【照会要旨】

 来年以後に支払うこととなっていた数年分の割賦償還金を繰り上げて本年支払いました。その結果、償還期間が短くなりましたが、これまでと同様に住宅借入金等特別控除の適用を受けることができますか。

【回答要旨】

 繰り上げて支払ったことにより償還期間が短くなったとしても、当初の契約により定められていた最初に償還した月から、その短くなった償還期間の最終の償還月までの期間が10年以上であれば、本年以後も住宅借入金等特別控除を受けることができます。

 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅借入金等の要件として、契約において、償還期間が10年以上の割賦償還の方法により返済することとされている借入金又は賦払期間が10年以上の割賦払の方法により支払うこととされている債務であることが必要とされています(租税特別措置法第41条第1項)。
 繰上返済等をした場合の償還期間については、繰上返済等の後の償還期間で判定することとしており、繰り上げて返済したことによって、「償還期間が10年以上の割賦償還の方法により返済することとされているもの」に該当しなくなった場合には、その該当しなくなった年以後については住宅借入金等特別控除を受けることはできないこととされています(租税特別措置法関係通達41-19)。
 したがって、例えば、借入金に係る契約において10年以上の割賦償還の方法により返済することとされている借入金を、その年に繰り上げて返済した場合であっても、当初の契約により定められていた最初に償還した月から、その短くなった償還期間の最終の償還月までの期間が10年以上であれば、その年の12月31日における実際の借入金の残高を基として住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第41条第1項、租税特別措置法関係通達41-19

注記
 令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。