【照会要旨】

 日本の居住者A(医業を営む者)は、米国国籍を有していることから、米国においても所得税の申告書を提出していますが、米国では、個人事業所得者については所得税以外に「自営業者税(セルフ・エンプロイメント・タックス)」が課税されています。
 この自営業者税は、我が国の所得税の計算上、外国税額控除の対象となりますか。

(注) 米国では、被雇用者については社会保険税が課されており、自営業者については社会保険税に代えて自営業者税が課されています。この自営業者税は、事業所得の金額を基準として課されますが、我が国の社会保険料に相当するもので、その税額の2分の1は米国の所得税の申告において所得控除されています。

【回答要旨】

 米国の自営業者税は、外国税額控除の対象とはなりません。

 米国の自営業者税は、事業所得の金額を基準として課されますが、社会保険制度の原資として徴収されるものであり、税という名称を付しても、我が国の税体系からみて所得税に相当する税とはいえず、社会保険料に該当するものです。
 したがって、自営業者税は、外国の法令に基づき課される所得税に相当する税に該当しないことから、外国税額控除の対象とはなりません。

【関係法令通達】

 所得税法第95条、所得税法施行令第221条

注記
 令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。