マンションのリフォームは、住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等に該当しますか。
単なる壁紙の張り替えや壁の塗装だけのような内装工事の場合には、住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等に該当しませんが、一定の修繕・模様替を行ったことにつき、建築士による証明がなされたものについては、住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等に該当します。
マンションなどの区分所有建物のうち、その者が区分所有する部分の床、階段又は壁の過半について行う「一定の修繕・模様替」の工事も住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等に該当しますが、その「一定の修繕・模様替」とは、次に掲げるいずれかの修繕又は模様替に該当することにつき建築士により証明されたものとされています(租税特別措置法第41条第20項、租税特別措置法施行令第26条第33項第2号、租税特別措置法施行規則第18条の21第19項第2号)。
区分所有する部分の床の過半又は階段(屋外階段を除きます。)の過半について行う修繕又は模様替
区分所有する部分の間仕切壁の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替(その間仕切壁の一部について位置の変更を伴うものに限ります。)
区分所有する部分の壁(建築物の構造上重要でない間仕切壁を除きます。)の室内に面する部分の過半について行う修繕又は模様替(その修繕又は模様替に係る壁の過半について遮音又は熱の損失の防止のための性能を向上させるものに限ります。)
なお、具体的には、の「床の過半の修繕又は模様替」とは、フローリング床の貼替えや畳床からフローリング床への貼替えで全床面積の半分以上の工事などをいい、の「間仕切壁の一部について位置の変更」とは、間仕切壁の一部についてその位置を変えたり、取り外したり、新たに設ける工事をいいます。
また、の「遮音のための性能を向上させるもの」とは、遮音性能を有する石膏ボード、グラスウール、遮音シートなど特定の材料を新たに使用し、かつ、そのための適切な施工がなされているものをいい、「熱の損失の防止のための性能を向上させるもの」とは、一定の算式により算定した熱伝達抵抗のその工事後の値が工事前の値に比して高くなるものをいいます。
したがって、単なる壁紙の張り替えや壁の塗装だけのような内装工事の場合には、適用対象となる「修繕又は模様替」には該当しないこととなります(平成29年4月7日国土交通省通知「住宅の増改築等の工事を行った場合の所得税額の特別控除制度に係る租税特別措置法施行規則第18条の21第15項、第18条の23の2第1項及び第19条の11の3第1項から第6項までの規定に基づく国土交通大臣が財務大臣と協議して定める書類並びに既存住宅の耐震改修を行った場合の所得税額の特別控除制度に係る同規則第19条の11の2第1項の規定に基づき同条第2項各号に掲げる者の国土交通大臣が財務大臣と協議して定める書類に係る証明について」)。
租税特別措置法第41条第20項、租税特別措置法施行令第26条第33項第2号、租税特別措置法施行規則第18条の21第19項第2号、平成29年4月7日国土交通省通知
注記
令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。