【照会要旨】

 私は、業務的規模の不動産所得と事業所得があり、青色申告の承認を受けておりますが、本年分の事業所得については、青色申告特別控除前の所得金額が赤字となりました。
 租税特別措置法第25条の2第3項の規定による青色申告特別控除(控除額55万円)は不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営む者を対象とするものとされているところ、上記のとおり、不動産所得は業務的規模であり、事業所得も赤字となっていますので、同項の規定による青色申告特別控除の適用を受ける余地はなく、したがって、租税特別措置法第25条の2第1項の規定による青色申告特別控除(控除額10万円)の適用を受けるものと考えますがいかがでしょうか。
 なお、青色申告特別控除(控除額55万円)を受けるためのその他の要件は、全て満たしているものとします。

【回答要旨】

 租税特別措置法第25条の2第3項の規定による青色申告特別控除(控除額55万円)の適用を受けることとなります。

 租税特別措置法第25条の2第3項の規定による青色申告特別控除は、不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営む者を対象として、それぞれの所得の金額の合計額を限度に最大55万円の控除を行うものです。
 この点、照会者の不動産所得は業務的規模とのことですので、照会者は「不動産所得を生ずべき事業を営む者」には該当しません。しかしながら、照会者には事業所得もあるとのことですので、たとえそれが赤字であったとしても照会者は「事業所得を生ずべき事業を営む者」に該当することになります。
 したがって、照会者は、不動産所得又は事業所得の金額の合計額を限度として(本件において事業所得は赤字ですので、業務的規模の不動産所得の金額を限度として)、青色申告特別控除(控除額55万円)の適用を受けることができます。
 なお、青色申告特別控除(租税特別措置法第25条の2第3項)の適用に当たり、その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳に係る電子電磁的記録の備付けを行うなど一定の要件を満たす場合には、最大65万円の青色申告特別控除を行うことができます(租税特別措置法第25条の2第4項)。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第25条の2第1項、第3項、第4項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。