【照会要旨】

 大学教授であるAは、自身の研究発表のために、米国で開催される学会に参加し、旅費と宿泊費を支払いました。 この旅費及び宿泊費は、自己負担なのですが、これは「研修費」として給与所得者の特定支出控除の対象になりますか。

【回答要旨】

 給与所得者の特定支出控除の対象となるのは、いわゆる通勤費、職務上の旅費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費及び勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費等)とされています。
 ここでいう「研修費」について、研修とは、通常第三者が自己の有する技術又は知識を不特定多数の者に習得させることを目的として開設した講座等において、その第三者から訓練又は講習等を受けることによりその技術又は知識を習得するといった受動的立場での研修をいうものと解されます。 したがって、自身の研究発表のために学会に参加し、旅費及び宿泊費を自己負担しても、「研修費」として特定支出控除の対象とはなりません。

【関係法令通達】

所得税法第57条の2

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。