の期間のないものは、受領を拒否することができるものとする(歳入納付ニ使用スル証券ニ関スル件第1条第2項、執行規則第40条第1項第2号、第3号参照)。

(銀行)

2 法第100条第1項第1号の「銀行」とは、銀行法第2条«定義等»の銀行をいうが、信用金庫を含むものとして取り扱う。

(銀行振出しに係るもの)

3 法第100条第1項第1号の「銀行の振出しに係るもの」とは、銀行が振り出した小切手で、その銀行にあてたもの(いわゆる預金小切手)をいう。

(支払保証のあるもの)

4 法第100条第1項第1号の「その支払保証のあるもの」とは、小切手法第53条«支払保証の方式»の規定により、支払人である銀行が支払保証をしたものをいう。

納付保証委託契約

(保証銀行等)

5 法第100条第1項第2号の「保証銀行等」とは、銀行法第2条«定義等»の銀行のほか、入札等をしようとする者(以下「入札者等」という。)に係る公売保証金に相当する現金を納付するための資力が十分であると税務署長が認める者をいう(執行規則第40条第1項第4号、第10条参照)。

(納付保証委託契約証明書)

6 法第100条第1項第2号の「書面」とは、入札者等と保証銀行等との間において、その入札者等に係る公売保証金に相当する現金を税務署長の催告によりその保証銀行等が納付する旨の契約が締結されたことを証する書面(以下第100条関係において「納付保証委託契約証明書」という。)をいう。

(公売保証金に係る契約の要件)

7 法第100条第1項第2号の「契約」の要件は、期限を定めず入札者等に係る公売保証金に相当する現金を税務署長の催告により保証銀行等が納付することを約する契約であることとする(規則第1条の3)。

公売保証金の買受代金への充当

8 法第100条第1項第1号に規定する現金で納付する方法により提供された公売保証金については、買受人の意思表示により、買受代金に充てることができる(同条第3項本文)。この場合における買受代金への納付の効果は、買受代金のうち、買受代金へ充てた公売保証金を控除した額の全額の納付があった時に生ずるものとする。
なお、納付保証委託契約証明書を税務署長に提出する方法により提供された公売保証金については、買受代金に充てることができない。

保証銀行等に公売保証金に相当する現金を納付させる場合

9 税務署長は、法第115条第4項又は法第108条第2項«最高価申込者等とする決定の取消し等»の規定による処分をした場合には、保証銀行等に対し、入札者等に係る公売保証金に相当する現金を納付することを催告するものとする。この書面の様式は、別に定めるところによる。

公売保証金の国税への充当等

(充てる場合)

10 法第100条第3項ただし書又は第4項の規定により、公売保証金を公売に係る国税に充てることができるのは、その公売財産の買受人が買受代金をその納付の期限までに納付しないために、法第115条第4項«売却決定の取消し»の規定によって売却決定が取り消された場合である。
なお、法第108条第2項«最高価申込者とする決定等の取消し»の規定により最高価申込者とする決定の取消し等の処分ができる場合には(同条第1項第4号参照)、法第100条第3項ただし書又は第4項の規定を適用しないものとする(第108条関係24参照)。

(公売に係る国税)

11 法第100条第3項ただし書の「公売に係る国税」とは、公売保証金の提供を受けた公売処分の基礎となった国税(特定参加差押不動産を換価する場合にあっては、特定参加差押えに係る国税)をいい、交付要求に係る国税等へは充てることができない。

(残余金を交付すべき者)

12 法第100条第3項ただし書の「滞納者」とは、公売処分の基礎となった国税を滞納していた者(譲渡担保権者及び物上保証人を含む。)であって、公売財産の差押え時における権利者をいう。

(滞納者への通知)

13 法第100条第3項ただし書又は第4項の規定により公売保証金を国税へ充てた場合及びその残余を滞納者に交付すべき場合には、その旨を滞納者に通知するものとする。この書面の様式は、別に定めるところによる。 

公売保証金の返還

(証明書の返還)

14 納付保証委託契約証明書を税務署長に提出する方法により公売保証金を提供した入札者等に対しては、法第100条第6項各号に掲げる場合には、その証明書を返還しなければならない。

(法第105条第2項との関係)

15 法第105条第2項«複数落札入札において入札がなかったものとされる場合»の規定により入札がなかったものとされた場合において、入札がなかったものとされた者が提供した公売保証金があるときは、入札がなかったものとされた入札数量に相当するその公売保証金について、法第100条第6項第1号に該当したときの公売保証金と同様に取り扱う。

(その他の理由により最高価申込者を定めることができなかった場合)

16 法第100条第6項第2号の「その他の理由により最高価申込者を定めることができなかった場合」には、例えば、換価制限に関する規定(法第90条第3項、通則法第105条第1項ただし書等)に該当し、公売をとりやめた場合、災害その他やむを得ない事情により入札者等の全員について入札等がなかった場合等がある。

(買受代金に充てたもの以外のもの)

17 法第100条第6項第4号の「買受代金に充てたもの以外のもの」とは、最高価申込者が同条第1項第1号に規定する現金で納付する方法により提供した公売保証金で買受代金に充てなかったもの又は納付保証委託契約証明書を税務署長に提出する方法により提供した公売保証金をいう。

(最高価申込者の決定を取り消した場合)

18 換価財産に係る国税が完納され、最高価申込者の決定を取り消した場合(第104条関係6)には、最高価申込者が提供した公売保証金は、遅滞なく返還する(法第100条第6項第5号参照)。

(法第108条第3項との関係)

19 法第108条第3項«公売保証金の国庫帰属»の規定によって公売保証金が国庫に帰属する場合には、法第100条第6項の規定は適用されず(法第108条第3項後段、第108条関係23)、したがって、公売保証金は返還しない。