(企業価値担保権)
1 法第18条の2の「企業価値担保権」とは、事業性融資推進法第7条《企業価値担保権》に規定する企業価値担保権をいい、会社の総財産(将来において会社の財産に属するものを含む。)をその目的とすることができる(同条第1項)。
(法定納期限等以前の設定)
2 法第18条の2の「法定納期限等以前」には、その法定納期限等に当たる日を含む。したがって、その日に設定された企業価値担保権も、法定納期限等以前に設定された企業価値担保権となる。
3 企業価値担保権により担保される債権の範囲は、特定被担保債権(事業性融資推進法第6条第4項《定義》に規定する特定被担保債権をいう。以下同じ。)に係る確定した元本、利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部並びに不特定被担保債権(同条第5項に規定する不特定債権をいう。)である(同法第21条)。
なお、同法第9条第2項《企業価値担保権の限度額》の規定により極度額が定められた場合には、その極度額を限度とする(同法第21条第1項第1号かっこ書)。
4 企業価値担保権の設定の時期は、企業価値担保権設定者の本店の所在地において、商業登記簿にその登記がされた日によるものとする(事業性融資推進法第15条)。
5 法第18条の2の規定の適用については、第16条関係10と同様である。
6 法第18条の2第2項の「債権額を限度とする」とは、同条第1項の規定に基づき国税に優先する企業価値担保権により担保される特定被担保債権の債権額のうち、同条第2項の規定により国税に優先する元本債権額について、その企業価値担保権者に第18条関係2又は3の通知書(7又は8参照)が送達された時の元本債権額に相当する金額を限度とすることをいう。
なお、上記の通知書が送達された時までに企業価値担保権の元本債権額が確定しているときは、法第18条の2第2項の規定が適用されないことに留意する。
また、企業価値担保権に極度額が定められている場合の利息及び遅延利息については、通知書が到達した時の元本に対するものに限られるものでなく、被担保債権とされる確定した元本全体に対するものについて、極度額の範囲内で優先する(事業性融資推進法第21条第1項第1号)。
(差押えの通知を受けた時)
7 法第18条の2第2項の「差押えの通知を受けた時」については、第18条関係2と同様である。
(交付要求の通知を受けた時)
8 法第18条の2第2項の「交付要求の通知を受けた時」については、第18条関係3と同様である。
(差押え又は交付要求の競合)
9 差押え又は数個の交付要求(参加差押えを含む。)が競合して行われた場合においては、それぞれの通知を受けた時の債権の元本の額が、それぞれの差押え又は交付要求に係る国税との関係において、法第18条の2第2項の債権額の限度となる。
(企業価値担保権の実行手続以外の強制換価手続との関係)
10 企業価値担保権の実行手続以外の強制換価手続においては、法第18条の2第2項の規定が適用されることはない。
(注) 企業価値担保権の実行手続との関係において、差押え又は交付要求をした旨の通知を受けた企業価値担保権者については、法第18条の2第2項の規定が適用される(事業性融資推進法性第165条参照)。
11 国税につき徴している第三者に帰属する担保財産を滞納処分の例により処分する場合には、企業価値担保権者は配当を受けることができないことから(事業性融資推進法性第7条第3項)、法第18条の2第2項の規定は適用されない。
(注) 企業価値担保権の設定者が、国税につき徴している担保財産を取得した場合は、その担保権は企業価値担保権に先立って行使することができることから(事業性融資推進法第18条第5項)、法第18条の2第2項の規定は適用されない。
(権利を害することとなるとき)
12 法第18条の2第2項ただし書の「権利を害することとなるとき」については、第18条関係9と同様である。
(他の債権を有する者)
13 法第18条の2第2項ただし書の「他の債権を有する者」については、第18条関係10と同様である。
(この限りでない)
14 法第18条の2第2項ただし書の「この限りでない」とは、同項本文の規定を適用することにより後順位債権者の権利を害することとなる場合には、同項本文の規定を適用しないことをいう。